***** 2850 sun3965 CUB 94/08/22 20:02 コトラに乗って 64 昨日は、飯田線のトロッコ列車に乗ってしまいました。 佐久間ダムの建設により、飯田線の路線が大きく変更されていることは前に話し ましたけど、佐久間の手前あたりで分かれた線路は、その5つ先の大嵐で再び元に 戻るんです。あの有名な城西の「渡らずの鉄橋」なんてのは、その間の「新線」区 間上にあったりします、因みに。 さすがに、水没した旧線散策まではしなかった(笑)のですが、ちょっとトワイ ラ。 まずは大嵐で旧線のトンネルを見ます。これは現在道路トンネルとして活用され ているのですが、「県道」とは名ばかりの狭い道。殆ど人の気配も無し。そうそう、 旧大嵐駅のホームを、草むらの中に見ました。 電車で引き返し、佐久間。生活道路としても使われているという、鉄橋を渡って みました。佐久間ダムの発電所を横目に歩くのですが、「ぶーん」といういかにも 高電圧な音が、結構びびりんちょなのです。あれって、何かの機器の音じゃなくて、 電気が直接空気を振動させるような、そんな理屈なんですよね? ぞぞぞぞ。 高さも結構あって、旧第3碓氷橋梁よりも高かったような気がします(30mく らい?)。通路部分がが網や格子でなくコンクリートの板とはいえ、高所恐怖症の 方にはお薦め出来ませんね、これは。 中部天竜まではすぐそこ。構内の佐久間レールパークを見学します。 そして帰り道にトロッコ列車。昼頃、雷雨に見舞われたのですが、どうにかそれ も止んで持ちこたえてくれました。 ゴトゴトと列車は走り出したのですが、いやー、揺れるわ煩いわ(笑)。ボギー じゃなくて2軸ですからね。人間が貨車に乗る、ということがどういうことなのか、 よおっく解ります。これはもはや「交通」ではなくて「アトラクション」の領域で すね。トンネルを通っている時など、まんま「ビッグサンダーマウンテン」な気分、 そのすぐ先で急坂を駆け降りてしまいそうな気さえします(笑)。車内(?)では、 雨上がりの、ひんやりした風が吹き抜けて行きます。ビールを飲みながらその風に あたると、シアワセ。 牽引機はEF58−122(関係無いけど、電暖表示灯ははずされているんです ね・・・・・)、「茶ガマ」です。ゴハチの牽く列車に乗るのなんて、もう10年 ぶり位かな? 現役(この場合、定期運用に就いていることをさす)を引退してか ら、ですからね。 その気品あふれる容姿は相変わらず。はっとするような横顔もそのまま。それが 「彼女」との再会でした。雨に濡れて、さらに輝きを増しています。私(の世代) にとっての「ゴハチ」はブルーであり、現在生き残っている仲間の実に8割が「茶 ガマ」であることに、かえって違和感を覚えてしまうのですが、でもでも、そんな 「些細なこと」などお構い無しに、ゴハチは美しい・・・・・。 前を見ると、時折その後ろ姿が見えます。そこにはかつての、「特急牽引機」と いうある種の性急さは無く、楽隠居生活を楽しむような、ゆったりとした時間が感 じられました。そのご隠居に時々遊んでもらえる、近所の子供になったような気分 ・・・・・幼少の時分、急行「西海」(10系寝台時代)を従えてホームに滑り込 んで来るその姿を見て以来、「駆け抜ける」姿にその魅力を見出して来た私なので すが、しかし、なんか、こういうのもいいなー、と、そんなゴハチを想ってしまう のでした。 CUB