***** 2003年11月28日 *****
(独り言)



 昨夜横ナハ覗きをしたら101系は不在、弁天橋で寝ているらしかった。

 終日83H、付き合うとするか・・・眠い・・・うー。

 夜明けにまたバルブしに出かけ。またお馴染みな顔(笑)。初電の次く
らいの尻手着を狙いたかったのだが、起きるのに一苦労で1本逃し、空は
既に白むどころか思いっきり明るくなっており・・・無念。

 一度帰って出勤モードで、今度は浜川崎へ。どうしてもあのホームの絵
とのからみを収めたく・・・前回手応えが今ひとつだったので。撮ってい
るうちに、こ氏現る。仙台へ出立のところ急遽指定変更かけてこちらへ立
ち寄ることにした由。二人してこの2年近くのドタバタを振り返りつつ、
残されたひとときに、しみじみ。



 夜。また逃げるようにして帰宅、バルブ支度。こ氏の目撃談によれば、
午前中に尻手にNHKの取材が来て、鶴見線営業所長さんがインタビュー
を受けていたらしい。まさか今日で最後なのか? との観測もあったが、
取材自体最終日前に行うことだってある。そのへんどうだろ・・・。「首
都圏ニュース845」を見るも、流れづ。「次に、JR・・・」と聞こえ
たので振り返れば、高崎線で運転見合わせと。近頃はすぐ全線止める。

 さてヨドバシなんぞ行ってから尻手、ホームで三脚を伸ばしていると、
鉄がちらほら数名。今日走っているという情報が流れていたのか。21:57
着のテール光跡を狙って、今度は発車待ちをしていると、わらわらと鉄が
増える増える。仕事やら学校やらの後、皆この約束の地へ導かれた(笑)
のであろう。

 と。

 方向幕をよく見れば「尻手」と。いわゆる単幕というヤツ。普段は「尻
手<−>浜川崎」固定で、回送でさえそのままであることが多いのだが、聞
くところによると物好きな(失敬)運転士氏がいるらしく、時々こういう
コトがあるらしい。私は「回送」出しているのくらいしか見た記憶が無い
けれど。

 折り返しの運転士氏が浜川崎方の運転室に入り、方向幕をくるくる回し
だす・・・・・ををっ!?

 「矢向」

 あー! と撮ろうとする間もなく、反対へ回してしまったようですぐに
回し返し「浜川崎」になった。惜しい。「矢向」はつくづく、惜しい。

 なんだか大きな紙袋を持った人がいて、気になっていたのだが、そのう
ちごぞごぞと中から四角い板を引っ張り出した。なんとお手製HM。

  「ありがとう、そして永遠に・・・ 101系電車一般営業終了」

 をを!?

 や、やっぱ今日で終わりなのか・・・? その人に尋ねれば、そうだと
思う、とのこと。

 なんと。

 図らずも最後の運用に立ち会ってしまった。これも巡り合わせか。やけ
に多い鉄も納得がいく。そんな所へノコノコと、光跡でも撮るべかとやっ
て来たのが、我ながらおめでたい。

 しかし、ちうことは昨夜見た205系の3本並び、災害でもなければも
うあれは無い(多分)。たった一夜の3並び・・・・・しかもこれが見た
だけで撮っていないという間抜け。あー。一期一会を云々しながら、コレ
である。相変わらずネズミ以下の学習能力である。205系引退までお預
けか。(ぉ

 HMは付けるわけにも行かず、ノリの良い運転士さんがそれを持って、
記撮大会。今回の折り返しは20分近くあったが、鉄が多少多いとはいえ、
よくありがちなオラオラ的険悪ムードは全く無く、それとは対極の、のん
びりとした時間が流れる。ああしみじみ。



 次の発車も光跡狙いを考えていたのだが、最終日と聞いて折角なので、
終電を残して1往復乗ることにする。

 車内の客層は明らかにバイアスがかかっているのが見て取れた(笑)。
単に学校帰りらしき高校生の兄ちゃん達も、心なしか押され気味のように
も(笑)。床に向けてマイクを構える御仁、自主制作CDになってたら買
おう(笑)。車両はクモハ101、こっちならCP音も入る。堅気の(笑)
乗客衆には無論関係の無いことだが、鉄連中は皆、この生録くんをに気付
くや、気遣って音を立てないようにするのだった。こういう見知らぬ者同
士で通じ合う様というのは、見るに心地好く、少し誇らしくも思う。・・・
実際酷いのが多いし。

