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3437 sun3965 CUB     95/10/17 01:47 OFF・・・・・ニセコYH最後の夜    66

 10/9、この日シロクニの運転は無し。

 宿で一緒だった人達も、ある人は前日から狩勝峠へ、ある人は温泉巡り、ある人
はやけにニコニコしながら札幌へ(謎)、とまあ色々でして、私達も余市のニッカ
工場見学(試飲あり!)、札幌ビール園などなどと思案していたのですが、結局ド
ライブかたがた室蘭本線まで「撮り鉄」しに行くことに。性、かな。ああ。

 倶知安の町役場かなんかの近くに静態保存されている「2つ目」79615を見
てから、着いた先が、室蘭本線の礼文〜大岸間かどっかの撮影ポイント。いや私は
案内してもらった側で、全然知らないんですよ。今日はシロクニ「中日」とあって、
あちこちでカメラ持った人を見掛けました。もう、みんなおんなじ(笑)。でまあ、
ここで「北斗」かなんか撮って、ちょっと移動して今度は海岸沿いの俯瞰ポイント。
例えて言うなら紀勢本線、みたいなとこかな? 天気も上々で、広角レンズでどー
んと空を入れて撮りました。

 ここにも2人連れの人(因みに東京の人。もう、そんなんばっかし・笑)がいて、
もう、なんというか、ノリの良い人達で意気投合、バンに5人乗りで同行すること
になりました。

 次に訪れたのは、旭浜。長万部の隣の、臨時乗降場みたいな駅です。国道1本隔
ててすぐ海岸、だだっ広いだけのところを、まっすぐな線路があるだけ、みたいな
ところで、もう、「北海道!」と叫びたくなるような。夕暮れ間近の日差しに、す
すきの穂が輝いています。その中をDD51の貨物列車や「スーパー北斗」が走っ
て行くのでした。そうそう、DF200−901も見ましたよ!

 「トワイライト・エクスプレス」まで撮って、2人組の荷物が預けてあるという
長万部へ。ここで思わず「かにめし」を所望してしまいました。彼らの宿はワイス
だというので、じゃあ送りましょうということになり、そのままクルマでわいわい
と。途中シロクニの速度記録を抜いたような気もするけど、よく覚えていません。
そうそう、キタキツネが前を横切るのを見ました。



 宿へ帰ると、食堂は同志諸君で盛り上げっています。めいめいのビデオを披露し
あっていたので、話だけしていた人に見せるのかたがた、ならばと私の「塩谷隋道
飛び出し」も。シロクニの「役者」ぶりに、アンコールの声。

 宿(ユース・ホステル)のペアレントさんが、写真パネルを出して来ました。現
役時代の蒸機の写真です。かつて蒸気機関車が現役で活躍していた頃、ここニセコ・
ユース・ホステルも我々の先輩達で賑わったそうで、最盛期には食堂を大部屋とし
て使い、さらに近くの民家にも手配してもらうほどだったそうです。その先輩達が
残して行った作品が、いま我々の目の前にあるのでした。狩勝峠の三重連、うっす
ら雪化粧した「スワロー・エンジェル」の除煙板、それから、それから・・・・・。

「この1枚で飲めるね、俺は」
「生きてるよ、この中の蒸機は」
「自分が遅く生まれて来たことが恨めしいよ」
「おいおいこれ見ちゃった後で、明日写真撮れるの?(笑)」

 宿泊客の中には現役時代を知っている人もいて、色々と昔話を聞くことが出来ま
した。「蒸機」を接点とした、世代を越えたコミュニケーションというか、なんか、
とても嬉しい時間なのでした。私もいつか、今自分が体験していることを誰かに話
す時が来たら、その時には出来る限り多くを伝えたい、そのためにも「今」を記録
しておきたい、と、なんか「趣味」を越えたことまで考えてしまって。ちょっと酔
っていたようですね。

 ニセコ・ユース・ホステル。改築のために休業になるそうです。ペアレントさん
もこれを機に隠居されてしまうとのこと。そしてシロクニ運転日を踏まえて、それ
に合わせて10/10チェック・アウトまでとしたそうで、我々はその最後の宿泊
客。そして今夜はその最後の夜。羊蹄山が月に照らされて綺麗でした。



                       CUB