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3436 sun3965 CUB     95/10/17 01:46 「C62ニセコ」撮り鉄編             121

      「ふられ節」(モダンチョキチョキズ)〜


        シロクニっていつ来るの? 
        「おのれもぉ ようわからんてか!」
        私いるお立ち台から 何も見えやしない

        お手軽主義ですぐパクリ
        7:3のカット量産
        ありがちセンスで病んでいて
        気付かずにいたの

        ☆君だけ悪い 君こそ悪い 君程悪い奴はない
         最後の一線跨ぎたおして
         私も悪い

        キハ キハ キハがやって来た
        (キハ キハ キハがやって来た)
        「前に出過ぎて警笛パート1」
        もはや草木もカットして
        (もはや草木もカットして)
        ミザル キカザル アマチャズル

        制止の声ふりきって
        前向きの勇み足
        トホホ構図に人入り込んで
        どけどけどいて

        ★三脚だらけの 三脚はびこる 三脚知らずの君だもの
         おがみたおして おがみたおしても
         嗚呼 ブレてるし

        ☆Repeat
        ★Repeat

             (おいおいまた替え歌だぜ)



 10/8、撮影当日の朝。雨。

 前回(7月末)散々だった記憶が頭をよぎり、重い気分のままとにかく現場へ。
ぬかるむ「お立ち台」にとりあえず三脚を立ててきて、クルマのところでダベリン
グ。昨日の人もいて、げらげらと。

 「また三脚を盗まれた」という人。さっき会った時も「夕べやられた」と言って
たから、これで2件め。幸いというか、私はそのような物騒なことに縁が無かった
のですが、こういうところでどさくさに持って行ってしまう人もいるという話は聞
いたことがあります。しかし同じ人が2度もぉ? 「昨日あたり伏線があったんじ
ゃない?」と見る向きもあったようですが、確かなことは分からず。

 さてそろそろ通過時刻も近づいて来て、機材を出そうかというところで、雨は小
振りに、遠くの空も明るくなってきました。おお、このまま変わらないでくれ、と
祈りながら「お立ち台」へ。「武運長久を祈る!」などとよく分からないエールを
送りあって、それぞれのポジションに着きます。

 ちょっと空けてもらえます?、ああどうも、少し位置上げましょうか?、頭は上
げないでくださいね、などと譲り合いながらどうにかカメラを載せて、「その時」
を待ちます。雨は止んで、空も明るくなって来ました。よし、そのまま!

 やがて汽笛が聞こえ、シロクニの息遣いが聞こえて来ました。S字の奥に顔を出
した瞬間、辺りで一斉にシャッター音。列車はそこから少しの直線を走り、手前の
カーブで右旋回、視野から去っていきます。

 余韻・・・・・・・・・・・。

 「いやあ、我々の執念ですね」

 予報では下り坂。ざんざん降りの雨から、それも止んで列車が近づくにつれて明
るくなって来たあたり、我々がそうと信じて疑わないような、空模様だったのです。
「シロクニ教」を信ずる者の報いか?ぉぃぉぃぉぃぉぃ

 さて撤収です。しかし私の三脚は傍の人達のと複雑に絡み合ってしまっていて、
気持ちとは裏腹に思うように捗らず。どうにか畳んで、小川で泥を落とし、クルマ
の所へ。



 「塩谷隋道飛び出し」を撮りたい私に対し、私の同行者は別の所へ行くとのこと。
幸い昨日からの人達が方角も一緒とあって、結局私はそちらのクルマに乗せてもら
うことになりました。

 着いてみると、数人しかおらず。列車を撮る人って、編成で撮る場合が多いです
から、こういう機関車しか見えないところはあまり人気が無いのかもしれませんね。
それに下り(復路)は「追っかけ」する人が多い(季節、休日、気温、気象状態、
その他の条件が揃った時、「シロクニ・ジェーン」と呼ばれる大渋滞が起こる、と
いう話は結構本当らしい)ですから、寸前に来るのかも知れません。塩谷の長時間
停車もありますし。

 三脚を据えて、暇を持て余していたのですが、雲行きが怪しくなってきました。
風が冷たくなり、とうとう雨まで振り出して・・・・・・考えてみたら「下り坂」
の予報だったんですよね、元々。

 居合わせた人の好意で、その人のクルマに機材の雨宿りをさせていただいたので
すが、通過時刻が近づくと、雨も小降りに。

 やややっ、これは。やはり「執念」か?(ぉ

 遠くで汽笛が聞こえ、塩谷隋道からしゅうしゅうという音が聞こえだしました。
来る、来る、来る・・・・・・・歪んだライトが見え、

 ぼふっ! ぼばばばばばばば・・・・・・・・ぼっぼっぼっぼっ・・・・・・・

 飛び出すなりの空転です。終着・小樽間際の最後の峠に挑むシロクニ。空転を繰
り返すうちにその歩みは勢いを失い、最後尾が過ぎる頃には殆ど止まりそうになり
ながら、それでもゆっくりと、なおも前進しつづける様は、感動的でさえありまし
た。そして私は、それを生で見ている!!



 その後同行者のクルマに拾ってもらい、小樽築港で撮影して、倶知安の宿へ帰っ
たのですが、そこで先のビデオを上映。気温が下がったのも幸いして、迫力満点の
映像に一同うるうる。これは私の「手柄」なんかではなく、私は「フレーム」を置
いただけ。その中でシロクニが「役を演じきった」というのが実感です。とにかく、
私の感動が少しでも分かちあえたようで、なにより。



                         CUB