AI着色は昭和時代の夢を見るか(その39)旭川機関区5
PhotoshopのAIカラー化のニューロフィルターのプラグインの鉄道写真への利用を実験するこのシリーズ。まだまだカラー化のネタで引っ張ります。創成AIが隆盛の中、プロ用のAI君が合成CGではなくどこまで自然に実用のカラー化をしてくれるのか、今月も付き合ってください、ということで、今回も最初の北海道撮影旅行で1972年7月17日に行った旭川機関区で撮影したカットのカラー化の続きで5回目。これで旭川機関区で撮影したカットは全部出たんでおしまい。旭川機関区以外の続くオマケも付けました。

前回の最後のカットでは奥の線にいた49686号機が転線のため前に出てきたところで、非公式側の形式写真を押さえます。ほとんど色が入っていないカラー化ですね。それでもなにげに雰囲気は出ているのがミソでしょうか。エアタンクは北海道には珍しい、オリジナル空制機と同じ中高で、テンダは長軸という組み合わせです。九州ではこれが標準ともいえるのですが。それもそのはず、このカマは戦時中に渡道する前は新製以来ずっと東北地区に配置されており、空制改造も日本鉄道時代からの歴史のある郡山工場で行ったものと察せられます。それ以外の装備は北海道風なのは、戦後はずっと北海道、それも旭川の配置だったためです。偶然ですが、サイドロッドが形式写真らしい定位にきてますね。

転線した49686号機が、D51738号機と連なるC5530号機の前に連結され、異機種の三重連になります。これも色味は少ないのですが、この時期の北海道の機関区らしい雰囲気は良く出ています。機関車の汚れ・くすみ具合も9600とD51・C55で明らかにトーンが違い、D51とC55はそれなりに手入れされている様子が見て取れます。ここでも9600の正面の「架線注意」が効いていますね。こっちはデフのゼブラにうっすりと黄色味が入っているようです。キハ22は今度は部分で車輛と認識されなかったのか、ちょっとセピアがかかっていますがモノクロのままです。前回はきっちり気動車色に塗ってきましたから、「この物体が何か」という推論・認識が入ってのカラー化なのでしょう。

今回の問題作(笑)。711系ですが、この色は多分ぶどう色2号を意識していますね。というより全体にほとんど色を付けていない。ちょっと草を生やしたぐらい。ホントに草生えるですわ。客車はけっこう昔のバージョンからぶどう色2号で塗ってきていますから、その流れでこういう色になってしまったのでしょう。でも前回はちゃんと赤味を入れてきたのに。パンタが写っていないから、客車と認識したのでしょうか。とはいえフラッシュサーフェスのいわゆる軽量客車がぶどう色2号だったのって、昭和30年代までですよね。何とも謎な誤認なのですが、これはこれで面白いので、証拠としてAI君が出してきたままを掲載します。

ということで、旭川機関区はここまで。ここからはその続きのカットをお届けします。本日の主役、C5530号機の牽引する宗谷本線下り321列車。走行シーンは撮りたいものの撮影地まで行く余裕はないので、旭川-新旭川間の旭川駅の構内を出た辺りでの撮影です。この辺ならまだ力行中だろうと踏んで、煙が出てればなんとか絵になるだろうということでお茶を濁します。流石に機関区内とは違って、カラー化はかなり自然な感じです。これなら使えますね。スハフ32が2輛にスユニとマニという編成が宗谷本線らしさを感じさせます。余談ですが、ぼくはこの後も道北・道東には行ったことがないので、ここが個人的な道内で最北端かつ最東端な地点です。

ここらかは、午後の目的地苗穂機関区に向かう車中から、深川駅と深川機関区を写したカットが続きます。まずは特徴ある深川機関区のレンガ造りの機関庫。おなじみの「安全第一」の標語もちらりと見えます。その脇には深川機関区のD51347号機が待機しています。機関車の全体は写っていませんが、キャブのナンバーがバッチリ写っていますので、装備からの機番比定をするまでもありません。よく見ると、皿付きのクルパーを装備しています。72年のこの時期に標準形D51で皿付きクルパーというのは結構珍しいですね。ナメクジでは何輛か残っていましたが。深川区ゆえということなのでしょうか。全体の色味もいい感じです。薄日が射してきたせいでしょうか。貨車のウェザリングも中々リアルです。まさにジオラマ作りの資料に好適ですね。それで撮ったんですが。

今度は庫の脇を通過中のカット。隣の線では突放による入換組成の最中で、トラ45000にもレ12000にも作業係がぶら下がりブレーキを操作しています。この姿が撮れただけでも、今となっては貴重かも。チラリと奥に写っている一次型D51は、これまた深川機関区のD5162号機。この時点では深川機関区には5輛のD51が配置されていましたが、その内2輌を見れたことになります。その後ろに標準形D51のテンダーが見えますが、もしかすると留萌支区のD61かもしれませんね。トラ45000は、この色ではトキ25000ですね。それならけっこういい線行ってるんですが。もしかして妻板が鋼板プレス製なので勘違いしたとか。

最後は、突放のための入換をやっていた深川機関区の29622号機です。同機は長野地区が長く、1964年に坂町に転属、深川へはこの年の4月に移動してきたばかりのカマです。すでに全検期限に基づく広域配転が始まっていたので、北海道に転属してきました。北海道仕様には改造してありますが、長野工場形のキャブ吊輪や独特のテンダの形態など、北海道ではけっこうユニークな個性を発揮しているところも多々見られます。カラー化はなかなかの上出来。機関庫の裏側の情景はジオラマの参考になります。で、大発見。奥にチラリと写っているのは、深川支所のD615号機じゃないですか。ちゃんとナンバー読めますよ。偶然でもD61撮ってたなんて、半世紀以上経って初めて知りました。72年当時現役だった形式でD61だけは撮ってないと思っていたのでビックリ。今回最大の収穫。このカット引き伸ばしたことなかったし。
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