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3022 sun3965 CUB     94/11/18 20:25 ここにきて唐突に「はるか」            72
 
 今更ながら、「はるか」の話。
 
 まだその現物を見ておらず、しかも雑誌記事もきちんと見ていなかったんですけ
ど、なーんか、近頃気になる「はるか」なのです。
 
 おお、まさに走るジャパネスク! どことなくそこに「雅」なものを感じてしま
うのは、それが京都直通だからという先入観だけでもないでしょう。小さなライト
には縁取りもなく、その真っ白な「のっぺらぼう」とも言えそうな顔は、微妙な凹
凸による陰影でその表情をつくり、それは能面を思わせます。
 
 今頃気付いたのが、サイドのマーク。日の丸に五重塔と富士山のシルエットをあ
しらったデザイン、シンプルでありながらしっかりとした主張があります。遠くに
見える富士山は「はるか」のキーワードでもあるそうなんですけど、遠い遠い東国
のその美しい稜線をたたえた峰への、古き京人の遥かなる思いを汲み取れる・・・・
・・・・までいうと深読みしすぎか? でも確か、古文の授業か何かでそんな京人
の意識を教わったような気がします。
 
 青く、四角いブロックのようなものもあしらってありますけど、これは「交わる」
だったかを表現したものなのだとか。でもそれとは別に、古くからの日本建築の、
重要な要素である「格子」をも思わせますね。
 
 うーん、エクステリアに終始してしまいましたけど、なーんか、最初あまりぱっ
としない印象だった「はるか」なのですが、今頃になってそれが魅力的に見えて来
てしまったんですねえ。「あっ」と言わせるような派手さは無く、しかしその存在
感はじわじわと意識の中に入り込んで来て・・・・・・なんだかとても知的な魅力
です。自らに課せられた役割を自覚しているかのような演出、こちらの思い過ごし
の分もあるでしょうが、デザイナーに拍手。
 
 
 
 空港連絡特急といえば、その前に「NEX」がありましたね。スカイライナーの
方が歴史的には古いですか。
 
 さてさて、ついついその「NEX」と「はるか」を比べてしまうのは人情という
もの。両者には明らかに「使命感」を感じるのですが、故にその「使命」の質の違
いが見出せるというか。
 
 簡単に言ってしまえば、東京は仕事で来るところであり、京都は観光で来るとこ
ろ、という色分け。実際、成田エクスプレスの登場時のCMは、ビジネスマンの利
便をアピールしたものでした。「はるか」はよく覚えていないけど、やはり「京都」
が全面に出ていたような?
 
 「NEX」が、そのスタイルをきわめて欧米風にスッキリ「オサレ」にまとめて
いる(その配色は「日本」を意識したんだと思うけど)のに対し、「はるか」は、
やはり「狙って」いるでしょう。「能面」マスク然り、側面マーク然り、そしてそ
のネーミング然り。平仮名で表記された「はるか」、その柔らかな文字もさること
ながら、発音も柔らかく美しい響きを持っています。その昔ぱっとしなかった特急
に「飛鳥」というのもありましたけど、うーん、これも良い響きです。
 
 我々日本人が見ても、そこに「日本」を感じてしみじみしてしまうような、そん
な「はるか」なんだと思います。「NEX」とのこの違いは、いわば「機能」で成
り立っている東京に対しての、「文化」で成り立っている関西、というか。実際は
ともかく、そんな演出です。うーん、関東の住人としては、ちょっとじぇらしぃ。
 
 
 
 トータル・コーディネートの勝利ということで、やるじゃん、JR西日本、てな
わけで。そいや新快速の帯の色にも「雅」を感じてしまっていたんですねえ私。う
ーん。ただ突然ながら、碓氷峠でよく出くわす、ボンネット「白山」(私達の間で
は何故か「げろぱく」と呼んでいる)は勘弁ね。(^^;
 
 
 
 はるかちゃん、てのがいたような気がするけど・・・・・・・・まあいっか。
 
 ラピートくんは?・・・・・・・・・・良いんじゃないですかあれはあれで。ぉ
 
 
 
     ああ、関水から出るんだっけか?      CUB