***** 2001年4月25日 *****
[T:39266] Mashu-maru Mail



 こんにちは、深町です。


 さてモバイルする間も無かったので机上メールなのですが、話が前後
しますけれども、青函トンネル突入の前に、函館に接岸されている「メ
モリアルシップ摩周丸」を訪ねました。

 実はその2日前、青森の八甲田丸にも寄っていたのですが(笑)・・・
・・・「リゾートしがらみ^H^H^H^Hしらかみ」のあと奥羽線の電車に乗っ
て着きましたる青森駅、タイアップでドラえもん責め状態の「海峡」や、
大阪への長旅へ発つ「日本海」なんぞ見たりした後、八甲田丸へ行って
みたのです。

 もう17時になりかけてたので、入れないのではと思い、ここはこれ
まで2度訪れてるし、まあ西日に映える様でも撮るとして・・・と気楽
に構えてたのですが、今は19時まで開いているんですね。入場は18
時までらしいのですが、いつに間にやら時間延長・・・。

 そのようなわけで、展示内容は前回訪問([T:18557]`98/5)から、恐
らく全く(多分)変わってなさげでしたが、車両甲板などでしみじみと。
そうそう船体を塗り直したんでしょうか、カサカサに白っちゃけてた煙
突の「JNR」マークが、今回潤いを得て赤になってました。浮き出て
ないのは相変わらずですが・・・。



 で、摩周丸。国鉄の記憶を色濃く残す函館駅の、途切れた渡り廊下の
先に、それはいます・・・・・そりゃ当り前なんですが、その間に広が
る「パーク&トレイン」の駐車場というのが、時の隔たりを感じますね
い。

 会館より少し早く来て、まずは朝の光線での撮影。函館駅構内をどー
んと跨いでる「ともえ大橋」、ここへ上がって、岸と反対の右舷側など、
クルクルっと撮影。背後には函館山。ああ、あそこから俯瞰が出来たん
ですねそういえば。そうそう、修学旅行で来た時、撮りましたわ。丁度
出航して行くところでサ・・・・・今日はちょっと、あそこまで行って
くると時間的に厳しいので、俯瞰はまたの楽しみに。

#あの写真、発掘してみっかな。

 そうこうするうち9時になったので、いよいよ乗り込みます。船のす
ぐ隣に立つ建物の階段を上り、中を抜けて船に乗り込むようなのですが、
建物に入ってみると・・・・・あれ?

 ん? ここでいいのか?

 ドアは開く。恐る恐る入ってみる。いやそれどころか、がらんどうだ
わさ。誰かに叱られないかと不安を覚えつつ、もうひとつ扉を開けて中
へ進む・・・・・向こうで床を拭くおばさんがいるけど、こっちには構
わず仕事を続けてる・・・・・通り道にいくつも並ぶテナントは、休み
なのか畳んでしまったのか、ひとつも開いておらず・・・・・いや隙間
から見えるそれは、どう見てもすぐ営業が始まる風ではなく・・・・・。

 これが、今の函館なのですか・・・。

 そうだここは、博覧会の会場だったんだ! 連絡船が廃止になって
(青函トンネルが開業して)すぐの頃、青森と函館とで海峡を挟んで青
函博というのがありましたよね。そうそうこの建物、「博覧会様式」な
造りしてますもん。

 兵どもが、夢のあと、か・・・。



 そんな建物を抜けると、いよいよ摩周丸乗船口。船内に入ると・・・・・
なるほどこれは立派な展示ですね。10年以上経っているのでしょうか
ら何を今更でしょうけど、八甲田丸のそれとは、また違った感じ。ちゃ
んと比べたわけではありませんが、八甲田丸の方が比較的、オリジナル
の雰囲気を色濃く残していたような・・・? こちらの摩周丸は、もっ
と「博物館」然としている、と言いますか。展示も見栄えがちょっと違
うような。

#マルチメディアな内容(恐らく)のソフトを操作するところがあった
#のですが、そのPCがなんと、FM−TOWNS(笑)。しかも本体
#を晒しているというのに、外見綺麗なんだわさ。

 中で私なりにじーんと来たのは、飾り毛布。あの、毛布で季節モノな
どのモチーフを造って、乗客を迎えたという、粋な計らいですね。これ
は他の客船でも見られた演出でしたけど、先輩の技をこっそり盗んだと
いうこういった職人技は、一度絶えてしまうともう難しそうな気も。青
函連絡船では近代化船の導入で折り返し時間が短縮されて、この演出も
無くなってしまったとのことなのですけど、これがまた、実物を展示し
てあるんですね。八甲田丸ではたしか写真があるばかりだったのでは・・・
・・・と思うのですけど、摩周丸では色々なモチーフの飾り毛布を、小
さな毛布で模型化(?)して並べてあります。ひとつだけ本物の毛布で
大きいのがあって、それは「松竹梅」というものでした。いやはや、見
事。

