***** 2008年11月29日 *****
(独り言)


 0系の活躍も、いよいよ明日まで。

 TVではニュースと言わずワイドショーと言わず連日これでもかと取り上
げられ、星晃氏、島隆氏はじめ今や「時代の生き証人」ともいうべき方々へ
のインタビューに、懐かしの映像の数々。遠い昭和の記憶にしみじみさせら
れるのであった。

 例の封筒式(?)紙コップ、あれを器用に折って立ててウイスキーを注い
でる人がいたとか、車掌だか車販だかの人が小銭入れにしてたとか・・・・・
おーおーおーおー、なんとなく心当たりがあるような。食堂車もこれまた、
懐かしい・・・・・食べたことはとうとうなかったんだけど。

 ある時画面の誰かが言った。「個室もあったよね、あれ乗りたかったー!」

 ソレ、100系ですから。



 それはそれとして。

 知る人ぞ知る、ギンギラ太陽's。

 3年前、そして今年の正月に「翼をくださいっ! さらばYS−11」を
東京で上演した。あくまで福岡が軸足であることから、これらは東京「地方
公演」と呼ばれる。そのローカルネタに付いて行けないのは逆に「田舎者」
ということになるわけだが(笑)・・・・・はさておき、決してイロモノで
はなく、綿密な取材に基き「かぶりもの」で演じる「モノ」達を通じて、そ
の背負った歴史や人々の想いを描く。これが沁みる。

 そして3度目の、今年だけでも2度目の、東京「地方公演」。

     BORN TO RUN さよなら初代0系新幹線
        〜引退記念スペシャルバージョン〜

 そういやDJ誌だけ告知が載ってた気が。他もあったんだろか。

 作品紹介より局所的抜粋。

> 最後の日を前に、初代 0系新幹線達は「ある計画」を実行。果たして
> 「走るために生まれた彼ら」が取った 行動とは・・・?!?! 

 ん??

 ・・・今から9年前、「東海道新幹線」たる0系が姿を消した。

 グリーン車と、オリジナルの転換クロスも多分、そして堂々たる16両編
成はこれで見納めとなり、個人的には、ここでひとつの区切りを付けた・・・
・・・というようなことはこれまで折に触れてきたが、その0系がいよいよ
東海道から去る、その差し迫ったある日、鉄系MLでちょっとしたネタで盛
り上がった。

 「さらば新幹線電車0系」。

 まあ、元ネタはアレである。ピンと来ない向きは置いて行く。(ぉ 共作
だったり競作だったりな展開だったが、例えばこんなで・・・。


> 〜東京駅19番線下り方先端、英雄の^H^H^H十河信二記念碑
> 
>  「総裁、見てくれい、東京駅の繁栄ぶりを。一緒に戦った国鉄本社
>   も、もう無くなっちまったよ。我々もどんどん忘れられて行くん
>   じゃ。総裁、一緒に飲みましょうや・・・・・ミーちゃんお前も
>   飲むか? よしよし」

> 〜都内某研究所(ぉ
> 
>  「君達も来てたのか・・・・・時々私も、ここへ気を安めに来るん
>   だよ」
>  「ちょ、長官^H^H技師長・・・」(ぉ
>  「0系は、廃車と決まったよ」
>  「ええっ? まだ、まだ走れるのに」
>  「上層部がそう決めたんだ。0系は保存車となるそうだ。これからは
>   アルミ車体とVVVFだ。0系はもう、古いんだよ」
>  「そんな・・・」

> 〜東京総合車両基地(だっけ?)
> 
>  「パン上げぇ」
>  「パン上げぇ」
>  「主電源、スイッチオン」
>  「スイッチオン」
>  「電圧上昇、2万5千ボルト」
>  「MG始動」
>  「MG始動」
>  「空気圧異常無し」
>  「空気圧異常無し」
> 
>  「みんな、来てるのか?」
>  「ああ、揃ってるよ」
>  「そうか・・・よし、行くぞ」
> 
>  「閉塞オープン」
>  「閉塞オープン」
>  「転轍反位」
>  「転轍反位」
>  「0系、ノッチオン」
>  「0系、ノッチオン、微速前進、制限15」
> 
>  「本線に出たところでATC解除、フルノッチだ」
>  「了解・・・・・ATC解除、フルノッチ」
>  「0系発車ぁ!」
> 
> ♪たらら〜 たららら〜
> 
>  「十河の子供達が行く・・・・・」
> 
> 
>  あと、お願いします。m(_ _)m(をゐ)
> 
> #ああっ、このままでは東京駅に突っ込んじゃうぅぅ!
> 
> ##だれか本にしてください。(ぉ

