***** 2008年11月2日 ***** (独り言) 着込むだけ着込んでいたが、案の定寒くなって目が覚め、エンジン掛けて 今度は暑くなってまた目が覚め、などとやりつつ、朝を迎え。 「道の駅・しちのへ」。まずは洗面所で顔を洗い、昨夜ちょっと気になっ てた都内ナンバーのクルマを見やると、携帯コンロ出して朝食の支度の様子。 ご同輩だろか? さて本日も日の出より営業。早速その背後で朝日に輝く、工事中の新幹線 の「七戸駅(仮称)」をぱちり。駅前はまだまだ更地、ふと安中榛名あたり でよく撮ってたのと、しかも未だに変わっていない(ぉ のを思い起こしつ つ、オーバークロスするR4へ回り込んで、こちらからも金網越しにぱちり。 レールは既に敷かれていて、作業用車両らしきものが止まっており。 道路にある掲示板、「只今の気温 2℃」・・・・・ぶるっ。 青森方のオーバークロスからもぱちりぱちり。こちら側の本線、ずーっと カマボコ状に覆われているのはスノーシェッドなのか防音用なのか・・・。 今回国土地理院の地形図を新調。道路地図などとは更新スパンが違う地形 図では、まだまだ休止中の頃で破線で線路が残り、そして駅も描かれている ・・・・・R4へ出たところで、さて、営農大学校前駅跡はこのへんだった か?、前に写真をまとめていたポケットアルバムも引っぱり出し、ここか?、 ここか?、と見比べ・・・・・新幹線の工事用車両の道になっているのが、 線路跡?、木がこっちだし、うーむ、自信無し。 全線を見て回る余裕はなかったが、やはりここはと坪川駅跡。築堤の上に あった筈の駅施設は、鬱蒼とした中にかすかに窺える杭らしきものに、その 名残を認めるのみ。ポケットアルバムの写真を同じ構図を狙ってみる・・・・・ うーむ、築堤の木が増えてるぞ。11年半、か・・・。 七戸方にはすぐ鉄橋が続いていたが、これは既に無く。橋脚だけがチェス の駒のように並んでいる・・・・・後で知ったことには、つい最近撤去され た由。残念。いつしか雨がポツリポツリ。 中野の鉄橋も無くなっていたが、これもポケットアルバムの雪景色と同じ 構図でR4から、橋脚だけの橋をぱちり。ちぃ、本降りになってきやがった。 七戸のイベントは午後から。その前にと午前中はまたもや詰め込み行程・・・ ・・・まずは十和田観光鉄道の元東急7700系と、7200系と、デハ 3650に一目会おうかと七百へ走らせると、駅前にテント、何やら準備を している人達・・・・・んん? 「とうてつ秋の感謝祭」。知らなんだ。グッズ販売もあるようで、ひっじょー に、惹かれるものがあったが、今日は七戸を優先したい・・・。 人目に気後れしつつ、ちらほらといるご同輩と共に、ぱちりぱちりと再会 の挨拶。本家の東急にも、まだ7600系や7700系が残っているとはい え、こちらは風前の灯。ぶらりと撮り歩きするのにも近くて良いのだけど、 リアルタイムでミスミス見逃し中・・・・・いかんいかん。あの赤と黒の顔 だの好き嫌い言ってられなくなるのも、解っちゃいるのだが。 お、元デハ3650と生え抜きのモハ3400、パン上がってんじゃん。 ドアが開いてて中で写真撮ってる人が見えたが、さあどうぞという雰囲気で はないのであれは関係者か? 通りすがりの身なので外から見るだけにする。 やや後ろ髪引かれつつ七百を後にして、三沢駅の通り掛かりに7700系 をぱちり、三沢航空科学館でYS−11他ウハウハ。そして再び七戸へ向か う・・・・・この頃には日も差してきて、晴れ男の面目躍如。 今年の夏のコミケで、秋にマニア向けに撮影会をやりますヨ、と聞いた・・・ ・・・と昨日のにも書いたがもう少し。 その時、そのブースで買ったものがある。南部縦貫鉄道の開通式典のパン フレット復刻版と、開通式典の映像を収めたDVDのセット。幸運にもそれ が最後の1セットで、「こんなに出るとは思っていなかったので」とブース の人も意外そうな様子だった。いや、もう11年も前とはいえ、琴線に触れ る人はいるものですよと言いながら、色々伺ったのだったが、このDVDの ソースは、地元の写真屋さんが個人的に回した8mmである由。