***** 2004年7月19日 *****
(独り言)



 また横川へ。

 例によって行きがてら倉賀野に立ち寄るも、隣のEF65達共々動きは無
い様子。毎度々々同じモノ撮ってもなー、とちらと過ぎったが、後になって
「あれが最後の目撃でした」というのも嫌なので、とりあえずぱちり。

 高崎着は番線変更。ホームを挟んだ対面に「SL碓氷号」が。あ、今日は
走ってたのか。なにせ未だに3月号の時刻表を携行しているような具合だか
ら、こういう臨時列車に疎い。しかしその3月号にも春の「SL碓氷号」は
掲載されており、ダイヤは同じ風なのだったが、横川着後ざんげ岩直行で出
迎えというのは、かーなーりインポッシブルげ。

 それはそれとして、いつもの如くざんげ岩。寝不足というに妙にひょいひょ
いと捗った登りだったが、やはり「SL碓氷号」はとうに着いていて。しか
し3番に入っているものだから、ホームの屋根に遮られてよく見えづ。いつ
もの定点観測の後、回送発車(片道運行なので)をアテにしてしばらく待っ
てみるも、なかなか出て行く気配が無い。

 しゃあないかと、先があるので下山。降りたところで汽笛が聞こえ。あー、
もう20分位だったか。



 あらためて、第16中山道踏切立体交差化工事の現場を間近に観察。先々
週からすると、掘り崩された路盤は、より掘り下げられて、法面も平らな斜
面に整えられ、段々形になってきた感じ。ざんげ岩からでは見て判りにくい
のが辛いトコロ。

 こうしてあらためて見るに、国道側と線路とは意外と高低差が小さいよう
で、立体交差へ向けて少し降りて、クリアランスを稼ぐ風。しかしここが下
がれば下がるほど、駅や関所の方向へ向かう上り勾配がきつくなり、さらに
小根山森林公園の方から降りてくる道との繋ぎが苦しくなり・・・・・その
小根山〜の道も、拡幅しつつ何十cmか掘り下げられている・・・・・果た
して両者をどう繋いでくるのか? これはちょっと気になる。関所の辺りま
で少し掘り下げたり、するのかな。

 

 丸山を過ぎ、坂本。こちらはまだトロッコ駅の着工の気配無く。ここまで
でそこそこ汗もかいたので、手や脚と顔を洗って、日陰でしばし寛ぐ・・・・・
あー。なんか、熱中症の兆候の気配の予感らしきものが無いでもないような
気も。ふう。陽に炙られ通しだったけれど、この先はトンネルが続いて楽に
なるハズ。がんばれぇ。

 いつになく「アプトの道」の往来が多い。ヨーヨーをばしゃばしゃ言わせ
た子供やらが続々と降りて来る。今日は「碓氷湖まつり」だそうな。坂本の
駐車場から歩いてどうぞといった具合のようだったけれど、これがさりげな
い演出になっていて、内壁を眺めあれこれと語らいながら漫ろ歩く人々を見
つつ、財産だなー、宝だなー、としみじみ。

 ひんやりとした空気を楽しみながら、トンネル内を進む。所々補強が入っ
ていたりするのは「アプトの道」になって以来ながら、煉瓦の内側に塗った
コンクリートがポロポロ落ちている、ように見える箇所があったようななかっ
たような。保存とは終わりなき保守でもあり・・・。

 第2トンネルを抜ければ碓氷湖。畔の駐車場にはいくつかのテントが並び、
正面ステージと思しきあたりで、2人組のお姉さんが歌っている。出番が終
わったところなのか、ゆるキャラな馬の着ぐるみ(「ゆうまちゃん」っての?)
が、やれやれといった具合に首を取って(!)ダムの方へ向かう階段を登っ
てた(笑)。おーい、人目に付きまくりだぞぉ・・・・・尤も物陰までもう
ちょっとの辛抱も、この暑さじゃ命取りになりかねづ。

 湖ではモーターボートに乗せてくれたりしてる。うーん、涼しげ。貸しボー
トなんてのもあったら、と思ったりもするも、成立するほど客があればの話
だなあそれは。坂本ベースで散策がてら丁度良さげなのだけど。



 さて、先へ。心なしか往来の減った道を進む。えっちらおっちらと、程な
くして碓氷橋の上へ。手すりに肘を付いて、眼下の旧道を眺める・・・・・
ぐるーりと回って行く道が24mmで丁度収まるか。ここらで横軽バスか
「おぎのや」のトラックでも通ってくれれば絵的にもナイスなんだが、そう
都合の良いものでもなく・・・・・しかしバスが通るとすれば、もうすぐそ
んな頃合。休憩がてら待ってみるか。

