***** 1998年9月4日 0:46:04 ***** [T:21820] of the Tetsu, by the Tetsu, for the Tetsu... こんにちは、深町です。 いわゆる鉄道趣味を紹介するような本というのは、これまでにも色々出て ますけれど、店頭でぱらぱらっと見ておしまい、てのが、まぁこれまでの私 のパターンでした。 うまく言えないけれど、どこか異質な「匂い」がするというか、「視点」 に違和感があるというか、何かが違う・・・・・・どうもそのライターさん と、距離を感じたというか。 あれ、なんなんでしょうねぇ。頭ごなしに感じたこともあったし、土足で 踏み込まれたような気がしたこともあったし・・・・・・ターゲットとする 読者層をどの辺りに置いているのか、という部分もあるのでしょうけど、イ ンサイダー(笑)であるところの私からすると、何かもの足りないというか。 最近「鉄チャンでいこう」という本を読みました。 書店でこの本を見付けた時も、どーせまた違和感アリアリの本なのだろう という先入観があったんですけど、ぱらぱらっと目を通してみると・・・・・ 「ををを、同志よ!」 こ、これは・・・・・。 インサーダー側の本ですよ(笑)、これ。 勿論これも鉄道趣味紹介本には違いなく、一応堅気衆(!)への紹介とい う体裁をとっていることから、旅行や写真や模型や収集品、などについての 簡単な解説が続いたりして、まぁどっぷりな「鉄」には新鮮味も無い部分が 少なくも無いのですけれども、中のイラスト(1〜4コマ漫画)あたりに、 キラリと光るものがあるんですなぁ、これ。 「ザンゲの部屋」というシリーズ(?)も、笑えます。 「昔コンテスト向けに子供を使ってヤラセ写真撮りました」 ・・・とか、 「鉄道マニアはやめたつもりなのに、電車の音が聞こえる と会話が止まってしまう」 ・・・とか(笑)。そういえば、知る人ぞ知る大阪のガード下の「JUNGLE DA!」という店で友達と飲んでて、頭上から時折聞こえるジョイント音が 重々しい6軸(ブルトレね)だったりすると「ををを」と聞き入ってしまっ たりしてた私らってのも、思いっきしアレですねい。(^^;;;; で、このイラスト、このノリ、なーんか懐かしいなと思っていたのですが、 著者名をみると「江頭剛」というひと。 江頭・・・・・えがしら・・・・・えがしら剛!? ぽんっ! 今や伝説の「鉄道グラフ雑誌・レールガイ」や、初期の「レイル・マガジ ン」でイラスト描いてらっしゃいましたよ、この方。沿線ガイドのそれなど で、笑かして頂いたもんです。 そおかあ、この人だったのかあ。 実際「鉄」やってる人だから、そら話にもリアリティありますわ。オイタ も含めて(苦笑)。いわゆる「撮り鉄」に重きを置いている内容ですが、そ の「現場」のリアルな描写や暗黙の「仁義」など、「そのケ」のある人には ニヤニヤではないでしょうか? 或いは、やったわやった、なーつかしーなー みたいな。 んでこの道長い人らしく、匿名、実名で出てくる人達・・・・・・プロの カメラマンもいらっしゃいますねぇ(笑)。有名な人です。 鉄道マニアの人生を語っちゃうところも、なんかスゴイです。「芽生え」 の時期から、子供向け鉄本の奥深さ、親を越える時、仲間を得る、駅撮りデ ビュー、社会に出て、結婚生活、子供の命名・・・・・・・うーむ。 んなことあるけー、と思いつつも、なんか笑えます。でも笑いながら何故 だか冷や汗が・・・・・・。(^^;;;;;; 好みもあるでしょうけれど、「俺らってバカだよなぁ。あはは」みたいな ノリってのは、私好きです。モラリスト気取りのみょーなキレイゴト言って ないのも、好印象。 べつに提灯記事書くつもりなんかじゃないんですけど、こういうスタンス の本って意外と少ないように思ったので、紹介させていただきました。 ***** 深町 忠利 > ふかまちただとし E-Mail > cub@t3.rim.or.jp URL > http://www.t3.rim.or.jp/~cub/