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2593 sun3965 CUB     94/05/11 19:37 行ってこようか銚子電鉄                65



 なんだか昨日、テレビで銚子電鉄が紹介されていましたねえ。
 
 私は4年ほど前にサークル(写真よ)の合宿がらみで訪れたことがあるのですが、
うーん、相変わらず。変わっていない様子です。
 
 私が観たのはその中間の交換駅「笠上黒生」のあたりからなのですが、始めから
観たかったですね。だって、もっと面白い駅があるんですもん。
 
 銚子を出て最初の駅、仲の町には車庫があって、ここのマスコットとも言えるデ
キ3型が鎮座ましています。そそ、私が行った時には「澪つくし号」のトロッコも
ありましたっけ。朝の連ドラに因んだものです。
 
 ここでの撮影には、たしか駅の入場券を買うことによって車庫に入れてもらえた
と思います。しかも記念撮影用に制服まで貸してくれるというフレンドリーさ。
 
 次(かな?)の「観音」には、たしか銚子電鉄直営のたい焼き屋さんがあるんで
すよね。昨日のテレビでも紹介されたようなんですけど、なんと乗務員がその出前
まで引き受けてくれるとは驚き!
 
 私もそこでたい焼きを求め、ベンチに座って食べた記憶がありまして、その後駅
の改築だかで店じまいしてしまったように聞いていたのですが、また営業している
ようで一安心。結構地元の高校生とかが食べていたんですよね。
 
 このへんの、草ぼーぼーの直線を走ってくる様が、なかなか絵になるんですよ。
んで観音を過ぎると上り坂になって、ちょっと涼しげに林の中を通ります。木もれ
日が車体を撫でていきます。
 
 で、じきに笠上黒生。そうそう、手動の転てつ機がありました。あれ、ホームに
無造作(無防備?)に設置されているものだから、なんとなく心配。あ、ここの留
置線に、「やぐら」のような車両が止まっていて、ウハウハしたのを思い出しまし
た。架線のメインテナンスに使うのでしょう。駅の外れの踏切から、タブレット交
換の風景を撮ることも出来ます。
 
 ゆるやかな下り坂を、菜の花を揺らしながら電車は走り、犬吠。しっかしここ、
やっぱ恥ずかしいよお。ホームにギリシャ神殿風の柱が建っているし、駅もちょっ
と「清里系」だし・・・・。まあ電車自体色が塗りかえられているんですけど、う
ーむ、「江ノ電」路線を狙っているのかなあ? ところでこの駅、畑の真ん中にあ
ったりします(・・・・と思った)。
 
 でまあ、そのまま終点、外川。ここもいいアジしています。
 
 まあ、記憶違いの部分もあろうかと思いますが、なかなか魅力的な銚子電鉄です。
木製の架線柱が立っていたりするし、レールが随分減っているなと思って、よく観
察したら「1925年製」だかの刻印が見えたし(イギリス製かな?)・・・・う
ーむ。
 
 架線も、えーとこういうのを何というのか忘れてしまいましたが、1本線。しか
も「張り」が強くないようで、パンタでそれを「押し上げている」のが見て取れま
す。尤も、原チャリ並の速度では「離線」の心配もなさそうですが?(笑)
 
 なんかね、大らかな感じが良いんですよ。日頃JRや大手私鉄で通勤通学してい
る人が、ふらりと訪れてみると良いかもしれません。ここの時間の流れの中で、す
っかり「せっかち」になってしまっている自分を発見してしまうかも?
 
 さて銚子と言えば、醤油の町。駅を降り立つと、あの独特の香りが鼻をくすぐり
ます。駅のすぐそばにヤマサがあって、ここは見学出来るのですが、工場入口のそ
ばに、昔ここで使っていたという、ドイツ製のえらく小さい機関車が保存されてい
ます。その名も「ドイッツ」。「トワイライトゾ〜ン」でも紹介されていましたね。
 
 うーん、書いているうちにまた行ってみたくなってしまったではないですか。
 
 
                        CUB



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2595 sun3965 CUB     94/05/12 19:55 続・銚子の電車                        49



 あまりにもタイムリーなので大笑いしたのですが、カイシャで、「GWどこ行っ
た?」などという話題になって(もう随分過ぎちゃったけど)、しったら、いらっ
しゃいました。
 
「銚子電鉄に行ったんですよ」
 
 すかさず「2、3日前にテレビでやってましたよね?」などと聞いたのですが、
彼もそのタイムリーな番組は知っていたようです。
 
 観音駅のたい焼きを食べたりはしなかったそうなのですが、「また、今度はゆっ
くり泊りがけで行こうかな」とお気に入りの様子。うんうん、命の洗濯(笑)には
手頃なところです。彼も写真は撮るようなので、及ばずながら&差し出がましくも
ご案内など・・・・。
 
 ちょっと自慢すると、私、銚子電鉄はたしか中程の1区間を除いて、ほぼ全線を
歩いているんです。なもんで、山の上からのロング・ショットとかいうのでなけれ
ば、ロケハンはばっちり(万全ではないが)、なんですよ。地形図片手に、やっぱ
行ってしまいましょうか?
 
 まあ、そのうちに・・・・・と言っているうちに月日は流れ・・・・・あは。
 
 
 さてこの春に野上鉄道が終わってしまいましたけど、あれほどではないにせよ
(しかし江ノ電あたりよりは十分に)、結構味わい深い(ひなびた感じというか)
んですよ、銚子電鉄。
 
 「余所者」の趣味人が軽々しくこういう事を口にするべきではないのでしょうけ
ど、こういう貧乏・・・・とまで言ってはあんまりなので「健気な」鉄道って、な
ぁーんかいいもんです。新規の設備投資までお金がまわらない(いまだに通票閉塞)
故に、それと引き換えに「何か」が失われてしまうことも無いというか、んー、う
まく言えないけど「古き良き鉄道の風景」が、残っているんですよね。それも「日
常」として。クーラーも無い電車の「日常」なんてそんな気楽なもんじゃない、と
地元の方にお叱りを受けそうですが(世田谷線や八高線もそうですね)。
 
 まあ、「時代に取り残された」という表現もあるのですが、しかしここは「時代
に流されなかった」と言いたいところです。ほら、例えばJR東日本が、自社のエ
リアである東北地方の「古き良き日本の姿」をアピールしていますけど、あれだっ
ていわば、太平洋ベルト地帯に対して「取り残された」地域故のものなんですよね。
しかし今となっては貴重な「遺産」(と同時に観光資源)なのです。
 
 「取り残された」銚子電鉄ですが、しかし一方「それ故に残るもの」が、大きな
魅力です。特に「それが失われた」日常をおくる人間にとっては。当の銚子電鉄も
そこいらへんを弁えている様子で、これを逆手にアピールしているフシがあります
ね(塗り変えた電車の色には「?」ですけど・・・・まいっか)。うむうむ。
 
 
                           CUB