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2626 sun3965 CUB     94/05/31 01:53 八高線の暑く熱く長い日               144



 行ってまいりました。八高線。
 
 日常的な風景を好む私としましては、元々「イベントもの」というのにはあまり
関心が無くて、最後に行ったのは中央線に御召列車が走った時、だったかなあ?
というくらいにご無沙汰なのでした。「さよならED16」とかの頃には行ったも
のでしたが。
 
 んでですね、なーぜか今回は、行くことにしたんですよ。近頃(特に冬に梅小路
を訪ねてからというもの)蒸機にハマリ気味である、というのもさることながら、
やはり高崎の向こうまで行かなくて済む(碓氷峠ならいざ知らず!?)、というの
が大きかったような気がします。八高線なら、ある程度のロケハンもしてあります
し、ね。でまた、たまたま誘った「非鉄」の友人がこれまた乗り気でして、まあ彼
がそういうなら、という部分もあったかも知れません。蒸機であれば、結構「共有」
できるんですよ。
 
 でまあ、当日の朝は3時起き。前の晩に「ぼくらはみんな生きている」などをう
っかり観てしまったものだから、3時間睡眠(笑)。
 
 今回同行の2人を乗せ、関越を飛ばして東松山。今回のロケ地である明覚から越
生寄り1km程のカーブに、6時着。ふう。ここまでで少々くたびれ。
 
 すでに何人かちらほらしていたものの、現場は肩透かしを食ったように空いてい
るのでした。心配していた駐車場所ですが、なんと撮影ポジションに横付けです。
 
 居合わせた人と話していると、回送列車の撮影は物凄かったけど、そのあとはさ
ーっと引いてしまったのだそうで。うーむ、回送は諦めていたのですが、あと30
分早く来ていれば、と思うと、なんだか惜しい気がするものだから欲張りな私。
 
 カーブのところに三脚を据え付け、駄弁ったり列車を撮ったりしつつ、6時間後
の「本命」を待ちます。
 
 大垣夜行で遠征して来た場合、現場到着は8時〜9時、と読んでいたのですが、
結局関西弁などは聞かれませんでしたねえ。西には西の蒸機がいるし、あちらから
見れば、八高線に蒸機列車が走る、ということの意味はそんなに無いですもんね、
考えてみれば。
 
 そのうちに、現場には人が増えて来て、1時間前くらいの普通列車がここを通過
した時、これまたその列車には銀箱が沢山乗っていたのですが、彼らの顔のひとつ
ひとつには、
 
「え・・・・・・・」
 
という表情がありありと浮かんでいるのでした(笑)。うーん、アマイな。場数を
踏んで出直しておいで(笑)。
 
 いよいよ「その時」が近づき、すると「非鉄」、要するに堅気衆(笑)が多くな
りまして、こういった場での「紳士的暗黙の了解」の心得が無いものだから、「フ
レーム」にふらふらと入り込んで来たりなんかして、罵声の標的になってしまうの
でした。ああ。まあ「罵声」そのものにも言葉尻などにモンダイがあったりすもの
の、周りを見なさすぎる「堅気衆」にも、考えものです。「撮影する権利」は、勿
論何人に対しても等しくあるものなのですが、しかしお互いに、それなりのエチケ
ットは心掛けていたいもの。
 
 撮影する場所が「自分の家の庭」でもない以上、思うように撮れないことがまま
あることは、「鉄」としても大いに認識しておくべきではありましょう。こういう、
大勢の人が集まる場合はなおさらです。「無い物ねだり」は、お互いに不幸なこと
ではないでしょうかねえ。それなりな撮り方で、それなりなまとめ方、というのも
出来ると思うんですよ。「ウデ次第」まで言ってしまっては、角も立つというもの
ですけどね(笑)。
 
 因みに私は正面アップだったこともあり、人影は入っていないようです。
 
 ともかく、やがて汽笛が聞こえはじめ・・・・・その音もサービスなのか警笛と
してのものなのか、尋常ではない鳴らし方だったのですが・・・・・(恐らく空撮
の)ヘリコプターも現れて、「いよいよ」であることを知らせてくれます。ヘリが
飛んで来ると、なんとなく御召を思い出してしまう私・・・・。しかしビデオ撮影
の人には、この音は辛いところですね。NHKあたりなんか、豊富なライブラリー
からアフレコして作品に仕上げられますけど(いつぞやのC57−1の全検を描い
たNHK特集「よみがえれ貴婦人」や最近発売のC62のビデオなどの空撮など)、
アマチュアにはそれも限界があります。
 
「来た!」
 
 茂みの陰から、煙が立ち上り、ついにD51−498は姿を現したのでした。あ
たりの空気はぴーんと張り詰め、それぞれが、それぞれの「デコイチ」を追います。
 
 やがてそれは私のファインダーにも入って来、煙と蒸気を吐きながら、ロッドの
動きも力強く、ゆっくりと旋回をしていきます。5コマ/秒モードラ炸裂!!
 
