「夢」を大人買い

-今月のホビー日記・2009年2月-




2月28日(土)

日経の夕刊、社会面のトップは「さよならブルトレ」と、記事面の半分近くを使った特集記事。それだけでなく生活面は、「鉄道であそべる施設へGO!」と称して、京王レールランド、電車とバスの博物館等、民鉄の企業博物館やグッズショップの特集。さながら、一番「鉄」な新聞は俺だ、と主張せんばかりの大特集。まあ、もともと日経の土曜夕刊は閲読率が低いのだが、この未曾有の金融危機の中、こんなに平和でいいのかね(笑)。それより、この夕刊、なんと8ページ建ての上、広告がほとんど入っておらず、全3段が3本と全2段が1本、あと案内が2段というていたらく。こっちのほうがよほど問題では。

2月27日(金)

このところ、キット改造や加工ではなく、スクラッチの車輌が中古で出てくるのを、よく見かけるようになった。ペーパー製のハコモノから、ブラス製の蒸気まで。エッチング板からの自作なら、前から時々見かけたが、フルスクラッチが見られるようになったのは、最近の傾向といえるだろう。キット組み立てとか、多少加工したモノとかなら、飽きてきたり、新たにまた作り直したりということで、手放すヒトも多いが、自作品は順序としては最後になるのが人情であろう。ということは、やはり「遺産」が多いということか。でも、こういうのこそ、誰がどういう思いで作ったのかがわからないと、本当の意味の評価はできないと思うんだけどね。

2月26日(木)

226(笑)。山陽・九州新幹線直通列車の愛称が、「さくら」に決定。まあ、このニュースなら、一般紙やワイドショーーのネタになっても、そう違和感はない。休止中の愛称名の「大物」といえば、「富士」「さくら」「はと」といったところだろうが、走行区間から「富士」はないとして、「さくら」「はと」では、「つばめ」「かもめ」と鳥の名前で攻めているJR九州だと、「はと」が有利かと思っていたが、歴史のある「さくら」ほうできたのね。まあ、「はと」は戦後派の愛称なので、東海道・山陽新幹線的には、戦前からの歴史がある「さくら」のほう、というワケか。それならいっそ、アジアの九州ということで、「あじあ」のほうが良かった気も。そもそも、「のぞみ」「ひかり」は、鮮鉄の欧亜連絡列車の愛称がルーツだし。

2月25日(水)

この前の大量仕入の延長か、雑誌・書籍が大量放出。とはいっても、「とれいん」は全揃、TMSも30年分以上全巻あるので、本誌関係は関係ない。今回は、数が多いのか安めだったので、昭和40年代のTMS特集シリーズを何冊か入手。実は、この時代の特集シリーズは、オリジナル記事を持っていたので、お金の少ないティーンズの身としては、それを買うより、撮影のフィルムか模型にかけたほうがよく、購入していなかったのだ。ほとんど読んでいない様子で、状態もなかなかいい。どの記事も、オリジナルの号の表紙が浮かんでくるようで、これはこれでノスタルジアをかきたてられる。というか、若い頃って、ホントに記憶がいいのね(笑)。

2月24日(火)

ちょっと前からその傾向はあったし、ここでも前に取り上げたことがあるが、HOスケール新幹線0系の中古の相場感が、明らかに高値安定になってしまったようだ。こりゃ強気だな、という値付けがされていたタマが、けっこう早く動いてしまっている例を、立て続けに数回見てしまった。まあ、中古・骨董の相場は、買い手がいくらまでで買うか、というところで決まるモノなので、まあ、それはそれで買い手がつけば結構なのだが。ブームなのか。ということは、次はブルトレ?まあ、これは量産品もあるからなあ。

2月23日(月)

○天の、晴海通りに面したショーウィンドウ。今まで、天賞堂模型部の原点といえるニューワン製タンクロコと、初期のビッグボーイが展示してあったのだが、それらが階段脇に移動し、新たに鎮座ましましたのは、バンダイ製「昭和銀座ジオラマ」。昭和30年代の銀座をモチーフに、人形や都電が動いたり、ネオンが点滅したりして、ジャンル的には、模型というよりトイに近いモノだが、場所柄という意味では申し分ない。どうせなら、天賞堂販売分のみは、ジオラマの中に天賞堂の看板がついているようにすればいいと思うのだが。しかし、これで19万8千円というのは、DDFの中国製ジオラマを考えると、けっこうな値段ではある。まあ、トイレベルの強度や耐久性があるのなら、それはそれで仕方ないのだろうが、果して……。

2月22日(日)

