「夢」を大人買い

-今月のホビー日記・2015年7月-




7月31日(金)

いつの間にか7月も終わり。もう8月。例年なら、コンベンションであわただしくなるところだが、今年は主催ではないので、そういう追い込みの状況ではない。とはいえ、急遽、主催の井門コーポレーションさんのご好意で、日本鉄道模型の会のブースがでることになったので、その関係の作業はこれから追い込み。会員の皆様の、一息つける場にできればと考えております。ご期待ください。よろしく。

7月30日(木)

E353系が中央本線で、早速試運転開始。その走行シーンが各所で捉えられているが、概してデザインが不評。確かにロボットアニメのパクりみたいな感じで、けっこうセコいコトは確かだが、コスト意識が進んでからの鉄道車輌がデザイン的につまらないというのは、何も今に始まった話ではない。E257なんてもっとヒドいと思うし、だいたいあの手の台枠だけすぼまった断面の車輌はどれも似たり寄ったりという気もするのだが。

7月29日(水)

いすみ鉄道鳥塚社長のブログによると、同鉄道のキハ52の2台のエンジンのうち1台が不調になり、片肺飛行状態で運用中とのこと。おかげで冷房がつかえないのだと。昔は、勾配線区など2台エンジン車が投入される線区では、もともと勾配のためエンジンが酷使され、運用中にエンジンを切り離して、1台エンジン状態で走行するということもワリとよくあった。特急「おおよど」が、大畑越えでエンジンをオーバーヒートさせ、残ったエンジンで遅れながら何とか走破したみたいな話も聞いたことがある。まあ、その程度の信頼度、ということなのだろうが。

7月28日(火)

JR九州が「或る列車」を運行開始など、このところとみに新しい観光列車のリリースが続いている。ある意味、観光関係は相乗効果もあるし、青天井といわないまでも生活必需品でない分、マーケットのキャップがなし、インバウンドという「打出の小槌」もあるので、ウマく行けばそれこそオメデタイ話ではある。しかし、けっこうマーケティングは難しい。既存の観光関係業界でも、どちらかというと変化についてゆけないところが多いのに、ワリと安易に考えすぎているのではないか。特に、旅行関係の大企業は、ユーザーのマインドというよりも、グロスの集客力の中でどう割り振ってゆくかという「上から目線」なところがあるだけに、乱立気味なのは心配といえば心配だが。逆に、完全に割り切って収支計画を立てているのなら、それはそれでいいと思うが。

7月27日(月)

中央線のE351置き換え用のE353が登場し、甲種回送された姿が、各所で捉えられている。が、これなんか新鮮さが薄いなあ。E259の塗り替えみたいな感じ。コスト削減のご時世なんで、どうしても規格化されるんだろうし。おまけにラッピングが進歩しちゃうと、昔と違って「塗り替え」とか「新塗装」とかあまりインパクトがなくなっちゃったからな。「ウソ電」とかウケてた頃がなつかしい(笑)。今や「事実は小説より奇なり」だもんな。

7月26日(日)

なんかあたふたしている間に、世間は夏休みに入ってしまったので、急遽千葉に行き、夏用の準備を行なう。今回は2週間のインターバルなんで、ワリと作業はサクサクできる。今回の獲物は、カトーのセキが8輌。Nは、セキをひたすら増やすことに没頭している感じ。とはいえ、今回は日帰りなんで、走らしたりする時間はなし。

7月25日(土)

井門さんのBlogにも書かれていたが、コンベンションの各種コンテストの応募状況がイマイチな模様。まあ、最高速とか牽引力とか、メカニズムに凝るタイプの模型ファンも、最近はめっきり減っちゃったからなあ。そもそも「走らせるのが当たり前」ではなくなっているし。やはり、そういう「技術派」のファンもかなりの数がいた70年代〜80年代初めぐらいの状況とは、大きく変わっているということなのだろう。。

7月24日(金)

井門コーポレーションさんの国際鉄道模型コンベンション実行委員会と、当方との連絡会議。ほぼ、これが事前のものとしては最後だろうか。もう、この辺を過ぎると、事前準備じゃなくて、実戦モード。いくらいろいろな事態に対応すべく考えておいても、実際に起こることの方がよほど大変。そうなるんだったら、当日、リアルタイムでの対応力の方が問われる。イベントって、来訪者も参加者も、主催者側では把握しきれないので、けっきょくはそこに尽きるんだけどね。

7月23日(木)


