クルーガー・フラップにとことん拘ったフェアリーの作った、世にも珍しい複座の多用途艦戦です。大戦中もMk.Iが一応搭載されていたようですが、航続距離の短いシーファイア以上に影が薄かったようで・・・そこはかとなくブラックバーン・ロックやポールトン・ポールディファイアント等の古き良きイギリスの駄っ作機テイスト全壊といった雰囲気を漂わせています。
　　こんな機体ですが、見かけ通り頑丈だった点と、複座ゆえに全天候な所を買われて、朝鮮戦争では北朝鮮側の対空砲潰しに重宝されました。低空での運動性はかなり良かったようですが、後席の乗員にとっては、狭苦しいコックピットのおかげでかなり疲れる飛行機だったそうです。その後は対潜哨戒機として使われ、同じフェアリーのガネットに代替わりしました。

　　モールドは甘いものの、何となく野暮ったいアウトラインと一面に打たれたリベットとで、かなり実機に近い雰囲気を持ったキット。エアフィックスは自国物を作らせるとかなり良い仕事をします。キットは、プロペラを少々削ったことと、主脚カバーをプラ板で作り直したこと以外は無加工です。デカール貼り以前に、全体に薄めた黒のエナメルでウォッシングしています。