***** 2004年4月22日 *****
[T:43709] Kuma-Den



 こんにちは、深町です。


 先週末(4/17)、ぴらーっと熊本ば行きゃっとですばい。(^^;

 熊本といえば・・・・・市電もあそBOYも差し置いて、まずは熊本電鉄。(^^;
いやいや、一度訪れてみたかったのですよ、熊電。

#ときに「菊池電車」の方が通りが良いんですか?>方面各位

 たしかこのMLでも幾度か話題に上ったように思う熊電ですが、タイムリー
なというかなんというかつい先日、藤崎宮前から線路を伸ばして市電と繋い
でLRT化したらどうでしょう、と熊電サイドから沿線住民へ提案があった
由。ほお。

 ふと名鉄揖斐線あたりの風景が浮かんだ私・・・まてよ、市電とは軌間が
違うんじゃなくって? 実現するとなると、改軌ですか? 車両総入換えで
すか? ・・・まさかGCTなんて(笑)。



 その存在を知ったのは、もう四半世紀くらい前(汗)でしょうか。今や伝
説の「鉄道グラフ雑誌 レールガイ」(古)に登場しているのを見たのが最
初。

#一応補足しておくと「レイル・マガジン」の源流(のひとつ?)と呼べる
#雑誌。「グラフ雑誌」と名乗るように多彩な写真が特色。‘76年創刊、
#‘83年休刊。因みに「レイル・マガジン」はその翌年創刊、初期の同誌
#にその「臭い」を感じ取った人は少なくないハズ。

 あらためてごそごそと・・・・・‘78年7月号。表紙はEH10。((^^;
因みに裏表紙はコンタックスRTS(初代)の広告・・・・・で、巻頭小特
集が、熊本電鉄なのでした。

 17m級よりさらに短い、DD13くらいの長さの電車(NゲージでDD13
の足回りを利用する、これくらいの電車のボディ・キットが記憶に残り)が、
人々の生活を乗せてゴトゴトと走っています。短いボギー有蓋貨車を引いた
ミキストやら、中には戦車を積んだ貨車を引く姿・・・キャプションに「軍
用列車!?」と(笑)。この頃は、静岡鉄道からやって来たつるんとした顔
の電車が、最新鋭だったようで。



 この僅かなページの記事、それが子供の時分の私の「熊電」の全てでした。
そして何故だか、印象に残ったのですね。でま、そんな頃の頭のままなもの
で(刷り込みとは恐ろしい)、たしか「青ガエル」こと東急5000系が来
てたよなーくらいの認識はあったものの、一体どんな電車が走ってるのやら
と・・・。

 空港からのバスを通町筋バス停で降り、商店街を抜けて行くと、藤崎宮駅
・・・・・パチンコ店なんですケド? その横の通路を入って行くと、をを、
駅ですね。しかし改札には整理券発券機がぽつり。窓口に人はいるものの、
熊電の1日乗車券とか、そういうものは無い様子。

 で、いましたいました。

 ・・・って、都営三田線だ。

 そうでしたか。さすがにあのDD13サイズの電車はいないと思ってまし
たが(とはいえかーなーり認識不足)、秩父鉄道でもお目にかかった6000
系、こちらにも来ていましたか。青帯はそのままなのか、正面の窓周りには
黄色があしらってあり、スリットが入ってどことなく大陸的なスカートを纏
い、秩父鉄道のそれとも大分、趣が違います。試しに次の電車も待ってみる
も、やっぱり都営三田線。今はこれしかいないのかな・・・。

 一方、ホームはというと、島式だった片方を止めてしまった様子。御代志
から先を廃止した頃に、こちらもそうなったのでしょうか? 線路を剥がし
た跡は関係者の駐車スペースになってます。ふと思うに、先のLRT化が実
現されるとすると、ここのパチンコ屋さん(駅ビル?)、邪魔ですわね(笑)。
今入って来た通路は通れそうも無いし、もっと手前から道路へ出してしまう
のかしらん。