 他の観光客の会話が耳に入る・・・・・よくここの橋と後ろの橋と並べて
撮った写真があったけど、あっちの方の山から撮ってたのかなあ・・・・・
(よく覚えてますねぇ碓氷湖畔から登れるんですよ)。・・・あっちの橋が
新幹線だよ・・・・・(そうそうもうすぐ通りますよ)。(ぉ

 軽井沢から降りてくるバスが、ダイヤ通りなら横川へ着く頃まで待ってみ
るも、結局空振りだった様子・・・・・その代わりにというか、ウチと同じ
クルマが通りかかり。ををっ。オプションこそ少々違っているも、街中でさ
えそうそう出会う相手ではなく、くぅぅ、もうこれは自分を撮るつもりで、
すかさずぱちり。うーん。



 眼鏡橋と横軽バスの取り合わせというのは、実の所まだ撮れずにいる。そ
の気になればハリコミ一筋でモノにすることも原理的には容易い筈なのだが、
気の緩みかなかなか実行に至らづ・・・・・バスに代わって鉄道が通るまで
には(!?)押さえておきたいトコロ。

 そんなこと思いつつさらに先へ。今日は久しぶりに峠越えをしようと思っ
たのである。同じ歩くにも、こちらは木々の陰にも護られて、熱中症の不安
も少ないだろうし・・・・・旧中山道から越えるというのも、これまで一度
きりなのでまた行きたいところなれど、ちと覚悟が要る。

 てくてくと進むうち、正面に白い建物が見えた。熊ノ平。毎度の事ながら
そこからが意外と長いのに焦れつつ、ふいにCRAZY.I氏の空撮写真が
頭に浮かび。あのくねくねした道をトボトボと進む、「点」となった自分が
そこに見えたような気が・・・・・何事も、大局から見れば案外ちっぽけだっ
たりするんだよなー、的なことを今更ながら思い出し、そんなことを思い出
させる空撮について、お頭の暇に任せて哲学的論考をする(嘘)うち、トン
ネル入口着。ふう。お馴染みの黄色い門にもたれるようにへたり込み、希望
の飲料(笑)バームをぐびり。

 そういやいつぞやは長い玉が無かったんだっけか、と思い出したように、
トンネル越しに構内をぱちり。明治から「タイムトンネル」越しに未来を覗
くような熊ノ平は今日も、世間の営みをよそにひっそりと時が流れているよ
うだった。

 と。

 気配に国道を振り返ると、横軽バスが登って来た! 出来過ぎのように目
の前のカーブで停止して、降りてくるクルマをやり過ごす。最後にバイクが
すれ違って行くのを横目に、ちゅっ、と空気の音とともに、バスは再び坂に
挑みはじめる。ゆーらゆーら揺れる車体の窓に映り込む木々のシルエットが、
舐めるように流れていく・・・・・あー、涼しそだなー。



 経験的に、ここからは道草抜きなら2時間程で軽井沢駅に着けるハズ。バ
スでまた横川へ戻るつもりなのだが、さてさて便は・・・・・1600発は
とうに見送り。お次は1815・・・ふむ。これなら矢ケ崎でしみじみして
からでも余裕があるなー・・・ってなにげに最終便だ。これ逃しても高崎ま
で新幹線、という手立てが残されているから、まあ最悪でも、軽井沢で途方
に暮れることは無い。

 てくてくてくてく・・・・・カナカナカナカナ・・・・・ここいらへんは
もうヒグラシなの? 日も傾いてきたためか、歩みを進めるうちに段々空気
もひんやりとしてきて、救われる思い。かつて撮影に走り回ったポイントポ
イントのカーブ番号を懐かしく眺めつつ、それも183を数えた先で、カッ!
・・・・・正面に西日をまともに受けながら、登り切ってC184。ひゅう。

 群馬を振り返ると、遠く関東平野の端と思しき平地が、僅かに見える。薄
曇り気味だったのが、ここに来て抜けが良くなった様子。ずーっと手前の矢
ケ崎峠がくっきり。県境の脇道から入って行きたい誘惑もあったが、これは
また、いずれ。

 自分撮りで記撮などしつつしばらく佇んでいると、もう1人登って来て、
追い越して行った。結構いたのかな、今日も。

 矢ケ崎川の近くの線路側に、分譲住宅らしきが立ち並んでいるのを見て驚
く。いつから建ってたのか、既にそこそこ生活感があるように感じられた。
そういえば以前は何があったかなこのへん。どこかの社宅のような建物は、
以前より、そして今もこの近くにあるけれど、ここは何があったっけかな・・・。

