***** 2004年10月9日 *****
(独り言)



 博多。

 お天気キャスターは近年最強と脅かすのだったが、楽観、というより慢心、
危機管理意識のカケラも無いお頭なものだから、迫る台風22号の進路を直
前横断して、乗り込んだ。そもそもはYSの撮影目的なのだったが、折角博
多まで来るのである、それだけでは勿体無い。今年も梅小路の夜会へ行こう
かなーなどと思っていたのだが航空券確保に動くまでに日程が分らず、後に
なってバッティングと知ったという経緯もあったりするので、ちょっとこっ
ちで楽しんでもおきたい。

 そういえば日比谷公園の催しは台風で今日は中止らしかった。脱出組(?)
としてはハナから他人事なのだったが、そういやこれ、一度も行った事が無
かったりする。その初期において「線路も無い所のイベントなんか」とかな
んとか言った気もするが、まあスタンスの違いというか、ついでで寄る機会
も無く。

 出掛けに羽田の京急売店で、パスネットのピンバッジセットを所望・・・・・
今世紀に入ってどうもピンバッジな昨今なのだが、発売日に初便で発ってし
まう際どさ、どうにか寄れるここで、シャッター半開きのところをダメモト
でお願いしちゃう・・・・・ついでにホームで第二ターミナル出口の塞がっ
てるのやら、「今」の航空会社別の出口案内やら、ぱちり。これももうすぐ
変わる。

 で、博多。午前の便が欠航とのことなので、ならばとちょいと足を延ばし
て、門司港の九州鉄道記念館へ行くことにする。今回どこかで絡めようとは
考えていたのだったが、ヒコーキ撮影は風任せ、思うように撮れずオプショ
ナル・ツアーどころでなくなるかもしれないから、行ける時に行っておいた
方が良い。この欠航は、身勝手を言うなら良い機会ではあったか。

 空港に着くなり、地下へ。定期入れにはしっかり地下鉄専用の「えふカー
ド」を入れて来た。えふカード・・・・・これがまた、5年も前(1999年
9月)に買ったシロモノで、当時の記録を紐解くと・・・、

> で、いささか不本意ながらこっちに・・・・・にしても今日乗る分は
> せいぜい¥500。今世紀中に使い切るだろか?(^^;;;;;;;

・・・なんて書いてある。案の定、使い切れなんだ。世紀を越えて、昨年に
もちょっとだけ使うも、まーだ残っとーよ。どげんすっとねー。

 今度こそはと持って来たわけだが、3回も乗ってしまうと一日乗車券の方
が安いから悩ましい。しかもこの3連休、「アジアンマンス」記念だとかで
いつもより安い(¥600→¥500)のが期間限定であるものだから、も
うこちらを使うしか、ない・・・。何故かこれに限っては駅売店の扱いのよ
うで、一方普段の一日乗車券を扱う券売機を止めてあったりしたのは福岡地
下鉄の良心かもしれなかったが(期間限定のが売れ残っても困るか)、とも
かく売店を見つけて、なんとなく博多っぽいお嬢さんから購入。



 博多に着いて、まずは要らない荷物をロッカーへ預け、身軽になったとこ
ろで切符売り場へ。「つばめ」オレカに蝕雷しつつ「ワイワイカード」を求
め。愛用している自分撮り専用自己愛カメラ「ワイワイワイド」となんだか
紛らわしいのだがそれはいいとして、ストアードフェア式でJRと福岡地下
鉄に乗れるスグレモノ。西に続きそのテのカードがSuicaとの共通化へ
向かう中、これは今買っておきたかった。すぐ使い切れそうだし。

 門司港へ向かうにあたり、新幹線経由の方が運賃が安いという妙。しかも
小倉は隣だから特急料金も特定料金、すると在来線特急より安いということ
になる・・・・・と思った。ともかく往復で2時間も浮く新幹線は有難く、
迷わず利用することにする。

 そこで不安があった。ワイワイカードでは新幹線の切符が買えないのでは
ないか? 乗車券だけでも別経路扱いでややこしいんじゃなかろか?・・・・・
軽井沢や安中榛名のように、売ってはいるが全く使えないなんて駅の例はさ
ておき、最近でこそオレカで新幹線の切符も買える機械も出てきたりはする
のだけれど、こちらはライバルJR西日本の新幹線、果たしてワイワイカー
ドで買えるのか・・・?

 買えた。スバラシイ。券面にはオレカと同様「カ」と入り。イオカの「イ」
のように「ワ」とでも入るかと思ったのだけど。またイオカのように、オレ
カと混用出来る機械は見当たらづ・・・・・ということは「W」も無しか。
しかし新幹線も買えるとは、JR九州の寛容さというものか。いずれ「つば
め」も乗り入れてくるのだろうけど、ともかく、さすがに門司港まで通しは
買えないらしかったものの、小倉で一度出て、今度は直接改札に通して裏面
に記録を残すのも一興。少し余計にかかるが、それでも在来線経由を通しで
買うより、乗車券分は安く付いたりする・・・。

 ホームへ上がると、丁度東京行き「のぞみ」が出るところだったので、飛
び込む。そういえば山陽新幹線、最後に乗ったのは前世紀末に小倉〜東京間
で乗った500系「のぞみ」。今度のは700系だけれど、一応「のぞみ」
で繋がったな・・・・・などとしょうもないことを考えてるうちに、小倉。



