***** 2205 sun3965 CUB 94/01/03 18:05 18する・其の参 84 えー、今度は飯田線です。 「ぼぉーっとする」ということが気に入っている昨今の私なのですが、飯田線と いうところは、私にとってはその原点とも言えるところなのです。 あれは‘83年の春でした。「俄」な話でお恥ずかしいのですが、いよいよ旧国 がいなくなるというので、出掛けたんですよ。たしかそのきっかけは「レール・ガ イ」での特集でしたね。しかし私が行った時には、119系の進出の中で、「金太 郎」80系の姿はもうありませんでした。 列車本数が少なく、また、全線で7時間もかかるという飯田線。私はここで数日 間過ごしているうちに、時間に対する感覚が変わってくるのでした。段々のんびり してくる自分に気が付いたのです。2時間3時間も、さして長くないような気にな ってくるのでした。 自分にとっての、こういう形では初めての遠出。その中での大きな収穫であった ような気がします。 さて、私はなんと元日の夜、東京駅へ向かうのでした。暇ですなあ。因みにこの 夜の大垣夜行は、東京発だったんですね。臨時も、なし。 私は、その入線の1時間ほど前にやってきました。完全にナメてますね。しかし それでも十分、窓側の席に座ることが出来ました。 うつらうつらしながら、豊橋着。 始発の列車に乗ります。これに終点まで乗るつもりだったのですが、中部天竜で、 「あれ?」 駅構内に「佐久間レールパーク」が。ああ、ここにあったんだ。降りてみること にします。 んがしかし。「本日休館」・・・・あれま。まあ正月の2日ですもんね。次の下 りまで3時間ほどあるので、上りに乗って遡ってその列車に乗ることにし、豊川へ。 なんだかなー。駆け足ながら、豊川稲荷へお参りしてきましたよ。 下り列車に乗ります。中部天竜・・・・あ! 「レールパーク」が開いてる! おいおい聞いてないぞ! どういう訳だ? まあいいや。 小和田。んー、昨年の今ごろ話題になった駅ですね。読みは「こわだ」なんです けど。しかしこの小さな無人駅に「小和田発ラブ・ストーリー」だかなんだかの横 断幕がかかっていて、なんだかなーです。車内で「ああここだここだ」といった声 が聞かれた中、カップルが一組降りていきました。いるんですねえ。 城西の「渡らずの鉄橋」や、天竜峡の鉄橋など、以前訪れた場所では思わず立ち 上がってしまうのですが、他はぼぉーっと・・・・・考え事をしてみたり、或いは 何も考えていなかったり・・・・・。 飯田で乗り換え、更に進みます。 列車が田切に着こうとした時、「飯田線の目的地といえば、田切に決まっておる ではないか」という天の声が聞こえたような気がして、降りてみることにします。 んん、いきあたりばったり。ちゃんと帰れるかな。 田切といえば、Ω形のカーブと、そのバックの白い山々で有名な撮影地。私も以 前訪れた折にここで撮りました。 以前の田切駅は、「Ω」に差し掛かろうかというカーブのところにホームがあっ たのですが、現在は少し豊橋寄りの直線に移動しています。以前は待合室ももっと 大きかったんですけどね。 次の下りまで1時間。その間に上りが1本来るので、例のカーブへ行って見てき ます。 田切では驚くことがあったのですが、これはあとで。 次の列車で上諏訪まで。ここから立川行きの列車に乗って帰ります。上諏訪での 夕焼けがきれいでした。 まあ、11年前に「俄」で撮影にやってきて、そのあと4年半ほど前にも一度通 ったのですが、旧国がいなくなっても、やはり飯田線は魅力的です。沿線は天竜峡 を境にがらりと変わり、豊橋方面は渓谷に沿ってトンネルが連続し、辰野方面は盆 地の中をのんびりと走ります。全線を乗ればこれを一日で楽しめ、撮影に行っても 様々な絵づくりが楽しめます。登場時はスカイブルーに白帯で現在はアイボリーに 湘南色の帯の119系も、なんだかいい感じですし、また撮りに行きたいですね。 天竜下りなども楽しみながら、のんびりと。 CUB ***** 2206 sun3965 CUB 94/01/03 18:05 田切報告 45 さて、田切に降り立った私は、アイスバーンに気を付けながら例のΩカーブへ行 ってみました。光線の具合で、ここは午前中がいいのですが、この時はすでに午後 2時過ぎ。カーブの外側から側面の反射を狙います。 列車を撮り、戻ってきて駅のすぐ下の雑貨屋さんに入り、コロネ・パンなどを求 めます。 「今日はいい天気で良かったですねえ」 店の御主人が話しかけてきます。私が11年ほど前にも来たことがあることを話 すと、そうそうあの頃の駅はカーブの方にあったねえ、古い電車は懐かしいねえ、 と嬉しそうな顔をしてくれました。ここへは数多くの「鉄」が訪れているのですけ ど、好感を持ってくれているようです。 「ここ、あ〜るのビデオに出てくるじゃないですか」 ?????? 何を突然この人は・・・・。たまたま居合わせたもう一人の「鉄」 が、こう言い出したのです。 すると、結構年輩の、ここの御主人と奥さんとが、「そうそうあれは番外編だった っけ」などと話しだすのでした。れれれぇ〜???? まあ、知る人ぞ知るものなので蛇足ながら説明致しますと、「究極超人あ〜る」 というですね、コミックがあったんですよ。んで、原作者が「鉄」だったこともあ って、「番外編」ビデオでは飯田線が舞台になるんですよ。私はコミック関係には 疎い方なんですけど、これは読みました。 御主人は箱を取り出してきて、色々なグッズを見せてくれました。なんでもここ を慕ってやってくる人達がいるそうで、今年も大晦日から泊まりに来たグループが、 元日に田切駅の大掃除をしたのだそうです。グッズの中には「Ωカーブと究極超人 あ〜るの駅 飯田線・田切駅」という「私の旅スタンプ」もどきまであって爆笑。 しかしこれは著作権とのからみで駅に設置出来ないのだとか。うーむ。 「田切通信」というのを頂きました。なんだかこういうサークルが存在するよう です。「あ〜る宴会号」とか「轟天号」なんていう列車を走らせているそうで、こ この活動にはJR東海も好意的なようです。例のビデオの中では「そのやうな時に は、これを使う」といって非常コックで列車を止めるシーンもあったのですが・・・。 さて、ま、ふらりと降りた田切で、思わぬものに出会ってしまいました。こりは びっくり。 CUB