***** 1996年12月23日 ***** [T:5235] Re: RM No.161 こんにちは、深町です。 (略:RM誌のEL全検の記事について) たーしかEF58がパニックになった頃だったか、「鉄道ファン」でEF58−61の 全検のリポートがあったように記憶しています。正面窓の水切りがまっすぐになった時で したか。塗装も全面剥離されて、当時「これまでにない入念さ」と言われたものでした・・・ ・・・しみじみ。先日のそれは更にその上を行っていたわけですが。 で、私もこういうの好きです。随分前なんですけどそういえば、NHK特集(当時)で、 C57−1の全検を追ったドキュメンタリーがありましたね。「よみがえれ貴婦人」とい うタイトル。蒸機全廃以来、設備や部品や人材が乏しくなっている現実と、次々と持ち上 がる問題を、ひとつひとつクリアーしていく話でした。あれは泣けました。 阪神大震災では全検中に被災して、執念ともいえる復活を遂げたのは記憶に新しいとこ ろです。それらの舞台となった鷹取工場が、消えてしまうのは惜しまれるところです。 (略) ***** 深町 忠利 ふかまちただとし ***** 1996年12月24日 ***** [T:5245] Re: SL no Buhin(Re: RM No.161) こんにちは、深町です。 (略) この番組の為のオリジナルであろう、三枝成章氏の音楽が良かったですね。御召牽引は じめ、過去のC57−1の活躍の映像にそれがかぶさるところでは、瞼のドレインが全開 になってしまいます・・・・・・LDあったら絶対買うのになー。 若い作業員がテンダーのライト・レンズを誤って割ってしまい、その上司らしき人が 「これ、作ったら30万するんですわ。冗談ちゃうぞ。も、コレ(手でパァとやる)や」 とキレそうになりながら話してたのとか、動輪に車軸を圧入する機械が無くて、辛うじて それが残っていた北海道へイチかバチかで持ち込んだのとか、よく覚えてます。 部品は工場の倉庫の奥の奥をかき回したり、全国で保管されてたものが集められたり・・ ・・・・・・その中には、忘れ形見的に個人が所有していたものもあったようです。先の レンズもその中から無事見付かってました。 軸受けの特殊なメッキの方法が分からないとか、次々と難題が持ち上がり、「蒸機の生 き字引」のような年配のOBにアドバイスをもらったり、古い文献を発掘したり、途絶え た技術を取り戻す苦労がそこには描かれていました。かつては、1週間余りで全検を済ま せる程の整備技術が、各地の工場にはあったそうで。厚みと言いましょうか。 このあたりは、運転技術にも言えそうですね。 この番組が制作された頃、国内で国鉄型蒸機が走っていたのは、山口線と大井川鉄道だ けであったと思います。技術を共有する者が他に無く、C57−1を生き続けさせた苦労 は計り知れないです。各地で蒸機が復活している今、鉄道会社自身の蒸機へ取り組む姿勢 等も含めて、そういう意味では明るくなってきているのかも。 いくつかの危機を乗り越えて、再び火が入れられた「貴婦人」。考えてみればこの機関 車C57−1は、過去にも土砂崩れに突っ込んで殆ど全損になりながら復帰したとか、阪 神大震災で被災して、たしか台枠にダメージがあったと思うのですがこれも克服したとか、 数奇な運命の持ち主なんですね。 abe> ピク誌の’97.1月号にも、この様な内容の記事がありました。 思わず買ったです私も。C62−3の今後とか、色々考えさせられますね。 (略) ***** 深町 忠利 ふかまちただとし ***** 1996年12月26日 ***** [T:5268] "Yomigaere Kifujin" ( Re: SL no Buhin(Re: RM No.161)) こんにちは、深町です。 (略) 夜の雨の中トラックを飛ばしてるところと、フェリーのデッキに佇むトラ ックの映像があったように思います。確かデッキが凍り付く冬だったような。 苗穂でしたか・・・・・・・研削の機械もここにあって、ついでに使った 風だったような。「機関車は生涯の間に少しずつ背が低くなっていきます」 といったナレーションが印象的でした。直径1750mmの動輪がどこまで 減るものなのか分かりませんが、生涯を共にする部品なんだなあと。 あの設備は、C62−3にも用いられたのでしょうか。 (略) 技術は、人が創り人が守り人が使う、そういうものなんでしょうね。コミュ ニケーション無くして技術は成り立たないし、誇り無くしてそれは守られない んだなあ、と思うです。周囲の人々の想いが擦り込まれて、復活蒸機のあの輝 きはあるんだと思います。現役時代のそれとは確かに違うでしょうが、簡単に 「客寄せパンダ」と否定することは出来ないですよね。恥ずかしながら私、最 初はそのへんを理解していなかったんです・・・・・・。 ***** 深町 忠利 ふかまちただとし