***** 1997年9月30日 5:23:21 *****
[T:12567] [uf][Mo]Usui Mail 9/30 #1



 おはやうございます、ふかまちです。


 只今「ざんげ岩」登山口の駐車場にいるのですが、ぢつわ「能登」の俯瞰バルブ撮影
など企てていたんですけど、寝入ってしまって大失敗かましたところ、なのです。(ToT)

 ところで今日は、「ズームイン!朝」の中継が入るそうです。その話はちらちら聞こ
えてて、俯瞰ポイントで撮影してたらしい、とも・・・・・・・・で、昨夜またお風呂
入りに国民宿舎「裏妙義」へ行くと、日本テレビの中継車が止まってました。ついでに、

 「ええとこちらをご覧ください。ここが横川でこっちが軽井沢、この標高差がですね、
  なんと550mもあるんです・・・・・・」

って感じで使いそうなボード持ったお兄さんを見かけたりしました。泊まりながら仕上
げるんでしょうね、これ。


 さて、昨夜は上り第1トンネル出口付近で単172の録音をしたんですけど、通過の
3分位前から、トンネル越しにブロワー音が響いてきて、趣がありました。これももう、
聞けなくなるのですね・・・。


 ぢつわ私、碓氷訪問は今回で丁度100回目なんです。家から出て家に帰って1回、
と数えているんですけど、仕事などで通りかかったのは数えていません。先日のE2
「あさま」試乗会も、含んでいません。まさか、100回も来るとは、ね・・・。

 延べ日数にすると、129日目。その129日目の、そしていよいよ、横軽の最後の
朝を、迎えようとしています・・・。


 では、これを・・・・・・山口百恵で2つ。



    「横川ストーリー」

    これっきり これっきり もうこれっきりですか
    これっきり これっきり もうこれっきりですか

    ファインダーに映し出す
    山に生きる武骨な人
    ノッチを少し進めながら
    「あさま」を後ろで 押し上げてました

    これっきり これっきり もうこれっきりですか
    これっきり これっきり もうこれっきりですか

    急な坂道駆け登ったら
    今も霧に霞むのでしょうか
    ここは横川

    話しかけても 応えずに
    寡黙に列車を守る人
    私は熱い ブロワーに
    胸まで灼けてしまったようです

    これっきり これっきり もうこれっきりですか
    これっきり これっきり もうこれっきりですか

    あなたが峠を 降り切ったなら
    売り子の声またするでしょうか
    ここは横川

    一緒にいてもあとわずか
    明日を境に 旅立つ人
    私はいつも置いてきぼり
    あなたに今日は聞きたいのです

    これっきり これっきり もうこれっきりですか
    これっきり これっきり もうこれっきりですか

    そう言いながら 今日も私は
    なにも出来ず眺めるのでしょう
    ここは横川




    「秋桜」〜

    丸山の秋桜がロクサンの
    運ぶ秋風に揺れている
    此頃 騒がしくなったここの
    庭先で三脚からみ合う
    横軽のアルバムを開いては
    私の過ごした日の思い出を
    何度もページ捲りくりかえす
    他人事みたいに 撮りもしないで

    こんな小春日和の穏やかな日は
    ブロワーの音が浸みて来る
    明日消える峠に 別れは来ても
    トワイラに時が変えるよ
    心配いらないと 笑った


    あれこれと試みに写したら
    どの出来も満足ではなかったと
    今更乍ら 未熟な私に
    唇かんでいます
    カメラの片付けに手間取って
    しばらくは忙しげにしたけれど
    突然涙こぼし 終わったなと
    何度も 何度も くりかえす夜

    ありがとうの想いを焼き付けながら
    続けてみます 私なりに
    こんな小春日和の穏やかな日は
    もう少し線路の
    そばにいさせてください



  *****
     深町 忠利 > ふかまちただとし(モ)
        E-Mail > cub@t3.rim.or.jp
           URL > http://www.t3.rim.or.jp/~cub/



***** 1997年9月30日 20:15:51 *****
[T:12591] [uf][Mo]Usui Mail 9/30 #2



 こんばんは、ふかまちです。


 今日はまず、ざんげ岩へ行って、185系上り一番から「白山」あたりまで撮り
ました。中継車がずらりと並んでいて、ちょっと閉口・・・。「ズームイン!朝」
らしきクルーがホームで格闘(?)しているのも、見えた気がします。「おぎのや」
の朝礼で気合入れてるのが、こっちまで聞こえてきました。最後の販売作戦です。

