***** 2008年11月1日 *****
(独り言)


 南部縦貫。休止になってから早、11年と半年。

 初めて訪れたのは、C62ニセコを撮りに行った帰りだったから、‘95
年のGWか。「どこにも捕まらないで立ち続ける競争」をしたりして(笑)。
無知故の今更モードでこんな所がまだあるのかと感激したものだったがそれ
も束の間、休止が発表される・・・・・「碓氷後」の楽しみにしようと思っ
ていたのに。せめて雪景色は見ておきたいと、最後の‘97年の春先に、2
度目の訪問。そしていよいよとなった最後のGWに、3度目・・・・・時は
碓氷峠廃止への最後のカウントダウン真っ最中、そんな合間でのことだった。

 その碓氷峠がとうとう廃止になり、その直後の鉄道の日月間に、傷心旅行
と称して再訪した。故あって日帰りで(!)・・・・・廃線跡(正しくは休
止中)を辿りながら、車両の一般公開が行われるという、七戸駅を訪ね、居
合わせた人と一緒にしみじみして、挙句野辺地までクルマで送って頂いたり
なんかして(謝)。

 その後暫くして、銀座のとあるギャラリーをたまたま覗いた時、南部縦貫
の写真が出品されてて。ををを南部縦貫だぁ、と見入っているとその作者が
傍らにいて、よくよく聞いてみると、あの日七戸で一緒でしたっけ!?・・・
・・・そんな縁も、あったりして。

 レールバス愛好会の人達による地道な活動については、雑誌などを通じて
情報としては入っていたけれど、彼の地へ行くこともないまま、あれよあれ
よと月日は流れ・・・。

#お披露目の催されるGWは「東京のりもの学会」があったし・・・。

 今年の夏のコミケで、秋にマニア向けに撮影会をやりますヨ、と聞いた。
撮影に特化して、ライトアップも施すという・・・・・勿論フラッシュ禁止
です・・・・・そのノリに、グッと来た(笑)。



 9月に九州へ行って来たばかりで、何かと厳しいものがあったが、行かな
ければ後悔するような気がして。イベントは3連休の中日の11/2、折角
だから前日もどこか回ろう、しかし一方翌日には入間でヒコーキ見たい・・・
・・・などという欲張りな事情もあって、1泊2日の詰め込み行程に、なら
ざるを得づ・・・・・調べてみると、「はやて」の始発を使ったとしても、
青森には昼近くになってしまう。「やまびこ」先行させて追い付くようなコ
トやってるから、速達もヘッタクレも無いのである。くそ。ヒコーキは高い
し、寝台列車もブツブツ・・・・・ああ、「八甲田」の走らない東北なんて。

 「八甲田」級の移動手段は・・・・・お、アレがあったな。夜行バス!
久々である。「ラフォーレ」とゆうのを早速押さえた。岐阜や仙台までとい
うのは経験があるが、青森・・・・・9時間半かぁ。

 予報では彼の地の空模様は今ひとつのようで、寒そうでもある。ポカポカ
陽気の街から着るには暑く持つには嵩張りという具合で電車に乗って東京駅
へ。水だけ買って八重洲のバス乗り場へ向かい、あちこち行き先の違うのが
いるのに戸惑いつつ、いざ、ラフォーレ3号。床下に荷物を預け、身軽になっ
て座席に収まる。カーテンの隙間から首都高を行く車窓を窺っていたが、浦
和を過ぎた頃から、うつらうつら。



 日付が変わってようやく本日。時々目が覚めたりして、今はどこいらへん
だろかと外を窺ったりしていたが、ある時仙台ICを出てしまうので「!」
と思ったら、JRのクルマが待っていて運転手が交替。ナルホド。

