「夢」を大人買い

-今月のホビー日記・2021年12月-




12月31日(金)

ここまで様子がわかってくると、あとは出物を漁って編成を作るのみ。グラッシングしたユニトラックはその後少し増産して延長して、事務所の空きスペースに550Rと490Rの複線エンドレスを敷きっぱなしにしてある。9輛とか10輛ぐらいまでの編成だったらなんとか楽しめる大きさになっているので、「ニセコ」や「日南三号」はフル編成で走らせられる。しかし、この列車はどちらも12㎜、N、16番とどれでも持ってたりするんだよね。ヤバ。貨物は流石に相当に短縮しないと機関車から末尾が見えるようになってしまう。二軸貨車でも20輛はキツいので、これは貸しレイアウトで楽しむしかない。件のフレートライナーフル編成は、さしもの有効長の長さを誇る「トレインドリーム」でも駅からはみ出してしまった。もっとも、かつての北海道では拠点間輸送の貨物列車は途中無停車で、途中駅の有効長を無視して編成していたからおかしいとは言い切れないのだが。16番量販品はクローズアップでしげしげと眺めるのにはもちろんツラいのだが、気持ちよく走らせるということについては充分なものがある。これが量販品16番に対する楽しみ方の結論である。それはそれで別の種類の模型なのだから、それぞれの強みを生かした楽しみ方をすればいいし、それができれば鉄道模型の楽しみ自体は掛け合わさって何倍にも広がってゆくではないか。一種類の模型に凝り固まっていたのでは得られない面白さは、確実にそこにある。とはいえ、結局散財が広がってしまうのも確かなのだが。
本年もこの放談にお付き合いいただき、ありがとうございました。来年もまた続けて参りますので、よろしくお願いします。

12月30日(木)

ということで、他のメーカーの16番量販品がどのくらい走るのだろうかが気になって、安い出物を漁りだした。天賞堂の量販品蒸機は、かつての安達製のプロポーションで作られているので、プラならショートしないこともあり、多分調整すれば450Rはクリアするだろうと踏んでいた。ぼくにとっての「蒸機三種の神器」、C55/57・D51・9600はひとまず押えた(どのスケールでもこれは基本、NでもOJでも持っている)。そしていろいろテストを始めた。まず490RはC55/57もD51問題なくクリア。勢いで買った(さらに2台揃えて「ニセコ」客車まで買った)プラ製C62は先輪が当たっているものの、ショートしないので走ることは走る。9600に至っては、370Rでも問題なく走る。9600の370Rは実際とても大きなアドバンテージで、サブロクの定尺べニアの上でかつての「とれいん」誌の「阿寒鉄道」のような炭鉱専用線レイアウトが製作可能ということを意味している。16番制式機を走らせられる定尺一枚のレイアウトというのは、実はかなりスゴいことでこれを知ったらレイアウトを作りたいという人も多いのではないかと思われる。こういうアイディアを提言することこそ、趣味誌の編集の役割だと思うんだがなあ。もちろんC56で高原鉄道というのもアリだが。さらに天賞堂のダイカストモデルは、アメリカや欧州向けの製品の設計・製作をやっているところで作っているので、それらの機関車と同じぐらい良く牽く。トレインドリームの貸しレイアウトで、フレートライナーのコンテナ特急のフル編成、コキ17輛+ヨを単機で牽けたし、セキの30輛編成も単機で牽き切った。同所のレイアウトは20‰ぐらいの勾配があるだけに、これは充分な牽引力といえる。16番蒸気といえば「牽かない・走らない」が常識だっただけに、これも16番を走らせて楽しむには充分な性能だ。ところで本日はクルマで移動していたが、笹目通りと西武池袋線との立体交差で「ヒカリエ号」に出会う。ヒカリエ号は今月初。クルマで走行中に目撃したのは2度目。こういうのは乗ろうとして来るのより珍しい。

12月29日(水)

