*****
3288 sun3965 CUB     95/04/18 21:11 「蒸機の時代」いまだ                  25
 
 「リゲイン」だったかのCM、流線型の蒸機が登場しますね。
 
 蒸機って、そのあまりにも「機械」臭い、メタルな質感がとても魅力的なんです
けど、流線型の大型蒸機となると、その鉄仮面のような顔とあいまって「鉄の時代」
に人類が造り上げた「究極の機械」といった迫力があり、一種の陶酔感さえもたら
す空気を帯びています。
 
 実際には電機やディーゼル機にその出力、エネルギー効率で及ばない筈なのです
が、一種のオーラを発する、それが大型蒸機なのかと。「感じさせる」という点で
は、美術作品のような「主張」を持っていると言えるかも。故に「力」の象徴とし
て、今でもCMの世界で蒸機が登場するのでしょう。
 
 ところで「ガジェット」とかいいましたっけ? 架空の帝国、映画「メトロポリ
ス」のような世界を描いたCG作品が結構話題らしいのですが、その中に、流線型
の大型蒸機が多数登場してきます。最新鋭機の牽く超特急もあったかな? 幾分ガ
ニ股なのが気になる(鉄道を知らない人がそれを描くと、ゲージを車幅いっぱいに
してしまうことが多いみたいなんだけど)ものの、そのイカニモ「機械文明」な雰
囲気は十分。それを観つつ、現実の世界で「蒸機の時代」がもう暫く続いていたな
ら・・・・・・・と夢想する私なのでした。
 
 
 
                         CUB



*****
3291 sun3965 CUB     95/04/23 22:12 Re3290:仮想的進化型蒸機・・・・・・   62
 
 前にも話したような気がするのですが、蒸機の技術にはまだやり残した領域があ
るそうで、特に動力近代化に差し掛かった頃に登場したりしたものには、それを煮
詰める間もなく蒸機と共に消えて行ったものもあるようです。
 
 蒸機の技術、という訳ではないのですが、私の記憶が確かならば、日本ではとう
とう「コロ軸受」は採用されなかったんでしたっけ? 確かC63で初採用、だっ
たような・・・・・・・・。
 
 「レイル・マガジン」での特集やその別冊本での読み噛りを思い出すと、復水式、
なんてのがあったそうですね。蒸気(水)は、シリンダー内でその役目を終えた後
そのまま排気されるのが普通なのですが、それを再び水に戻して再利用するという
技術。こうすると、水の消費量が抑えられるので航続距離も伸び、給水の頻度を減
らしたり、或はタンクやテンダーの容量を抑えることが出来る、また言わば「蒸留
水」を使う訳だからボイラーの「水垢」も少なくなりメインテナンス上も好都合、
と。
 
 このタイプの蒸機は旧満鉄にも存在したそうで、「ミカク」なるその蒸機をイラ
ストで見ましたが、シリンダー付近から後ろのテンダーへ向かって伸びる太いパイ
プが印象的。キャブ付近のデザインが凝っていて、テンダーと幌で繋がっていて乗
降扉はテンダー側にあったります。流線型ではありませんが、全体的に「機械文明」
の香りが漂っています。
 
 あと、熱効率を高めるために、ファイン・セラミックか何かをボイラーに取り入
れるなんてな、どうなんでしょ。普通、火の入っている蒸機はその表面が熱い(そ
の昔テレビ番組の実験で、ボイラーの表面で芋焼いてたっけ)のですが、それは即
ち「ロス」な訳ですよね。運動エネルギー(動力)に変換されることなく放出され
てしまっている訳ですから。外気温が低いと缶圧が思うように上がってくれない、
という話もそれを物語っています。内燃機関では、同じ考え方で「セラミック・エ
ンジン」なるものが試作されていたりしているようですね(関係無いけど「セラミ
ック・ターボ」はそういうのじゃないからね〜)。
 
 きめの細かい制御(火床整理等含む)と共に自動給炭がきちんと出来るという前
提で考えると、キャブをボイラーとタンク(テンダー)の間に据える必然性は無く
なりますね。するとフロント・キャブになります。熟練者の技術を取り込んだ「お
りこうファジー」かなんかで全てこなしてもらうことにして、機関士はノッチで制
御・・・・・・・・うーん、すごく味気無い。(^^;
 
 「究極の蒸機」・・・・・・・・・自動化はともかく、ロマンだなあ、興味本意
だけど。
 
 
 
 さて外燃機関はなにも蒸気機関だけではなくて、例えばスターリング・エンジン
なんてのもありますよね。なんか近頃効率を良く出来たとかなんとかいう話があっ
たような気がするけど。
 
 ところで石炭を燃料とする蒸機を「発電ボイラー搭載機関車」にしてしまうのは、
難しいものを含むと思われます。それは「火の状態を一定に保つ」ことは容易いも
の、ぱっと付けたり消したりが出来ないということ。「アイドリング」中も火を落
とさないのならそれはやっぱりロスですし(勿論「普通の蒸機」にも言えること)、
また「アイドリング」の状態から、力行に至るまでのレスポンスが期待出来ない、
つまり「吹かす」ことが出来ないということですね。
 
 なので効率の観点からすれば、発電所のような、大局的な変位に対応するような
ところで用いた方が得策ではないかと思ったりするんですよ。実際、エネルギー効
率は(特に都市圏の)電車が高いそうですし。
 
 
 
                         CUB