「夢」を大人買い

-今月のホビー日記・2021年5月-




5月31日(月)

このところ、オフの日は電車の乗り歩きを楽しむことが多い。実はそんなに「乗り」ではないので、生まれてこの方一度も乗車したことのない路線というのも結構多い。青梅線の青梅-奥多摩間とか、富士急行線とか、初めて乗ったのがこの5年内ぐらいだし、武蔵野線の南浦和-新松戸間もそうだ。流石に23区内には乗ったことのない線はないが、乗降したことのない駅はたくさんある。東の方の私鉄の駅とかは、そういう駅の方が多いかもしれない。要は、いろいろ新鮮な発見があれば、それなりに楽しめるということ。こういうのは老後もできる趣味なので、根気よく潰してゆくかな。

5月30日(日)


ということで、本日は日本鉄道模型の会の理事が揃って、成田ゆめ牧場の羅須地人鉄道協会を表敬訪問。梅雨に入る前の好天の週末とあって、ゆめ牧場は相当な人出。蒸機列車も、ひっきりなしに満員で出発する状態であった。機関車は6号機と8号機が交互に担当。6号機のオイルポンプからの油漏れなどトラブルもあったものの、途中の機関車交換で乗り切っていた。途中機関庫脇での機関車の付け替えは、乗客が乗車したままの状態で行われていたので、これに偶然出くわしたお客さんは運がいいかも。

5月29日(土)

明日の日曜日は、成田ゆめ牧場の羅須地人鉄道協会を訪問する予定だが、朝の道路の込み具合がわからず東京から行きたくなかったことと、梅雨が本格化する前にもう一度千葉の別荘の庭の草刈をしておきたかったので、本日は午後から千葉へ。ついでにこのところ気になっていた「北海道でD51形式で皿型クルパーはいつまで使われていたのか」を確かめるべく、蔵書庫のできるだけ多くの写真集や雑誌をチェックしてみる。1972年の夏には自分で撮っているのでその頃にはまだ装着機がいたのは確かだが、最後がいつなのかがわからない。9600形式はかなり末期まで皿付きが残っていたが、D51形式はあるところからパッタリいなくなる。こういうのは悪魔の証明と同じで、写真が出てくれば一発だが、出てこない状態ではあるともないともいえない「シュレディンガーのクルパー」だ。結局チェックできたのは1972年のものまで。ということは72・10あたりなのかな。68年頃はまだほとんどが皿付だったが、この頃になると道内のD51も廃車が始まり、皿なしの廃車発生品も出てくるので、付け替えが進んだとも考えられるし。

5月28日(金)

越中島駅常備のレール輸送用チキ5000形2輛とチ1000形1輛が、小湊鉄道に譲渡され21日に定期貨物列車に組み込み京葉臨海鉄道の千葉貨物駅まで輸送。ここから陸路上総山田駅に送られ復線したという。小湊鉄道は6月にホキ800を関東鉄道から譲渡により入手することになっており、時ならず妙な貨車を集め出した感じ。那珂川清流鉄道保存会か、場所は近いがポッポの丘というのならまだわかるが。この組み合わせ、まさか保存じゃなく使うつもりなのか。続報を待とう。

5月27日(木)

宇都宮ライトレールは、本日使用する車輌「ライトライン」の最初の編成が、同線の車輌基地に到着し、編成して線路上に載せたことを発表。このHU300形は3車体連接の低床式車輌で、全長は約30m、定員は160名とのこと。今後開業までに17編成を導入する予定。工事が進んでいる話は聞こえていたが、これでやっと現実の話題としてリアリティーが出てきた感じ。しかし、JR宇都宮駅の東口から東の方に線路が延びるのね。そっちなのか。宇都宮の街って、JR駅の西側、東武の駅の方に中心があるので、てっきりそっちの方に行くのかと思っていた。まあそのぐらい関心が薄かったともいえるのだが。

5月26日(水)

本日は、田園都市線は二往復。その内一回目の往きが8500系、8622F。備忘録として。8500系は残り少なくなってきているワリには、まだ比較的良く出会う。東急では重要部検査が「4年または走行距離が60万キロメートルを超えない期間」と定められているので、走らせるだけ走らせて検査期限を使い切ってから廃車するということだろうか。そうだとすると、置き換え直前のものほど残りを使うべく良く出会う可能性が高くなるのだが。中央林間-南栗橋間は98.5㎞、中央林間-久喜間は94.8㎞と片道約100㎞あり、フルで使えば月に2万㎞ぐらい行く勘定だからなあ。