 ロープの結び体験というのもまた、吊ってあるロープを¥100で買っ
て体験することが出来る(笑)。NHKで紹介された番組らしいビデオ
が流れているのですが、船長さんなのか判りませんが、ひょいひょいと
踊るような身のこなしで、箱を縛り上げて手提げにいてしまいました。
スゴイ。壁の展示によれば、なんでも「伊東家の食卓」(裏技的工夫を
紹介するTV番組ですな)他でも、このテの結びが紹介されたとか(笑)。

 結びの教本があります(笑)。¥100也。所望。(^^;;



 連絡船オリジナルの部分はというと、まず雑魚寝の普通船室。ああ、
こうだったこうだった、そうそう! 我先にと上がり込んで、よりかか
れる壁際をゲット、すかさずサイドボード様の棚に荷物を押し込むんで
すね(笑)。

 んー、思い出しますねい、修学旅行・・・(遠い目)。別の時には、
中国語か何かをわいわいがやがやと話すおばちゃんの集団に囲まれて往
生したこともありましたっけ(笑)。(((^-^;;; ここに寝転ぶと、階下
のエンジンの振動を全身で感じたんですよねい・・・。

#3度しか乗ったこと無いので、エラそーなコト言えません・・・。

 グリーン船室は、見るには見られるのですが、遊歩甲板から覗き込む
しかないようです。中が暗くて窓も濁ってて、よく判らないのですが・・・
・・・八甲田丸では、僅かなスペースですが座席の船室には座れるんで
すよね。摩周丸では座席だけ他のあちこちにあって座れるんですけど。

 あと、乗下船口のそばの階段に、木で北海道と青森を模った、大きい
パネルがありました。そこへ木製の山々や城跡のようなものがモザイク
のように犇いていて・・・・・これ、見るまですっかり忘れてましたが、
そうそうありましたよね! 修学旅行か、JR初日の乗船でこれの写真
撮ったカモ。なつかしや。(T-T)

 記念品が少ないのですが(本当は名前を彫るメダルが良いんですが・・・
・・・現役時代ありましたよね?)、とりあえずキーホルダーと、畳く
らいありそうな、でっかいポスター。帰り道に傷めそうだし、どうしよ
うかと思案したのですが、ボール紙の筒に入れたものがあるとのことで、
所望。(^^;; どこに貼るでもないんですが・・・いつものことか。(--;



 青森の八甲田丸と、函館の摩周丸、津軽海峡を挟んで、それぞれ慣れ
親しんだ港に佇む、両者。互いのありようは少し違ってるけれど、こと
に展示や見所は、それぞれが、うまい具合に互いを補完しあっているよ
うにも。摩周丸には摩周丸の見せ場があれば、八甲田丸には八甲田丸な
らではの見所がある(車両甲板とかエンジンとか)・・・・・函館の桟
橋には、レールが残っていません。摩周丸の煙突にはJNRのマークも
ありません・・・。けれども、八甲田丸を見てからこっち来ると、おっ
とこれもあったじゃないか!、という部分も、少なくなく。

 半ば強いて言うなら、摩周丸は「博物館」としてのあり様を、八甲田
丸は、桟橋ともども「静態保存」と呼ぶ方が近そうです。車両甲板には
キハ82などもいますしぃ。

 もうひとつ、東京の船の科学館のすぐ隣に、羊蹄丸がいます([T:18634]
`98/5)よね。こちらはもう既に、「青函連絡船」として見学出来る部分
も殆ど無いようなんですけど、車両甲板を改造した、昔の青森の町を再
現した模型(?)が、なかなか面白く。実際にその「雑踏」の中をかき
分けてながら見て回るとゆー。訳ありげな母子とか、酔いつぶれたおじ
さんとか、なんかそれぞれにドラマがあるようで、実際連絡船も色々な
ドラマの舞台になったんでしょうけど、まあそんな・・・。ついでに
DE10が、でん、といたりして、この中に。(^^;;; いやあくまでも
「ここ」は、車両甲板ではなく青森駅で。

 そして船尾のゲートの裏にあたるんでしょうか、スクリーンがあって、
「津軽海峡冬景色」とともにそこに映る最終日の連絡船の映像がもう、
うるうるなんです・・・。(T-T)

 しかもこれ、船体は真っ白ながら、煙突のJNRマークは健在なんで
すね。しかも文字が浮き出てます。たしか浮き出てるのがオリジナルで
はないかと思ったのですが・・・。



 それぞれに、それぞれ。出来れば巡っておきたいトコロ・・・。

 で、国内としてはあと長崎に大雪丸がいるんでしたっけ? これはど
うするかね・・・。((^^;



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     深町 忠利 > ふかまちただとし
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