> 〜0系、奇襲を受ける
> 
>  (どかーん! ちゃりん)
> 
>  「なんだ一体!?」
>  「・・・・・瞬間最高速度車!」
>  「ま、まさか・・・・・1000形は、とっくに廃車になったん
>   じゃないのか!?」
> 
>  「ふふふふ、ふはははははははははは、はぁっはぁっはぁっはぁっ
>   は・・・」
>  「!!」
>  「0系の諸君、また会えて光栄の至り」
>  「1000形B編成!」
>  「レコードホルダーは不滅だ。一時はドクターイエローという裏方
>   稼業の屈辱に耐えたが、今復讐の時が来た」
> 
> (略)どうなる0系!?
> 
> #あのセリフを書いてみたかったの。(_ _)



 ・・・失敬。ま、そんなコトを思い出したり。

 そういえば昨夜の「ニュース23」で0系共々ギンギラが取り上げられる
ような話があったのだが、気合い入れて録画までするもとうとう流れづ・・・
・・・大きいニュースが入ったわけでもなし・・・・・と、未明にふと目が
覚めて、TVのスイッチを入れると丁度「TBSニュースバード」が始まっ
て、ヘッドラインに「0系」の文字。もしやと録画を開始すると、果たして
ギンギラ登場! お−し! こっちに回したかぁ・・・。

 まるで「見えざる手」に導かれたようなこの展開・・・。

#6時間58分じゃなくて、56分ですネ。赤いひかりはトーントーンと森
#繁久弥も言ってましたもん(遠い目)。「博多まで6時間56分広島まで
#5時間8分」って。

 福岡市内の「さつき幼稚園」という幼稚園にも0系があるとは知らなんだ。
昭島の図書館は有名で、たまたま通り掛かりに目撃したことはあったが・・・
・・・で園児達の遊ぶこちらの0系、ん、運転席窓枠も屋根も、真っ白?
ええっ? 化粧直ししかけでも、なかったようだし・・・。

 さらに「皇室アルバム」で先日の御召をチェック。いい朝だ(笑)。



 折角なので副都心線を初乗りしつつ池袋。そこからてくてくと歩いて行く
と、小奇麗な高層ビルが現れ、「あうるすぽっと」の文字が見えた。おーおー、
ここだ。

 エレベータに乗って2階。開場時間には少し早かったが、開場から開演ま
での間、色々と忙しいのである・・・・・と、やがて開場。ホールの一部に
はあらら、HOの0系が飾られていたりして。ほお。走るんだろか?

 まずはグッズ販売のコーナーへ直行。今日のパンフと、「天神開拓使」の
在庫品らしきものもあったので・・・・・そういえば先々月西鉄ホールで演っ
てたのがそれだったか・・・・・で、それも。

 新作のTシャツ。0系がどーん、のイラスト・・・・・なんか昔自分も描
いてたような懐かしさが・・・・・で、運転席には「西鉄やくざバス軍団」
が(笑)。サイズを聞くとSとMしかない由。おいおい2日目にして売り切
れかとまた問えば、最初から造ってないだぁ? ホントかよ?

