UIC コードの読み方

(03/09/05)

ヨーロッパでは、基本的に(ゲージが違っても)線路がつながっており、国際列車も多く、車輛も一国内だけでなく、ヨーロッパ全体で運用されています。これは、鉄のカーテンのあった東西冷戦時代から行われており、共産圏から西欧圏に直通する列車も存在しました。東ドイツから、西ドイツに直通してくる01-5型など、40代以上のファンにはなつかしいと思います。このため、ヨーロッパの車輛全てに、共通かつユニークな形式番号をつける必要があります。客貨車についてのこの形式番号がUICコードです。これは国際鉄道連合(UIC・パリに本部がある)によって制定されたものです。UICでは、この他、列車の国際運転のための規格制定、国際間の運転ダイヤ調整、連絡運賃の精算等を行っています。このように、UICコードは、欧州型に興味を持つヒトには「必修科目」となっています。雑誌、書籍等いくつかの資料から、個人用に解読表を作りましたので、ご参考までに掲載します。なお、元にした資料の関係から、このデータは1998〜2000年ごろの情報です。いくつか、勘違いや間違い(そもそもスラブ系とか、ほとんど歯が立たない言葉もあるし)もあると思いますが、その当りも含め、ご容赦ください。

UICコードの例

51 50 59 40 091-8

意味 上記の例
1,2桁目 車輛のタイプ 51(国際列車用・固定ゲージ客車)
3,4桁目 所属鉄道と国籍 50(旧東ドイツ国鉄)
5,6桁目 車輛の仕様 59(2等簡易寝台9室)
7,8桁目 最高速度と暖房方式 40(最高速度:140km/h、暖房:蒸気、AC1000/1500V、DC1500/3000V)
9-12桁目 シリアルナンバーとチェックディジット 091-8(同形式の91台目、8はチェックディジット)
UICコードについては、客車、貨車、共に共通の構造をしていますが、客車が1〜8桁全てに意味があるのに対して、貨車についてはUICコードとしての規定があるのは1〜6桁目だけで、7桁目以降がシリアルナンバーになっています。但し、7桁目は基本的には日本の車輛でいう「番台(2000番台とか900番台とか)」のような、大きな設計の違いに対する「くくり」として使われています。

(c)2003 FUJII Yoshihiko

「HOゲージのお話」にもどる

はじめにもどる