完璧癖



こと英語でしゃべったり、英語の文章を書いたりとか、外国語を使おうとするとなんか細かく気にしすぎるのって、日本人らしいよね。何で英語になるとそうなるの。じゃあんた、「正しい日本語」使えるのっていいたい。外人コンプレックスかって(笑)。「標準的な英語の文法からするとおかしい」っていうのなら、昔のブルースの歌詞とか、今のラップの歌詞とかの、ブラックミュージックの言葉遣いや、レゲエの歌詞とかもそうだよね。でも、それは彼らにしてみれば、彼らのコミュニティーではふつうに使われてるコトバであって、標準とかいわれるほうが「余計なお世話」ってことになる。

別にネイティブっぽくなくても、意味が通じれば、それは立派な「方言」であって、気にする必要ないと思うけどね。日本人らしい英語があったっていい。アメリカにおいては、もっとひどい英語(とさえいえないようなしろもの)をしゃべってて、それで立派に、何も困らず生活しているヒトたちもいっぱいいるんだからね。

日本人が英語下手だっていわれる理由は、この辺の完璧癖にもあるんじゃないの。ぼくは、時制とか活用とか人称とか、まったく無視した会話しかできないけど、ことアメリカ人との間では(イギリス人は別、島国根性だから)、それで困ったことないもん。

何がいい発音か、っていう問題があるけど、少なくともコトバである以上、「聴き手からの識別性が高い」ことが大事なだけでしょ。「ネイティブみたいな感じ」の発音でも、識別性が低ければダメだし、ぎこちないくらいの発音でも、識別性が高ければよい、ということ。インド人の英語の発音って、英語らしくはないけど、識別性はスゴく高いのね。だから通じる。もっと学ぶべきだよ。インド英語。学のある人じゃなくて、もっと庶民が片言で使うヤツね。

たとえば、日本人は「l」と「r」の区別が下手だというけど、これも識別性の問題。というか、日本語のラ行は「l」なのに、ローマ字で「r」表記するところから生まれた勘違い。極端にいえば、「l」はカタカナの「ラリルレロ」、「r」はラ行じゃなくて「ワウィウウェヲ」を巻き舌で発音する、とすれば、識別性は一段と高まるし、ちゃんと区別できるじゃん、ってことになる。

けっきょくのところ、意味が通じればいいし、通じなければ意味がないのがコトバではないでしょうか。


(97/03/26)



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