 どうもここの人達、その手際や質問への応対からして、ギンギラの知識は
殆ど無いというか、そもそもこういう仕事は初めてなんだろかというか、そ
んな印象を受けたのだが真相や如何に・・・・・はさておき、Tシャツは他
の絵柄もあったが、バス軍団のはもう無かったようで。

 にしてももうちょっと無かったっけか・・・・・と、横ちょにガチャガチャ
の機械。ガラガラやってみると、中洲の玉屋とバス軍団の缶バッジをゲット。
そういうシステムで来たかぁ・・・・・缶バッジは今時の、自分で作れるア
レ。カプセルは回収して再使用してた(笑)。聞くところによるとシークレッ
トとして、Tシャツと同じ絵柄の「0系」の、大きいのもあったようで・・・
・・・そこまでは頑張れません。



 いつものお約束に備え、すぐ席に着く。速攻で押さえたから今日は、3列
目の真ん中。ふふん。

 で、待ってましたの「西鉄やくざバス軍団」。遠征組もいるのだろうけど
一部の濃いぃ感じの人達が、キャーキャー歓んでる。3年前のパルコ劇場
(しかもそれが初めての東京!)の時は、観客の側に戸惑いが見られたが(笑)、
ここ東京でも段々と輪が、或いは和が、広がっている感じが。

 バス停で客待ちしているタクシーにタックルかまし、客席の隙間へズカズ
カ入り込み、我が物顔のバス軍団。あっさり目の、ちょっと色が違うのがい
ると思ったら、新塗装の由(笑)。そういや見た気がするぞ。

 あ、折角の東京なので、今度は是非とも「はかた号」を。(ぉ



 博多総合車両所で暇を持て余す0系達。新鋭車両に仕事を奪われて、最早
「ひかり」として走ることも無く・・・・・東海道の仲間のことを今の今ま
で知らなかったのは、やはり分割・民営化によるものか・・・・・などと邪
推はさておいて、ここではT3編成と思しきドクター・イエローも健在で、
線路でなく仲間の0系の面倒を見てたりする。塗り分けが0系と同じなのは
ご愛敬。そういえばICEが台湾新幹線にしか見えなかったのも、ご愛敬??
・・・・・800系とのからみか? パクられ損だな。(ぉ

 で、終焉を知った彼らが「十河の子供達が行く・・・」となるわけだが(ぉ、
色々乗り越えて東京を目差すその目的が・・・・・正直言って少々、アララっ
とコケた。ホントに、そんだけなの??

 むしろ、彼らが東を目指す間にお楽しみください的に盛り込まれた、「女
ビルの一生」の方がこう、ズシーンと来た。あれを観てしまってからでは、
もう本編はデザートのように思えてしまい・・・・・んー、なんだろう。

 ストーリー以前に個人的な鉄的感情移入でもって、昂る部分は多々あった
のだけど。(^^;

 「翼をくださいっ!〜」の時は、戦中戦後を通じた、日本の航空史そのも
のが描かれていて、殊に今年の東京での再演では、それをずっと見守ってき
た「雁ノ巣さん」が主役のようになっていて、彼女の一代記としても見応え
のある内容だった。小ネタにゲラゲラ笑いながら、ズシーン、と沁みた。

 ならば、0系もその誕生の逸話や、つまり「プロX」的なものを盛り込め
ば良かったのか?・・・・・いや、そんなに単純な話ではないだろうし、そ
れに第一、タカダカ「翼を〜」1本を観たくらいで、ギンギラを知った気に
なる愚を、犯すべきでない。

#って、DVDの「ひよ子侍 南国から来た寒いヤツ」くらいは観たケド。



 多分、作品の性格なのだと思う。その規模においても。東京という「地方」
でという制約から、しかも福岡ベースをリアレンジしないという方針から、
或いは時期柄という面から、演目も選ばれたのだと思うけれど、元々はもっ
とコンパクトな作品だったみたいだし、出来が云々という問題では、ないの
だろうきっと。

 0系達も老いて虐げられているかのように描かれていたが、これも恐らく
ストーリーの成立上必然だったのであろうし・・・・・働き盛りを過ぎて、
自分達の築き上げてきたものに満足しつつそれを次代に引き継ぎ、あの丸顔
で穏やかに見守っている・・・・・そんな存在と捉えていた目には、少々意
外とはいえ。今にして見れば、福々しさすらあるように思う、あの顔。