‘62年当 時にしてカラーという奮発ぶりもさることながら、専門家だけあり保存状態 は非常に良かったとのことで、特に修正を必要としなかったという、パッケー ジに印刷された画像からも、それが窺える。コダクロームなんですかねえ、 などと訊いてみたが、そこまでは確かなところは分からづ。 帰って早速それを観た。音は無い。恐らくその後も殆ど変わっていない、 七戸駅構内。日章旗を掲げたレールバスが、ホームや線路端で振られる無数 の小旗に見送られ、野辺地へ向けて出発する・・・・・当時の期待感が画面 から滲み出すようで、「その後」を知る者の目には、それがまた切なくもあ り・・・・・この画面の中のレールバスは、その後もずっと生き続け、今も なお、七戸で余生を送っている。この半世紀の間の記憶がずぅーっと、その 小さな身体に宿っているに、違いなく・・・。 レールバスに、会いたくなった。 少々勢い付いた感がありつつ、そういえば、とグッズの通販をチェック。 その存在は知ってた気がする「ぷちらま坪川駅」やら、レールバスの金太郎 飴やら、いくつか早速注文。届いた品物には、丁寧な手紙が添えられていて。 今頃注文する奴も珍しかったんだろうか、などと思ったりもしたが、大した 買い物でもないのに、品物以上のものを、頂いてしまったような気がして・・・。 七戸駅前は既に、先客のクルマが何台か駐まっていたが、まだ余裕がある 感じなのでその端っこに駐めさせてもらう。何となればジャスコにでも、と いう考えも無いではなかったが、駅前なら有難い。 駅前ではリヤカーベースのレールバスがお出迎え。何かの催しで使ったそ うなのだが、ほほうと唸りつつこれをぱちり。 早速中へ入ると、グッズ販売が始まってて、通販で扱ってたものの他に、 「レールバスのカケラ」なるキーホルダー。修繕の時に剥がした塗装のカケ ラを、透明アクリルに挟み込んだシロモノ。スタッフの人達の「こんな捨て る物に値段付けて売るなんて、悪徳商法よねえ」「女にはわからないんだな あ」なんてやり取りに笑いつつ、3色の塗り分けのカケラが揃ったのを見つ け出し、これを所望。金太郎飴はもう終わったらしい。残念。 構内には既にそこそこのギャラリーがいて、レールバスの登場を待ち構え てる。七百で見かけた風な感じの人も、ちらほら。 と。 ぎょ、ぎょ、ぎょ、ぎょぐげげげげん、ぐげげげん、からっからっからっ からっからっからっ・・・。 おっ、庫の中でお目覚めの様子。こちらも早速生録なんぞを。 さらにもう1台目覚める音が聞こえ、庫の隙間から煙が漏れ出る。中の人 大丈夫かぁ? いよいよガラガラと扉が開き、まずはキハ101が登場。か らっからっからっからっからっからっ・・・・・ぼっぼっと煙を吐きながら 現れた、往時そのままの姿に、思わず目が潤む・・・・・それはレールバス 自身の姿に、それを守って来た人達の想いを見る気がするからかも、しれな い。 続いて102が、軽くデモ走行を行って、101に並ぶ。さらにDB10 が並ぶ筈のところ、始動に手古摺っているらしく、ここで一旦撮影会。ここ は柔軟にやりますよリクエストにも応えますよ、とのことなので、DB10 がくるりと回るのを見たいですと訊いてみると、油圧系に不具合があるらし くそれは無理な相談の由。残念。 合間に、駅の突き当りの先のレサ軍団の倉庫群を見る。いやはやここも以 前のままで。ダルマ状態なのでレサ10000かレサ5000かは判らない が、東北なら後者だろう。なんでも今年だったかのGWの催しでは、これの 中も公開したらしい・・・・・ってなにげに濃いぃなおい(笑)。 振り返ると、南部縦貫鉄道の給食トラックの箱部分だけがゴロリ。そうい えば地域のインフラというかロジというか、そんな仕事も請け負っていたん だった。今はもう、タクシー事業だけなんだろか・・・。 DB10もようやく目覚め、これで3両並びでぱちり。一方庫の中ではキ ハ104にも火が入り、窓から射す光にスモークのよく効いた光線が、なか なかで。 