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2921 sun3965 CUB     94/09/26 23:51 253系のこと                        66
 
 「NEX」こと253系、カッコイイですよね。流石はGKデザインの作! と
手放しで誉めたような気もするのですが、「うーん? ちょっとまてよ?」なこと
に、実は出くわしまして。
 
 それは先月のある日、大垣夜行に乗るべく品川駅の臨時ホームで待っていた時の
こと。
 
 雨が降って来まして、それも結構な降り具合。臨時ホームには回送列車がよく出
入りするのですが、253系が入線した時に、「事件」は起きたんです。
 
 ざざざざざぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・
 
 振り返ると、列車待ちで置かれ、主のいない荷物がずぶ濡れになっています。私
達は反対側の臨時列車の方に並んでいたので、幸いこの「事件」に巻き込まれずに
済んだのですが、「グリーン・カウンターを呼べ!」という怒りの声がホームに響
いていたような気がします・・・・・・?ぉ
 
 要するに入線してきた253系の屋根の雨水が溢れた訳ですが、しかしこれはそ
の雨量が多かったこともさることながら、253系自身の構造もその「惨事」を大
きくしたとは言えないかな?・・・・・・と。
 
 
 
 文章だけでは表現が難しいのですが、ちょっと考察してみましょうか。雑誌の紹
介記事などを参照すると解り易いかも。模型があったら尚結構。(^_^)
 
 253系は、見ての通り張り上げ屋根になっていて、赤い色が個性をアピールし
ています。また丸く(面取りしてあるけど)深くなっていて、ラゲッジ・スペース
が確保されています。そして雨樋(水切り)らしきものは見当たらず・・・・・・
というよりも巧くカモフラージュされて、スッキリとしています。クーラー・ユニ
ットは屋根上妻面寄りにあり、そこだけ屋根が若干低くなっています。パンタ部分
もそうですね。
 
 さて、この「低屋根」部分に注目すると、側方には雨樋、前後の一方は屋根の段
差、一方は妻面、といった具合に、三方が囲まれています。
 
 列車は加減速するものですから、例えば減速時において、慣性の法則によって溜
まった雨水は前方に寄ろうとします。しかし進行方向後寄りの「低屋根」の場合、
屋根の段差の部分に当たったところで、雨水の行き場が無くなってしまいます。こ
こで253系の場合、その「段差」がスラントしているので、雨水はそれに乗り上
げる格好となり、そして車体側方の水切りを乗り越えたところで「ざざざぁぁぁぁぁ」
と相成る、といった次第。品川駅でも、これが起きました。
 
 段差の無い屋根の場合、加減速に伴う雨水の移動は、どちらの妻面に対しても、
そこに行き着くまで出来るようになっています。雨樋でさばき切れない分は妻面に
落ちる訳です。勿論、側面に溢れる可能性は全く無い訳でもなく、クーラー・ユニ
ット等に当たって「ざっぷん」ということもあるのですが、それでも253系の場
合よりは穏やかであると考えられます。
 
 段差と言えば、24系などのブルトレ客車の屋根にもあるのですが、でもこの
「低屋根」部分は253系よりも狭いので、雨水の溜まる量も253系程ではない
でしょう。
 
 
 
 これだけで、253系を欠陥車呼ばわりすることは乱暴です。先の「惨事」の時
の雨量もかなり多く、恐らく設計する際に想定した雨量を上回っていたのでしょう。
でま、実際にグリーン・カウンターに声が届いたのかは定かではないのですが、ま、
趣味としてこんな「考察」をしてみるのも楽しいもので。ずぶ濡れの方には申し訳
なくも・・・・・。(^^;
 
 
 
                          CUB