「比較的小さなスペースで、「見立て」を駆使して、走りを楽しむ」16番を、ぼくは「ショーティーじゃないプラレール」と名付けた。最近では大人のプラレーラーも多いが、あれこそ「見立て」の極致である。とはいえ、どこまでもサクサク走って行く様はけっこう見ていて楽しいし、イマジネーションも広がる。別にスーパーディテールの16番を批判する気は毛頭ないし、かつて1970年代にそういうのをやっていた身からすると、突き詰めれば突き詰めるほどどう作ればいいのか悩みが深くなる(構造的に実物通りには絶対に出来ない)ことは痛いほど承知している。まあ、その悩みを工夫して乗り切るという面白さもわからないではないが、それならそこはさておき気持ち良く走ってくれた方が全然楽しいし、サクサク走っている分には細かいところは見えないしどうでも良くなってしまう。ほどほどそれっぽく見える車輌が、ノーストレスで調子良く走ることが、「ショーティーじゃないプラレール」の極意である。このコンセプトに関しては、けっこう賛同してくれる16番ゲージャーの人も多い。まあ、そういう人は皆さん「飾る人」ではなく「走らせる人」ではあるのだが。これまたプラレールがそうなのだが、こういう楽しみ方では「列車単位」で物を考えるというのもポイントである。機関車があって客貨車がそれぞれあってではなく、「つばめ」だったり「ニセコ」だったり「日南三号」だったりしてはじめて走らせて楽しくなる。もともとぼくはその志向が強いのだが(学生時代から普通列車も編成単位で作っている)、これこそ16番を楽しむにはこの姿勢は二重の意味で重要だろう。

12月28日(火)

16.5mmの線路は、もともと16番を意識して作ったモノではないのだが、ぼくのトンマナで色を付けグラッシングすると、どうしても日本(というか東アジア温帯)の景色になってしまうので、こうなるともう16番か1435mmの地方私鉄かしかない。550Rと490Rのエンドレスが再生できたので、出戻り初期のちょっとだけ16番をやっていた時期(ModelsIMONが開店するかどうかぐらいの時期、20世紀最後の1年半ぐらいか)に少しだけ買っていた量販品を探し出してきて走らせてみた。流石に良く走るし、370Rを楽々クリアするカトーのC56形式はもちろん、D51形式も問題なく490Rをクリアできる。かつての経験から、1960年代のブラス製国鉄制式蒸機の16番模型でもショートしないように良く調整すれば450Rを通ることは知っていたので、そもそもプラでショートしないし、尻棒のスプリング仕掛けなど曲線通過のための仕掛けがしっかりしているので通りそうだなという予感はあったが、予想以上に調子よく走るのには驚いた。ここで、比較的狭いスペースでも走らして楽しめる鉄道模型としての16番量販品というポジショニングを思いついた。ある意味それは限られたスペースながら国鉄制式蒸機が20m級客車を牽引して快走していた、1960年代の赤坂鉄道やモンカルラインといったTMS特集シリーズを飾った人気レイアウトの世界とも共通する。比較的小さなスペースで、「見立て」を駆使して、走りを楽しむ。この三つのキーワードが出揃ったことで、次の課題はそれを実際にどう演出するかに移った。

12月27日(月)


去年からのコロナ騒動で娯楽が減ってしまったのと、乗客が減っている鉄道に乗って少しでも貢献しようということで、関東周辺の乗ったことのない路線を次々と乗り潰している。ぼくは「乗り鉄」ではないので、出張で乗るような幹線を除くと、かつて蒸気機関車の撮影に行った線区しか乗っていないといってもいい状態で、初乗車線区はいくらでもある。先日は身延線に乗ってきたが、これも旧型電車は撮影に行っていないので全線初乗車だ。途中ふと側線を見るとスゴいモノを発見。なんと30kgレールではないか。ほとんど使われていないが、一応本線と繋がっている現役の線路ではある。37kgレールはまだ構内とか時々見るが、30kgがJRの路線で登場するとは。おまけに40kg-30kgの変換レール(ちゃんと踏面に表記されている)までちゃんと残っているし。