 明るくなったところでまた目が覚めて、一瞬だけ見える看板が現れるのを
待って目を凝らしていると、よく分からないが青森県に差し掛かったような
雰囲気。そうこうするうちにどこかのPAだかSAだかに入って運転停車。
このあたりで交通事情のバッファを持たせているわけか・・・・・再び走り
出して暫く、三内丸山などという字が現れて、バスは青森ICを降りた。目
前にいきなし、建設中の新幹線の高架が、どーん。

 青森駅前到着は0730頃で、結局30分程の早着。そのまま走ってたら
相当早かったに違いない。ひんやりした空気の中でまずは、うーん、と一伸
び。ボルボのバスをぱちり。

 駅のNEWDAYSを物色。Suicaの使えないNEWDAYSなんて
・・・・・はさておき、「生れて墨ませんべい」ってなんだ。太宰さんが暗
くエヘヘな感じのイラストの包装紙。なんだかな。中はイカスミのソレらし
い。

 まずはと八甲田丸に挨拶に行く。午前中は曇という予報は前倒しになった
か、朝日が眩しい八甲田丸。後側から、まずはぱちりぱちり・・・・・ちぃ、
アスパム方面へ通じるラブリッジ、可動橋部分が引っ込んでて行けないでや
んの。これ回り込むとなると、すんげー遠いぞ・・・。

 やれやれとベイブリッジ渡って、真横あたりから八甲田丸をぱちり。そろ
そろ予約の時間、レンタカーを借りに行く。ダイハツのブーンとかいうクル
マ。またの名をパッソというらしいが、コイツでブンブン走り回るのである
今日は。「竜飛ですか? でしたら蟹田から県道に入った方が近・・・」と
親切モードな店員氏を、初めてじゃないんでダイジョーブと制しつつブーン
に乗り込み、いざ出発。

 もう一度八甲田丸の、今度は舳先からぱちり。また青森駅に寄って、駅弁
を調達。食べたことなさそうなのを選んで、その名もズバリな「豚弁当」。
「なんばんみそ焼き」とサブタイトルがある。ベイブリッジ渡って、「みち
のく北方漁船博物館」のYS−11を眺めながら、これを食す。



 新青森駅だか車両基地だかの工事現場をたまたま通りかかったりしつつ、
R280を北上、あ、前に来た時このへんで貨物と並走したんだっけか・・・
・・・俄かに蘇る記憶。蟹田のフェリーターミナルで小休止。

 「もっくん」?

 青函トンネル記念館のキャラクター・・・・・今頃出てきたか! 何故こ
こにというのはさておき、ゴロゴロしてるモグラのぬいぐるみ、リュック背
負って帽子被ってサングラスして、しかしなんというか、ムサ苦しい(苦笑)。
こういう感じの人たまに見かける。(ぉ

 公式モノならアッチでも売ってるだろうと、蕎麦かりんとうをポリポリや
りつつ、おっと忘れてた旅の友レーダー探知機をペタリ(ぉ、再び走り出し
て、お次は「道の駅・いまべつ」。津軽線の津軽二股と、津軽海峡線の津軽
今別が2段に重なる・・・・・え、ここ新幹線の駅になるの!?「奥津軽
(仮称)」とある。わあ、こんな所にかい・・・。

 丁度停車の「白鳥18号」を、ぱちり。

 青函トンネル入口でも1本撮り、ようやく、青函トンネル記念館着。体験
坑道のツアーがすぐ出るというのでまずはそちらへ。先日の九州行で味をし
めて今回もソニーPCM−D50を持参、早速斜坑トロッコの生録を試みる
も、案内放送があるでもなく、ダッ、ダン! とレベルオーバーする程のジョ
イント音と、坑道内を響くピンガーのような警告音とが淡々と、なんとも地
味な。

 9年ぶりの坑道・・・・・いや、一昨年吉岡から歩いてこっち来たんだっ
た・・・・・案内のおねいさんに付いて、現場の機材やらトロッコやらを見
学。一部熱心に撮る人あり(笑)。そうこうすうるちに時間になって、トロッ
コへ・・・・・入れ替わりに降りて来た人、ほんの数人だけで、ん、違う方
へ歩いて行く??・・・・・列車に乗るんだろか。

