***** 2002年12月7日 *****
(独り言)



 銚子を訪ねた。

 12年半ぶり、か・・・・・干支も一周するというものである。そういう
スパンの話が増えてきて困る(苦笑)。たしかどこかに書いてたな・・・・・
‘94年5月11付(回想話)。ふむ・・・・・あーそうだったそうだった。
こんなんでも、書いておくもんである。

 生憎の空模様でついでに寒かったが、クルマで来てまず立ち寄るは、車庫
のある仲ノ町。相変わらずの枯れた味わいの駅舎に、張り紙だのなんだので
「ぬれ煎餅」売り込みまくり。よく話題に上ってるのは聞いていたけれど、
今ひとつピンと来づ。前回訪れた時には、まだ無かったのではなかろか・・・。

 硬券の入場券を求め、ホームに立つ。この入場券、裏を見ると「急行犬吠
号運転記念」とかなんとか、165系のイラスト付で入ってる。この間のイ
ベント列車がらみのお客向けの、その残りなのであろう。今日訪れた記念と
しても、ちと面白い。

 車庫に佇む電車達。デキの姿が見えないが・・・・・庫の奥にでもいるん
だろか。おっと「澪つくし号」が・・・・・今なお現役なんだろか。そもそ
も、あの連ドラっていつの話だ。化粧直し中らしきは・・・・・あ、銀座線!
そういえばこっちに、来ていたんだった。パンタを載せ台車も履き替えて、
ついでに色まで塗り変わっている姿に、その面影を探す・・・・・うーん、
ドアとか屋根のあたり、いい感じ。そこへ営業列車が到着。むむこいつも銀
座線。台車何履いてんだろ・・・・・なんかどっかで見たような。

 にしても、そのイカニモなレトロ調への好みは別として、塗装は焼けて白っ
ちゃけるでもなく、よく手入れされているよう。塗りっぱなしでないらしい
ところに好感。ついでにHMの白いキャラクターがゴリラらしいことに今頃
気付く。

 仲ノ町ではたしか、記念撮影用に制服を貸してくれたと思うのだが・・・・・
いや別に着ようと思ったわけではなく(笑)。前はそういう貼り紙があった
のである。ガラガラと戸を開けて、詰所へ。狭い空間にぬれ煎餅他色々な物
が並べられている、つまりお土産屋さん。ついでに携帯電話のサンプルが陳
列されていて、どうやら代理店もやってるらしい。手当たり次第、なのか。(^^;;;
まあ関係者が買うのに好都合ではあろう・・・。

 そろそろお昼時。ストーブに弁当が載せてあったり。

 と。

 「さばカレー」・・・。

 むむ、これは・・・。

 以前、さばの缶詰工場が舞台のTVドラマがあって、その中で「さばカレー」
が登場してた。なんか美味そうだと直感したのだが、フィクションのようだ
し・・・・・その後肖り商品が出たと聞くも、どこで買えるのか判らない。
忘れかけたところへ突然、近くのコンビニで遭遇、2缶ほど確保。1缶開け
たところでそのコンビニからは消えてしまい、そろそろ賞味期限の来てる残
り1缶は、いつ開けたものかと思案していたところだったのである・・・。

 それがまた、ここにある。なんで? たしかに同じパッケージ。ともあれ
ぬれ煎餅共々買うしかあるまい。(--;

#ドラマはフジの「コーチ」、ロケで使われた工場は銚子の「川岸屋水産」
#というところだそうで、まさにご当地!・・・ちうか当事者(笑)が商品
#化してる。んがしかし、ここで売ってるのは別の業者のものであった・・・。



 次に立ち寄るは、観音。ここで鯛焼きを食べるのである。ちと小汚い(失
礼!)、中学生や高校生が寄り道して行くような、そんな風情の・・・・・
だったハズが、ありゃりゃ、駅がメルヘンチックに化けてら・・・・・一頃
の清里かと思ってみたりしつつ・・・・・おお、その中にお店はちゃんとあ
る(そういや閉店と風の便りに聞いたのは改築の頃なのか・・・)。鯛焼き
とタコ焼きを所望。出札窓口ではピンバッジが売られていて、それと、最短
区間の硬券を。ちょっと国鉄風味。ピンバッジの絵柄をあらためて眺めるに
・・・・・3種類とも買うこたなかったかな。

 前から思っていることだけれど、やっぱ「江ノ電」な感じ、狙ってるんだ
ろな・・・・・でも鎌倉ならぬここは銚子。折角なので、電車を待って、駅
舎を入れてぱちり。並べられた自販機がやたら邪魔。(--;;;

 またクルマを走らせ、終点外川。ああ、ここは変わって無い・・・。駅舎
へ入ると・・・・・「澪つくし」の色褪せまくりな写真パネルが。沢口靖子
意外と変わって無い(笑)。しかし、いつまで引っ張るんだろねこのネタは
・・・・・説明読むと、昭和時代の放送じゃないの。(((^^; 沢口靖子、い
くつなんだっけか・・・。料金表や時刻表、黒板に白絵の具(?)で手書き
が今なお現役。下へ降りるほど横へずれて行く時刻表はご愛嬌。