5月25日(火)

東急8500系は毎日田園都市線を利用するのでその動向が気になるが、都営地下鉄浅草線の5300形もいつの間にか風前の灯。やはり今年度中に5500形への置き換えが完了して全車廃車になるという。5500形は2018年の営業運転開始以降導入が続き、2020年度末の時点で22編成が配備され、今年度予定の5編成の導入で全27編成が揃う。5300形はである。2018年8月に5301編成が廃車になったのを皮切りに、5500形が増えるたびに入れ替わるようにして5300形が運行を終了していっている。一方5300形は残りすでに4編成。すでに珍しい存在となり、「葬式鉄」が登場しそうな勢い。ところで5300形って1990年代の登場だよね。一番新しい編成で24年。東急8500系は倍近く現役なんだよね。東京都交通局ってやはり役所なんだなあ。投資効率とかキャッシュフローから見た資金調達とかぜんぜん考えなくていいという。これじゃ運営にも差が出てくるわけだよな。

5月24日(月)

西武園ゆうえんちがリニューアルオープンし、閉園した豊島園で使われていたアトラクションの汽車のうち「ウエスタンシルバー号」は、「レッツゴー!レオランド」のアトラクション「レオとライヤの夕日列車」として再利用されている。では「模型列車」(2フィートナローの線路だったのに「模型」とは?これだと羅須も模型ということになってしまうが)のもう一編成「フラワープリンセス号」はどうなったのかというと、国内有数のライドアトラクションメーカー「タカオ」が引き取り、広島県福山市の本社工場内で保存されているという。今後は工場内にレールを敷設し、見学者などを対象に動態で保存するとのこと。しかし、ということは2フィートの線路が、アトラクションではなく新たに敷かれるということではないか。羅須さん、持って行って乗り入れしたらいかが。

5月23日(日)


このところグズった天気が続いていたが、本日は久々の晴天。初夏らしいすっきりした天気で、陽射しも強い。ということで、久々のフォトセッション。この前修理した「お立ち台ジオラマ」を使って、簡単に撮影。これは池袋鉄道模型芸術祭に持っていったのだが、その時輸送の途中でかなり痛んでしまったので、この間修理したもの。D51はちょうど手に取りやすいところのあったというだけで、特別な意味はないのだが。小学校上級生と未就学児童という感じの姉妹だが、現役蒸機末期にこのぐらいの年齢だと、今ではアラ還と50代。それだけ自分が歳取ったってことだよな。

5月22日(土)

本日は副都心線で往復したが、まず往きは「緑車」に出会う。今月もやってきたが、下旬になってからだと、やっと会えたという感が無きにしもあらず。それでもコンスタントに来るんだから、引きはいいのだろう。帰りはやっと東京メトロ17000系に乗車できた。17001Fで、ファーストナンバー。試運転の時から17000系は何度も見てはいるのだが、乗ったのは初めて。外観は良く見ないと本当に10000系と見間違う。特にホームドア越しだとヘッドライトの部分が見えないので、かなり近くまでこないと判別できない。ただ内装は座席の黄色のモケットをはじめ独特の配色なので、違う車輌とすぐにわかるのだが。

5月21日(金)

その一方で、欧米向けの量販品を生産しているOEMメーカーに生産を発注する日本型16番の量販品も増えてきた。ヨーロッパメーカー向け中心のところはさておき、アメリカメーカー向けの製品が主力のところは、やはりこの「米国の定尺レイアウトで走行可能」を前提にメカを設計してきた。当然、そもそもの16番の歴史を思い起こすまでもなく日本型16番量販品も同様な設計でくるわけで、ほぼ米国に範を得るようになった昭和以降の制式車輛は、同様に550R・490Rの壁をクリアするわけである。これはあくまでも偶然が重なった結果論ではあるのだが、長年「走行性能よりディテール」を目指してきた日本型ブラスモデルに対する強力なアンチテーゼとなっている。そういう意味では、シュパーブライン以来の「アダチ・プロポーション」を保っている天賞堂のプラ/ダイカストモデルがここをクリアしてしまうというのは何とも皮肉なことと同時に極めてラッキーな結果といえるだろう。アダチベースの16番の蒸気機関車にパイピングを付けたら、730Rの通過もおぼつかなくなる(銀箱も同じ)。それは10代の頃に試したのでよくわかっている。そういう意味では、これは16番にとっては天地動転のパラダイムシフトである。それを天啓と受け入れて、新たな16番の楽しみ方を築ける土壌は整っているというのが、この一年のトライアルの感想だ。