 何人かから電話があって、福島さんからのそれでは「おー、見えますぅ〜?」と
言うので双眼鏡で探してみると下で手ぇ振ってたという・・・。(^^;

 横川運転区の人達がラジオ体操しているのが見えました。これまで毎日繰り返さ
れてきた日課です。崖の上から写真に収めながら、なんか切ないのと、後ろめたい
のと・・・・・。


 お昼頃には、眼鏡橋をからめて撮れるポイントへ行きました。雲が出てきて写真
としてはそんなに良い出来じゃないですが、最後にもう一度と思い、俯瞰ポイント
をハシゴしてしまいました。最近身体が鈍っているので、いい加減辛いです。

 横川駅前へ行ってみると、もう大変な賑わいになっていて、呆然としながらそれ
を遠巻きに見ていたような具合。知らない土地に放り込まれたような気分です。横
軽の反対運動を続ける「峠の番屋」の人達が、線路脇でデモンストレーションをし
ていました・・・。

 なんか、実感が無いです。

 郵便局へ行って、期間限定で今日までのEF63の風景印の葉書を求めたあと、
峠仲間と合流。丸山への入り口にある「関所食堂」にて「関所ラーメン」を食べま
した。テレビのニュースは、どこもかしこも碓氷峠。何を今更騒ぐんだといささか
違和感を感じつつも、フジテレビの映像の「崖の上にも・・・」というキャプショ
ンのそれを見て、どうも自分らしき人影に苦笑い。

 会話も途切れがちになり、店を出る我々。最後の日が沈み、もう明けることの無
い夜。それぞれが、ぞれぞれの場所へ散って行きます。私は、一日悩んだ挙げ句、
ざんげ岩に登ることにしました。もう上がっている人がいそうですが、なんとかな
ればと祈っています。

 いよいよ、最後の瞬間が近付いています。



  *****
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***** 1997年10月1日 6:34:26 *****
[T:12616] [uf][Mo]Usui Mail 9/30 #3



 ふかまち、です。


 ざんげ岩には、私ともう一人だけ。

 今朝のように福島さんから電話があり、ホームは意外と人が多くなく、最終「あさま」
を見送るにはちょっと寂しい由。

 いよいよ、最終「あさま」が入線。ホームの「熱さ」がこちらにも伝わってきます。

 そして、発車。

 汽笛長声、列車は横川駅を離れ、第16中山道踏切に達するまで警笛を鳴らし続け
ました。それは堪えきれずにあふれ出た感情のようでもあり、切ないものでした。こ
れで、最後。

 列車は丸山の直線を駆け上り、その奥のカーブを曲がり、霧積川を渡り、そして第
1トンネルへと消えていきました。これまで何度も見てきた光景。いつもと変わらな
いのが、奇妙にさえ感じます。

 一方で、もう既にロクサンの回送が始まり、重単が横川へ着いてました。それを見
届けると、居合わせた人と握手を交わして、私は下山。本当の最後のロクサンをそば
で見るために。

 上り1号トンネル出口付近には、大御所のI氏と、峠仲間が集まってました。録音
機材をセッティングして、いよいよ最後の単機が降りてきました。トンネルの壁がぼ
おっと明るくなり、やがて光は鋭く、そしてヘッドライトが現れました。

 ゆっくりと、その重々しい足を進めるロクサン。我々の目の前を、黙々と通過して
いく・・・・・・・・汽笛一声、ちかちかっと後ろ向きにパッシングすると、カーブ
の向こうへ消えていきました。ブロワー音が闇を透かして聞こえ続け、何度も、何度
も、ホイッスルが山間に響いていました。峠を下り切ることを、拒むように。


 横軽は、これで終わりました。東の空には、オリオンが昇ってます。



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