「夢」を大人買い

-今月のホビー日記・2007年6月-




6月30日(土)

本日にて、今年も上半期は終わり。なんともスタミナを消費する暑い一日ながら、箱庭プラモデル改造の商店をフィニッシュ。けっきょく、裏側の壁、窓、引き戸、と全部作ることになったが、骨組みと屋根だけでも、格段に楽ではある。ということで、雰囲気から造り酒屋にすることにし、杉玉を製作。フォーリッジにボンドを混ぜ、粘土状にして指で丸め、マリモのようなモノを作る。しかし、こういう看板の記号性というのはたいしたもので、これだけで「酒屋」って気分になるからスゴい。てなわけで、所定の5軒が、一応揃った。

6月29日(金)

国鉄時代の特集は、峠越えと重装備D51。しかし、撮り鉄専科のヒトは、どうして「黒煙モクモク」が好きなんでしょうね。鉄道が、乗客と住民のためのものである以上、「黒煙を出しまくっている状態は、その両者にとって、決して好ましくないものであることは、蒸気時代を身をもって知っているひとならわかると思うし、鉄道としては美しい状態ではないと思うんだけどねえ。蒸気での御召列車の運転がどういうものか知っていれば、理想的な蒸気の運転法がどんな状態か想像つくとは思うのだが。個人的には、黒煙出しマクりの写真って、決して好きではないのだが。

6月28日(木)

やっとのことで、国鉄時代のDVDをガキと見る。今回の特集は、基本的にはぼくでも撮影の記憶のある線区なので、確かに小海線とか、オハ31なんかつながっていて、資料的に貴重なことは貴重なのだが、映像そのもののインパクトは、ちとかける。そういう中では、私鉄・専用線の映像のほうが貴重かも。まあ、大畑で回送の86が有火でくっついているのは、珍しいといえば珍しいけど。まあ、そういう意味では、栗野でD51170の回送を撮ったことがあるんだけどね。人吉区は、鹿児島工場扱いだったし。

6月27日(水)

最近、マニア向けのメディアでは、10月オープン予定の鉄道博物館関連のパブリシティーをよく見る。ビーイング長門大幸氏の「オロナミン理論」ではないが、パブリシティーというのは「高きから低き」にやって行くモノなので、現時点では、マニア、趣味人中心というのは、口コミの誘発も含めて、正解といえる。そういう意味では、その手の施設の広報としては、プロの目で見てもなかなかウマくやっているといえるだろう。もっとも、施設自体は一般向けなので、晩夏ぐらいから、マスメディアでどう取り上げてもらうかが正念場ではあるのだが。

6月26日(火)

やっとのことで、蒸気機関車200年史を読み終わる。やはり、自分の持っている知識の偏りを実感。けっきょく、技術史的には19世紀前半のこと、国別にはイギリス・フランスのこと、特にフランスのことが疎いということを実感。まあ、興味のありようなのでしょうがないよね。でも、国ごとの事情がよくわかるという意味では、なかなか充実した内容だ。技術史というよりは、経営学で言う産業史に近いといえるだろうか。

6月25日(月)

ひとまず、できるところまでストラクチャを作る。ちょっと勘違いがあり、窓枠は、ストックであったヤツだけでは、2つばかり足りないコトが判明。とはいえ、件の窓と、接着剤が乾くまでは塗れない理髪店の方の屋根、あと照明関係を除けば、一応建物のカタチにはなる。まあ、最初に食玩屋の店頭でブツを見つけたときのイメージは、一応再現できたかな。街コレっぽい「ノリ」は、まあまあ出ていると思うし。その発想自体をどう思うかは、さておいたとしても。

6月24日(日)

金・土・日と、空いた時間をうまく使って、ストラクチャーの塗装と組み立て。ひとまず二軒とも、窓と電装を除いた「ドンガラ」は出来上がる。まあ、一応ファザードとはうまくつながったかな。サイズ的にも、それほど違和感はない。「でか街コレ」というコンセプトは、それなりに再現できた模様。勢いに乗って、もう一軒。箱庭プラモデルの改造で、古風な商店を作ることに。箱には1/60とか書いてあるけど、元がスケールではなく、ある種のイメージをカタチにしたモノなので、ちょっと手を入れれば、充分使える範囲。これで、所定の5軒は一応揃った勘定。

6月23日(土)

天賞堂の2F・3Fが、一部模様替え。レジカウンターができ、御支払はカウンターでまとめて、という形式に。なんか、一段と量販店化が進んでいる感じ。多分、レジはオンライン管理をしているのだろうが、手書伝票での処理は変わっていないのがなんとも。これが、POS管理するようになったら、全くもって量販店になってしまうのだが。