横浜から帰ってくるのに、多少時間があったので、湘南新宿ラインを使ってみる。基本的には、東横線経由で、学大か祐天寺が近くて早いので、そんなに使うワケじゃない。湘南新宿ラインの北行では、渋谷は先頭が有利なので、必然的にかぶりつき。しかし、この路線の前面眺望は初めての経験。なかなか面白い発見がいっぱいあった。大井の工場には、クモハ12がいたが、一緒にだいぶ色あせていたものの、クモニ13もいるではないの。そんな形式も、保留で持っていたとは知らなかった。でも、表から見えるところに出てたのって、なんかイベントとかで使うのかな。

2月21日(土)

昔、とある古書市で4冊セットで購入した海外の鉄道の本。4冊セットだったので、全4冊とばかり思っていたら、実は第5巻があるということを後から知った。その後も何度か、5冊セットでは見たのだが、5冊目のバラは見たことがない。そんなに、シャカリキになって探すほどの事もないと思って、まあ出会ったら買うか、ぐらいに思っていたのだが、やっと見つけた。こういうことは、気長に構えるのに限りますなあ。

2月20日(金)

某店に、前からちょっと気になって欲しかったものが、セールで出てくる。こういう、心に引っかかるものは、我慢するより買っちゃったほうが、あとあとの精神衛生上はよほど良い。ということで、帰りがけに購入して帰ってくる。しかし、これ、HOn3なんだよね。また、新しいゲージに手を出しちゃったよ。ヤバ。現状では、線路もほとんどないし(ジャンクレールに、12mm、10.5mm、9mmナローと混じっているのを、一山いくらで買ってきたことがあるので、皆無ではない)。ま、出来にしても、値段にしても、保存機関車じゃないけど、置物にしておいてもいいくらいのモノなので、持っているレール使って、ショーケースに入ったお立ち台ぐらい作ってやろうかな。

2月19日(木)

本来なら、趣味誌の店頭発売日だと思うのだが、最近は、天賞堂でも木曜日の店頭発売日に、廊下のところで雑誌販売だけやる、というのをやっていないようなので、関係なし。夕方に原宿のIMONにでも行けば、買えることは買えると思うが、行く時間もないので入手はせず。「とれいん」誌の3月号は、例年年越し運転特集だが、今回は大晦日が忙しすぎたので、参加せず。ということで、去年の年越し運転の「別テイク」にてお茶濁し。

2月18日(水)

ブルートレイン、国鉄時代を再現し復活企画だと。JR九州の団体旅行臨時列車扱いで、九州線内だけだが、長崎−門司港間で、20日の下りが「さくら」、21日の上りが「あかつき」として走るらしい。昨今の「ブーム」を考えると、けっこう稼げるネタかも。いっそのこと、一編成だけ「動態保存」して、団体企画専用車輌として活用したら。実はこれ、マニア的には、「門司港駅にブルートレインが入る」ところがインパクトですね。門司港駅の機廻り線って、生きてたのか。

2月17日(火)

最近、鉄道模型バーが増えているというウワサの新宿を視察。同好の士と、2軒ほどハシゴ。確かに、けっこうお客さんも入っているし、「ノンケ」のお客さんも、ブームのせいか、それなりにやってきて楽しんでいってくれるとのこと。しかし、いかにNゲージとはいえ、終日走らせていれば、線路のメンテナンスも相当の手間がかかるハズ。この苦労がわかるのは、マニアの中でも、車輌模型ではなくちゃんと鉄道模型をやっているヒトだけに限られるのだろうが。

2月16日(月)

雑談をしていて思い出したのだが、最近でこそ「富士ぶさ」10秒完売とかニュースになるが、昔、優等列車が少なく、その指定や寝台も席数に限りがあった時代は、指定券自体がどれもプラチナチケットで、入手にも、かなりワザを使わなくてはいけなかった。昭和40年代では、すでにみどりの窓口でマルス化していたが、売りだし時きっかりに、リクエストを出さないと取れない列車というのがけっこうあり、これを取るためには、「朝、みどりの窓口がすいていて、なおかつ、操作になれた駅員のいる駅」に行くのがカギになる。都区内でも、こういう駅はいくつかあり、けっこう愛用したのを覚えている。まあ、40年近く前の話だが。

2月15日(日)

世田谷公園に散歩に行くと、大々的に改装工事中。その延長上で、D51272号機も、なにやら養生シートに被われている。何が起るのか、と思って近くに行ってみると、全面塗装工事とのこと。厚塗りではあるが、5年に一度ぐらいか、ワリとマメに塗り替えているので、まあ、一安心。とはいえ、一般の工務店による塗装なので、今度は一体どんな感じになるのだろうか。

2月14日(土)

