***** 2003年10月12日 ***** (独り言) あまり指定席を取ったりしないので、今更ながら「えきねっと」という のを始めて利用した。サイバーうんちゃらでは入会必須だったから、どう もそれが面倒だったのだが、航空券と同じような調子でふらりと予約出来 るのがあり難い。ダメモトでキャンセル待ちをしていた「ながら」の指定 が、間際に取れた由。早速駅の機械で、クレジットカード突っ込んで発券。 もう、みどりの窓口で散々待たされることも、無いカモ知れぬ・・・感無 量。 むしろ益々、窓口業務が質的低下の予感(釘)。既に、並ばせるだけ並 ばせて窓口全部開けることもせず知らん振りだったりするわけだが・・・・・ 見よ、大昔の共産圏の国営市場かと。もう期待しないから早いとこ機械増 やしなさい。オレカも全種類機械で売りなさい。タカダカオレカ1枚に、 10分も20分もじゃやっとられんぞよ。 さて、鉄道の日月間である。各地でイベント(ここ2年来「同時多発イ ベント」という言い回しをどうも使い難いが)である。で、梅小路でまた 夜会・・・と勝手に呼んでいるけれど「ナイトオブジェ」があるらしい。 蒸機達をライトアップする、アレである。好評なのか段々その頻度が高く なって来ているような、気もするけれど。こちらとしては一昨年の夏に初 めて行って、それ以来かな。 10/11、昼間はイベントの鉄道総研なんぞ覗いたりして、夜、「な がら」に乗るべく支度する。予報によれば、空模様はどうにも微妙。今回 も夕焼けを狙いたかったのだが、それが無理としても、せめて雨は・・・・・ あーなんか、降りそうなカンジ。機材の選択もまた悩ましいところだった のだが、段々とトーンダウン・・・・・中判カメラを諦め、NewF−1 に単焦点レンズ攻勢というのも止め、結局EOSにお手軽ズームセットと いうユルユルな布陣に落ち着く。 ・・・ちうか出発間際までそんなことでゴタゴタしてたものだから、 「ながら」接続の列車に乗るのが怪しくなった。マズい。非常にマズい。 まあ夕暮れまでに梅小路へ着ければいいやとなれば、明朝出発で列車を乗 り継いで行くテもあるから、そんなに悲観したものでもないのだけれど・・・ ・・・しかしそこまで緩んでしまうのはどうも、承服しかねる・・・・・ ダメモトでとにかく出て、幸運にもタクシーが捕まり川崎駅へ。間に合っ た。深夜料金ながら初乗り、とはいえ、ああなんか、漠然とした敗北感・・・ ・・・金で解決しようとする発想は、敗北主義に繋がるんである(笑)。 日付も変わり、横浜で「鉄道の日きっぷ」にハンコを入れてもらい、い ざ「ながら」に乗り込む。窓側の席だったが、隣の人がなんか落ち着かず、 こちらも落ち着けづ・・・・・あとで判ってきたことにはどうやら離れた 席に連れのいる鉄らしかったが、さてさてどこへお出かけかな。 小田原で自由席狙いの人達が乗って来た。デッキから何やらご婦人が大 声で怒ってる声が響いてくる。なんだか相手がいる風でもないので電話で もしているのかと、早く切りやがれと眉を顰めていると、よく見えないが どうやら誰彼なくお怒りなのか、傍の人にカラんでいるのか・・・・・そ こへ通りかかった車掌氏、やれやれと思っていると「お静かに願いますね」 と火に油注ぐようなコトをのたまう。案の定声のトーンが上がる。あのね、 まずは「どうかなさいましたか?」、そう始めるのが接客のセオリーじゃ ないんかい。まあ、フツーに宥められるお相手でもなさそうだったんだけ ど・・・・・こちらへ来て通りかかる車掌氏に隣の鉄氏、「あの人追い出 したり出来ないんですか?」・・・ストレートだな(笑)。 そのうちどうやら眠れるようにはなって、朝、大垣着。