hobby diary

「夢」を大人買い

-今月のホビー日記・2013年2月-




2月28日(木)

スケジュールが取れたので、午前中は仕事を休んで、3月16日に廃止になる東急東横線渋谷-代官山高架区間の撮影に行く。とにかく、2月中の暖かい平日に撮影に行こうと思っていたのだが、いろいろな関係でラストチャンスになってしまった。平日とはいえ、たくさんの撮影者。デジイチが1/3、コンデジが1/3、スマホ・ケータイが1/3というところか。このうちコンデジは、年少ファンと一般人が半々と思われるので、全体としても、「鉄」と一般人が半々というところか。社内から沿線を撮影しようと思っていたところにやってきたのが、さよならヘッドマーク付きの9001F。これで渋谷駅に入場していったのだから、なんとも撮影者の皆様の興奮する様子が、よくわかりました。こういうのを見ると、反省しますね(笑)。今回はD800で撮ったので、ポストプロ作業をするまでちょっと待ってね。

2月27日(水)

やっとのことで、「みどりの山手線 50周年記念号」に乗車。何度も見てはいるのだが、いつも反対方向に走っていたので、乗るのはこれが最初。ラッピングが、サントリーの「伊右衛門」になっていたのは知っていたが、車内まで伊右衛門一色のアドトレインになってるじゃないの。吊革のところのアクセントのみ、50周年がらみで残っている感じ。ちゃんと「記念号」だった頃に乗りたかったなあ。

2月26日(火)

特にジオラマやモジュールの場合、ストラクチャ類は、16番の車輌とは逆に垂直方向はスケール通りだが、平面方向は極端に圧縮して作らざるを得ない。300mmが26mに相当するので、300×450で約300坪、300×600でも約400坪に過ぎず、街中の中規模なマンションか駐車場程度の敷地に、機関区や駅を作るわけなので、平面をスケールにしてしまっては、全く収まらなくなる。これが、モジュールデザインの難しいところでもあり、面白いところでもあるのだが、とにかく小さくデフォルメしなくてはいけないのだ。こうなると、小さめの小物というのは、逆にデフォルメして小さくなったストラクチャを、大きく見せる作用もあるので、非常に有用である。逆に、大き目の小物は、絶対に禁物だ。こういう目の錯覚は、ディズニーリゾートでも1/1で多用されているので、けっこう参考になる。

2月25日(月)

この数年、Nスケールのストラクチャやレイアウト用小物が、スゴい勢いで充実している。鉄道ブームの影響で、鉄道模型業界が潤ったのはジオラマ関係だけ、なんて自虐的なジョークも出てくるぐらいだが、思いもよらぬものまで製品が出ている。しかしこれらの小物は、概してスケールより大きめにできている。1/120はざらだし、1/100ぐらいのモノもけっこうある。このぐらいになると、充分HOスケールでも利用可能になる。また電柱などのように、実物にいろいろな大きさのプロトタイプがあるものだと、より小さいタイプのモデルと見立ててちょっと手を加えることにより、違和感なく使えるものも多い。さらに部品と考えて、小物のある部分を切り出し、組み合わせて別のモノを作るのも、スクラッチを考えるとずっと手数が少なくて済む。HOモデラーも、もっとN用品の活用を考えた方がいいのではないか。

2月24日(日)

JAM日本鉄道模型の会の年次総会。今回は、今後の10年15年を考えると、極めて重要な節目の総会であっただけに、今までにない、真剣な質疑応答と建設的な議論が行われた。その結果、今後の会のあり方に関して、積極的なビジョンを共有することができた。今年もさることながら、来年度以降は、日本の鉄道趣味界を、マーケットインというか、ユーザオリエンテッドでひっぱってゆく基盤が作れたことは大きい。期待してください。我々は、やります。

2月23日(土)

地下鉄銀座線に乗ると、やってきたのは東京マラソンのアドトレイン。とはいえ、室内の飾りつけだけで、車外のラッピングはないので、乗るまで気付かなかった。まあ、この時期しか走っていないので、乗れただけでもラッキーかも。一応社内を記念に撮るが、窓に貼られたランナーはさておき、中吊り・額面は文字中心なので、あまりよくわからないというのが、正直な感想。

2月22日(金)

Models IMONでは、HOスケールでも16番でも、オリジナル機番のナンバープレートを製作してくれる。もちろん、自分で原版を作って、直接エッチングを発注するほうが安いのだが、ちょっと思い立って気楽に頼む分には、字体やサイズを含めて、Models IMON製のレディーメイドのナンバープレートにあるレベルなら、口頭の発注だけでできるので便利そう。というワケで、試しに発注したのができてきた。吉松機関区のC5526(これはすでに作った)と、熊本機関区のD51272。D51272は、家の近くの世田谷公園に保存されていることもあり、7割方作ってあるのだが、これを機会に完成させないと。

