***** 1998年9月1日 8:39:26 *****
[T:21694] Ser."0"



 こんにちは、深町です。


 昼間の鈍行で東海道を下った翌8/30(日)、山崎で軽く列車を撮ったあと、
新大阪へ行きました。

 なんだか急に、0系に会いたくなりまして。東京口では見る機会も希になって
いることに、最近気付いたもので。あーんなにいた0系が。

 1時間ほどいた間に、入れ代わり立ち代わり、いやいや来るわ来るわ、都合4
本ばかり0系が。うち3本が「ウエストひかり」ながら、どうにか1本だけ、あ
のオリジナル色(アイボリーの色合いが怪しい?)も。ついでに500系も1本
だけ見て、もうウハウハ。

 いやいやいやいや。なーんか、びゅわーんびゅわーんスイッチが入ってしまい
ましたよ。(^^;;;;;



 なもので、予定を切り上げて(だって台風が直撃すると思ってたんだんもん)
この日帰ることにしていたのですが、梅小路蒸気機関車館を閉館までうろうろし
たあと、東海道の鈍行列車(新快速ですけど)を乗り継いで、豊橋から最終東京
行の「こだま434号」。これが0系なんですね。

 東海道本線の小田原〜熱海が不通らしいという読みから、神奈川入りは新幹線
という必然はあったんですけど、これで小田原へ入れば、東海道線の最終品川行
に接続できます。実は以前、時間の都合から実践したパターンなんです、これ。

 豊橋で新幹線改札口へ・・・・・・途中近所の小学校の子供達の絵が沢山飾っ
てある壁があったのですが、さっと見たところ、100系や300系が大半、
「こまち」なんかもある中で、0系は殆ど皆無だったようで・・・・・・その昔
0系や初代ドクターイエロー(六角形窓付!)なんか描いてた私ですが、いやい
やなんか、歳感じてしまいましたなぁ。



 そんなことを思いながらホームに降り立つと、16両の堂々たる編成の「こだ
ま」が滑り込んで来ました。車内を覗き込むと・・・・・・をををっ、まだ転換
クロス車があるじゃーないですか!

 そ、あのグレーと青の、リクライニングしないシート。

 これに乗るしかないでしょぉ。(^^;

 席を陣取り、やがて列車は発車。このシート、やはり今となっては座り心地も
良いものじゃないですね・・・・・185系オリジナルや117系のそれと変わ
らない感じですが、いやひょっとしたら少し落ちるかも!?

 でも私、昔これで博多まで全線乗り通しましたよ(笑)。しかも6時間56分
の「赤いひかり」じゃなくて、一体何時間かかったのか判らない「青いひかり」
の方で(なんでだよぉ)・・・・・・子供には辛かった。(^^;;;

 今は最速で5時間なんでしたっけ? いやはや。



 窓を見ると、これが異常に高い。もう肩の辺りに下辺が・・・・・・この車両
を設計するにあたって、高速ですっ飛ぶ車窓に乗客が目を回さないようにと、わ
ざとこうして近景を見せないようにした、と聞きます。いわばこれが、‘60年
代の人達の持つスピード感、だったんでしょうね。

 最新型の車両では胸の辺りまで窓があって、さらに2階建車の1階部分なんか
目の前でホームがすっ飛んで行く・・・・・・すっかり我々も、このオーバー
200km/hの世界に慣れたわけですか。

 そういえばもう、さすがに広窓車は見当たらないようですね・・・。

 びゅわーんびゅわーん、小田原で降りるつもりが、ついつい東京までになって
しまい・・・・・・・あの、ジョイント音が聞こえる新横浜〜東京、これを久々
に味わってみたくなりまして。

 がかっがかっがかっがかっがかっがかっ・・・・・・・・うーん。



 いつもと違って臨時ホームに人気の無い品川を横目に、程なく東京着。ホーム
の反対側には300系が入っていて、左右見比べながら、端から端まで400m
を歩いてみました。窓の大きさ、シートピッチ、車体のボリュウム、先鋭さ・・・
・・・この30年余という歳月とその重みが、そこかしこに見える気が。

 300系の方は初期のプラグドア(閉まると車体とツライチになる)ではない
車両なので、ドア回りは0系と大して変わらないんですけど、その0系のグリー
ン車のドアの縁取りというのが、金色なんですよね。これは恐らくTEEあたり
の模倣ではと推察するのですが、100系以降ではたしか無かったような・・・・
・・・185系電車の窓枠は金でしたが。

 よく言われることですが、今となっては「ずんぐり」と形容されてしまうよう
な、0系の「流線形」ボディ。これが‘60年代の日本人の、精一杯のスピード
感。いくつかの判りやすいラインの組み合わせで形作られたそれは、風に挑まん
とする姿勢がありありと窺われます。近年の車両ではもっとあっさり走ってみせ
る感じがします(勿論技術の進歩もあるんだし)が、もっとギリギリの線で挑ん
でいるような感じが、あるんですよね0系は。

 逆に言えば、今となっては精一杯でこの程度のスピードということになるんで
すけど・・・・・その細部が多少くたびれた感じや汚れた感じが、「長旅を走り
抜く」というイメージによく合っている気もします。それこそ、砂漠かどこか旅
してきたような。

 いや、時代を旅してきた、という表現の方が相応しいかな。ちょっと気障?



 さて、びゅわーんびゅわーんスイッチが入りっぱなしの私、そういえば定期で
「ひかり」運用(グランドひかりじゃなくて)に入っている0系もあったなと、
時刻表を引っ張り出してみました。

 「ひかり183/184号」、名古屋〜博多を往復する運用です。食堂車は営
業しておらず、グリーン車も1両だけですが、しかし堂々たる16両編成。

 うーむ、乗ってみたい・・・。東京からでは「MLながら」から乗り継ぐよう
なスジではあるのですが。

 ところが、ちょっと気になったので今度のダイヤ改正の時刻表を見ると・・・・
・・・・・・あ゛あ゛っ、「グランドひかり」に化けてやがるぅ。

 とすると、と、すると・・・・・!? なんかヤな予感。

 そういえば食堂車が全廃なるお話も出てますし、知らない間に変わっているん
ですねぇ、東海道・山陽新幹線。



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     深町 忠利 > ふかまちただとし
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