ひとまず、お召し仕様の117号機を撮影してみる。これ、ModelsIMONとしては、現状最高仕上げを目指したということだけはあって、現役蒸気末期のお召し用機関車の雰囲気をよく伝えている。でも、これはあまりに微妙で撮りにくい。ブツ撮りならできるが、それじゃせっかくの仕上げのリアリティーがない。それにこのお召し、本番はスゴくいい天気だっただけに、そのイメージで撮るのはかなり難しい。ひとまず試し撮りということで。

7月22日(水)

Rail95号は、神戸市電の特集。中高年以上のファンなら、神戸市電といえば思い出される河村かずふさ氏の執筆されていたりするが、独特の個性を持ち熱烈なファンも多かった。しかし、現代的な経済観念からすれば、いかに2大貿易港の一つとはいえ、極めてオリジナリティーの高い車輌をそれだけ作り維持できたということは、かつての日本の都市においては、いかに市内交通における路面電車の比重が高かったかということの裏返しであろう。こういう交通体系の変化を念頭に置かないと、「古き良き鉄道」へのロマンは、単なるノスタルジーやアナクロニズムになってしまうだろう。

7月21日(火)

ModelsIMONの、C57117号機御召し仕様の発売日。とはいえ、これは予約完売という時ならぬ活況。実は、一月ぐらい前に7月の発売予定を問い合わせたときに、すでに最後の一台。こういう感じで「スベり込み」っていうのは、ぼくの場合あまりないんだが、これはラッキーとその時点で予約して完売決定でした。まあ、新一号編成は、中古の出物を安く入手したのを持っているので、これで格好がつく。しかし117号機って、これで3台目だよな。実は。

7月20日(祝・月)


日本鉄道模型の会主催の、第二回 会員運転会を池袋の豊島区民センターで開催。20名以上のいろいろな方に車輛持参で参加して頂けた。中には、現場で入会していただける方も。なかなか定着してきているのではないだろうか。運転会は、今後も三か月に一回のペースでは開催したいと思っていますので、今後もふるってご参加ください。よろしくお願いします。

7月19日(日)

日本鉄道模型の会の月例理事会。「池袋鉄道模型芸術祭」の準備も、着々と進行中。各展示室ごとの展示イメージや、西口公園でのイベントも、段々具体的な議論ができる段階になってきた。さて、これからは一番重要、かつ一番大変な、関係各方面からの寄付金集めということになる。ここはやはり、地元での盛り上がりが大切。話題作りを含め、がんばってゆきたい。

7月18日(土)


涼しい→暑い→台風と、目まぐるしい気候変化の一週間。今日は風は強いが、時々陽射しも見える天気。ということで、ひとまず朝日が入る間にワンカット。まだ撮っていなかった、八雲工芸のC62を使って撮影。最近は新作のお立ち台がないので、相変わらずの使い回しだけど、ワリといい感じにハマっているかも。でも、北海道時代の15、16号機タイプは、PEMPでは製品化されていなかっただけに、こうやってみると中々新鮮。バリエーションとしては面白いし、最末期しか見ていない人はこっちの方がなつかしいかも。

7月17日(金)

今週末は、20日(月)までの三連休。このめぐりは、17日が趣味誌の店頭発売日になる「最短パターン」の並び。と思って午後遅めに天賞堂を覗くと、案の定各誌が出揃っている。が、やはり機芸のみ別行動。わが道を行く土曜納品だな。こいつは。

7月16日(木)

大型でスピードの遅い台風11号が、四国、中国地方縦断コースで上陸。各地で豪雨になっている。この十数年、梅雨の終わりは大水害というのが恒例化している、被害も甚大なものが多く、この時期の水害で、橋を流されたり築堤を崩されたりして、そのまま廃線になってしまうローカル線もけっこう多い。すでに各地で運休が続出しているようだが、ことしは一体どうなるのだろうか。気になるところである。

7月15日(水)

最近では毎年恒例となっている、陸上自衛隊の転地訓練に伴う自衛隊機材輸送列車が運行され、その写真がいろいろなところにアップロードされている。この手のモノは「鉄道」「ミリタリー」という2大オタクジャンルのハイブリッドなので、けっこう「兼営」の人も多く、ヨーロッパなどではミリタリートレイン自体がワンジャンルになっていたりする。そこまで行かなくても、「鉄」な人の中で、ミリタリー系のサイトをチェックしたり、趣味誌を立ち読みしたする人も少なくない。特に今年は、カバーなしムキ出しでの輸送だったので、その手の方には大いにアピールしたものと思われる。

7月14日(火)

