延長戦。

 12/23。川崎提携センターから封書が届く。ん? 中に硬い物が入っ
ている感触。やややっ、逸る気持ちを抑えつつ、丁寧に開封・・・・・じゃ
じゃーん、「さよなら101系」オレカセットの登場。買えた。買えたん
だ・・・ううう。こ氏の尽力により(感謝々々)既に手にしていた私であっ
たが、これはこれでまた、嬉しい。

 101系は廃車回送が間近、コトによると明日にもここを発ってしまう
らしいので、挨拶のつもりで夜、横ナハ覗き。相変わらず新城寄りの奥に
押し込まれている。幕は「尻手」とまたまた小ネタをかましてる。脚立に
爪先立ちになり、塀の上にカメラを載せて、ストラップなど挟んで調整な
どしつつ、少々心許なかったが息を止めて長時間露光を・・・・・うう、
ぐるじい。



 12/24。気になるので出勤前に横ナハ覗き。早朝に移動したのか、
101系は庫の中。旅支度をしているところなのかも、しれない・・・幕
は「回送」を掲げる。

 やはり、今日発ってしまうのか・・・・・朝日が僅かに照らすその顔を
遠く眺めつつ、101系との記憶に想いを巡らせる。悪足掻きで撮りまくっ
た日々、遡って黄色とオレンジの継ぎ接ぎの姿、遠足で乗った快速、ドラ
えもん号、通学で非冷房の101系に当たれば悪態ついた日々、そのうち
それも貴重な体験になることを予感していた(本当)こと・・・・・なん
だかんだで、ずっとそばにいた電車なのであった。

 そろそろ出勤に戻らにゃならなかったが、ギリギリまでしばし、暇を乞
う。庫の傍らには、今日は非番らしき新参の205系、浜4。1ヶ月足ら
ずの顔合わせであったけれど、交代劇を締め括るような、取り合わせ。

 結局、昼間オシゴトしている間に101系は、長らく暮らした住まいを
離れ、帰るあての無い旅へと、発ったらしかった。またひとつ、「国鉄」
の記憶が、消える・・・。そしてもう、彼らの上に、春は来ない。


(終)