2月21日(木)

今週末の24日日曜日は、JAM日本鉄道模型の会の年次総会。その記念講演の打ち合わせとコンテンツ作りを行なう。もし、ここを読まれている会員の方で、議決権行使葉書をまだ出されていない方は、できるだけ速やかにお出しいただきたく存じます。出席予定の方でも、なにが起こるかわかりませんので、一応葉書も出していただければと思います。ご出席の方には、受付にて葉書はご返却いたします。よろしくお願いします。

2月20日(水)

そういう意味では、旅客でも貨物でも、国内輸送に占める鉄道のシェアが高かったのは、はっきりいって都市間、拠点間の道路事情が余りに貧弱で、地域と地域を結んでいるのは、鉄道しかなかったからなんだよね。通運業務というのは、町とその周辺で行なう集荷と配達は自動車を使うが、拠点間は道路で行けないので、そこを鉄道で結ぶ、という形態。道路さえ完備すれば、今ヤマトや佐川がやっているように、拠点間も自社の自動車便で結ぶ方が、ずっと機能的だし、利益も大きい。貨物が典型的だが、旅客でも同じコト。鉄道のライバルは自動車じゃなくて、道路なんだよね。当時、どれだけの人がこれに気付いていたんだろうか。

2月19日(火)

趣味誌の店頭販売日。まあ、週中にあたる月なので、穏当なところか。さて、4月から周遊券が廃止というニュースが、けっこう話題となっている。とはいえ、すでにほとんど使われていなかったので、実態のほうに制度を合わせただけなのだが、こと「廃止」となると、なんでも必要以上にノスタルジアに浸りたがるのが、鉄道マニアの悪いクセ。すでに鉄道は、新幹線を除けば、一般的な旅行の足ではなくなっていることをきちんと知るべきだろう。都市間連絡の新幹線と、都市内移動の電車。鉄道が競争力を持つのは、この二種類しかない。そういう時代なのだ。

2月18日(月)

珍しく、中古でストラクチャが出ていて、値段もこなれていたので買ってくる。16番や日本型のストラクチャは、あまり出てこないし、出てきても駅舎や詰所など鉄道施設関係のモノが多い。とはいえ運転会のときとか、荒地で持ってくる人もいたりするので、ストックがあればあるに越したことはない。ということで、ストラクチャと人形は、使うアテがなくても、ひとまずGETするというのが、長い目で見て得策なようだ。

2月17日(日)

朝刊に、東急東横線-メトロ副都心線直通運転のオリコミ広告が入っている。ちょうど一月前だが、こういうキャンペーンも結構珍しい。確かに住んでいる地域は、ぼくの家こそ三軒茶屋のほうが近いが、エリアによっては、祐天寺や学芸大学といった東横線の駅が最寄駅なので、入っていてもおかしくはないが、東急電鉄というのは、あまりこういうキャンペーンをやらない会社なので、結構珍しい。渋谷駅の地下化で、手間が増えるデメリットもあるので、それより副都心線直通のメリットを強調して、イメージアップを図ろうという作戦だろうか。

2月16日(土)

所要があって、九段下で乗り換えようと、半蔵門線を降りると、工事用の養生壁の上から、都営新宿線のホームが見えている。いつの間にか、壁を外す工事が進んで、貫通していたようだ。まあ、猪瀬都知事の公約なので、まずは実現しないことにはいかんよなあ。といいつつ、新宿線の新宿方面ホームと、半蔵門線の押上方面ホームがつながっても、便利になるのは渋谷方面からきて、市ヶ谷方面に向かうお客さんぐらいなんだよね。実際は。

2月15日(金)

東京-上野連絡線の定点観測。秋葉原より北側の工事が、目に見えて進捗しだしてきた。御徒町付近では、北行線の路盤の建設が始まっており、路盤のための鉄筋を組んでいる状態。部分部分で、スラブだったり枕木があったりと、微妙に工法が違うのが面白い。秋葉原駅付近では、すでに南行線の線路が敷かれている部分もある。靖国通りの架道橋もいよいよ架設工事に入りそうな気配になっており、全体に少しペースアップした感じが伝わってくる。

2月14日(木)