5月20日(木)

天気も悪く鉄分もない状態なので、量販品論考の続きを行きたい。その外見をみればわかるように、カトーのユニトラックはもともと米国でHOスケールを販売するに際して開発した商品。その際には、基本を490Rと550Rに置いていたのは間違いない。初期のサイディングが490Rと550R対応の曲線ポイントだったことがその証だ。このサイズになったということ自体が、アメリカの固定レイアウトの標準である8×4の米国サイズ合板が頭にあったと考えられる。アメリカ型の量販品ならば、このサイズのレイアウトの標準的なカーブを通過できるように設計されているわけだし、490Rと550Rなら合板上に線路を敷くこともできるし、という両面からそれがマーケットを考えると最も合理的だからだ。それが巡り巡ってカトーの日本型16番の量販品でも基準となり、保証しているのは550Rだが、実質的には490Rも通過可能ということになったわけだ。まあ、動力部分とかカプラーとかは共通設計だから、おのずとそうなったという面もあるだろう。かくして日本型16番量販品でも、基準となるカーブが、550RならSカーブでも折れ曲がっていても走るし、490Rでも一応通過することは可能ということになったわけだ。

5月19日(水)

西武園ゆうえんちが昭和のテーマパークとなってリニューアルオープン。あいにく雨とコロナ禍に祟られたスタートとなってしまったが、なかなか話題性は充分。アトラクションはゴジラをテーマにしたライドものと、手塚キャラをあしらった昔の遊園地(これ自体レトロだ)以外は、昭和の商店街をイメージした街頭で、江戸村方式で実際に面前でショーを展開するという。昭和も時代劇になったものだ。しかし待てよ、昭和の商店街といえば、西武線なら野方や都立家政、中村橋といった駅前に行けばまだまだそのものがあるではないか。いっそ、そこまで連携してタイアップすればよかったのに。

5月18日(火)

さて事務所に今敷いてあるのは、カトーユニトラックをベースにした、550Rと490Rの16番複線エンドレス。まあ外径で2.5m×1.5mぐらいのもの。その一方で六畳間に目一杯敷いた遠路レスは3.6m×2.7m以下、実質は3.5m×2.5mぐらいだろうか。占有している面積的には3.8㎡と9.7㎡で2.6倍ぐらい違うのだが、走らせられる列車の長さというと、それほどには違わない。ホームストレッチの直線の長さは50cmぐらいの違いしかなく、リアルに走らせられるのはどちらにしろ「日南3号」あたりが限度だ。一次元(有効長)と二次元(専有面積)の関係が悪い方に出ているということだろう。これが八畳間とか十畳間とか、もう一回り大きくなると走らせられる列車の長さも変わるのだろうが、一次元のディメンションで倍にならないと、走らせられる感じは変わらないということが良くわかった。今まであまりこういうことに言及した論述を見たことがないので、これは新鮮。逆にいつも言っているがHOだと、8×4というのは本当に基準になるサイズだと、改めて実感。それで16番量販品は走るんだから、そこを推すべきだよな。

5月17日(月)

今年は異常気象(毎年だ)で、西日本は梅雨入りだそうだ。関東も梅雨らしい天気とは違うのだが、空気の鬩ぎ合いで前線が停滞して、降り出しそうな降らないような天気がこれから続きそう。春から何かと忙しくて千葉の庭の草刈りができていなかったが、ここでやらないとヤバいことになるということで、晴れそうな本日、万難を排して千葉に行く。東京はぐずった天気だったようだが、外房は昼間は晴れ。かなり陽射しもあり、一日労働したらかなり日焼けした。そこで、メンテナンスも含めて六畳間の常設お座敷を久々に運転したが、事務所にも16番の線路を敷きっぱなしにしているのでそれと比較して、いろいろ発見もあった。ひとことで言えば、固定レイアウトでシーナリーをどうするかという問題はさておき、どのぐらいの編成を走らせられるかという問題は、ある最低限のレベル際クリアしてしまえば、あとは階段的に相当大きくならないと差が出ないのではないかということ。これは確かに一つの発見だ。ちょっとこの点について語ってみよう。

