***** 1998年1月19日 *****
[T:15915] Sound of EF63 & ED42



 こんにちは、深町です。


 テラダプロジェクトから、EF63とED42の音を収めたCDが
リリースされているのですが、これ求めて参りました。

 いやいやいやいや、全て添乗録音なんですけど、EF63の方は下
りの貨物列車(!)で、これはまた、最後の最後しか見ていない私に
は、新鮮な世界だったりするのです。

 当時はまだ機関助士が同乗していて、復唱を繰り返す様子が、軍艦
の艦橋のようで・・・・・・・・なんか解らないけど直感的にカッコ
イイというか。

#昨今話題の(苦笑)「宇宙戦艦ヤマト」なんかの世界かな・・・・・
#私の世代的には。「沈黙の艦隊」でもいいですけど。

 よく分からないのですが、つくづく「男の職場」を感じさせます。
平成のそれよりも、何故だか・・・・・・・。

 で、ロクニとのやりとり、当時はインカムを使っていなかったのか、
或は助士だけ使わなかったのか、それとも録音用にそうしているのか、
とにかくロクニからの声はスピーカ越しに聞こえてきます。緩解、制
動といったブレーキ試験、このあたりは我々にもお馴染み。(^^

 そして発車。ベルですよベル。ジリリリリリリリって。その後ブザ
ーが鳴って、汽笛一声、発車となるのですが、そういやあのブザーっ
てどういう役割なんでしょうね? 機関士に発車を促す意味なのでし
ょうか? んでベルは車掌の仕事に関係しているとか・・・・・・・・
最近は聞かれなくなりましたねぇ。

 シリース(ぼちぼちって言わない・・・笑)、シリース・パラ、パ
ラと、意外と速いペースでノッチを上げていくあたり、貨物列車の重
量を感じます。私の乗った客レではシリース・パラ止りだったりして
ましたからね。「ロクニそのままで」「ハイそのままぁ」って。

 時々「びー」と音がするんですけど、これはデッドマンですかね?

 そして順調に勾配を登って行くわけですが、聞いたことの無いやり
とりがありました。「もしもし」とロクサンからロクニを呼び出し、
電流計の確認をしているんです。これも貨物列車故?

 ロクニが「軽井沢4番」と間違えてロクサンが「軽井沢3番!」と
あっさり復唱するのは、御愛敬ですか。(^^;;;;



 もひとつがED42の添乗録音。いやいやこれはスゴイですわ。

 うぉんうぉんうぉんという唸りは、瞼にあのロッドが動く様を映し
てくれるようで。連結して、パンタ降ろして、発車。

 うぉんうぉんうぉんうぉん・・・・・・・やがて丸山に差し掛かり、
減速、クラッチを切ってエントランス進入、そしてまた加速して行く
・・・・・音を聴く限り淡々とこなしているように感じられますが、
ここが機関士にとって尤も緊張する瞬間だったといいます。

 新線とはルートが違うので、明かり区間が多いのも音で判ります。
信号閉塞の数も多いようで・・・・・・。

 そして聞き慣れない台詞が・・・・・・

 「熊の平停車ぁ」「熊の平停車ぁ」

ををを・・・・・・・・・・当り前ですが。(^^;;;

 ちょっと気になったのは、ED42が走っている間中

    カココカココカココカココカココカココ・・・・・・・・

と鳴っている一定の速さのリズミカルな音。時計のようでもあるので
すが、機関車が止まるとこの音も止まります。うーん、謎。



 んまぁ、簡単ながら(とのたまいつつ長いですが)、そんな風なCD
であります。それは写真を見るよりも生々しく、いわば「空気」を記
録していると言えそうです。丸山や矢ヶ崎の変電所、そして熊の平駅、
眼鏡橋を渡る列車、それらの日常の空気が、ここに詰め込まれていま
す。そしてロクサンとともにあった、今や遠い過去の新線時代の空気
も。



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     深町 忠利  ふかまちただとし