今月の「記憶の中の鉄道風景」のコンテンツ作成。今月もまた「線路端で見かけた変なモノ」で、しつこく新展開。こんどは「ホームでお駄賃」。撮影地に向かう前に、降りた駅でワンカットとか、撮影が終わって駅まで戻ってから、乗る前にワンカットとか、行きがけの駄賃、帰りがけの駄賃にとったカットってあるじゃないですか。そういうカットって、意外と面白いものが写ってたリするんだよね。ということで、ひっぱります。

2月13日(水)

あまり知られていなかったが、昨日の午前中には、JR北海道函館本線の神居トンネルで、スーパー宗谷2号が煙を出して運転打ち切りという事故も発生している。また、JR北海道のディーゼル特急だよ。前に炎上したのは、スーパーおおぞらの283系だったが、今度は261系。しかし、トンネルの中で煙が出たとあっては、そうやっても連想が働く。JR北海道は、炎上だけでなく、JRの中でも事故が多いだけに、他のニュースがなければ、過去の事故も含めてネチネチと報道されたと思うわれる。そういう意味では、北朝鮮の核実験で一番得したのはJR北かな。

2月12日(火)

山陽電鉄荒井駅付近で、姫路発梅田行きの特急列車がトラックと衝突。電車は2輌が脱線し、先頭車は荒井駅ホームに乗り上げて大破という大事故発生。幸い死者はなく、15人が重軽傷。カーキャリアのトラックが、無理に踏み切りに侵入し、スロープに遮断機が引っかかったのを外そうと、スロープを広げたところに電車がやってきたという、けっこうトホホな事故。通常なら、夜のニュースではトップニュースで現場からの中継が入りまくるところだが、北朝鮮の核実験が行なわれた影響で、せいぜい二番手扱い。なんか、骨折り損な感じも。

2月11日(祝・月)

ということで、天気もいいので、本日は久々のフォトセッション。最近手を加えたアタりを中心に、ワンカット。通常のシーナリー中心のお立ち台と違い、こういう施設モノは、いろいろな構図を作れる反面、背景の処理に苦労するのだが、そこはそこ。もともと市販品利用で、それっぽく作るというのがテーマなので、ムズカしく考えないことに。それにしても、もともと機関庫とか鉄道施設は色味が少ないので、色のついた小道具は、一般の街中以上に効果的。これならなかなか使い甲斐があるというもの。

2月10日(日)

昨日の影響で、午前中はごろごろしていたが、午後からは。散歩がてら、昨日から始まった羽根木公園の世田谷梅まつりに行く。恒例の植木市で、程よい梅の苗木があったら買ってこようかと思っていたが、ちょうど手頃なのがあったので買ってきて植える。まだ時間の余裕があったので、庭仕事の連想で、機関庫のモジュールに花壇と植木を設置。材料はすでに入手していた、ブッシュのチューリップとジオコレの蘇鉄。ブッシュのチューリップは面積の割に手間がかかるので有名だが、何度か使ったことがあるので、全部合わせても小一時間で完成。しかし、花壇や蘇鉄の根元の縁石も、Oスケール用バラストを一つ一つ貼り付けてゆくので、ある意味実物とやることは変わらないんだよね。

2月9日(土)

本日は、新宿でライブに出演するので、鉄分なし。その準備とか打ち合わせの関係で、このところ世田谷線に良く乗っている。世田谷駅の両側のところまで、区道の拡幅工事が進んでいたのだが、ついに世田谷駅のホームとスロープの改造工事に入ってしまった。世田谷駅の上町寄りのスロープは、世田谷線になった1970年代の雰囲気をずっと残していただけに、ちょっと残念な気も。

2月8日(金)

このところ、HOスケールで、ハエタタキとかでない、街角の普通の電柱にいい製品がないかと探していたのだがなかなかない。やはり、津川洋行のNゲージ用の電柱が一番使いやすそうという結論に達した。高さが5cmなので、スケールで4m半ぐらい。ちょっと小さめではあるが、路地や家庭用では有り得る大きさではあるし、お立ち台ジオラマやモジュールのようにスペースが小さい場合には、小物は小さめのほうが落ち着くこともあるので、まあよいのでは。大山鳴動して、という感じ。なんかいいモノないかとウォルサーズのカタログをひっくり返しても、けっきょく選ぶのはいつものヤツになっちゃうのと同じだなあ。

2月7日(木)