 コスモスがもう咲いている。

 矢ケ崎踏切は、相変わらずか。線路を剥がされた跡のレンタカーの駐車場
は以前より広がったような気も。佇む間にも、次から次と乗り入れて来る。
3連休の最終日の夕方、なるほど返却ラッシュの頃合。

 駅へ行ってオレカやらのグッズをチェックするもこれといって食指動かづ
・・・・・と、「リフレイン軽井沢」なる情報誌が目に止まり。一面は眼鏡
橋。新線を国鉄色の特急が往く・・・・・って、橋の下の国道やらがが清流
になっちゃってんですけど?? なんか強引な・・・・・しかしこれは、碓
氷へのラブコールなのかそれとも、隣の物は俺の物、なのか(笑)。(ぉ
捲っていくと、草軽電鉄の連載なんかがあって。「その二」・・・うー、一
回目から読みたかった気も。



 ほどほどのところでバス乗り場へ。いよいよ発車が近くなって、若いお兄
さんの運転手氏はどこかへ電話をかけた。バイパスはさっき大丈夫だった、
混むのは旧道との合流の辺りくらい・・・・・というわけでバイパスから降
りる様子だったが、それを聞いて一抹の不安を覚え。通い慣れた運転手氏が
言うのだから、間違いないよな、と自らを言い聞かせるも、どうも脳内の奥
底から警報音が・・・・・寝惚けて布団に包んでも尚その中で己の役目を全
うしようと叫ぶ目覚まし時計の如くか。

 3連休の最終日、夕暮れ時・・・・・やはり自明だったと言う他無い。

 空いてて隣の座席に誰も来ないのを幸い、少々行儀が悪いがよゆーかまし
てぐでぇー、と座り、文庫本を取り出し読み始めるも、線路を潜ってプリン
ス通りを行く途中あたりで記憶が途切れた。

 次に見たのは、止まった車窓。えっ・・・・・はてどこまで降りたのか・・・
・・・まだつづら折? 今何時だ、あれれまだ「ニュー軽井沢」(ぉ も過
ぎてないんじゃんか!?

 うへ。

 1858発の電車は絶望であった。次は1949発。この分だとこれとて
怪しい・・・・・にしても運転手さんよ、旧道敬遠したい気持ちも解るけど
サ、読みが甘過ぎだ。「〜だったらいいな」って希望的観測でバイパスに突
入したんじゃなあい? 刻々と混んで来る時間帯だってコト、考えないよう
にしてたんじゃなあい? 合流で混むったって、旧道の方が混むことはまず
無いの知ってたんじゃなあい?

 7年近くも転がしてりゃ、ノウハウあるよねえ・・・・・今回たまたま?
ホントにたまたま?



 こんな時、鉄道廃止の是非まで飛躍しちゃう考え方も或いはあるのかも知
れないけど、此度の一件の本質は「ソレミタコトカ」「このタコ」レベル。
しかし、一事が万事とするものでもないながら、どこかで、バスなんだから
しょうがないじゃん的なノリ、あったりしないのかしらん・・・。

 無論、公道を通る以上、不確定要素であり不可抗力である渋滞は、ある意
味織り込み済みと言える。言えるけれど、「しょうがない」というのは手を
尽くした先に、ある言葉ではないのか・・・・・金払う側の時は厳しいぞ(笑)。

 まあ、そんなわけで。>JRバス関東小諸支社ドノ

 五輪岩への入口・・・・・高速道路の橋を潜る辺りで、軽井沢出発からきっ
かり1時間。運転手氏はどこかと電話で話してる・・・・・道交法改正まで
にはハンズフリー化だね・・・・・遅れを悪びれるでも無く横川で1949
発の接続取ってもらえそうだと車内放送で告げた。これ逃すとさらに1時間
半後の、2128発なわけだが・・・・・上り終電、午前様必至。

 案ずるうちに、どうやら流れ出し、どうにか1949発には間に合い。ほ
ぼ3倍の所要時間か・・・やれやれ。いくつか細かな予定というか目論見を
キャンセルする破目になったが、1時間のロスで済んだのは、むしろ幸いで
あったか・・・・・いやいやその幸いってなーんとなく、騙されているよう
な気も(苦笑)。これきしで懲りる私ではないが、あー、寝て帰ろ。


(終)