12月26日(日)

とはいえ、学生時代に作った16番の車輛を元に(これはそれなりにあるが、なんせ1970年代の作なので修理が必要)出戻り後1年ちょっと16番をやっていた時期があり、その時に購入したプラ量販品の車輛が若干あった。とはいえそれをどうこうしようという気もなく、その時には自分が16番の「見立て」の可能性を実際に試してみるとは思わなかった。ところがチャンスは思わぬところからやってきた。標準軌のHOもやっているので16.5㎜の線路は結構持っているため、オークションでユニトラックの格安中古の出物が出てくると、ちょこちょこ購入している。2020年の初夏に、固定レイアウト的に使っていたと思われるユニトラックの格安中古が大量に出てきた。これを安く落札してしまったのだが、地面のプラスターとかが付着しまくっている。これなら、昔松・謙さんがやっていたように、直接ユニトラックを塗装して草を生やし、組線路でモジュール的な楽しみ方をする方がいいだろうと思いつく。塗装し、ターフを撒き、草を生やしたのだが、ぼくが作るとどうみても日本の景色。これじゃ16番の線路じゃないか、と思ったところで阿部さんの言葉を思い出した。これが「見立て」じゃないか。そこからプロジェクトがスタートした。ところで本日は、池袋からの帰りの副都心線で「緑車」に遭遇。今月三回目。結構良く出会ったなあ。備忘録として。

12月25日(土)

で、どうして16番の可能性を追求してみようかと思ったのかというと、そのきっかけはVR誌の編集長をやっていた頃のエコーモデル阿部さんのインタビュー記事。詳しくは幻の同誌2号の記事を読んでいただきたいが、「ディテールパーツを出してるぼくが言うのはナンだけどね」と照れながら語った、鉄道模型趣味の原点。つぼみ堂のBタンクが組線路のエンドレスを走ってる。当時よくあったよね。それはそれで楽しいけど、これはオモチャを走らすのと同じ。それがフルディテールの模型だって同じ。でもここに電柱の一本や木の一本があったら、世界は全然変わる。イメージが広がって、見立てで世界観がどんどん広がる。これこそ鉄道模型の楽しさだし、ぼくの鉄道模型の原点なんだ。という話を聞いてから、1960年代の16番の楽しみ方を子供心に知っていた身としては、閃くものがあった。「見立て」。これこそ、16番の鉄道模型の楽しみの神髄だった。そのインタビューは記事としてまとめたが、「見立て」の心をいかに21世紀の今よみがえらせるのかという課題は、深く心にささったのだ。

12月24日(金)

とはいったものの、ニュースが飛び込んできたので総括は一日中止。本日、東武鉄道が動態復元作業を進めていたC11123号機(江若鉄道/雄別鉄道C111号機)のお披露目・火入れ式の報道向け公開が行われた。まだバルブギアをはじめ取り付けられていない部品もあるが、ひとまず機関車のカタチにはなりましたという状態。マジで復元やっちゃったんだという感じもするが、写真を見る限り新製した部分が非常に多い。ボイラもほぼ作り替えに近いし。修理というよりは再生・レストアだな。相当に金もかかったものと思われる。まあ、あと残っているのは全検時の組立・テストみたいなところだと思うので、ここまでくれば予定通り来年春には動く姿が見れるものと思われる。ところで、現状では国鉄・JR方式の保安装置は付いていない。東武ATSは例によってヨ8000を連結して使うので、これでも問題ないのであろうが、会津鉄道には入れないな。これだと。

12月23日(木)