乗り継ぐ列車が 大目玉だったのでウハウハ、早速パチパチ・・・・・前もあったような。 そんなことしてて乗り換えの椅子取りゲームに参加する気は無かったのだ が、これが座れてしまう。関ヶ原を越え、米原着。ここで新快速に乗り換 えるところだろうが、この列車も米原の先へ行く。到着にさして差がある でも無し、というわけでそのまま揺られ。 京都着。今降りた大目玉の隣に、オリジナル色の117系が。かつての 「シティーライナー」の時代のような取り合わせに。またもウハウハ。そ の後「日本海」迎えたらトワイラ色のカニ、ローピンのパーイチも久しぶ りだわなーとか思ったりしつつ、夜まで用の無い三脚だのをロッカーへ放 り込む。今日は吹田機関区でも催しがあるというので、どんな具合か知ら ぬまま完全ミーハーで、まずはそちらへ行くことに。 吹田で降りるのだろうと思っていたが、逆サイっぽい手前の岸辺で降り てみる。他にソレと思しき客がでんでんいないので不安を覚えつつ、線路 沿いに進むと、なんだか家々の間の細い道。まあ向こうへは抜けられるだ ろうとなおも進むと、吹田機関区が見えてきた。どうも日常的なお仕事モー ドで、イベントの気配無し。はてはて、とさら進むと、カメラ持った人達 がうろちょろしているのが見えた。おお、イベントやってたぞ。そのまま ぐるりと回り込むようにして、ようやく入口。思いっきり逆サイから来た ようで。 入るなり電機達がズラズラと横並び。EF64 31、EF81 29 EF65 530、EF66 11、EF65 88、その横ちょで「桃太郎」 の体験乗車・・・・車両事情には疎いのだが、EF65Pは綺麗な特急色 だし、ロクロクもヒサシ無しの1次原形しかもクーラー無しで特急色、 EF65も今となってはのフツーの一般色・・・・・注目ガマを揃えて来 た風なのは、容易に想像がつく。横の「桃太郎」との対比がまた、お子様 向けとそのスジ向けとの棲み分けを見るようでもあり(笑)。個人的には 国鉄形ブーム以前の、生のノスタルジーが先立つわけだが。 奥へ進むと、テントでグッズ販売。JR東日本なんかではこう、イベン ト屋さんが噛んでる「匂い」がぷんぷんするものなのだが、国鉄時代のよ うな手作り感が、なんだかほのぼの。同人即売会よろしく、運転台展望の 手焼きCD−ROMなんてのがある(笑)。CD−VIDEO並で MPEG−1ってところであろう。クォリティに多くを望むわけでもなく、 ノリ的に面白いので、関ヶ原越えが見たい「稲沢〜安土」と、貨物線に期 待して「吹田信〜姫路貨」を所望。牽引機は判らないという。あのな・・・。 他に商品と呼べそうなものやら、家のプリンターで出しましたみたいなの やら、掃除してたら出てきました的ガラクタやら。ガラクタは好き。 「安全祈念碑 十河信二」という銘板のようなもの。十河信二とは畏れ 多いのだがこの物品の由来を尋ねれば、なんでも構内にかつてそういう碑 があって、取り壊されたかした際に、外され保管された由。それ売っちゃ うんだ・・・ってともかく、¥30Kナリ。うーむむ。その横にレールの 切れ端。吹田信号所だかで出てきたそうだが、よくよく見れば「1904」 とか「CARNEGIE」とか、読める・・・ををを。¥30Kナリ。い やどちらも手の出るものではなく。 さらに奥では車掌車に乗せてくれてちょっと走るコーナー。DEが上下 入れ替えたような新塗装機。戻ってきて、ちょっと気になってた、倉庫代 わりなのか並んでいるコンテナ。黄緑色に塗り潰したところにうっすら 「国鉄」と見えるのを、ぱちり。 機関車の横並びコーナーでは撮影タイム。1両ずつ前に出して、さあ撮っ てくださいってな。なんというか、ニーズをよく汲み取っている(笑)。 