***** 1595 sun3965 CUB 93/08/05 21:08 新幹線30年展 74 ちょっと間が空きましたが、先日の模型ショウのハシゴの後、新宿NSビルの 「新幹線30年展」というのに行ったんです。 最近「超高速に挑む」という、新幹線開発物語を読んだもので、ちょっと感化さ れていたりして。にしてもあの巨大プロジェクト、実はとんでもないギャンブルの 上に成り立っていたんですね。昭和30年代の日本って、なんかすごいぞ。 行きがてら、ヨドバシに寄ってみると、フィルム売り場で学生時代のクラブ仲間 とばったり。ヒマだというので一緒に連れていきます。 まあなんというか、小じんまりとした会場に、JR各社のブースが並び・・・・ 「つばめ」あり(あそこはこれしか無いんだろうけど)、リニアあり、の何でもあ りあり。なんだかなー。 車輪やモーターのカットモデル等もあったのですが、とりわけ我々の目をひいた のが、「パシナ」。旧満鉄の特急「あじあ」の牽引機です。 「お、パシナじゃん!」 それは1/10スケールのライブスチーム。ライトブルーのボディーが輝いてい ます。動力は実物と同様なので、当然ながら足廻りはしっかりと作り込まれていま す。そしてロッド等は、油の染みた鉄の色、つまり「本物の機械の色」をしていて、 その圧倒的な量感、質感に、ただため息が出るばかり。 「いいなあ。薄っぺらなウェザリングとは訳が違うよ・・・・」 ちょっとズレている? 「これで1/10だろ? てことは・・・・」 「えーと、動輪が2mだから・・・・・・こりゃデカイぞ」 本当に、デカイ・・・。 日本の広軌(標準軌)を用いる高速列車計画といえば、戦前の「弾丸列車計画」 がまず挙げられます。結局それは戦争の激化で中止されましたが、新丹那トンネル 等、後の新幹線に、大いなる「遺産」として引き継がれています。 実現したものとしては、昭和9年に登場した南満州鉄道(当時)の特急「あじあ」 でしょう。最高時速120キロ。それを牽引するために開発されたのが、流線型の ボディーを持つ「パシナ」(パシフィック型の7番目の機種の意味)なのです。動 輪直径は、なんと2m(因みにC62は1750mm)。 しかし時代背景を考えると、複雑なものがあるんですけどね・・・・。 振り返ると、新幹線の開発、建設の記録映画が流れていて、鉄道技術者達の試行 錯誤、たゆまぬ努力の姿が描かれています。 「オレ、こおゆうのに弱いんだよね・・・・」 「うーん、男のロマン、だな」 共に自らの趣向に確信を持ちながら、会場を後にする2でありました・・・・。 くす玉が割れる傍らを「ひかり」が滑り出してから、来年の秋で30年。その陰 には先人達の努力や試練のあったこと、記憶しておくべきでしょう。 「電車列車」80系の成功、世界記録を樹立した小田急SE、その後の国鉄型電 車の始祖となる101系の開発、「こだま」型の成果・・・・。また、工事凍結の 間、日の目を見ることを信じて新丹那トンネルの保守にあたっていた人達のいたこ と・・・・。 ああ、ロマンだなあ(こればっかだな)。 8/10までやっているそうです。 CUB