平成の時代には、天皇誕生日で12月唯一の休日だった23日。クリスマス前に休日があるということで、イブイブとして平成時代には消費の拡大に大いに貢献したんじゃないかと思うが、その分年末進行が忙しかった覚えも。ところでコロナ騒動のこの二年間は(といって終わってる気になってる)、16番をどう楽しむかをいろいろ試した時期でもあった。自分の中では「ショーティーじゃないプラレール」というコピーを思いついた時から、ファインHOと16番の棲み分けは見えていたのだが、それを実際どう楽しむかというのを自分でも充分実感できたし、ファインなHOスケールの面白さも、16番の気楽な楽しさも両方たのしめばこそ、鉄道模型の面白さは堪能できるというのが結論だろうか。これから年末に当たって、その総括をしてみたい。

12月22日(水)

珍しくまだ手元になかった1/87・12mmの客車の出物があったので購入。店で12mmの中古を買うのも久しぶりだなあ。去年から今年にかけて、12mm関係の車輌は本当に買った輌数が少なかった。まあ、欲しい車輌は大体揃っちゃったし、特定番号の模型が多いので同じのを複数買い求めることはないし、ということで物欲の減少というよりは、買うものがなくなってきたという方が正しいのかもしれない。新製品も、あまりこれというのが出てこなくなっているし、けっこう懐が傷まなかった人が多いのでは。

12月21日(火)

小田急電鉄の春のダイヤ改正は、50000形VSEの引退の話題が先走ってしまったが、江ノ島線の運転系統の変更はけっこう大きい。事実上藤沢で分割し、相模大野-藤沢間は急行を快速急行に格上げする(これに伴い唐木田発着の快速急行はなくなる)など優遇を図る一方で、藤沢-片瀬江ノ島間は基本的に各駅停車のローカル運転だけ(新宿直通は特急ロマンスカーのみ)の区間となる。確かに藤沢での乗客の入れ替わりは大きいのだが、先っぽは-なんかいかにも盲腸線的になってちょっと哀れかも。

12月20日(月)

本日はちょっとワケあって静岡エリアまで行ってきた。そのあたりだと、最近では大体東海道線の普通列車の乗り継ぎ(場合によっては小田原から小田急もあり)で帰ってくるのだが、駅まで行ってみるとなんとJR東海エリアの東海道線熱海-静岡間が運転見合わせ中。帰りの駅は新幹線も乗れる駅だったので、珍しく「こだま」で帰ることに。しかし最近の「こだま」は最高速度がどの種別でも同じになってしまったので、待ち合わせ時間の長いこと。走っている時間と駅で通過待ちをしている時間が同じとはいわないが、所要時間の1/3は駅で停まっていたなあ。二本抜きもあったし。さてその「こだま」夕方の時間だったが、満員とは言わないがかなりの混み方。運転見合わせが合ったこともあるのだろうが、最も混んだ小田原-新横浜間では7割の乗車。これなら充分採算は取れそう。やはり国民もアホじゃないから、狼少年には踊らされなくなったということだろう。よかった。

12月19日(日)


今年はほとんどジオラマを作らなかった。修理は結構やったが、そういう意味ではこの「あそこのお立ち台」も仮設の撮影用セットだったものを恒久的なジオラマ化したものなので、新作ではなく重修理の範疇であろう。実物からすると極端に狭いジオラマなのだが、一応実物で撮れる構図は全て撮れるようには作った。ということで、一番絡め手の構図。このような構図は実際に撮っていて、<「あそこ」での一日(その6) -1972年7月14日->に掲載しています。千歳線系統の貨物も蒸機全盛の時代は、あそこに一日いると本当に飽食するので、意外とこの構図撮った人がいるんじゃないかな。下り列車を狙う築堤中腹のお立ち台から逆に上り線を狙うとこうなるので。

12月18日(土)

JR東日本の3月12日ダイヤ改正の概要が発表された。ドラスティックな変化はなく、運転の見直しによる本数減と通勤時の着席列車(JRは特急)の増加と、これまた首都圏の民鉄と足並みをそろえたような内容。ただE131系が投入された線区では、いよいよワンマン運転が開始されるし、八高線-川越線系統もワンマン運転となる。東北本線の宇都宮-黒磯間の普通列車も全てワンマン化されるというのは、かつての東北本線を思い起こすと隔世の感がある。その他地方線区でもワンマン化を進める。本気で人件費の削減に賭けてきたなあ。