それまで付いてたHMを外し、今度は素のままどうぞ、てな具合。やはり EF65Pだけはと、ぱちり。 うーむ、素朴でいいな。会場入口で野菜とか売ってるし(笑)。 会場を後にして、吹田駅へ向かう。隣接する吹田工場を通りかかり、門 扉から中を窺うと、いたいた、急電塗装のモハ52。タイムカードを押す 場所の向こうにちらり、と見える。ををを。この「クモハ」52が急電時 代に復元されたのはかれこれ20年くらい前であろうか。雑誌の表紙を飾っ ていたのを記憶する。鉄と言いながら結構知識が薄いのでチンプンカンプ ンだったような気がするが、たしか「陸蒸気からひかりまで」か何かで、 その素性を知ったのではなかったかな。117系オリジナル塗装も、ここ を源流とするらしい、ということもあとで知った気がする。んで見たのは これが初めて。 見てしまったら傍へ行ってみたくなるのが人情。正門の守衛さんに、ダ メモトでアタックするも、やっぱり一存で決めるわけにはいかないらしく、 これは適わづ。一般公開の日があったハズだよなー、と尋ねると、今年は 終わってしまったばかりの由。これまでズルズル来たのだから、何もここ に来て急に焦る筋合いのものではない。気長にチャンスを待つか。 しかし、色々な職場に関して似たようなことがあると思うけれど、タイ ムカードを押すという日常の中で、視野にこのモハ52が入っているとい うこと・・・・・時にそういう場にいる自身を誇らしく思うのかも知れず、 そんな「特権」を有する人々をちょっと、羨ましく思ったり。 マンホールの蓋に太陽の塔が描かれているのに唸りつつ、いよいよ駅か という所までやって来ると、ショッピングビルの案内図に思いっきし「国 鉄吹田駅」だなんて・・・・・16年半も、生き長らえてきたか。 高槻に寄り道、なにげに「食べルンです」なんぞ調達しつつ、京都着。 ロッカーの荷物を回収して、ようやっと今日のメイン、梅小路へ向かう。 梅小路公園を歩いていると、微妙に音色の違う汽笛同士でやりとりしてい る・・・・・そういや今日は重連とのこと。入館すると結構な賑わいで、 「スチーム号」も増便しまくっている様子。本務なのか前補機か、ともか くC61が前、後にD51 200が続く。 今回は日暮れからの勝負なのだが、まだあまりネタも考えていない。先 に置かれているC62 1やB20、ライト設備などを見ながら、思案し てみたり・・・・・C11と旧客というのも気になったが、結局、まずは 前回のやり直しで始めようかと。 奥の休憩室では夏から続いているような気がするプラレールの催し。関 西限定とかいうB20を、とりあえず所望・・・こういうのに弱い。そう いや京都駅のキオスクでB20のチョロQが唸ってたが、こちらではどう かと売店を覗くと、どうやらまだ入荷していない様子・・・。 一日の仕事を終えたC61が先の2両の傍らに収まり、段々暗くなって きて家族連れ客などと入れ替わるように、ターンテーブルの周りに怪しい 人々(笑)がそれぞれに、陣取りだす。今回も密集するあたりの逆サイに、 独り三脚を立てる。なんか暖かい陽気だったので短パンで来てしまったの だが、あんなに昼間は暑かったのに、暮れるとさすがに、ちと肌寒い。 いよいよライト点灯。夕焼けは適わずとも青い闇が深くなるのを待って いると、職員の人達がまん前にやってきた。早く立ち去ってくれんかいの、 とやり過ごすつもりで待っていると、向こう側で邪魔だとかリクエストで もあったのか、ターンテーブルを弄りだした。うー。構図を変えねばしょ うがないので、こちらも合わせて移動する。ここか、こっちでどうだ、何 度か動かした挙句、やっぱりここだと結局元の場所に戻った・・・・・そ の頃には空はすっかり黒くなり。くそぉ。 