発売になった「RM LIBRARY 192国鉄工場めぐり(上)」は、旧国鉄の全工場を、上中下の三巻に分けて解説という、なんともコロンブスの卵の企画。国鉄の工場はどこにあって、どのエリアのどういう車輌の整備を行なっていたとか、各工場が担当した機関車の構造的特徴といった点は、わりと知られているが、その詳しい中身については、趣味界ではあまり知られていない。逆にいえば、いままでそういう視点からの研究がなかったというほうがおかしかったのかもしれない。直球といえば直球だが、いままでそういう書物がなかっただけに、これは面白そう。

7月13日(月)

ちょいと用事があったので、珍しく夕刻の退勤時間帯の京王線下り特急に乗車。まあオンタイムなんで、混んでいるだろうというのは想定内だが、なんか混み方が変。乗車率自体は、いつも使っている朝の田園都市線の方が混んでいるのは間違いないが、混雑の中でのマナーがなんか悪い。オッさんの腹がボコボコぶつかってきたり、肘でズンズン押してくる人がいたりと、混雑の中でなんとも自分のエリアを確保しようと殺伐とした雰囲気。乗っている人数以上に、気分的に居心地が悪い。いかにこの20年貢リアでイメージアップしたとはいえ、昔の京王線を知っている身としては「むべなるかな」という感じもするが。

7月12日(日)

本日はちょっとした事情から予定がキャンセルになってしまったので、一日空いてしまった。しかし天気がいいので、速攻で千葉に草刈に行く。梅雨の時期も、一月に一度程度は刈っておかないと、真夏になってから大変なことになる。しかし、ちょっと前から懸念されていたことではあるのだが、今回持っていった本で、ついに「書庫」がオーバーフローしてしまった。最近では趣味誌はそんなに買っていないので、もうちょっと大丈夫かとおもっていたのだが。こりゃ、抜本的に整理しないとダメだな。

7月11日(土)


開闢以来の記録的な日照不足と肌寒いくらいの涼しい気温が続いた今週も、週末に至って一転強い日射と暑い気温が復活。これじゃ、体調おかしくなるよ。しかし、久々の晴天は使わない手はない。といいうことで、最近再生した長野工場型重装備D51を2輌並べて撮影。どちらも、完成品をバラして改造しようとしたものらしく、本体の塗装が残っている部分もある反面、煙室正面が欠品だったりと、妙な状態。乗工社の独特な仕上げなので、残っている塗装は活かしたいが、修理再生した部分も、それに合わせたトーンに仕上げなくてはならない。まあ、これは白のドライブラシでかなり肉薄できるようになったので問題ないが。さらに煙室扉・煙室正面は、蒸気では最も目立つ部分だけに、工作の部分から雰囲気がつながるようにかなり気を使った。まあ、2輌分で中古キットぐらいの値段だったんで、それなりのコスパだったような。こういう感じだとぼくらの場合、姥捨とか長野区というより、木曽福島の中央西線というイメージだなあ。

7月10日(金)

今年の12月に東京芸術劇場で開催する、「池袋鉄道模型芸術祭」の地元説明会を実施。JR池袋駅長、東武鉄道東上支社長をはじめ、後援をお願いしたい地元関係の皆様に、イベントの概要と現状を説明。皆さん、大きな期待を持ってとらえていただいているという実感を感じることができた。関係各方面のご協力ご支援を得た上で、ぜひとも今年のイベントを成功させ、池袋を代表する催事に育てていきたいものである。

7月9日(木)

今まで東京メトロ駅構内のwifiというと、docomo系の独壇場だったのだが、今月に入ったあたりから、突然auの電波が入るようになった。それも強烈によく入る。auのwifiというと、系列のUQwimaxの回線を利用したサービスが多くて、wi2回線と組み合わせになっているのが普通だが、なぜかau_wifi2の回線だけ、単体でサービス提供されている。ということはiPhone対応となるのだろうが、これはけっこう謎。ただ、まだ利用者が少ないのか、スゴく電波が取りやすいのは確か。

7月8日(水)

で、最終的に組み立てを開始したら、なんとシリンダーブロックのところで上廻りと下廻りを結合する長いビスが欠品じゃないの。説明書を見ると、2×15。2φなら、16番用のと同じなので、アダチとかのパーツがあるだろうと思って模型屋に行くと、なんとそんなパーツはなし。ビス類はどの店もエコーの袋詰めしかなく、あるのは2×10まで。かくなる上は、秋葉の「モンタ」の下にあるネジ専門店の西川部品。あそこは、2mm以上ならバラで売っているので多分あるだろうと思い買いに行くと、案の定ちゃんとある。最後の最後にネジ一本でかなり苦労してしまったが、これでひとまず一安心。ということで、再生作業も無事終了。一丁上がり。

7月7日(火)