5月16日(日)

東急電鉄が発表した2021年度の設備投資計画の中で、今年度は2020系を9編成増備することが判明。昨日2145Fが甲種輸送されているので、必要編成数からすると今年度中に8500系は全面的に置き換えられて淘汰される勘定。1975年に登場し、現存編成でも最も古いものは1976年製と、足掛け47年、正味でも46年活躍したことになる。物持ちのよさで知られる東急だが、デハ3450には及ばないが、ずっと同じ線区に配属され第一線で活躍し続けたという意味では記録的だろう。

5月15日(土)


ひとまずこの段階で「エセトラック」複線化の様子を写真に撮ることに。蒸気で複線というとやはり北海道だなということで、2輌いる北海道型のD51を引っ張り出してきて、旅客と貨物とを牽かせる。一応、客車も写っている前よりの2輌は、ちゃんと二重窓のスハフ32とオハ62なんだが、これじゃぜんぜんわからないな。「走らせる」ってこんなモンなんだよね。まあ、そこはかとなく室蘭本線の「あそこ」を千歳線の築堤から見下ろしたような感じの「見立て」だな。それにしても一台をアナログで走らせっぱなしにしておいて、もう一台をDCCで制御しながら走らせたのだが、カンタム入りが2台同時に走ると、部屋の中じゃうるさくて仕方ないぞ。あの広いトレインドリームの貸しレイアウトでも、1輌で充分響いていたからな。かえって両者の音が交錯して(元々同じサンプリングデータだ)音像が曖昧になってしまう。この辺が音の難しいところだな。

5月14日(金)

金曜は大学で講義をやる日だが、余計な緊急事態宣言の延長でリモートになってしまった。もう役人が責任を取りたくないので「ヤバい、ヤバい」と叫び続けなくてはいけないというのがアリアリ。それに、そこから出てくる利権がオイシイ医療関係者が、口を合わせて「ヤバい、ヤバい」と口裏を合わせているだけ。真っ当な国民は、裏を見抜いているぞ。誰が自粛なんてするもんか。それはそれとして、講義と後処理の後、ちょっと時間ができたので、「お立ち台ジオラマ」の修理・メンテナンスをやる。「レイアウトに完成無し(これはウォルト・ディズニーのアナハイムのディズニーランド開園時のスピーチの締めくくり「Disneyland never be completed!」を、ディズニーのファンでもあった山崎喜陽さんが引用したものと思われる)」ではないが、いろいろ新しいモノを加えるだけではなく、ジオラマやレイアウトのシーナリーは「風化」するので、ガーデニングよろしくメンテナンスをしなくては同じ状態も維持できない。いろんなところで展示したりしたので、結構荒れていたのが、3月の芸術祭にどれを持って行こうか考えてきたときから気になっていた。で、人形が痛んじゃったのを交換しようにも、プレイザー/カトーの人形って塗り替えの色違いが結構あるので、同じ色のがいつでも手に入るわけではない。手持ちにもなかったのがやっと見つけたので、それもあってのメンテナンス。こうなるといろいろ手も加えたくなる。また新しい素材でグラッシングしてみるかな。

5月13日(木)

雨で天気も悪かったし、490Rの線路を一気にグラッシングして仕上げてしまう。単に新品のユニトラックを塗装してターフを撒いたのとは違い、プラスタやバラストがランダムにくっついている分、「地面」のカタチが複雑になって、グラッシングも「背丈のある草は、どこにどんな具合に生えてくるのだろうか」とけっこう考えながら楽しめる。てな感じでひとまず完成し、そのままエンドレスに組み上げて試運転。シムを挟むところは前回のテストでわかっているので、今回はそのまま嚙ませて問題無し。これで何も考えないまま複線になってしまったのだが、はて、どうやって楽しもうか。いずれにしろ16番は(「も」か)蒸気現役時代のヤツばかりだし。まあ難しいことを言わずただ走らせればるいいんだけど。

5月12日(水)