知り合いと話していて、それまで10歳ぐらい下だろうと思っていたのが、実は15歳近く違っていることを発見。実物の話は子供でも体験はできる(実際、ぼくは青大将に乗った記憶がある)し、耳年増なガキだと趣味誌とか読んでリアルタイムの情報もけっこう知っている。特にSLブーム以降は、親や兄弟の影響で、小学生でも「撮り」をする子が出てきている(ブルートレインブームになると、完全に小学生がカメラを持つようになる)ので、意外と話が通じてしまう場合がある。しかし、模型屋の店頭での体験というのは、どの時代に何歳ぐらいだったかというのを、如実に反映する。今回も、わかったのはこれがきっかけ。とはいえ、その法則がきくのも80年代、バブル期ぐらいまでとは思うが。

2月6日(水)

小田急線の東北沢・下北沢・世田谷代田各駅とその周辺区間が、3月23日から地下化されるとのコト。3月16日の東横線渋谷・代官山の地下化と、2週連続で路線変更がある格好に。もっとも、当面は複線での地下化で、複々線化工事はしばし継続ということなので、ごたごたはまだ続くよう。しかし、シールドで下のほうを先に作って、地下化してから開削で上のほうを作るのね。土地が限られているだけに、なかなか苦労しているみたいです。

2月5日(火)

パナソニック汐留ミュージアムで行なわれている写真展、「二川幸夫・建築写真の原点 日本の民家一九五五年」を見る。詳細は、「Gallery of the Week」を参照していただきたいが、この展覧会、蒸気機関車現役時代の日本型レイアウトを製作しているヒトには必見である。全国各地の民家の内部・外部の構造に関する詳しい情報だけでなく、集落の構造、周囲の地形と集落周辺の土地利用といった情報も読み取れる写真が豊富にあり、ストラクチャだけでなく、シーナリー作りにも参考になる。鉄道施設と違い、民家や集落の詳しい情報は少ないだけに、大判のガイドブック(3550円)も大いに役に立つ。これだけでも、購入する価値は充分にあるだろう。

2月4日(月)

JR西可部線の廃止区間一部復活が決定。可部駅より先、約1.6kmを電化・復活させ、2駅を設置するとのコト。最も問題になっていた踏切については、3箇所に設置(内1箇所は車輌通行不可)される。実はこの復活運動、一番のネックが新たに踏切を作らせないという、不合理な役所の指導にあったので、他の地区での路線新設も含め、前例を作ったという意味では、対官庁としては大きな一歩といえるだろう。

2月3日(日)

この週末は、横浜ランドマークタワーで恒例の「ヨコハマ鉄道模型フェスタ」が開かれている。個人的には行ったことがないし、行く関心もないのだが、いろいろなヒトがBlogやSNSで「中継」してくれるおかげで、中身はすぐにわかる。CP+と掛け持ちしたヒトも多いようだ。自分もそうなのだが、このイベントは行くヒトと行かないヒトがはっきり分かれていて、客層も見えやすい。もともと、入場無料で行なわれる、鉄道模型関連企業の販促イベントであり、それだけ性格づけが明確ということなのだろう。少なくとも、プロモーションという面では、それはいいことである。最近は鉄道模型関連のイベントも増えているが、特にメーカーの側が、マーケティングという視点から、それぞれのイベントの利用法や出し物を使い分けてくれると、もっと全体としての動員も増えるし、盛り上がると思うのだが。

2月2日(土)

三軒茶屋では名所の一つ、レトロな映画館としておなじみの、三軒茶屋中央劇場が2月14日で閉館というニュースが飛び込んできた。最近では大手の劇場が軒並みデジタル上映となり、上映用のプリントが作られなくなったので、フィルムしか掛けられない劇場は、お客さんの入り以前に、デジタル化しない限り映画館として存続できない状況になってしまったので、ある意味残念だが仕方ないのかもしれない。ストラクチャとして小ぶりな映画館(それでも、スゴくデフォルメして小さくしないと、ジオラマに入らないのだが)を作りたかったし、そのプロトタイプとしては絶好と思っていたので、これを機会に昔風の小さい映画館の構造とディテールを取材してきた。閉館記念に一つ作りますかな。

2月1日(金)

この「今月のホビー日記」も、2004年2月にスタートした企画なので、この2月にて10年目突入。この間に、時代もBlogの流行からSNSの全盛にまで変化したけど、このコーナーは、まだまだhtml手書きで日記を書くというのにコダわります。雑誌のバックナンバーと同じで、資料性という意味では、たとえば検索エンジンから入ってくるのでも、フラットにhtmlドキュメントが並んでいるのをしのぐモノはないからね。実は、後から「あの時アレが起こったんだ」ってわかるような情報を、けっこう織り込んで書いてるんだけどね。




(c)2013 FUJII Yoshihiko


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