 電留線に復活赤13号の電車が見えたのに唸りつつ、門司港着。駅舎は相
変わらずの佇まいで迎えてくれ、生憎の雨もここでは、しっとりとした情緒
に変わってしまう。駅舎を少し見て回り、いよいよ「九州鉄道記念館」へ・・・
・・・そういえば駅構内にはレトロ調のポスターが。版画調の581系、思
わずぱちり。同じトーンでC59やクハ481もあるのを、後で知る。

 入口で早速、C59が出迎えてくれる。鉄道の日月間とあってか、ボラン
ティアと思しき人達が、あーでもないこーでもないと楽しげにHMを取り付
けてる。TVの取材クルーも来ていて、何やらインタビューも。縦長のパン
フレットには、中国語やらハングル文字の躍るのやらまであって、北九州と
いう土地柄を醸しているようで・・・・・って、外国人にどれくらい通じる
んだろかここの展示ってば。

 屋根がありまだ日が浅いこともあってか、展示車両のコンディションは見
たところ、まずまずの様子。渋〜いキハ04もなかなかだけれど、ブルトレ
少年としてはここはまずED73と、そしてやっぱり同世代クハネ581。
715系へ改造されたものを塗装だけ戻したような具合で、開くように改造
された窓や閉鎖された洗面台がそのままということはあったけれど、なにげ
にボックスシートがひとつだけ、寝台にセットされていたり。

 うーん、寝てみたい(古)。

 早速靴を脱いで、ごろり。うー、たまらん。天井が高い・・・・・そうい
や中段、上段、撤去されているのだっけか? おっとそうだとワイワイワイ
ドを取り出し、ぱちり。コンパクトカメラを出し通路の向こうの肘掛に置く
となかなか良い塩梅なので、セルフタイマーでぱちり。ウハウハと繰り返し
ているところへ入ってきた家族連れ、チラチラこっち見てる(恥)。

 九州鉄道の社屋だったという展示室へ入る。大レイアウトで丁度走行デモ
中だったけれどちらとだけ見て、2階へ上がると何やら催し物が。

 ん、マン盆栽!? ウゥーッ、ハッ!

 盆ラマ、だそうな。カマボコ板上に世界を作る、というムーブメントが昔
あったような気がするけれど、鉢や皿を使って、プチ・ジオラマを盆栽チッ
クにアレンジといったところか。そのようなわけで、マン盆栽は本当の盆栽
だけれど、盆ラマでは水遣りなんかは要らず、お手軽。

 そういや種植える情景プラモデル、あったよな。田舎の駅とか。

 地元の模型屋さんがコーナーを持っているようで、材料も用意されて作ら
せてくれるようだったけれど、時間の都合もさることながら、作ったところ
で扱いに困るので、ちらと見るだけ。デッドストックと思しき品々がちょろ
ちょろ置いてあり。食指が動く程のものは特に・・・・・あ、Bトレの185
系基本番台斜めストライプのセットが・・・・・ああ、駄目だ。(ぉ こっ
ちじゃ全く馴染みが無いだろうが、沿線住民は弱いんだ。

 床に窓があって、レイアウトを空撮出来るようになっているのに疼くもの
があるも、走る時間まで待ちそうなのでパス。お土産物コーナーでは、ここ
のパンフレットの他に、九州鉄道時刻表復刻版、例の版画調のクハ481や
らC59やらのピンバッジ、「つばめ」関連モノに、門司が発祥らしいバナ
ナ叩き売りのCD、なんとなくゴーヤーマンを連想したバナナのキャラクター
のストラップ、等々蝕雷。既に予定外の大散財・・・。



 そんな門司港を後に、小倉でまた乗り換えて博多へ向かう。門司港駅では
券売機で新幹線通しの切符が買えるのは有難かったが、ワイワイカードが使
えず(いやオレカと混用出来なかったのだっけか)、持参したるオレカに登
場願う。うーむ誤算、ワイワイカード、使い切れるかな・・・。小倉で入っ
てきたのは0系「こだま」。ウェスト色。お懐かしや。久しぶりにその走り
を味わう。そういや博多南線では乗ったものの、山陽で0系って、国鉄最後
の日以来、カモ・・・。

 福岡空港でYSに空振りしまくったところで、今度は地下鉄に乗ってその
まま西新、台風は遠ざかっている筈なのに強風と雨に晒されつつ、夕暮の福
岡タワーなんぞでちょい観光らしきこと。エレベータのお嬢さんと2人きり
で上がっていると、お仕事ですかと訊かれ。ごついカメラのせいだ(苦笑)。
場違いだよなぁ・・・。

 姪の浜まで乗り潰そうかと思ったがなんだか面倒くさいので博多へ戻る。
今回密かにブルトレのバルブも狙ってはいたのだけれど、「さくら」「はや
ぶさ」は運休の張り紙。そらそうだろな。「あかつき」「なは」は走るのだ
ろうけど、雨降ってるし今日はもうへろへろなので、止んでることを願いつ
つ明日下りを狙うことにする。上りが走るなら下りも走るハズ。

 キオスクの土産物コーナーで、「つばめ」800系の形の瓶に入った焼酎
を見つけ。情報として知ってはいたけれど、ちょっと大きいな。米焼酎と芋
焼酎、それぞれ熊本と鹿児島の銘柄。ふむ。箱から出したら見分けが付かな
いじゃないかと思えば、窓の色が違ってたりと芸が細かい。とりあえず呑み
比べに両方所望・・・・・弱いくせに。

 コンコースでは、明日からの鉄道の日イベントの準備なのか、何やら搬入
が始まってる。駅前には1/2の800系先頭部のモック。なかなかよく出
来てて、タングステン光に浮かぶその陰影を、ぱちり。



(終)