気を取り直してバルブを始めると、今度は照明が一斉にばつん、と落ち た。うぅぅ、今度は何だよ・・・・・。 と。 「SL、それは・・・」BGMと共に、おねいさんの声でナレーション が入る。再びライトが点され、スモークの中に浮かび上がる蒸機達。なる ほど演出だなー、と冷めたコト思いつつも、鳥肌が立つのは止められづ。 ゲッベルスの呪術から逃れられないのか・・・・・何のこっちゃ。 そのスジな面々はバールブバールブバールブタ〜イム全開。インドネシ アの民族衣装ショーが始まるも、みんなひたすらカメラ覗いているものだ から、なんだか気の毒だった。かく言うこの私も、すっかりバルバー。申 し訳ない。 そのうちトークショー。元よみうりテレビのアナウンサーで、羽川英樹 サンとおっしゃったか。関東の住人には今ひとつピンと来ないんだが、か つて「11PM」に出ていた由。見てると親に叱られたのであまり覚えが 無い(笑)。 でまこの方、どうやら鉄らしく。んが、「私は鉄道マニアではなくて・・・」 と妙な前置きをする。それに続けてどこからか編み出した呼称を名乗るの が常なのだが、申し訳ないケド、このテの台詞とはこれまでどうも、巡り 合わせがよろしくない。なーんかホレ、なべて「蜘蛛の糸」みたいなのが、 滲み出るのよね。言葉狩りと同質の臭いさえ漂う。んじゃあ、マニアじゃ なきゃ何だろな。サポーターだかストーカーだか聞こえた気がするが、よ く覚えていない。さらに続けて撮り鉄じゃないという台詞に「あんなもの」 的響きが込もるのもこちとら慣れっこなのだが、まあ、ステージそっちの けのバルバー軍団を前に、トークショーの主役として一言言いたくなる気 持ちは、解る(笑)。 #などと己も、小さい奴だな・・・。 こういったライティングのためのライティングというのはそもそも、 「不自然」なのである。なのであるけれども、「不自然」であるが故の妖 しさというものが、ある。顔馴染みの女性がメイクアップした容姿に、ハッ とさせられるソレにも、近いかも知れぬ・・・・・とかいいつつ、ライト アップの方よりも、フツーの光線周りの扇形庫の「夜景」に夢中になって たりして・・・・・結局コレかよ。魚眼持って来たのが奏効。 ともあれ、対象と一種の対話を持ち、シャッターを落としながら今まさ に乳剤面へ焼き込まれつつある像へ想いを馳せる時間(とき)・・・・・ 結果が思わしくなくとも・・・・・ここ梅小路ではこれまで、イベントな どでないフツーの日でも、特にそういう時間を味わってきた。写真を趣味 とする幸福を、密かに噛み締めていた。「撮り鉄」にもそれなりに幅なり 奥行なりってものが、あるのよ。所詮は道楽なんだけど。 ちょいちょい、のつもりが結局終わり頃まで居ついて、片付けて表へ出 ると、カッ、と照らされ、思わず手で遮る。これで横へ駆け出せばルパン 三世の図である。・・・でまあつまり、二条駅舎もライトアップしている のだった。 梅小路を引き上げ、宿でゆっくり・・・・・とはまだいかず、新大阪で バルブのハシゴ。いやこっちまで来たら0系を見ないと。冬になるとまた、 雪落としの足場が組まれてしまうので、恐らくこれが今年最後のチャンス。 撮るならやはり、青白の0系。んがしかしこれが、新塗装ばかり来てな かなか叶わづ。中には100系も現れたりして、これはちょっとラッキー と思うも、やっぱり0系が、見たい。駅弁食べたりしつつ粘ったところで どうにか、「ウェストひかり」色のを捕まえる。オリジナル色(厳密には アイボリーがちょっと違うとかいうのはさておき)には結局会えづ・・・ ちうかまだ走ってくれているんだろか。 (終) 補:後で聞くところによれば、オリジナル塗り分けの0系は9月一杯で消 えた由・・・。