 というわけで、録った物は今度のコミケで出すように(爆)。>生録氏

 列車はいつものようにガタゴトと、7分ばかりの道を往く。ただの金曜
日の夜、家路へつく人々を運ぶだけの、どうってことのない道程。これま
でずっと、そうだった。

 浜川崎でバルブ大会。ホームの先っぽで、足場を譲り合う。ストロボ組
とも息が合ってる・・・・・何故に、同好の仲でこういう当たり前のコト
が、他所では違ってしまうんだろ。常々思うのだけれど・・・・・今度の
鶴見が思いやられるな。いやま、己もその一員になるわけだけれど。



 さて帰りの切符を・・・・・フツーに尻手まで買っても良かったのだが、
折角なので定期へ乗り継ぎの扱いにする。券面に「定」と入る。記念に相
応しいではないか。

 そろそろ発車。尻手まで最後の乗車。

 いよいよ最終が出る。最終は2番へ帰って来るので、テール光跡と、あ
の下から顔を照らすライティングを収めるべく、素早く場所を決め・・・・・
って、回送狙いの人は南武本線の電車へ乗り込み、或いは帰宅の足的に時
間切れで帰る人あり、他の多くは、最後の最後とあってまた車内へ戻って
行った。結局ホームに残ったのは、わずか数人らしかった。

 しかしあのスキモノっぽい運転士氏のことである。最後に車内放送で何
か喋るかもしれない・・・・・そんな誘惑もありつつ、やはりここで、出
迎えることにする。対面の上りホームから狙う人も見えた。ただ平日ダイ
ヤではカブる可能性大・・・・・金曜特有の遅れで、救われるかどうか。

 そろそろかな、と思う頃、案の定上りホームに川崎行きが。ところが浜
川崎線はまだやって来ない。少々遅れているのか。あの運転士氏のことで
ある。ダイヤを心得ていて気を利かせて時間差に出たか?? ・・・・・
んなこたないか。

 川崎行きが出ると、向こうに「白くない」ライトがちらちら見え出した。
ををを、これで上りホーム組は救われる。こちらも光跡狙いの構えに入る。
傍らを電車がゆっくりと過ぎる・・・・・よし、レリーズ。



 三脚を畳んで前方へ移動すると、終電から降りた人達が集まっていた。
運転士氏は前の方向幕だけ「回送」に回す。チンローン、チンローン・・・
ドアが閉まる。それをきっかけに拍手が始まる・・・・・ドア扱いしただ
けなので間が持たなくなる(笑)・・・・・やがて前方、出発進行。再び
拍手が盛り上がる。馬鹿騒ぎする輩はいない。ファーン、ファーン、とタ
イフォンを鳴らし、回送列車は尻手を後にした。

 寂しさより、心ある人達としみじみ見送れた心地好さが、残った。

 中原電車区へ行こう。

 そこでセレモニーが行われるとか思ったわけではなく、彼の「日常」の
終わりを、見届けたかったのである。金網越しに見える101系は、まだ
ヘッドランプとテールランプが灯っていた。まさか広告差替え(=まだ走
る)やってんじゃあるまいな、と思いつつよーく見ると、「武蔵中原」の
方向幕。イチイチ小ネタをかましてくれる。3本目の205系の姿が見え
ないが、いずこ?

 回送の追っかけをしていた人と再会。そっちどうでしたー、しみじみで
したよー、などと交わしつつ。尻手で別れ際に、中原では何故か中線では
なく4番に入ってしかも階段の場所で引きが取れない、といつかの経験談
を披露したのだったが、その通りだったと彼は笑った。

 そうこうするうち、101系はパンを降ろし、ふーん・・・とMGの落
ちる音とともに明かりも消え、そして眠りについた。お疲れ様。ゆっくり
お休み。


(終)