12月17日(金)

小田急電鉄が、50000形特急車輛「VSE」の定期運行を2022年3月11日(金)に終了すると、来春のダイヤ改正の中で発表。以降は臨時列車専用として、23年秋まで使用したのち引退とのこと。2005年の就役以来17年と早い時期での運行終了となる。公式には車輛の老朽化を理由として上げているが、もっと古いEXEを更新して使っているのだから余り理由にはならず、やはり20m車でない唯一の連接車で別運用になってしまう点が敬遠されたのだろう。あるいはまたどこか買い手がついているのかも。

12月16日(木)

各社の来春3月12日からのダイヤ改正の概要が発表された。関東大手民鉄は各社とも全体に需要に合わせた減便と、着席列車の増発が目立つ。やはりコロナによる乗客減である種の需要の見極めができたので、それ以降変化した移動需要に合わせてきているということなのだろう。一方昼間の普通列車の減便による優等列車のスピードアップが、東急・西武などで見られるのが特徴的。お客さんのあり方に合わせたダイヤにしたというところだろうか。

12月15日(水)

JR東日本が年末の臨時列車の追加運行を発表。予想以上に人の動きが多くなるということなのだろう。中でも面白いのが東北新幹線で12月29日から31日の3日間、臨時列車として「はやて号」を走らせると発表したこと。1日あたり新青森が1往復、盛岡が2往復ということだが、そのうち盛岡行きの1本はE2系が充当されるとのこと。これって、拡大する帰省需要に対応するだけでなく、需要を創出しようって狙いなんじゃないの。

12月14日(火)

「山」「川」の討ち入りの日。そういえば、かつてはNHK紅白歌合戦は山川アナウンサーが総合司会をやっていたなあ。ところでJR東日本も大晦日~元旦の終夜運転を行うことを発表。約15分間隔で運転を行う山手線をはじめ、京浜東北線、中央線快速線・青梅線、中央・総武緩行線、埼京線、湘南新宿ライン、総武本線・成田線で終夜運転を行うとのこと。こうやって見ると、成田山新勝寺は強いな。JR対京成、成田詣で伝統の一戦が復活だ。成田臨もでるのかな。ここは「Mr.初詣」神奈川大学の平山先生に、JR・京成の成田駅の中間にある、新勝寺表参道の交差点から中継・解説をしてもらいたいところだが。

12月13日(月)

本日14時45分頃、東急東横線の元住吉-日吉間で線路の路盤が陥没しているのを点検中の作業員が発見。緊急復旧工事の後17時半に運転再開するまで約3時間にわたって東横線・目黒線が武蔵小杉-日吉間で不通となった。原因は不明だが、バラストに約2mに渡って最大1mの穴が開いた状態になった。実は昼頃東横線で横浜まで行ってるんだよね。帰りはJRだったので全く影響はなかったが。ところで夕方に京王線に乗ると、やってきたのは京王の「緑車」高尾山号8713F。6年ぐらい前の登場時に何度か乗った記憶があるが、まだこのラッピングやってたんだ。備忘録として。

12月12日(日)

東武鉄道も来年3月12日の本線系統のダイヤ改正を記者発表。「スカイツリーライン」の日比谷線直通の各停、半蔵門線の急行の細かい変更もあるが、ポイントは日光線の大幅な運行変更だろう。基本的に各停は全列車ワンマン運転にするとともに、運転本数を削減。その一方で、鬼怒川線・野岩鉄道線で特急の各駅停車化を行う。まあ、伊勢崎線系統みたいなやり方にするということであろう。現状を考えるとむべなるかなという妥当な線ではあるが、ローカル線を抱える長大私鉄ならではの悩みも伝わってくるな。