横須賀・総武快速線のE235系1000番台に初乗車。横須賀線系統は、ぼくの場合基本的に湘南新宿ラインで宇都宮線に入るヤツしか乗らないので、純粋な横須賀・総武快速線系統は、見ることはあっても中々乗るチャンスがない。そんな中、ちょうど機会があった時に偶然やってきたのはラッキー。乗ったのはファーストナンバーの1001F。まあ、車内は色が違うというだけで、額面のビジョンは多少大きくなったものの山手線用と同じ。横須賀・総武快速線は利用形態や混雑度合からいっても、近郊線ではなく通勤線なのでこれは正常な進化なのだろうが、専用のE217系が使われていたのに比べるとなんか付加価値が減ったような気も。

5月11日(火)

JR九州が、博多と鹿児島中央の間で、新幹線を使った荷物輸送を開始すると発表。直接駅で受け付けるものと、佐川急便経由で速達便として請けるものと、両方を開始するとのこと。JR九州は、九州のためになり金になることは何でもやるという、いい意味で地場に根差した企業になっているので、それなりに勝算はあるのだろう。というか、運送業界が運転手がいなくてかなりヤバい状態になっているというのとは関係なく、どんなに高速道路が発達してもこれなら勝てるという切り札が新幹線小荷物だからなあ。でもこれ、JR東海が本格参入して、「こだま」の何輛かを荷物車にして運び出したらヤバいぞ。緊急で必要な部品とか、圧倒的な需要があると思うのだが。黒岩さんの想像画でおなじみの、コンテナ新幹線もあったが、小さくて付加価値の高い荷物は空席があることを考えればめちゃくちゃおいしいビジネスになると思うのだが。

5月10日(月)

てなわけで490Rは使えるということがわかったし、それを事務所の床に敷きっぱなしにしたところで、すでにある550Rの内側だからスペース的には特に問題はないし、ということで一回テスト用のエンドレスをバラして「エセトラック」化開始。色は塗ってあるので、仕事しながらターフ撒きをやる。今回の490Rは、固定レイアウトに使っていたものを解体したジャンクを買ったのとハワイアンで使った線路をバラしたヤツなので、バラストとかプラスターとかいっぱいついてる分ターフを撒くだけでもそれらしくなる軌条が多い。でも、ここまで色気を出したシステムトラックの線路を作る手間は、プレイザーの人形一体と同じぐらいだし。このぐらいの感じで「植えた」線路を売っても商売になるんじゃないかな。というか、そういう気風を作らないといけない。それが16番だよ。なんかこのところ16番の肩を持つようになっているが、やはり個人的には1960年代までに山崎喜陽さんが理想としていた、世界のいろいろな車輛が同じレイアウトの上で走り回る「気楽に楽しい16番」の夢をなんとか実現したいんだよね。作品として自分を突き詰める「ファイン」とは別に。

5月9日(日)


お昼頃に渋谷駅の3・4番ホームで電車を待っていると、4番ホームの次列車表示が「通過」になり、なにやらカメラを構えている人も。何か臨時か回送かが来るんだろうなと思い、iPhoneの電源を入れてカメラを起ち上げて待っていると、やってきたのはEH500の牽引する貨物列車。JR渋谷駅も毎日とは言わないが、週の半分くらいはお世話になるが、貨物列車を見たのは最近では覚えがない。何事かと調べてみると、これは札幌貨物ターミナル発名古屋貨物ターミナル行の3086レという定期列車で、山手貨物線経由なので電気機関車ファンには人気があるらしいことがわかった。しかし、何で今まで出会ったことがなかったのだろうか。渋谷がほぼ12時なので、その時間にホームにいることは確かに少ないが、その時間に渋谷にいることは結構多いので、走っているのを見るチャンスがあってもおかしくないと思うのだが。しかしこの列車、すぐ続行で特別快速小田原行きと相鉄線直通海老名行きが続けて追っているだけに、平行ダイヤで結構頑張ってすっ飛ばしてるのでホームから見ても迫力は満点。そういう意味では楽しみなネタを知ってしまったなあ。

5月8日(土)

