フィクサー’ズ コレクション
Future Days専属フィクサーがご案内する’70〜’80sの名盤コレクション
和洋中問わずでもエエもんのみ!」
 
 
 
 
1.1.Updated
Shinnosuke Asai : Fixer
 
 

沖縄の空と海と風を愛して止まない現役ダイバー。マンタに食べられそうになった経験あり。伊豆の海も大好きっすよ!

 
 
 
 


最終回 安部恭弘「SLIT」の巻

 ココアがおいしい季節になりましたね。私にとって、この季節のマストアイテムといえば安部恭弘(以下彼)のサードアルバム「SLIT」(東芝EMI:CA35-1100)を置いて他にありません。1984年発売。

 WHO IS 安部恭弘?1956年1月13日生まれ東京都出身。1982年ヨコハマタイヤCFソング「We Got It」でソロ・デビューを果たし、その後は作曲家としても活動しながら自身のシングル、アルバムをリリースし続けてきました。所謂「ポップス/ニューミュージック」といわれたジャンルの、私が角松敏生と並んで一番愛する歌手です。最近個人名義での作品をみかけませんが、コンサート、ライブなどで地道に歌っているようですね。

  1984年当時、中学3年生だった私は「鶴光のオールナイトニッポン」で、アルバムにも収録されている彼の「DOUBLE IMAGINATION」を初めて聴いたのです。山下達郎の「悲しみのJODY」を聴いた時のあの衝撃とはまた異質の「この歌カッチョエエ!!」というショックに、眠気がイッパツで覚めてしまったことを覚えています。当時発売されていた日産スカイライン(DR30=ニューマン・スカイラインね。懐かしいでしょ?)のCMソングにも採用されており、「DOUBLE〜」のシングル盤の裏面ジャケットにはスカイラインの写真が印刷されて「いかにもCMソング」っていう趣の体裁になっております。中学3年生・・・多感な時期でしょ?高校受験に怯えたりオトナの世界に興味をもったり女の子にフラれたり根拠のないコンプレックスにさいなまれたり・・・そんな感受性の豊かな時期に彼の音楽と出会えてホントに良かったなと、30歳の今になっても感じずにはいられません。このアルバムを聴くとすぐに、あの頃の自分にトリップできるんですよ。それぐらい自分にとって思い入れがたっぷり染み込んだアルバムなワケです。

  それにつけても「鶴光のオールナイト」では、今考えるとすんごくイイ音楽がローテーションされておったんですよ!スタレビ、ヴァン・ヘイレン、高中正義、杏里、そして安部恭弘etc.う〜んこうして並べてみると、私の音楽の好みっていうのは、鶴光師匠によって刷り込まれたのかもしれませんねぇ・・・おっま〜!!

 と、思いつくまま自分のコレクションの中から作品を紹介してまいりましたが、ジャンルを問わず共通しているテイストは「瑞々しさ」ってことなんじゃないかな?と、過去の連載を振り返ってみて感じました。聴いていると作者が描く世界が目の前に浮かんでくる、すんなり音楽に感情移入できてしまう。創る方も聴く方もアタマを使ってなんとかして楽しんでやろうと下心を剥き出しにしている。そんな音楽に出会えるチャンスって、現在の我々にはなかなか残されていないんじゃないでしょうか?どっちかって言うと、聞こえてくる音楽に思わず耳を塞ぎたくなってしまう。そんな衝動にかられる瞬間のなんと多いことか!自分の感受性が鈍ってきているのかな?いや絶対に違うな。「昔は良かった」大嫌いな言葉だし。ん〜解らんなぁなんでかなぁそれが解れば評論家になれるなぁオレ・・・

  というわけで、来月はもう21世紀!!来月はまた違ったお題を掲げた作文にてお目にかかります。その折にはどうかよろしく。浅井 真一郎でした。

 

 
 
 
 
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