庫の反対側の通用口からも出入りが許され、その傘付の裸電球が、演出で も何でもなくごく当たり前にある入口に覗く、キハ104の顔・・・・・うー ん、なんとも。そこを入ると生活感溢れるような詰所、工具やら部品やら、 そして独特の、機械の匂い。キハ104の中を見学、国鉄の10系気動車も 最後に乗ったのはいつのことだったか・・・・・と、フィギュアを取り出し て窓枠に座らせ、撮影に勤しんでいる御仁が・・・・・色々な楽しみ方が、 あるようで。 折角なのでエンジンの下にPCM−D50を置いて、DMH17のアイド リング音を生録。からっからっからっからっ・・・。 その後も、レールバスの重連を撮ったり、デモ走行を流し撮りしたり。運 転するのはOBの方。レールバスの前でポーズ。「現役の頃のように、タブ レット持って駅舎へ向かって歩いてみてくれませんか?」なんてリクエスト にも応え(笑)。 レールバスの中でしみじみ。あー、こんなだったかなあ。ビニール張りの 硬めのシート、シンプルな運転席・・・・・ふと外を見やると何故か「西千 曳」の駅名標。移設したのか。 西日が良い加減の赤みを帯びてきた頃、七百掛け持ち風やら、地元の家族 連れやら、いつの間にか結構増えてきた人達も段々と動きが無くなって来て、 のんびりとした時間が流れる。やがてスタッフの人達が電源ケーブルを引っ 張り始め、それを眺めるギャラリー・・・・・徐々に場所取りのような様相 を呈し、そろそろ各人、日没後のイメージトレーニングに入った風(笑)。 雲が出て陽射しも無くなり、しかしまだ日没には早いという中途半端なとこ ろ、逆光側から青っぽく沈めて、雲の表情を狙ってぱちり。 会えただけで満足、という思いはありつつも、折角来ておきながらライト アップを逃す手は無い。クルマに戻って夜モードの装備。空に青味が残るう ちから、あっちからぱちり、こっちからぱちり。ホームの裸電球が徐々に味 わいを増し、かつての「フツーに走っていた頃」の趣。 周囲の闇が深まるのと共に、輝くように浮かび上がるレールバス。実のと ころ個人的には、ライトアップという「非日常的」な情景には、ちょっと距 離を置いたスタンスであったりもするのだけれど、しかしそれもまた化粧と 同じく、匙加減次第の部分があり、今宵のそれはまた良い具合に、なってい て。ホームの木は桜だろうか、葉の色付いたそれも浮かび上がって、良いア クセントに・・・・・これで日取りを決めたのかな。 2両のレールバスは再び車庫の前で仲良く並び、ヘッドライトにしたりテー ルライトにしたり、片方ずつ変えてみたりと撮影会は続く。庫の中ではキハ 104が、明かりの下で佇んでいて、これはこれでかつての日常の「或る日」 の、一日を終えた安堵感の漂うような光景。 いよいよ撮影会も終盤を迎え、入庫の時間。最終「はやて32号」で帰ら ねばならず、そろそろ中座しなくてわ・・・・・昼間走った印象からしてど う考えても渋滞に巻き込まれる虞など無さそうではあったが、三沢でクルマ を返さねばならないし、日曜でも開いてるGS探さねばならないし・・・・・ 動き出すキハ101を光跡に焼き付け、これを潮に三脚を畳む。 スタッフにお礼の挨拶くらいはしたいところだったが、この暗闇と入庫の 慌ただしさの中ではそうもいかず、ともかく三脚を抱えたまま、もう一度、 レールバスを振り返る。きっとまた、その姿のままで。 皆で余韻に浸っているであろう七戸駅を想いつつクルマを走らせ、三沢で 乗り捨て・・・・・県内故料金発生セズ・・・・・後は予定通りの帰宅行程。 盛岡で「こまち」の連結を見に行く気力はもう無く、明日も早起きだわいと 観念しつつシートに沈む・・・。 ときに「趣味」というものを、考えさせられる昨今。巷間オタクブームだ の鉄道ブームだの言われているらしいが、それもなんだか「市場」って臭い がプンプンな感じで冷めるところ多々あり・・・・・などとホザきながら、 何だかんだで結局たーだの「消費者」でしかない自分がいる・・・・・今日 だって・・・・・良いんだろか、こんなんで。 (終)