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2309 sun3965 CUB     94/01/27 20:14 音を録ること                          64



 昨夜、高校の先輩の家にお邪魔して来たんです。
 
 用事はこれといったものではなかったのですが、実はその先輩、かつてゴーマル、
つまりDF50を追い求めていた人なのです。四国やら九州やら。
 
 けれどもそのゴーマルが消えてしまってからは、すっかり「鉄」ともご無沙汰の
ようで、四国にPFが走っていると言っても理解出来ないといった具合です。しか
し「鉄」そのものを棄てたという訳ではないようで、昨夜も押し入れから色々引っ
張り出しては我々に見せてくれました。
 
 ゴーマルを追っていた頃の思い出話、そしてゴーマルを通じて色々な人に出会っ
た(その中には写真集を自費出版してしまった人までいる!・・・・これがなかな
かの出来でして、しみじみものです)ことなどを聞かせてもらいました。いいな。
 
 そして、音。
 
 以前、江ノ電のCD付切符にからめて「音の風景」の話をしたと思うのですが、
視覚を伴わずに音だけを聞いていると、かえってその情景が鮮明に浮かんでくるよ
うで不思議です。一枚の写真でしみじみすることはあっても、同じ被写体をビデオ
で撮ると妙にあっけらかんとして興ざめしてしまう、ということがよくありますが
(ビデオでまとまった物を作るのは難しいぞお)、その逆でしょうか。時には実際
にその場所にいるよりも臨場感があったりするのです。
 
 録音年月日は、今から10年以上前。当時はまだDATなどが登場する前でして、
レコーディング・ウォークマン(これも懐かしい)を使い、人気(ひとけ)の無い
夜中の峠などで、マイクを向けていたそうです。考えてみれば、すごい高校生だっ
たんだなあ・・・・。まさに行動派「鉄」。
 
 電気式のDF50の場合、「んがぁぁぁぁぁぁ・・・・」と目一杯吹かすような
ことはあまりないようなのですけど、ディーゼル・エンジンの鼓動と、重量感ある
ジョイント音、走行音が目の前を通過すると、ぞわわっと鳥肌が立ってくるのでし
た。目を閉じたままじっと余韻に浸っているところへ、居合わせた後輩が「いやぁ
いいですなぁ」などと脳天気に喋り出したものだから、思わず「うるさい!」・・
・・・ああ、私ってわがままな奴。
 
 うううむ、音、かあ。私も以前、「はやぶさ」東京〜横浜間ノン・ストップ録音
(‘80年頃?)とか、南武支線クモハ11・クハ16の音(EF58荷物列車通
過音付き)とか、横浜にやって来たC58−1とか、録りましたっけねえ。しみじ
み。残念なのは、新鶴見の操車風景を録っていないこと。連結の瞬間、右から左へ
「ガガガガガガガガ・・・・」と音が走るんですよ。私の幼少時の「鉄道の風景」
の一つでした。ステレオ向きですしね。
 
 ビデオでだらだら撮った、秩父のC58や御殿場線のSSEなんてのも、結構音
に惹かれます。画面を観ない方がよっぽど良いかな?
 
 こうなってくると、碓氷峠ですね。あのロクサンの、頼もしくもどこか物悲しい
ブロワー音。遠くからそれが聞こえて来て、やがてレールが「ぴしーちゅんちゅん」
と鳴きだし、そしてゆっくり大地を踏みしめるようなジョイント音が轟き、その余
韻を残しながら去っていく・・・・・私も夜中にマイクを向けましょうかねえ?
「能登」もあることだし(ぉ)。他に「おぎのや」の売り子の声や、連結作業の音
などを交えて「音の風景」(というFM番組があった)仕立てにしてみるのも魅力
的ですね。
 
 とりあえずはビデオで撮って、あとで音声を取り出す、というのが無難かな?
できればマイクは外付けにしたいですね。
 
 「雑音」は禁物。騒がしくなる前に・・・・急がなくては・・・・・。
 
 あ、SLの音のLPが手元にあったりするんだ・・・・・聴いちゃおうかな。
 
 
            自称、しみじみ派「鉄」     CUB