12月11日(土)

京王電鉄が来年3月のダイヤ改正の概要を発表。基本的には特急と準特急を統合し、準特急を廃して全部特急にした上で笹塚と千歳烏山に停車、高尾山口行きの特急は高尾線内は各駅停車とするもの。京王線は線路配置上優等列車停車駅での緩急接続が難しく、各停停車駅から乗車しから優等列車に乗り換える時には、途中で1~2本に抜かれなくてはならなかった。その分、優等列車停車駅とその隣駅で賃貸価格が極端に違っていたりした。この改正で、とにかく特急停車駅で後から来る優等列車に乗り換えられるようになれば、このあたりもだいぶ改善されるのではないだろうか。ところで、本日も学芸大学から東横線に乗ったら「緑車」がやってきた。今月二回目。かなり引きが強いな。

12月10日(金)

後期の講義は、スタートこそ台風や地震でトラブル続きだったものの、久々に毎週対面で授業ができる。やっと渋谷駅の埼京線/湘南新宿ラインホームがハチ公口のところまで移動したメリットを満喫できる感じ。ということで、行きも帰りも決まった時間の電車に乗る日々が続いているが、珍しいことを発見。同じスジでも日によって宮ハエのE233系と臨海高速の7000系とが入ってくるのだ。通常相互乗り入れでは、精算運用以外は各社それぞれの車輛が入る運用は決まっているのだが、これは一体どういうことなのだろう。ダイヤ乱れが多いので運用変更が多いのか、それとも最初から混然一体の運用になっているのか。ちょっと調べてみたくなったぞ。

12月9日(木)

そろそろ重い腰を上げて、来年の芸術祭に向けた製作をスタート。ベースはこの前入手したスポンジ固着ジャンクで決まっていたのだが、プロトタイプを何番にしようか資料を見ながら検討。良さそうなのを見つけて必要なパーツを探ると、ほとんど在庫のストックで対応できることが判明。新たに必要なものも1000円ちょっとくらいという、かつてないほどの超エコノミーなプロジェクトとなった。ひとまず無いモノも買ってきて全部揃えたので、いつでもスタートできる。しかし全部塗り替えるか、痛んだところとレトロフィット加工のところだけ塗り替えるか、難しいところ。一旦全部剥した方が簡単なんだが、部分修正で仕上げるのにもチャレンジしてみたい気もするし。ところで、本日は学芸大学から東横線に乗ると、「緑車」が登場。なんか予感はしたけど今月も来ましたよ。気分いいな。備忘録として。

12月8日(水)

京成電鉄は、年末年始に終夜運転を実施すると発表。成田山の初詣はもちろん、柴又帝釈天に向けて、久々の本線から金町線直通の電車も走らせるとのこと。流石、門前鉄道として生まれた京成だけのことはある。成田開運切符なる、成田往復と成田山新勝寺の参道商店街での割引クーポンを合わせた企画切符を通年で売っているし、自らのルーツをわきまえた会社だ。やはりここは「Mr.初詣」神奈川大学の平山先生のコメントが欲しいところだが。

12月7日(火)

JR東日本が、首都圏の路線に関する将来計画を発表。山手線・京浜東北線・常磐緩行線と南武線・横浜線について、ATOの導入による自動運転化とワンマン化、将来的には無人運転を導入する予定を示した。ある意味、山手線については「一周全部連結してエスカレーターみたいにしちゃえば」というギャグは、1970年代から鉄道ファンの間では定番のネタだったので、やっと時代が近づいてきたということだろう。確かに、山手線ほど自動運転に向いている路線はないワケで、21世紀型の通勤・通学路線のあり方を示すには絶好の例かもしれない。

12月6日(月)