6月22日(金)

JR東の東北本線・高崎線大宮-さいたま新都心間で、大規模な停電事故。停止信号で停止した際、架線のつなぎ目の停車禁止区間に食い込んでしまったため、架線間でショートし溶断した模様。けっこう珍しい事故。なんか、天賞堂のカンタムサウンドD51を、DCで使っていてショートし、炎上する事件があったのを思い出してしまった。それにしても、今月は15日の連続人身事故といい、トラブルが多い月だなあ。

6月21日(木)

Models IMON製の、C61完成品の発売日。五反田工房による日本製の蒸気は初めてなので、どんな仕上がりになっているのかと見に行く。特定番号機なので、乗工社時代の蒸気に比べると作り込んであるが、懲りずぎず、すっきりと仕上げた感じは、うまく受け継がれている。上品でいい感じ。それにしても、木を見て森を見せないようにしている、16番のフルディティール・特定番号機とは違い、いいバランスに仕上がっている。塗装は、より一般的になっており、シンガーフィニッシュで、乗工社の通常仕上げぐらいの感じか。元の値段がそれなりなので、シンガーフィニッシュも、そんなに値が張る感じはしないし、こっちの方が正解。

6月20日(水)

4Fに行くと、「蔵出し」のついでに、趣味誌の大量放出があった模様で、70年代からの趣味誌が箱積み状態。出し切れないので、小出しにしているということだが、確かに、ファン・ジャーナル・ピクトリアル、TMS・とれいんに、一部RM、RMMまである。別冊系もかなりあり、久々にTheレイルの持っていないのを、数冊入手。ムック系はなかなか出てこないが、特に天4の値付けがお得なので、ないのが見つかるとうれしいもの。今月は、国鉄時代や蒸気の時代も出ているはずで、けっこう読み物が溜まるなあ。モジュール仕上げなくちゃいけないのに。

6月19日(火)

趣味誌の店頭発売日。ぼくは、レギュラーで買っているのは「とれいん」しかないのだが(模型も実物も、ニュースがバランスよく乗っていて、あとから資料として調べるときに一冊で済むから)、今月のように全誌一斉発売だと、各誌まとめて大量購入するヒトがけっこういることにビックリする。一誌だけでも、保存に苦労するのに、実物4誌、模型3誌買っているヒトは、一体どうやっているのだろうか。Book Offとかに売っちゃうのかな。てなワケで、移動の途中で途中下車し、モデルワムをちょっと覗いたついでのワンカット。複線同士がこれだけ絡むと、いかにも模型的、それもNっぽい感じがあふれてるなあ。

6月18日(月)

昨日、JAMの説明会に参加した近藤さんから、概要の報告。12mmモジュールは、「個性あふれるレイアウトを集めた」とされるEゾーンの角のところ、とのこと。図を見ると、中央のメインの通り沿いで、大手メーカーのブースのとなりという、レイアウトゾーンでは、かなりメジャーなところ。これは気合いが入りますねえ。一応、動くことは大丈夫そうなので、カメラカーも活用して、かなり「見せる」企画を考えないとね。

6月17日(日)

木造の店舗のほうは、下見板というか、羽目板というか、なんとも微妙なディティール表現で、それがまたけっこう味わいになっているので、なるべくその味をマネながら、側板を作る。けっこう手間がかかってしまった。今日は、ガキの参観日なので、学校まで行くあいだある古い木造家屋をついでに観察。細部の構造も、よくわかったので、それを活かしてひとまず各面の側板は完成。こんなもんでしょうか。

6月16日(土)

日射しが暑くて外に出るのがおっくうなワリに、室内の気温はそれほどでもなかったので、ストラクチャーの工作の続き。ひとまず、商店を二軒。前に見つけた、昭和風商店の店先の食玩。およそ1/72ぐらいの感じだが、これをファザードとして利用し、残りの建物本体をスクラッチで作ろうという計画。設計は昨日済ませておいたので、切り抜きと組み立て。モルタル塗りの店のほうは、各面の側板を完成。木造の店のほうは、材料の切り抜きまで。まあ、カタチは見えてきた。

6月15日(金)

トレインスコープは、松村さんのカメラカーとカブらないチャンネルで、一番大きいの(小さい方から選んで買うヒトが多いと思われるので、大きい方が他のクラブとカブらないのではないか、と考えたのだが)、ということで、10チャンネルを購入。続けて、モジュールの製作も再開。まずは、ストラクチャーの残りを完成させるところから。まあ、地面ははじめれば勢いで作れるけど、ストラクチャーは工作モノなので、けっこう手間と時間を取るからなあ。