 さて楽しみにしていたのは、藤崎宮前から次の黒髪町の間にある、併用軌
道(?)区間。今いる電車が折り返す前にと、国土地理院の地形図(予め買っ
ておく習慣がある)片手に、イソイソと移動開始。しかし地形図に「ここが
併用軌道ですよ」と書いてあるワケも無く、道路と線路の寄り添い方で、重
なってはいないがこれがそうなんかなー、とアタリを付けていたのですが、
小道が込み入っててなかなか真っ直ぐ進めづ(笑)。このあたりはなんとな
く、江ノ電っぽい気も。

 地元民ルートと化している空き地の踏み跡を辿ったりしつつ、道路を跨ぐ
鳥居を抜けて進むと、おっ、あそこですな! 「レールガイ」で見た記憶と、
殆ど変わっていない!(^^;; ・・・いや実際は家など建て変わったろうし、
ここの良いアクセントになっている酒屋さんの看板も見るからに新しければ、
走ってるクルマや歩く人の服装も違うハズで、何よりやって来る電車が全く
違うわけですが、しかしこの、併用軌道なのか何なのか、聊かビミョーなも
のを含む線路・・・・・それだけは変わっていないような。

 石畳にしろアスファルトにしろ、道路の舗装とある程度一体感があれば
「併用軌道」だよなという認識は容易いのですが、これが線路の部分だけ舗
装がされておらず、しっかりバラストが敷かれており・・・・・そんな線路
を挟んで、道路本線(?)の反対側にもクルマ1台分の道(?)があって家
が並んでたりするのですが、そこからは、この線路を越えないことにはどこ
へも行けない風。

 ただ、前述のバラストもレール踏面くらいまで敷き詰めてあって、実際に
はこれ、「舗装」に近い。(^^; 「レールガイ」の写真でもその道路なのか
線路なのか軌道なのかと位置付けがよく判らなかったのがまた印象的だった
のですが、どんな経緯でそうなったのか、そして今に至ってもなお、こうい
う状態にあるのか、ちょっと興味のあるところです。

 上を見上げると、架線も1箇所だけ(?)、架線柱から直にでなく路面電
車よろしく横に渡したケーブルで吊っていて、そこが妙に嬉しい私。(^^;

 さてそんな所を都営三田線がやって来ました。・・・うう、すげー変。(((^^;;;



 2本ほどパチパチ撮って、また藤崎宮前駅へ。折角なので全線乗ってみる
ことにしました。さっき撮った三田線の電車に乗って、早速併用軌道(?)
を中からパチパチ、ウハウハ。やがて北熊本。

 ををっ、青ガエル! くぅぅ、懐かしい。

 いましたか。いましたね。良かった良かった・・・。上熊本へは、これが
単行で走っているのですね。発車の刹那、反対側の平面ガエルもしっかり
チェック。

 ・・・と、庫の前に茶色い電車が1両見え。やややっ、もしやこれは、
DD13サイズの電車の、生き残りなのでしょうか?? 記憶の中ではクリー
ムと赤のツートーンでしたが、この茶色の意味するところは・・・? もっ
と前の色?

 軒先を掠めるようだった線路もやや長閑な風景に変わり、まだ4月だとい
うのに夏日の陽気の、新緑の中を電車は行きます。八景水谷でしたか、陸上
自衛隊の駐屯地でたまたま催しがあったようで、なにやら賑わってる雰囲気。
電車はガラガラなんですが・・・。(^^; 車内には殆ど広告も無く、余計に
ガラーンとしているのですが、ふと目に止まったのが、自転車持込の案内。
時間帯やらの制約があるものの、自転車が持ち込めるのですね。これは競合
しているであろうバスには、ちょっと無いサービスじゃないでしょか?