 学校の宿題だろうか、女の子のグループが駅員氏に断りを入れて、駅前で
ビデオ撮影を始めた。「それではこれから各駅停車で行ってみたいと思いま
すっ」・・・・・どっかで聞いたような(笑)。オヤオヤ・・・と滝口順平
モードで眺めていると、緊張してるのか早口に一気に喋っては、納得いかな
いのかリテイクを重ねてる。



 犬吠。こちらも相変わらずのメルヘンチックな駅舎。周囲を見回し聊か浮
きまくりな風情にまるで○ブホじゃねーかと閉口したものだったが・・・・・
今回はそこへ金色に輝く「関東の駅百選」プレート。恐れ入りました。(^^;;(_ _)

 表には、恐らく銀座線の電車に押し出された格好であろうか、廃車となっ
た電車の箱を使った、ちょっとしたレストラン。何故か「海軍さんのカレー」
を食べさせる。(^^;;; なんだなんだなんだ。あの横須賀の、青い箱のソレ。
どおゆう縁なんだろか・・・・・ちうかそれなら「さばカレー」ではないの
かい・・・・・疑問のままに、ソレ注文。さっきから食ってばっかである。
思いっきり季節外れなのでお客が他にいない中、車内(?)を眺めて回り、
パチパチなどと。運転台を覗き込むと、未使用のスチロールの器の在庫が無
造作に置かれており。あら。(^^;;

 車窓は流れないけれど、食堂車風情というのも悪くなく。本物は3年くら
い前の「グランドひかり」が最後であった・・・。あとで喉が渇きそうな濃
いルーのカレーを食したところで、再び駅へ。中の土産物店ではここでもぬ
れ煎餅、店員と思しきマダム方が焼いてたりして香ばしい。他にも色々と・・・
出札口で、とりあえず記念の全駅硬券入場券のセットなど。それと、クルマ
を置いてちょっと乗ろうと思ったら全線フリー切符で元取れるので、ソレも。
ありゃりゃさっきのレストランの割引券が付いてやがった(苦笑)。うぐー。
他に展望台やらのそれと、ぬれ煎餅1枚サービス。では早速1枚。

 こちらの時刻表も黒板に手書き。JRのダイ改を受けてか、所々書き直し
の跡。広い空白(黒板だから空黒?)の部分は、どうやら何か書いてあった
風。その跡をよくよく見れば、銚子でのJRの到着時刻。なるほど同じくら
いの大きさで、書き直しが入った発の方がある。これまでダイ改の度に手間
であったろうと思うけれど、ある時、着の方はもう良いかと消してしまった
のか。出迎えの人くらいしか用が無さそうだし、今は携帯電話がある。



 外川行きが来たので一旦それに乗る。来たのは銀座線。くぅぅ。車内を見
回すと、あの渡り線の停電で点く非常灯なんかがそのまま残ってて、しみじ
みしまくり。他に面影はと探すも、窓やらドアやら、何もかも懐かしい・・・
・・・ときに、これ元々両運車だったっけか? 廃車の進んでた折である、
ニコイチということもあるな。まあ、京王重機が知っているだろう(笑)。

 外川の折り返しでもしばししみじみしつつ、いよいよ銚子行き。犬吠を過
ぎ、君ヶ浜・・・・・ああっ、ここだったか! ホームにギリシア神殿風の
柱! ○ブホじゃねーかパートII。犬吠だと思っていたのだけれど、そうか
こっちであったか。さすがに恥ずかしくて撤去していたのかと思ったのであ
るが。

 笠上黒生で交換。うーむどこからタブレットを渡すか、すっかり忘れてい
たので写真は撮れづ。横ちょのヤードを見る。そうそうたしか、架線を診る
ためであろう、櫓に車輪がついたような車両があったハズ・・・・・ああ、
櫓付の電車に化けてた。うひ。

 そうこうするうち、銚子着。あのお、風車小屋ですか。((((^^;; イチビ
リまくっててもう、ステキ。にしても、色々変わりつつ、案外変わってない
ような、銚子電鉄。頑張れよぉ。



 丁度「しおさい」がいたのでそれと、思えば久しぶりなスカ色の113系
などをぱちりと撮りつつ、駅を出てヤマサの工場へ。

 ドイッツである。あの、小さくてぺったんこな、日本最古というDL。前
回もちょこっとだけ拝ませていただいた。あの時は「レイル・マガジン」誌
の「トワイライトゾ〜ン」で知ったんだと思う。最近綺麗に化粧直しされた
旨も、「レイル・マガジン」誌であったような(笑)。ともあれ、久しぶり
に見てみようというわけである。生憎工場は休業、そちらの見学は敵わなかっ
たけれど、守衛さんに来意を告げると、快く応じてくれた。

 前も屋根くらいはあったと思うけれど、今度はガラス張りの展示室になっ
ていた。ボタンを押すと音声解説まで流れる。ヤマサが、これを大事なもの
と扱っているのが染みるようである。やがて先程の守衛さん(?)がやって
来て、パンフレットと醤油を(笑)下さった。最近、東大の人達が見学に来
たのだと、ちょっと得意そうに話す。訪ねて来たのは産業史の研究者か、は
たまた鉄研か(笑)。

 やや厚塗りに見える塗装の下に、その生涯の記憶を留めているであろう、
ドイッツ。縁も無ければ知識も無いけれど、脚光を浴びることも無く黙々と
生きた働き者の、昔語りを聞くようなつもりで、しばし佇む。



(終)