6月14日(木)

レイアウトビルダースの第三巻が出たので、早速買ってくる。今回の特集は、西武百貨店の社長や参議院議員を勤めた、水野誠一氏。有名人の中でも、この手の趣味を持っているヒトは、実はけっこういるのは確かだが、昔は、あくまでも密かにたしなむものでしかなく、まさか、スキャンダルになって地位を失うというワケではないのだろうが、カミングアウトするヒトは極めて少なかった。しかし、昨今はけっこうお天道様の前で告白するヒトも増えたようで、趣味としての社会的認知には、けっこうパブリシティーになっているようだ。

6月13日(水)

「下宿人 四角い畳を 丸く掃き」ではないが、なるほど都営地下鉄というのは、公営交通。従業員が地方公務員というだけあって手入れが悪く、施設も車輌も、ホコリがつもってくすんでいる。久々に新宿線に乗ったら、この前入ったばっかりと思っていた10-300系が、もうすっかり薄汚れてツヤを失っている。下手すると、JRの「10年経った209系」のほうが、まだきれいだぞ。それでいて給与ベースは高いというのだから、何をか言わんや。そういえば、税配分の変更で増加になった、都税の住民税の追加請求が来ていたが、仕事をしない職員の給与を下げる方が先じゃないのか。まったく。

6月12日(火)

接合会で大好評の、「トレインスコープ」。クマタに売っているというので、早速どんなものか視察にいってくる。なんと、思っていたより全然安くてサウンドデコーダ以下の値段だし、完パケになってて、載せるだけで装着可能なのね。本体も、想像したよりずっと小さいし。こりゃいいや。大量に導入しちゃおうかな。とはいっても、3チャンネルしかないんだけど。

6月11日(月)

ひとまず5月の「死のロード」は、コレにて一段落。久々に、ゆったりとプライベートな時間が取れる。溜っていた本を、取り出して読む。まずは。「蒸気機関車200年史」。とはいってもこの本、めちゃ分厚いので、ひとまず前半を読み切る。19世紀における、蒸気機関車のメカニズムの発達史のところ。けっこう知らない事実や、勘違いしていた事実もいろいろあることを発見。言われれば、なるほどと思うのだが、ある種、興味の対象が「メカが確立してからの蒸気」にあるので、今まで、あまり知るチャンスがなかったことも確か。ま、この年になっても学ぶことは多い、ということでしょうか。

6月10日(日)

8月のJAM参加に向けて、12mm地鉄モジュールプロジェクトの、接続試験会。池袋の日出小学校跡を利用したパブリックスペースを借りて、20モジュール以上が集合。ベニア平原もかなり残っているものの、ひとまず、所定のスペースのエンドレスは組めた。調整が必要なモジュールこそあったものの、致命的な問題はなく、今回も、つなげばサクサク走る。ぼくの担当部分も、ポイントのフログの配線が、PECO製品の構造上、DCCとしてはちょっと特殊なモノになってしまったのだが、皆さんのいろいろな車輌も、問題なく通過。逆に無電区間がないので、おなじみ、「奥さんのモーターカー」もスローで通過できた。しかし、今回の圧巻は、なんといっても松村さんのカメラカー。これは楽しい。見ていて楽しいだけでなく、ポイントが切り替わっていないのを目視で発見し急停車するなど、けっこう役にも立つぞ。

6月9日(土)

日曜に行われる、12mmモジュール接続試験会の準備。駅舎モジュールは、ターフ撒きと側線側ホームの制作。ポイントモジュールは、買ってきたデコーダの取り付けと配線、調整。ワリとサクサクできたので、残った時間は、線路磨きと車輪磨きにあてることができた。まあ、これで問題なく走ると思うのだが、どうなりますやら。中には、想定外の規格の車輪のついた車輌もあるし。

6月8日(金)

二度に分けてだが、今週は、結果的に地下鉄丸の内線を全線踏破。基本的に、丸の内線は、赤坂見附-大手町間以外の区間に乗ることはほとんどないのだが、けっこうホームドア化が進んでいることにビックリ。ホームドアを設置することは知っていたのだが、こんなに進んでいたとは思わなかった。逆に、ぼくが乗る可能性のある都心部の区間だけが、ドアなしのまま残っているという感じ。しかし、ドアセンサの構造を見ると、ワンマン化ではないようだが、一体なんのため。

