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3609 sun3965 CUB     96/08/06 23:00 絵本な話                              42



 とある絵本を見付けてしまいまして。

 「でんしゃにのった」という本。西村慶明氏の絵です。西村氏は、例えば初期の
RMに「けいめいのいらすとのーと」という連載(今の「絵画館」に近い)を持っ
ていて、そのカチッとしたペン画を毎月披露されていました。カチッと適度なクー
ルさを保ちながら、しかし決して冷たくない、そんな画風でしょうか。

 さてストーリーとしては、「ぼく」と「おとうと」がお母さんに連れられて、新
快速(シティライナー)に乗って出掛けるといったもので、恐らく京都かその手前
あたりから乗り込み、(多分)吹田の操車場を過ぎ、新大阪で485系1500番
台の「白鳥」(当然国鉄特急色)と並び、他にもEF58−61(まだ運転席側の
正面窓の水切りにワイパーの逃げがある頃)とすれ違ったり、EF62の荷物列車
と並走したりと、結構細かいところでしみじみさせつつ(子供はしみじみしないだ
ろうけど)、須磨かもっと先の海岸近くの駅で降りる、という具合。

 発行は‘84年なのですが、そうかその頃はそうだったかぁ、と・・・・・・・
発売当時にRMだかでインフォメーションされていたものの、買いそびれていたん
ですよ。もう、即買いです。


 買わなかったけどもう一冊アジだったのが、「かもつれっしゃワムくん」。まあ
主人公のワムくんの暮しぶり・・・・・田舎の駅でリンゴの箱を積んで渋いデッキ
付の小型電機に引かれ、やがて本線でEF66に引かれ、操車場に入ったりしつつ
都会へやってくる、みたいな・・・・・が描かれているんですけど、他にもタムく
んとかトラくんとか登場して、結構しみじみ。タムくんが「EF66ってのはすご
い機関車なんだぜ。特急なんだ」という話をワムくんに聞かせてくれたり。


 んー、絵本を侮ってはいけませんねこれは。描いてる人は大人なわけで、結構
「しみじみ」が入り込んでいたりします。今では消えてしまった情景など子供に解
らないだろう?、という部分もあるでしょうが、でも普遍的な魅力がそこにはある
と思います・・・。


 ところであかね書房の「ふたごのでんしゃ」という童話の本、ご存じの方いらっ
しゃいます?



                       CUB