妙に生暖かい日。朝は、雨でも降りそうな曇りだったが、だんだん晴れてくる。そこで、今回もまた、ヒルマの紅葉モジュールと書き割りの組合せのトライ。もとの大きさの限界があるので、撮りたくても撮れない角度があるのは仕方ないが、ずいぶん構図の自由は増す。車輌でバックを隠さなくていいのが助かる。まだまだ、試せばいろいろな構図が試せそう。レンズを突っ込むポイントがたくさんあるというのも、実は小さいモジュールのメリットなのだが。

2月13日(金)

「富士ぶさ」ラストランのチケット発売が、10秒で売り切れ。ってニュースが、一般紙やTVで取り上げられまくり。まあ、食いつきやすく、わかりやすいネタだからね。ある意味では、最近の「鉄道ブーム」を支えている層なんかからすると、一番フィットしているのかもしれない。無煙化の時も、一般の人たちも、「さよなら列車」には乗りたがったし。ある種、この手のカタカナ「オタク」的な嗜好をつかめるかどうかが、マス・マーケットになるかどうかのカギではあるのだが。

2月12日(木)

鉄道ブームには、良いことも悪いこともあるし、前からのファンからすると、どちらかというと良いことのほうが多いと思う。が、なかなか悩ましい影響の一つが、古本屋で鉄道関係の書籍や雑誌の相場が上がってきたこと。それでも売れるから、ということなのだろうが、ブックオフとかでも、一頃のような処分価格では出てこない。まあ、一ヶ月とか売れ残っていれば、それは安くなるのだが、その前に売れてしまうことが多い。写真集とかもけっこう高め。逆に、斯界でプレミア付きのとかが出てきたときだけが買いか。

2月11日(祝・水)

休日に、銀座に出るというチャンスはそんなにない。年に数回か。まあ、銀座というと「仕事場」というイメージが強くて、なにをわざわざ、という気になってしまうので、ほんとにわざわざ行く用事がある時しか行かない。で、本日はちょっと用事があったので、行くことに。いってしまえばしまうで、素通りができないのも人情。ということで、めずらしく休日の○天を覗く。すると、2階がスゴい混雑じゃないの。一般の親子連れがいっぱい。雪でも降ってきそうな天候を考えると、結構な人出。別の一面を見た感じ。もっとも、4階は平日昼の方が、余程人出は多いのだが(笑)。

2月10日(火)

雑誌東京人の3月号の特集が、「貨物列車と昭和の東京」。まったくもう、という感じのテーマではあるが、気にはなるので、本屋で立ち読みしてみる。まあ、この雑誌らしく、テーマの下なら何でもあり、という感じで、かなり専門的でディープな話題の著者から、貨物も鉄道もあまり関係ないという著者まで、雑然と集まった高円寺の高架下状態。貨物鉄道とか、物流博物館とかも協力しているので、それなりに濃い記事も比較的キチンとまとまっている。鉄道というよりは、昭和レトロの中で「貨物列車はどこに行ってしまったのでしょう」と懐かしむ記事ということか。それなりに資料性のある写真や記述もあるので、全体の印象は悪くないです。

2月9日(月)

最近では、店頭での出物の値付けに関しては、ほぼ相場感ができているというか、実際にタマが動くレベルというのが、きっちり共有されている感じが強い。多少強気だな、とか、ちょっと市勢から外れているな、という値段だと、そこそこ売れ筋でも動かないが、それが相場感のレベルまで落ちてくると、待ってましたとばかり、サッと動き出す。まあ、こっちがそういう買い方をしているので、あまり大きいことも言えないが、ある種の暗黙のコンセンサスというか、ルールみたいなモノができているのも確か。逆に、オークションとかだと、全然そういう共通基盤を持っていない人たちが応札するので、全然違う動きをしているのも事実だが。

2月8日(日)

今回の千葉は、余り時間が取れないが、タマってきた書籍を整理するのも目的の一つ。書籍は雑誌と違い、一つ一つの個性が強いので、読んでみれば持っているかどうかはほぼ判別できる。ということで、余り管理をしていなかったのだが、こうやって整理しながら見てみると、けっこう「こんな本持ってたっけ」って資料も多い。中には、この前うっかり出物を買いそうになったが、いやちょっと待て、とおもった本がやっぱりあったりした、なんてのも。どうも、古本市とかで安いのでまとめ買いしたモノには、ちゃんと中身を読みきってないのがけっこうあるというのが、認識が弱い原因らしい。本も雑誌みたいに、持ってるモノ、持ってないモノのチェックリスト作ったほうがいいかな。

2月7日(土)

