***** 1997年11月8日 16:03:14 *****
[T:13629] [Mo]Saraba EF63 Mail (ToT)



 ふかまちです・・・・・。


 今、大宮工場のそばにいます。

 いました、EF63が2両。手前のロクサンはテールランプが既に無く、
ナンバーから3次型であると判る程度で、既にただの冷たい鉄の塊になり
つつあります。奥のロクサンに至っては、何次型か以前に、側板が片方残
ってることでようやくそれと判る状態。既にあの勇姿の面影はありません。

 辛いものを見てしまいました。

 でも、峠の任務に就いてから34年。鉄道車両としては、天寿を全うし
たと言えるでしょう。EF58のようなスターになる資質は無かったけれ
ど、黙々と34年間峠を守り切った軌跡は、動かぬ事実として記憶される
・・・・・・・決して忘れませんとも。

 背後の高架を、E2系の「あさま」が通過していきます。すっかり冷え
切ったロクサンには、もう何も感じられないでしょう。もう急勾配を踏ん
張らなくてもいいし、邪魔者をホイッスルで蹴散らさなくたっていい・・・
・・・・・ようやく休息の時が来て、何に生まれ変わるのか分からないけ
れど、またもとの鉄に還っていく。安らかに。さらば、EF63。



 ところで、EF63にはJRマークが付いてませんでした。「JR東日
本」という楕円形の銘板もありませんでした。よく考えると、これは非常
に異例なことです。

 過日、「News23」の中で筑紫哲也氏が、「この区間は最も国鉄ら
しい所だったんですよね」と話してらっしゃいました。ナルホド、実はそ
ういう所に通じているのかもしれない・・・・・・・私は勝手にそう思い
込むことにしました。それって、カッコイイから。

 奇しくも今日は、「国鉄」を想い返す日になってしまったようで。



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     深町 忠利 > ふかまちただとし(モ)
        E-Mail > cub@t3.rim.or.jp
           URL > http://www.t3.rim.or.jp/~cub/


(註:この日は、旧国鉄本社ビルの一般公開がありました)