 記念館をさらっと見て、風体験もして、メダルもがっちゃんがっちゃん、
土産物コーナーで例の「もっくん」・・・・・携帯ストラップやピンズは無
く、ぬいぐるみオンリー・・・・・を所望。トンネル掘ったカケラとか、昆
布入り羊羹とか、もう無いのか。



 お約束の階段国道を歩いて、竜飛崎。自衛隊のレーダーサイトのカメラが
じっとこっち見てる。こちらが動くと付いてくる。暫く置いてさりげなく見
ると、まーだこっち見てる・・・・・あんだよ・・・・・去り際に、カメラ
に向かって挙手の敬礼をかます・・・・・勿論海軍式で。アレだなあ、手旗
信号の心得でもあれば、「ゴ・ク・ロ・ウ・サ・マ」とでも送ってあげると
ころなんだがぁ。ライト持ってたら、トトツートト、トトト、トトツートト、
トトト、トトツートト・・・。(ぉ

 スタッドレスになっているせいか、足元フニャフニャ、ロールもユラユラ、
カメラが後で転がり回るわで、もうすぐ6度目の車検を迎える(汗)我が愛
車より頼りないブーンを駆り、十三湖の畔を南下、夕闇に沈み行く岩木山を
見ながら、木造駅へ。

 アレである。遮光器土偶が聳え立つ、やっちゃった感満点の駅舎。鉄筋コ
ンクリートでも木造とは是如何に、などと茶々入れる余地すら無く・・・・・
一方中ではごく日常的に、部活帰りらしい地元の高校生がわいわいと、列車
を待ってたりする・・・・・シュールだ。

 夕闇の中でどうにか撮っているうち、「リゾートしらかみ」がやって来た。

 ピカピカピカァーっておい、眼が光ってるよ。赤だの白だの・・・・・
「いらっしゃいビーム」というらしい。駅前のささやかな商店街(?)は既
に真っ暗なのだったが、その突き当りに大魔神よろしく赤い眼を光らせた巨
大遮光器土偶が、仁王立ち・・・・・シュールだ。

 今「リゾートしらかみ」から降りてきたらしいカップルが、大ウけ中。



 バブルの残り香を嗅ぎつつ、五所川原駅で津軽鉄道のグッズ漁り。むむ、
切符の地紋の手拭いなんて洒落てるなあ。これください。

 リンゴの木箱を満載したトラックと並走しながらR7を南下、弘前を過ぎ
て、弘南鉄道の津軽大沢。元東急の6000系との再会。1両はダルマにさ
れて物置と化していたが、大井町線あたり以来、久方ぶりに会うもっさり顔。
駅の人に断ると電車来ないよと言われ、いえいえ車庫の電車をですねと、ホー
ムからバルブをさせてもらう。傍らには7000系も・・・・・なんだか地
方私鉄の訪問も、いつの間にやら東急譲渡車巡りのように、なっていて。

 本当は明るい下で会いたかったが、なにせこの詰め込み行程。またの機会
を夢見つつ・・・・・コンビニでジッポーオイルを買い、カイロに注ぐ。昼
間はまだ小春日和っぽい風情があったが、流石に冷え込んできたな・・・。



 今宵は七戸で車中泊。この寒さの中、このフニャフニャのクルマで、十和
田湖だか八甲田山だかの内陸部を走破する気にもなれず、東北自動車道〜み
ちのく有料道路と回り込むことにして・・・・・このクルマETCは付いて
るんだな・・・・・とりあえずは青森市内に立ち寄り、身体が温ったところ
でまた走り、「道の駅・しちのへ」着。ここで寝床を整え・・・・・ちぃ、
フルフラットじゃねーんだこれ。



(続)