JR北海道が、除雪用ディーゼル機関車DE15形の置き換え用として開発した、ラッセル式除雪気動車キヤ291形が記者発表された。この手の事業用気動車キヤの先輩格に当たるJR西日本のキヤ143と同じく新潟トランシス製で共通点もあるが、複線用のラッセルヘッドが固定式で連結器も非常用のものしか持たず、牽引車としての使用はできないものであるところが特徴。出力は1000PSだが、除雪性能はDE15形式と同等とのこと。いかにフトコロの厳しいJR北海道といえども、除雪車だけは背に腹は代えられず新製しても配備するという、なかなか厳しい事情も見えてくるなあ。

12月5日(日)

東武鉄道100系「スペーシア」の101Fが、かねてから告知されていたように1720系デラックスロマンスカーのリバイバル塗装になって登場。デラックスロマンスカーの塗装は、なんとも地味でくすんでいて華やかさに欠けるというイメージだったのだが、あにはからんや、意外にゴージャスでいい感じではないの。1720系のオリジナルより全然似合っている。結局、1720系はデザインがイモだからダサいイメージになっているので、塗色に罪はないということが証明された感じ。1720系だと、どんな塗装にしたところで所詮ダメなんだろうな。

12月4日(土)


レイアウトでもジオラマでも、実は時々メンテナンスしないと状態を維持できない。そういう意味でも「レイアウトに完成なし」なのだ。ということで年末恒例の、「お立ち台ジオラマ」のメンテナンス。グラッシングの修正とか、人形の再構成とか、手を加えると同じイメージではあるものの微妙にニュアンスが変わってくるのが面白い。ということで、踏切のお立ち台。これいつも姉妹の背中の側から撮っていたが、今回は正面の方から。冬の朝の陽射しは、色温度が低い分妙な色気が出て、模型の撮影には一番向いている気がする。さて、この機関車の機番は何でしょう。わかる人は相当なModelsIMON製品のマニアだな。

12月3日(金)


発掘された「御神体」、燃え残ったG&D鉄道の線路を拝みに松・謙さんのお宅に伺う。ありがたく、魚板よろしく梁から吊るされている。50㎝もないぐらいのわずかな残渣だが、壁際の燃え残った部分にあったといわれるだけに、末端の部分の線路はオリジナルそのままの状態で残っており、ジョン・アレン氏がどのようにレイアウトを作ったのかが読み取れる。驚くことはこの部分の線路は杉の棒材の上に、道床も枕木もなしで直接レールをスパイキングしていることだ。全てを全て作り込むのではなく、「撮影セット」という面と、パズル的な運転を楽しむ線路配置という面と、二つのポイントに絞り込んで最適化したレイアウトだったということが、わずかな遺物ではあるが充分に感じられた。やはりレイアウト上に、「ジョン・アレン神社」と「山崎喜陽神社」を作らないと。

12月2日(木)

来年の鉄道模型芸術祭には何を出品しようかそろそろ決めなくてはいけない時期だが、なんともいいタイミングで久々に12㎜のジャンク蒸機を入手。いろいろ壊れているところもあるが、それ以上にスポンジが腐ってボロボロになりかなり侵されているのがヤバいので、こちらの修復の方が中心になる。そのついでに何かプロトタイプを決めてディテール加工をすることにしよう。ところで本日は乗らなかった方の列車だが、8500系8630Fに出会う。もう貴重になってきたな。備忘録として。

12月1日(水)

今月分の「記憶の中の鉄道風景」のコンテンツの作成。今回は先月からのシリーズの続きで、1972年夏の最初の北海道撮影旅行時に室蘭本線白老-社台間で撮影したカラーポジの第二回。まあここは、カーブが一つあるだけで両側は延々と続く直線区間えメリハリがなにもない、そこに加えて撮影にも何一つ工夫がないという「ただ撮っただけ」なのですが、飽きるほど蒸機の列車がやってきた蒸気時代の北海道の幹線の最後の記録ということでお付き合いくださいな。




(c)2021 FUJII Yoshihiko よろず表現屋


「ホビー日記」にもどる

はじめにもどる