490Rの通過試験は、通過可能性を測る机上での実験と、実際にレイアウトでの運転性の試験とはかなり条件が異なる。特に組線路によるお座敷運転となると、いろいろな状況を想定してテストしてみないと、リスク要因が多いだけに「走る」とは簡単に結論付けられない。そのためには実際にエンドレスを敷設してそこで走らせてみる必要がある。しかしレイアウトのジレンマで、走らせられる状態に線路を敷いてしまうと、走らせる方が楽しくなって工作が進まなくなる。悩ましいのだが、実際の状態でのテストは必須と考えて、ひとまず複線の内回り分を敷設してみた。結果は、カトーのD51でも490Rはほぼ限界のようで、なじませ接ぎのような水平方向の歪み、床の凹凸によるジョイナー部分の垂直方向の屈折があると、目に見えて走行抵抗が大きくなり、空転して止まったり、果ては脱線してしまう状況も発生する。ただ、正確に円を描くように繋ぎ、シムを挟んで凹凸を平準化し、カーブの出入りのところでちょっとカントを入れてやれば、全く問題ないこともわかった。それだけでなく、天賞堂のダイカスト製カンタム入りD51やプラスティック製C55・C57も走らせてみたが、そこまで線路を整備すると走行状態をよく調整すれば(ジャンパ線があるので、その曲線追随というブラスモデルにはない問題もある)多少曲線部分で走行抵抗が大きくなるものの、走らせることについては全くストック状態で問題ない。490RがOKというのは、中々新鮮な発見。流石にヨーロッパ向け量販品製品を作っている工場の設計だけのことはある。これはもっと知られていいのではないか。もちろんオーバーハングのズレは相当にあるが、それはそもそも16番なんだから問題ない。490Rなら家でエンドレスを敷ける人も増えるし、8×4が入る部屋があるなら固定レイアウトもできる。こういうことを趣味誌が率先して広めなくなっちゃったからなあ。名うてのレイアウトモデラーが競って、8×4の16番レイアウトを現代の感覚で作って披露するなんて、記事にしてみたいし、それ以上に読んでみたいし。わくわく。

5月7日(金)

JR東日本が、鳴り物入りの「間引き運転」を一日で撤回。本日より平常ダイヤに復帰。まあ、そりゃそうだよな。官庁特有の「やりましたエビデンス」だけだもんな。実効より形式というのは、役所の本質。官庁の許認可がある事業を持っている会社は、それに対応して「形式要件だけ満たす」ってのに慣れてるし、JRも元は官だから、その辺のところは阿吽の呼吸でわかってるって感じ。ひとまずやりましたってアリバイを作って、やっぱり問題があったから利用者を考えてヤメますって、結局両方にいい顔をしようってだけじゃないか。というか、コロナ騒動って全部そうだよね。自粛なんてしなくていいし、病気持ちの老人が気を使えばいいだけ。新型コロナにかかったって、健康な人は風邪薬で抑えて寝てれば治っちゃうわけで、これだけやったぞってアリバイ作りだけだもんな。それで弱い者イジメで、都道府県が許認可権を持っている業種ばかり選んで「営業したら免許更新できないかも」って脅しているわけで。

5月6日(木)

ジャンクのユニトラックも、固定レイアウトから外した490Rの線路が360゜分集まってしまった。これも色を塗って草を生やして「エセトラック」化しようかと思ったが、その前にどの車輛が走行可能かテストしてみる。昔の16番の経験からすると、ハコモノは余程カプラーや台車の立て付けが悪くない限り、500R前後のカーブはほぼ問題ないので、一番クリティカルな蒸気機関車を試すことに。というか、カトーのD51が走れるかどうかが勝負の分かれ目。走れるならグラッシングして複線にもできるようにするし、走れるのがディーゼルカーやC56(これは370Rでも問題ないのは実証済み)だけなら、色を塗って終わりかなという判断。で、結果は、これが走るんだよ。スゴい。ガクンと勾配があったり、Sカーブがあったり、スピードを出したりすると問題かもしれないが、普通にエンドレスをスケールスピードで走る分にはあっさりクリア。流石、スプリング式尻棒の威力か。こういう結果は想像こそできるものの、やっぱり実験してみないとわからない。しかし490Rを通るということは、8×4の固定レイアウトで走らせられるということ。D51が客車2~3輛と貨車の混合列車を牽引する吉都線みたいな感じだったら、奥が山で手前に農村風景といういいレイアウトができるかも。こういうところが16番の本領だな。かつて70年代にも、走行性能第一でシュパーブ/安達のD51やC62を450R通過可能にした人がいたからなあ。多少無理をすればできるんだよな。はっきり言って大型蒸機がこういう小カーブを通過するのは変なのだが、逆にファインだったら気になるズレも、16番だったら気にならないし。これが「マルチ規格」の楽しいところだよな。ということで、もっとヤバいことが始まりそう。