#ちょっとだけ「新幹線大爆破」を思わせた箇所は、偶然ではあるまい(笑)。

 そういえば劇中で対峙した500系も、勇んではいたが彼こそ不遇な電車
では、なかったろうか・・・・・最先端を目指し究極の電車として誕生しな
がら、やれ使い難いだの、居住性が悪いだの言われてその後が続かず、今や
バラバラにされて「こだま」専用編成に格下げ・・・。

 いや「夢で終わりそうな夢の超特急」の「リニア様」なんて微妙過ぎて取
扱いに困りますがな。(ぉ そういえばアレ、ML100の面影が・・・。

 ついでに、助けに来た「YSさん」が、「外国にはまだまだ、働ける場所
がある」と言ってたっけ。ふと脳裏を掠める、台湾へ渡って建築限界測定車
になった先頭車・・・・・あれじゃあなあ(涙)。



 少々ナマも入ってしまったが(謝)、とても楽しい観後感の舞台だった。
やっぱり「女ビルの一生」の方が印象は強かったケド・・・・・というより、
益々「本場」が観たくなった。ひょっとしたら見事に釣られたのかもしれな
い(笑)。ひよ子侍のお約束を拝めたのも嬉し。

 ときに、太陽の塔。新幹線とは大分離れた場所だからこれらが絡んだ絵を
見ることはなかったが、6年程前に万博記念公園を訪ねた時、初めて見る現
物のその大きさにまず、圧倒され。これがあの時代の、エネルギーだったの
か・・・・・この公園全体がいわば「昭和遺跡」であることに気付きつつ背
中へ回り込むと、その後姿に母性を見た気がして、なんだかじーんと来た。
ここで30年間、「その後」の日本を見守り続けてきたのだな・・・。

#ん、なーんとなく大船観音と通じるラインがあるよーな??

 そして、夜明けと共に見る、富士山。西国の人々のこの霊峰への憧れは古
より伝わるところだが、日常に近いと言える関東にあっても、例えばこの季
節など天気の良い朝に通勤電車からその姿を見ることがあり、ほっと嬉しい
ひと時を得たりするのである。「日本最強のランドマーク」と信じて疑わぬ
富士山だが、これもまた、見守ってくれる存在で、あるような。

 その富士山と0系。日本の絵葉書の定番中の定番だったが、あれだけ散々
土産物で見かけておきながら、一度も買ったことが無いのが今更ながら、悔
やまれる。100系でも、300系や500系でも。東海道から去る最後の
春に、その現地へ撮りに行ったことがあったが、今ひとつ甘いその時の写真
が、今となっては宝物で。

 そういえば、東京タワーとの再会劇というのは、なかったな・・・。



 殆どどうでもいい話だがその都度その都度「初代0系新幹線」とフルネー
ム(?)で呼ばれていたのは何だろか・・・・・そういえばニュースでもそ
んな風に呼ばれていて。そもそもただ「新幹線電車」だった同系列だが、な
んというか、アレですな、「初代」が付くと「2代目」以降の存在を、暗示
することになるのだよ言葉としては。しかし実際には0系の前に0系無し、
0系の後に0系無し。「初代」もヘッタクレも無い。強いて言うならば小窓
になった1000番台以降、2000番台ならば尚、一つの世代区分と見る
ことも出来ないではなく、事実0系同士で置き換えも行われたから「新世代」
と呼べないでもなさそうだが、実際一般的にそんな風には認識されていない。

 「初代」が「新幹線」にかかっているならば、これは解る・・・・・てか
フツーそう解するところだろ。2代目の100系、次に300系、500系
は別格として700系・・・と。これなら「0系初代新幹線」か「初代新幹
線0系」の方が収まりが良いように、思われるのだが・・・・・って本当に
どうでもよかったなこれ。



 アンケートを書き始めると、早々に追い出されてしまい、0系の写真のパ
ネル展示も観そびれた。次の部の準備があるからって、休憩に入りたいって
のがミエミエですがな。今回は演目以外の面で、なんつーかこう・・・。

 それはさておき、さーてお次は?? 鉄的にはブルトレ物語など推したい
ところだけど・・・・・やはり九州は外せないし・・・・・陳腐ですかね。


(終)