モチベーションをキープさせる方法は人それぞれあると思うが、ぼくの場合、一旦テンションが下がっちゃうともう一度上げるには相当な時間とエネルギーが必要になる。これを防ぐためには、気合が入っている間に完成させてしまうのが一番いい。ということで、梅雨空にもかかわらず、無謀にも塗装までやってしまおうと決意。空気感からして、室内で吹けばカブらないだろうということで、一気に塗る。塗装は焼き物と同じで、必ずしも意図通りにならず、最終形は時の運という要素も入ってしまうが、ひとまずOK。一応満足がいくレベルでは塗れた。ということで、これで乾いて組み立てれば、再生修理終了。

7月6日(月)

昨日は、梅雨空で天気も悪いし、なんか調子も良くないし、ということであんまり出歩く気がしない。ということで、再生工作の続き。D51のジャンクは残りの部分の製作と、組み立て調整を行なう。ひとまずカタチになる。ついでに、これまたジャンクで購入した貨車も1輌再生。結果的に、珍しく半日近く工作していて、鉄分の濃い日になってしまった。まあ、無駄に時間過ごさなくて済んだ分、よかったかな。

7月5日(日)

ディアゴスティーニの「蒸気機関車C57を作る」付属のブックレットは、松尾よしたかさんが編集をやっている関係もあり、写真提供でいろいろ協力をしている。その掲載誌の第一陣が届く。この手の週刊百科タイプの「作る」本は、最初の数号こそプロモーションを兼ねて書店に配本されるが、その後はほぼ予約販売になるので、立ち読みしようにも現物を見る手立てがない。ということで、初めて記事になったところを目にできた。今後も、第二陣、第三陣といろいろ出てきますので、機会があったらよろしくお願いします。

7月4日(土)

この週末も梅雨らしい天気が続くが、今日はちょっと陽射しがあるので今のうちに八雲工芸のC62の形式写真の撮影。形式写真は、ブツ撮りと共通で、ある程度以上ディティールが写ってくれないと困るので、強い陽射しよりはフラットな光線の方が向いている。あとは露出次第。とはいえ、人工照明で無影状態にすると、いかにもブツ撮りで模型の広告になってしまうので、これも味気ない。ということで、ちょっと弱めの太陽光はこういう時には悪くない。やはり太陽は模型撮影の強い味方。。

7月3日(金)

今週は、なんかその気になったので、久々にちょこちょこと工作。2輌まとめて手に入れた、乗工社重装備D51ジャンク、2輌目の再生着手。本体とテンダ下回りが仕掛りジャンク状態、テンダ上回りが未着手という変な組合せ。重複しているパーツがある反面、欠品パーツもある。ひとまずパーツが揃えられたので、本体を再生。やはり乗工社製品は、部品点数は多いものの、パーツの合いがいいので、順序立てて作業すればワリと組みやすい。ということで、エンジン部はひとまずコンポーネントレベルでは全部揃った。

7月2日(木)

今月の「記憶の中の鉄道風景」のコンテンツ作成。今月も「雨の加太越え」で、第3回。たった一日ですよ。それも朝東京出発して、昼前ぐらいからの撮影。実質午後だけ。これで、まだネタが残ってるんですからね。来月も行きますが、ひとまずは今月の分をどうぞ。

7月1日(水)

東海道新幹線で焼身自殺。とばっちりで死亡1名、重軽傷20名以上。4時間以上に渡って運休という甚大な被害。この件については、確かにとんだ迷惑であり、いろいろなコトを言う人がいるが、きちんと評価するべき点は評価すべきだろう。一つは、新幹線自体の安全性である。確かにとばっちりの被害者がいたが、事件が起こった以外の車輌に乗車していた大多数の乗客には、直接の被害は及んでいない。それだけでなく、事件が起こった列車は、その後乗客を乗せたまま自走して現場から離脱している。二番目は、乗務員の冷静な対応である。先頭車で事件が起こったということもあるが、焼身自殺者の火は、運転士が自ら被害を受けながら消火器できちんと消し止めている。また、乗客にパニックが起きていないというのも、乗務員の対応は評価すべきであろう。三つ目は、このような想定外の事態が起こっても、派生的なトラブルなく4時間で運行再開にこぎつけることができた運行システムである。これは、日本の鉄道が誇れる数少ないポイントの一つであり、海外でこの手の事件が起きたら、一日運休、それのみならず派生事故も発生する可能性がある。それなりに被害はあったものの、影響をこの範囲でとどめることができた点は、賞賛されこそしても、非難されるものではないといえる。



(c)2015 FUJII Yoshihiko


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