6月7日(木)

模型業界の方と、酒席で意見交換。例のNHKの「趣味講座」の鉄道模型は、多少のプラスの影響はあったものの、マスコミで言われているように、ブーム復活、というほどではない、というご意見。まあ、それでも母数が小さいので、反響が目立つといえば目立つ、ということのようだ。団塊世代は、絶対数は大きいので、それなりのリアクションにはなるが、実は鉄道模型市場が今後どうなるかは、やはり「SLブーム世代」が復活するかどうかにかかっている、というのが正解なのだろう。

6月6日(水)

珍しく、コレクションにない12mmの出物があったので、がっちりGET。まあ、元が安いモノで、躊躇なく購入してしまう程度の価格。まあ、最近ではけっこうコレクションが充実してしまって、さらにラインナップに加えようと思うタマも限られているので、ないモノが手に入るというのは、ラッキー。地鉄モジュール向きの車輌ではあるが、けっこうDCC化に手間がかかる機種なので(同様の構造を持つ車輌を、レトロフィットでDCC化して、けっこう手間取った)、今週末には、ちと間に合いそうにない。夏までに対応すればいか。

6月5日(火)

家事の都合で休みを取らなくてはならなかったのだが、少し時間があまったので、多少はモジュールのシーナリーやストラクチャのほうにも手をつけておくか、とばかりに、必要な模型用角材を買いに、東急ハンズへ。この一月ぐらい、この関係で実にハンズへはよく行く。角材は、B1の木材コーナーが、東京都心では一番揃うのだが、お目当てのサイズは、あいにく品切れ。しかし、ハンズはこれだけではない。7階の模型コーナーにも、昔で言う「模型飛行機用角材」はけっこう揃っているのだ。ということで、店内2カ所ハシゴで、必要な材料を入手。ところで、7階の模型コーナー。鉄道コレクションの、「開封売り」をしているんだよね。第四弾は、けっこう気になる車種が多いだけに、つい手が出てしまう。ボディーはいいけど、動力化すると、けっこう散財になっちゃうんだよね。いかんなあ(笑)。

6月4日(月)

通電テストと称して、アナログとDCCで、それぞれ車輌を入れ換えて行ったり来たり。フログとノーズレール部分でのショートの危険性が心配だったが、これは問題ないみたい。しかし、PECOのターンアウトはけっこうキツく、蒸気とかでは、物理的に通過できない車輌がけっこうある。感じとしては500R弱、というところだろうか。352Rとはいわないが、600Rをクリアしても、反位側は辛いものがある。まあ、創発的な結果論ではあるが、今回は一線スルーの配線にして良かった、というところか。

6月3日(日)

来週には8月のJAMに向けた、12mmモジュールのテスト用の運転会があるので、新作モジュールの整備。とはいっても、新作は駅のポイント部分。実際の運転会同様の負荷テストが済んでからでないと、恐くてシーナリーを作れないので、今回は線路のみ。レールは敷いてあったので、DCC用をメインにしつつ、アナログでもつなぎ換えで使用可能なバスの結線を考え、配線三昧。ひとまず通電テストでは、問題なかったので、一安心。とはいうものの、ポイントマシン用のデコーダーが一つ足りない。これは直前作業だな。

6月2日(土)

この時期恒例の、学校のときの鉄研のOB会に顔を出す。OB会とはいっても、結構年齢層が限られていて、出席者は、今の年齢で、ほぼ40代から50半ばまで。ということは、1972年に小・中・高・大の学生・生徒だった人々。要は、現役蒸気の最後に間に合った、SLブーム、鉄道100年世代なのだ。まあ、いつも言っているけど、鉄道が社会的にブームになり、「一億総鉄ちゃん」みたいな脚光をあびたというのは、前にも後にもこの時だけだし、その中でも自分の鉄分を自覚していた連中だから、その濃さは半端ではない、ということでしょうか。

6月1日(金)

古本屋で、珍しく廉価な「the レイル」があったので、2冊まとめて買ってくる。資料的にも読み手のある記事が多いムックだが、偶然いいネタを発見。「記憶の中の鉄道風景」に使おうかと思っていたコンテンツで、どうにも考証ができないものがあったのだが、この情報を使えば、ウマく解決できるかもしれない。一番基本的なフックが失われちゃうと、情報を検索しようにも、その術がなくなってしまう。そういうモノに、偶然出くわすというのは、実にラッキー。今度、これを使って、じっくり調べてみよう。


(c)2007 FUJII Yoshihiko


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