日本政府の見解では高コレステロール血症は脳出血の予防になるそうです

世界の医学雑誌Lancet は日本の健康行政を酷評しています。 vol. 376 September 11,2010
The administrative madness of health must be treated definitively. Primary care should be strengthened.

日本政府の健康政策は健康日本21で栄養政策は日本人の食事摂取基準です。
日本人の食事摂取基準2010年版までは「飽和脂肪酸は乳製品や肉類から摂取することが望まれる。」と重要な栄養素として摂取を推奨していました。理由は、飽和脂肪酸SFAは脳出血の予防になると、医学の常識と真逆の見解です。SFAの摂取量に下限を設けて” 4.5%以上 7.0%未満 ”と設定していました。
日本人の食事摂取基準2010年版 脂質 飽和脂肪酸 

工業化して冷蔵庫が普及すると畜産物の消費が始り、SFAの摂取が増えて高コレステロール血症となりHeart Attack(心臓発作)と Stroke(脳出血・脳梗塞)
が増えるが定説です。
Dietary Fat and Its Relation to Heart Attacks and Strokes  " Circulation 循環器科 " 1961

 

日本人も元来塩分摂取量は3g未満で " 敵に塩送る "と言われるほど貴重なものでした.。塩分の大量生産が可能になり、塩漬けにする習慣ができた東北で脳出血が増えましたが、出汁を使っていた南関東以西ではそうでもありませんでした。工業化により塩漬けが冷蔵庫に変わり、減塩指導により塩分摂取量が減って脳出血が減ったとの見方が常識ですが、日本政府は" 冷蔵庫の普及によりSFAの摂取が増えて高コレステロール血症となり動脈硬化に罹患したので脳出血が減った "との見解です。医学部生なら落第レベルです。この非常識な見解で栄養政策・健康政策を行っていますので、日本は世界最悪のNCDs大国になっています。結果責任を問われるべきでしょう。
 
東京大学社会予防疫学佐々木敏先生は、” 塩分摂取量で補正すると SFA は Stroke(脳出血・脳梗塞)の原因になる。SFAや高コレステロール血症が、脳出血の予防になるとの論文は塩分摂取量で補正されていない。”と医学雑誌 「Stroke」 に疫学調査を発表しています。
Dietary Sodium, Potassium, Saturated Fat, Alcohol, and Stroke Mortality
「2015年版」では 「諸外国の食事摂取基準やそれに類するガ イドラインでは、この数値を下回ると生活習慣病のリスクを高めるという値は設定されていない。動物実験で飽和脂肪酸摂取量を増加させると脳出血が予防できることは示されていない。」などの理由により「以上により、飽和脂肪酸の目標量を7%E以下とした。」と下限を撤廃しました。これで健康政策も飽和脂肪酸削減に転換されると思いましたが、何も変わっていませんね。
日本人の食事摂取基準2015年版 脂質 飽和脂肪酸 

現在の日本政府の健康政策では未だに高コレステロール血症は脳出血の予防になるとの見解です。

健康日本21 三次 2-2 生活習慣病(NCDs)の発症予防・重症化予防 �B脂質LDL-C高値の者の減少 P66
「脂質異常症は虚血性心疾患(冠動脈疾患)の危険因子であり、国内外のコホート研究にお いてLDLコレステロール値の上昇に伴い冠動脈疾患の発症率や死亡率が上昇することが 報告されているが、脳血管疾患については、LDLコレステロール値と出血性脳卒中に負 の関連を示す報告がある一方、高LDLコレステロール血症はアテローム血栓性脳梗塞の 発症リスクを高めることも報告されている。これらを踏まえ、LDLコレステロール値に関しては、lower the better を前提とした平均値の低下ではなく、カットオフ値以上の者 の割合を減少させることを目標とする。」と国民の平均コレステロール値 は下げない方針を示しています。心筋梗塞や脳梗塞が増えることは認めていますので、故意に病気を増やしていることになります。LDL-C値カットオフ値を160に設定しており、日本の現状の医療とも矛盾していますが、LDL-C値が160を超える国民が増えている事も報告しています。

高コレステロール血症は脳出血の予防になるので患者さんのLDL-C値は160以下なら放置との方針で診療している病院は日本にもないと思います。もしもあったとしても医療訴訟になっていると思います。


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