12月。ミレニアムもとうとう残り1ヵ月。20世紀にやり残したことがたくさんありすぎて、めまいがしてます。先月はロンドンに取材旅行に行っていて更新できませんでした。帰国して1週間以上、いまだに時差ボケに多くの時間を費やしてしまい、日々がだらだらと過ぎています。それでは11月ロンドンでの日常をどうぞ。
10月末日
8年ぶりのロンドン。8年前と違って緊張も不安も感じない。ただ乗り物酔いの激しさだけは変らないので、トラベルミンを多めに飲み、ブリティッシュエアウェイに乗り込む。あとは約12時間の飛行時間をどう快適に過ごすかだけ。この旅に備えて、CDウォークマンを購入した。氷室京介のNewCDに聞き飽きた頃、ヒースローに到着。ロンドンは予想外の暖かさ。
11月○日
出だし快調のロンドン。時差ボケにも悩まされず、2週間は連れのライター嬢も一緒なので、刺激されて取材も順調にすすむ。しかしここ数日、ロンドン近郊は百年に一度の大雨。洪水のニュースが毎日流れる。おかげで地下鉄は、今日はピカデリーラインが閉鎖とか、今日はジェブリーラインって感じで乱れまくってる。でも10年前は電車が止まるっていったらテロと決まってた(あと故障。これは今も一緒)。それこそ毎日のようにどこかで爆弾騒ぎがあって、乗り換えされられることより、今日も爆弾に当たらなくてよかったなんて思った。平和になったんだなあと、しみじみ。
11月○日
10年前借りていたフラットの大家さんと再会。彼女は当時同棲していたイギリス人の彼と結婚して、ロンドン郊外にチェダーハウスという伝統建築のお屋敷に住んでいた。昔私が暮らしていたフラットは、もう売ってしまったという。それはノーザンラインのフィンチェリー・ロード駅からすぐのマンションの1階の2LDKに、ながこさんという画家の卵とふたりで暮らした。20畳程のリビングに面した庭はマンションのプライベートガーデンだった。値段の割に、かなり贅沢な住まいだった。今回、連れが先に帰国してからの数日間暮らしたフラットは8畳1間。大家さん家族の住む建物に、私の他に3人の下宿人が暮らす。もちろん部屋の他にリビングなんてない。でもこれが普通の留学生ライフ。
11月○日
ピカデリーサーカスのタワーレコードで時間を潰していたら、突然、地下フロアが閉鎖。表を見ると、若い女の子たちの行列ができている。なんだろうと思ったら、店員さんがカードをくれた。ウエストライフという男の子5人のアイドルグループだ。日本のスマップみたいな存在。彼等が来るのだ。思わず列に並んじゃおうかと思ったけど、友達と食事の待ち合わせをしていたので断念。列の子たちはまだ陰も見えないのに、悲鳴。こういう光景は世界共通。女の子たち、かわいい。この日ウエストライフはランキングで1位だったけど、数日後、ビートルズのアルバムが出て、一気に抜かれた。そのとき2位だったバックストリートボーイズを購入。曲調がウエストライフと似ている。あと自叙伝を出版して話題のローマンも似ている。これも購入。どれも温かさに包まれているような気分になる。そういう単純な快感が気持ちいいこと、久しぶりに分かった。ロンドンは単純になれるところがいいかも。ところでロンドンでCDを買うと、日本で輸入CDを買うより高い。これはロンドンの消費税が17%もするから。
2000年12月号のあとがき
もっといろいろ書きたいけど、それは来年3月に出版予定の「Happy
London」(双葉社)に書きます。今、書いているところです。断片的に言うと、ロンドンではバレエを始めたし、サッカー(イギリス人はフットボールという)も見に行った。料理も作ったし、買い物もたくさんした。アロマテラピーもしてもらった。普段の旅行なら、たった1ヵ月でこんなに盛り沢山はしない。最後の数日間は正直な話、暖かい国で、例えばニュージーランドの田舎でヌボーっと過ごしたいと切に思った。でも帰国してみると、もう一度、ロンドンに戻りたいと思う。そういうただの怠け者ですが、皆さん、来年21世紀からも、よろしくお願いします。
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