午後からは、風邪が完治しないまま千葉に行く予定だが、午前中で、DDF製のミニレイアウトの補修。これ、作りが「本格的」な分、自作のレイアウトと同様、けっこうメンテナンスをしなくては、状態を維持できない。相当数でているようだが、コレ買った人、そっちのほうは大丈夫なのかな。他人事ながら、心配しちゃうよ。ポロポロ取れたり外れたりするので、マメに補修していればいいんだけどね。で、そのままワンカット。細かいことはさておき、この時代設定と、10100系というのは、けっこう似合っていることも確か。ビスタカーは、都会より河内のいなたい街並みのほうが、どうにもフィットしている気がしてならないのだが。

2月6日(金)

○天の階段を上ってゆくと、TV取材のクルーが降りてくるところ。最近は、天賞堂のメディアへの露出も確かに多くなっている。それなりにパブリシティー効果はあるのだろうか?しいていうなら、遺産の整理に、「あそこに持っていけば、換金できる」と思いつくひとは多いかもしれない。で、3階に上がってゆくと、カウンター上に出ていたのは、メルクリンの車輌。なるほど、経済ニュースか何かで、メルクリン倒産を取り上げる中で、メルクリンとは何ぞや、を取材にきたのであろうか。

2月5日(木)

最近の新聞は、逆に鉄道関係の記事が出ないことの方が少なくなってしまった感がある。まあ、新聞自体が、中高年以上しか読者がいない状態(社会情勢に関心があるのは、中高年だけ)なので、考えてみりゃ自然な成り行きかもしれない。そんな中で、メルクリン破綻のニュース。まあ、鉄道関係はさておき、鉄道模型関係は、まだ珍しいかもしれない。趣味人なら、この10年ぐらいでの欧州鉄道模型メーカーの破綻・再編の渦は、充分ご存じとは思うが、まあ、それがくるところまできたということか。GMの破綻が懸念される世の中なんだからねえ。それにしても、日本の中高年層にとっては、メルクリンというのは、特殊な響きがあるのは確か。日本型16番のスケールものを買ってもらえた子供は、それなりに金持ちだったけど、メルクリンを持っていたのは、その比ではない。家も立派で、金も潤沢で、と、桁外れでなくては買えなかった。多分、昭和30年代のメルクリンは、戦前の0番とかに近い存在だったのではないか。その分、その時代を知っているヒトには、コンプレックスからくる「アンチ・メルクリン」が多く、「あれは鉄道模型じゃない」とかウソぶいたりするのだが。

2月4日(水)

昨日、JR東日本からE5系に関する記者発表があったモノだから、一般紙面も、趣味誌関係のblogも、話題はこれで持ち切り。デザイン自体は、FASTECH360Sの成果を活かした新量産型として、スーパーグリーンシートも含めてすでに発表されていたので、趣味人であれば驚くような新情報ではないが、JR東としては久々の新型高性能車輌ということで、話題性は高いのだろう。スポーツ紙など、予想図をカラーでデカデカと載せていたし。しかし、東京-青森3時間5分というのは頂けないなあ。大宮以南の低速区間を何とかすれば、5分ぐらい挽回できるでしょうが(笑)。やはり、これは何としても2時間59分にしなくては、インパクトが薄いよ。

2月3日(火)

ついに、精根尽き果てて、風邪発症。会社にいる間からふらふらしてヤバかったのだが、帰ってくるなり、バッタリ。そのまま寝込んで熱が出る。ということで、これでは鉄分どころではない。しかし、夜中から熱が下がり出し、翌朝には、声が出ない以外一応回復。この「一晩発熱」のパターンって、時々あるんだよね。なんとか助かったけど、その分、ほとんどうなされて浅くしか寝ていないのだが。

2月2日(月)

調べてみると、1月の中央線、都内区間の人身事故は10件とのこと。3日に一回。栄光の王者復活、というところか。それにしても、10回中の2回に、もろにぶち当たったのだから、これは中々のシンクロ率。そもそも、毎日、通勤や通学で中央線に乗っているワケじゃないもんね。アドホック利用で、2回中2回だから。

2月1日(日)

本日より、2月。相変わらず、風邪をひきそうでギリギリの体調。ではあるものの、昨日の荒天からうってかわっての、好天気。ということで、何か撮影しようという気分。ヒルマの紅葉モジュールと書き割りの組合せは、まだ撮影していないので、コレにトライ。A4サイズの小さいモジュールなので、単体だと構図が限られるが、書き割りを使うことで、今まで撮れなかった構図も狙えるのがミソか。ということで、紅葉と柿をフルに入れての撮影。なんか、気分的には吉都線なので、本日は1038号機。35mmのポジで撮影したイメージで、3:2の画面でお届けします。


(c)2009 FUJII Yoshihiko


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