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2249 sun3965 CUB     94/01/13 23:39 18する・其の四                     111



 さて、1枚残った18きっぷ。これをどうしたものか・・・・・あれこれ思案し
ているうちに、
 
「そだ。もう一度、蒸気機関車を見てこよう・・・・」
 
 ふたたび梅小路、です(ぉ)。
 
 先週の土曜日の夜、またまた東京駅へ。冬休み最後の週末ということもあって混
雑が気掛かりだったのですが、実際にはさほど混んでおらず、一安心。
 
 一旦名古屋で降り、コンビニで朝食を仕入れ、京都を目差します。大垣を過ぎ、
関ヶ原を過ぎたあたりで、雲行きが怪しくなってきました。
 
 やややっ!?
 
 その日はいい天気で、きれいな朝焼けも見られたのですが、やはりここが「難所」
と呼ばれるだけのことはありますね。天気が悪かったのはこの辺だけだったんです
よ。伊吹山も遠くに霞んでいます。
 
 列車が米原に入ろうかというところで、右側に廃墟があるのを見つけます。そう
いえば・・・・・あっ! 米原機関区跡ですよ。東海道の機関車達が集まるところ、
米原機関区。EF58の、側面7つ窓の36号機や、最後までほぼ原形を留めてい
た113号機、それからそれから・・・・ああ、思い出すなあ。米原のカマは、ワ
イパーの付け根の部分にカバーが付いているのが特徴だったんですよね・・・・・
って、そんなこたあいいですわいね。
 
 高校生の時に、ここの一般公開に行ったんですよ。夏休み中で、「鉄研」(笑)
の北陸での合宿への途中に立ち寄ったんです。しみじみ。
 
 米原からは新快速で、ほどなく京都着。歩いて梅小路へ向かいます。
 
 中へ入って驚き! 機関車達は皆機関庫から少し引き出されていて、しめ飾りを
付け、日の丸を掲げているのでした。C62は「迎春」ヘッド・マーク付きです。
これは正月ならではの「おめかし」で、1/15までの期間限定なのだそうです。
らっきぃ〜。知らなかったんですよ。
 
 公開運転は、前回と同じくC61。こちらには「京都1200年」のヘッド・マ
ーク。そういえば、「鳴くよ鴬・・・」でしたね。
 
 機関庫を歩き回ったり、C61をぼーっと眺めたりしながら過ごしているうちに、
時間です。そう、帰らなければならないのです。
 
 14:30発の新快速で米原へ。ここから休日運転の快速に乗り継ぎます。これ、
あの311系なんですよね。転換クロスの。驚いたのが、公衆電話が備えられてい
ること。わお。でも素朴な疑問なんですけど、移動体の中からかける場合、料金は
どうなるんでしょうねえ? 刻々とエリアが変わっていくわけで。ま、市外通話は
日本テレコムなのでしょうけどね。なんたって「鉄電」の施設使っているんですか
ら。
 
 この快速は豊橋行き。しかしそれに接続の列車は蒲郡で待ち合わせなので、ここ
で乗り換え。案の定、豊橋でどどどっと人が乗ってきました。
 
 しかしここまでは速いですねえ。豊橋以西から関西にかけて、転換クロスの超快
速がすっ飛んでいます。平行するライバル達との「勝負」に生きている列車達です。
これでは「急行」の立つ瀬が無いのも肯けますね。「特急」だって、走行距離が長
いとか、その他付加価値のみの存在のような気がしてきます。
 
 ん? 「急行」が消えたなら、「特別急行」というのは、特別ななんなのでしょ
う? うううむ。これはもう、都市間列車、という位置付けを明確にするべきでし
ょうね。要するに「インター・シティ」(IC)ですわ。あ、「L特急」って、そ
のICにならったんでしたっけ。新特急は知らないや。
 
 蒲郡からは、いきなりロング・シート。あーあ。ライバルがいなくなった途端、
がらりと変わってしまうのがなんだかなーです。浜松で乗り換え、静岡。
 
 ここでホームに入ってきたのが、165系。おおおお。これはもしや、今夜の大
垣夜行になる編成なのでしょうか? 165に始まり、165に終わる、うううむ。
 
 列車は一路東京を目差します。私が降りるのは川崎なんですけどね。
 
 京都を出てから日もとっくに暮れ、既に数時間が経過してきます。遠くへ出掛け
ると時間の感覚がのんびりしてくるようで、2時間や3時間はどうってことなくな
ってきてしまいます。ヘッド・フォンもいらず、持参した本も結局あまり読まず、
時々時刻表をめくる他は、ただ、ぼおっと車窓を眺めている・・・・うーん、こん
な時間があるのもいいもんですよ。
 
 ところが、列車が沼津を過ぎたあたりから、突然、なんだか間がもたなくなって
きてしまったのです。これはどうしたことでしょう。既に夜なので車窓も楽しめな
いばかりか、窓が曇って夜景さえ見えません。さあ困った困った。
 
 どうやら、沼津まで来たことで、距離感がはっきりしてきたことが原因のようで
す。それまでは、「どうせまだまだ先」といった気分だったのですが、それが「あ
とこれ位・・・」になった途端、まだかまだかとなってしまったのです。
 
 それでも列車は走り続け、ようやく川崎着。京都を出てから、4度の乗り換え、
およそ8時間の旅でした。ふう。
 
 さて、この冬の、久々に出掛けた18きっぷ。これで5枚の全てを使いきりまし
た。4回の、細切れの旅「らしきもの」は、「まだ行けるな」といった感触をつか
むには十分でした。我ながら、半ば呆れもしましたが(笑)。そして、他の人には
説明のしようの無いような、私だけの、ささやかな感動「らしきもの」もありまし
た。それは釜めしを食べながらだったり、機関庫にたたずんでいる時だったり、窓
の外に見える渓谷だったり、冬の冷たい空気だったり・・・・。
 
 また行ってみたい、それが正直な感想です。一応月給取りなので、それなりのお
金は持ち合わせています。でも敢えて、鈍行列車で出掛けてみたい・・・・それが
どういう魅力なのか、私がケチなだけなのか、そこらへんはよく分からないのです
が(後者は明らか?ぉ)、とにかく、また出掛けてみたいです。日曜の夜には、
「これだけ乗ったんだから、もういいや」と思っていたんですけどね。
 
 これにて、今回の「18する」シリーズは完結、です。
 
 さて、次の「18シーズン」は春休みの時期。飯田線へも再び行きたいし、ロク
サンも眺めたい。どこか雪深いところへも行ってみたいですね。僅かな投資で、一
人になり、ぼーっとした時を過ごせる18きっぷ。なんとも安上がりではないです
か。
 
 
                           CUB