 途中、交換を撮ったりしつつ、御代志着・・・・・なんとも唐突な終わり
方! 終点なら終点なりの、何かしらを想像していたのですが、島式ホーム
の片方は潰されて舗装をかさ上げしてバス停に。正面の行き止まりはという
と、うっちゃるように終わって見えます。運転士氏は折り返し時間を過ごし
に、専用の小屋の中へ消えて行きました。

 並行する道路はそれなりに交通量もあるようで、駅の横にはいかにも街道
沿い風のコンビニが。そんな中にありつつもこの終着駅は、誰にも構っても
らえずにいるように、ただただそこにひっそりと、辛うじて存在だけしてい
るように思われるのでした。他所者に何が解る、とは思いつつも。



 運転士氏が小屋から出てきて、いよいよ発車。忘れずに整理券を・・・。
来た道をガタゴトを揺られて、北熊本で下車。降りるなり交換の2本をぱち
り。そういえばこっちの線は、都営三田線しか見ていませんわ・・・。

 上熊本へ出るつもりながら、1本見送って30分時間を作り、車庫を覗こ
うと思ったのでした。駅の窓口には青ガエルのNゲージがディスプレイ(と
いっても箱に入ったまま置いてあるだけ)されているも、これといって記念
になりそうなものは扱っていない様子。ふーむ残念・・・。

 駅の北側から反対側へ回り込むもあまりよく見えず、南側は近くに踏切も
無さげで随分遠回りしそうだなーと思い、来た道を戻ったのですが、余談な
がら地元の人は、思いっきり跨いで渡ってますね。(((^^;;

 はさておき、結局ホームからパチパチやることに。先ほどの茶色の電車、
遠く庫の中に見える青ガエル、そばへ目を転ずればこれも三田線なんだろう
けど何故か帯がオレンジの電車、それと、これらのいずれでもない鉄ボディ
のちょっとカッコ良さそうな電車。そういえば現役は20m級ばかり。

 やがて上熊本からの青ガエルが到着。藤崎宮前からの電車と接続を取るな
り、すぐにキックターン。パチパチやってて、危うく置いて行かれそうに。(((^^;;



 土曜日とあって、そろそろ学校帰りの生徒を乗せつつ、夏日とはいえさら
りとした風を吸い込みながら、電車は走ります。青ガエル・・・・・最後に
乗ったのはいつのことだったか。転出先で乗った記憶が無く、せいぜい岳南
鉄道の車庫でウハウハ眺めくらいで、乗ったのは多分、東急大井町線あたり
が最後だったハズ。

 今乗っているデハ(?)「5101」は、ドア窓が装甲車のように細くて、
これはこれでソソるものがあったりしつつ、「109」やら「東横のれん街」
やらの広告が入ったままの吊革が、一斉に網棚にガチンガチン当たるのを見
上げながら、上熊本までの僅かな間、過ぎ去りし日の記憶にふと、耽ってみ
たりするのでした。

 しかしそれもいつまでもは許されず、やがて上熊本着。こちらの折り返し
は少々間があるので、すかさずパチパチ・・・・・ん?、乗務員ドアの裾近
くの塗装の剥げに目が止まり。今は水色基調の「青ガエル」ですが、ここに
ちらっと、緑色が見え。これ、東急時代の色でしょうか? 熊電でも暫く緑
だった気がしますが、同じ緑だったのかは・・・・・きっと東急時代の「記
憶」に違いないと信じることにして、これをぱちり。

 方々に散った仲間の中には、東急へ帰還を果たした者もいましたが、一方
この「5101」は、恐らくここ熊本で、骨を埋めることになるのでしょう。
無念ではなく、自らの働きへの満足とともに、去って行くのだと信じたいで
すが、そのうち他の仲間に会うことがあったら、よろしく伝えておこうかと、
思います。



 熊本が最終目的地ではなく、ふらりと立ち寄って行くつもりだったのです
が、なかなか面白く、またしみじみさせて貰いました。予備知識もロクに無
く大事なものを見落としていたかもしれませんが、また熊本の見所が尽きな
い事は分かっているのですけど、「レールガイ」から実際に訪れるまでに四
半世紀(汗)、先もまた、長くなるのかも、しれません・・・・・是非「は
やぶさ」で来てみたいものですけど・・・・・というと時間が無いか??



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     深町 忠利 > ふかまちただとし
        E-Mail > cub@t3.rim.or.jp
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