 ファインダーから目を外し、ゆっくり通り過ぎるデコイチを目で追います。言葉
では巧く言えないのですが、若干の青みを帯びて輝くロッドの動きに、「ああ、走
ってる」という実感・・・・・当り前の事なのですが・・・・・なんだかよく分か
らないまま「ぐぐぐっ」と来てしまいまして。この気分は、論理的に人に説明する
のは不可能、と近頃思っておりまして、これを「本能」と表現してしまう私なので
した。
 
 機関車にヘッドマークが付いていたか、客車は青だったか、茶色だったか・・・・
覚えていないんですよね。ちゃんと撮れてるのかな・・・・・。
 
 私の構えていたところのすぐ先に信号がありまして、カーブは右向きなのですが、
その外側に信号機がある・・・・。蒸気機関車は前方の視界が良くないですから、
機関士と機関助士とが、身を乗り出してそれを確認するんです。私のファインダー
の中で見たうちの、それだけはよく覚えています。
 
 しばしの余韻に浸った後、あたりを見回すと「兵どもが夢の後」。私達は、せっ
かくだからと、しばらく近くの麦畑を入れたりしながらDD51やキハを撮ってい
ました。
 
 3人くらいのグループに話しかけると、なんでも辻堂から相模線を使ってやって
来たとのこと。そいや10年も前にはタブレットも腕木式信号機もありましたねえ、
などと盛り上がってしまいました。
 
 さらに、「このへんだと、あとは久留里線かな?」・・・・・・(笑)
 
 で、1人が
 
「来週は大井川へ行くんですよお」。
 
 あは。
 
「へーえ、僕は碓氷峠です」
 
 げらげらげらげらげら。
 
 まあお互い、物好きですわねえ、てなわけで。互いに呆れつつも「がんばりまし
ょう」などとエールを送り合って別れたのでした。脳天気な人達(笑)。
 
「また、どこかで」
 
「なんだか、会いそう(笑)」
 
 うーむ。しかし今日一日、なかなか爽やかに(平和に!?)「鉄」できたのが嬉
しかったです。結構「大人」な振る舞いが出来る人達がいて。同じ趣味を持つ者同
士、やっぱり楽しくいきたいですもんね。
 
 
 おまけ。
 
 明覚から越生寄りの最初の踏切の側溝の蓋が、碓氷名産(?)、例のラック・レ
ール(アプト式鉄道の、あれですね)を使ったものでした。う〜む、ここにまで。
ここらへんは国鉄時代から高崎の管内だったので、まあそういうものなのでしょう。
 
 
 おまけ2。
 
 元々お肌(笑)の弱い私は、この1日の日焼けで、案の定火傷をしてしまいまし
た。しかも短いズボンだったものだから、ふくらはぎのあたりも真っ赤。つっぱっ
て正座もままならない状態。ああ、痛いよお。(T_T)  しかし、カイシャへは行く。
 
 
 
                           CUB



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2629 sun3965 CUB     94/06/01 20:15 青春18泥酔娘                        47



 えーと、ちょっと古い話になるんですけど、八高線蒸機「鉄」の際、撮影機材を
広げながら喋っている時に聞いた情報が、
 
「どうも八高線で事故があって、遅れているらしい」
 
というものでした。それが八王子の方であることと、お目当ての列車が高麗川以北
の運転であることと、八高線の運転密度からしてそのようなものはすぐに吸収され
てしまうであろうこと・・・・・などなどで、特に影響無し、と踏んでいた私・・
・・・んで実際にも「八高号」はさほどの遅れも無かった(沿線に犇めく「鉄」に
注意して徐行してか、少々遅れ気味であったものの)のですが、その「事故」、翌
日の新聞に載っていましたねえ。もうすでに皆さんご存知とは思いますが。
 
 なんでも18才の女の子が「泥酔」して線路に寝ていたそうです! (笑)
 
 そこへDD51単機の列車が通りかかり、機関士が彼女に気付いてブレーキをか
けたものの時既に遅く・・・・・・列車は彼女の上を通り過ぎてようやく停車。
 
 しかし当の彼女はまさに「泥酔」状態。しかもうまい具合に線路に平行に寝てい
たので、ほんのかすり傷程度だったそうで。スレンダーだったのね。これが「素面」
であったら、驚いて思わず動いてしまい、重傷を負っていたかもしれない(それ以
前にこんなところで寝ていないだろ)、とのこと・・・・・・。
 
 うーむ・・・・・・笑うしかない(笑)。
 
 なんでも友人の結婚式だかで乱れてしまったようで、線路沿いに歩けば帰れるだ
ろうと思っていたのだとか・・・・・しかしそれも反対方向なのでした(笑)。
 
 まあ、そのシチュエーションからして、「乱れてしまう」ワケでもあったのでし
ょうか・・・・・うんうん、お兄さんに話してごらん?ぉぃ
 
 これだけ大事になってしまうと、「未成年の飲酒」の現場に居合わせていた「大
人」達ってのは、ちょっと困っちゃうよなあと、他人事ながら。彼女自身も含め、
週刊誌やらワイドショーやらの取材もある(あった?)だろうし、うーむ、大変だ。
 
 しっかし、朝日新聞の記事の見出しの「私の上を通り過ぎた」ってーのは、なん
だかなー。敢えてコメントはせず。
 
 東京新聞の結びの部分の「後続の列車の乗客約10人が迷惑した」という言い回
しが、なかなかストレート(笑)。「影響」なんて生易しいものではありません。
そいやこの列車、例の八高北線への下り一番乗り列車だったんですけど、果たして
この「約10人」の、「鉄」含有率が気になるところ。ぉぃ
 
 
 
                          CUB