5月5日(祝・水)

実はガキが小さい頃、子供をダシにしてプラレールの線路をリサイクルショップで買いまくって、1960年代のTMSに載っていた名レイアウトの線路配置をいろいろ再現したことがある。流石に先人の知恵、走らせるということにおいては極めて面白い配線が多かった。そこで感じたのが、最近主張してる「ショーティーでないプラレール」としての16番の意義。見立て、らしい、それここそ本質で一番楽しい部分。作り込むんじゃなくて、走って、思いを込めてナンボ。トイと模型のギリギリのバランスこそ、16番の面白さ。HOスケールではなく、16番というアイデンティティーはそこにあるし、それこそ存在意義だと思う今日この頃。ブラスの蒸機を作るんならファインでやるけど、ガンガン走らせる楽しさは16番。この使い分けが大事だと思うんだな。元々本当に鉄道模型が好きな人って、ZからGまで、気になったら全部手に入れるのが普通だし。

5月4日(祝・火)

今月分の「記憶の中の鉄道風景」のコンテンツの作成。今回は前回の続きで、73年4月に日田彦山線でとったカラーポジの残り。これは35㎜のSLRに望遠ズームをつけたモノクロ撮影と、ブロニカに標準つけたブローニーのカラーポジを、両方手持ちで持ち替えて全く同時に撮影していた時期のもの。35㎜のモノクロの方は、すでに「無意味に望遠 その12」で発表しているので、両者を見比べてみてください。まあ、いずれにしろ「撮った」ってことが大事で大した写真じゃないのですが。

5月3日(祝・月)

メインの連休、3日目。ちょっと用事があって埼玉の方まで行く。帰りはちょうどタイミングが合ったので、西武のラビューで帰ってくる。かなりの乗車率。全席満員ではないが、シート単位で言えば、全シートに1名か2名か乗車していて全部使用中という感じ。途中駅でも、降りる人のところに入れ替わりで乗車があり、けっこう利用者が多いことが実感できる。いいことですよ。実は大して恐いものじゃないことがわかっちゃったんだから、自粛なんてしても仕方がない。ところで小手指を通ったら、電車区の留置線にレッドアロークラシックが止まっているのを目撃。周りに他の車輛がいるので写真とかは撮れなかったが、これが最後の記憶だろうか。

5月2日(日)


中国の新幹線、JR東日本のE2系をベースにした「和諧号」CRH2型のディスプレイモデルがオークションに出ていたので、面白いし安かったから落札。ディスプレイモデルとはいえ、一応HOスケールになっていてプロポーションもいいし、車輪はちゃんと16.5mmの線路の上を(直線だけだが)走るようになっている。多分関係者に向けた記念品のようなものと思われるが、ソリッドモデルのように窓なども全て印刷で表現されている。その一方でレタリングは細かい文字まできちんと表記され、中国特有の日本の旧国鉄の表記と似ているが、全て漢字で描かれている妻板の表示などもきちんと読める。この模型を使って写真を撮ろうと思ったが、中国のジオラマは改革解放前の人民公社みたいな景色のしかない。改革開放直後の80年代に中国に行ったことがあるが、北京郊外のクルマで30分ぐらい走ったところでも、こんな風景が残っていたのを思い出す。今でも内陸部の奥地に行けば、そんなところもまだあるかもしれないという感じでワンカット。まあ、漫画みたいな意味では中国っぽいわな。で、本日は田園都市線は帰りのみ。で8500系8631F。二日連続はけっこう濃いな。備忘録として。

5月1日(土)

4月29日にオープンした、えちごトキめき鉄道の直江津レールパーク。流石「Mr.地域活性化」の鳥塚社長のプロデュースだけあって、早速全国区の話題になっている。鉄道の博物館というだけではなく、地域の観光資源、観光のシンボルとしても、大きな存在感を示している。やはりこういう仕掛けはアイディアだけではだめで、それを実現するノウハウの部分が成否を分けるだけに、改めて鳥塚社長の実力が示されたといえるだろう。こういうのは話題が話題を呼び、お客さんも展示物も集まってくるものなので、今後が期待できる。もう狙っているものはいくつか想像できるのだが。ところで本日は田園都市線一往復。帰りが8500系8636F。備忘録として。



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