***** 2005年3月27日 ***** (独り言) ふと気付くと、ギザギザの稜線と、茜色の空が見えた。何故にそんなも のがと、暫く前後の脈絡が思い出せず悩むのだったが、血が巡るうちにあ あ、と合点。おぎのやドライブインだよ。 まさに「シェルパくん」に描かれた情景がそこに・・・・・もうちょっ と早く目覚めれば・・・・・ちと惜しかったかな。グキグキになった身体 を車外へ押し出し、うーん、と一伸び。冷たい空気が一気に、覚醒へと引 き上げてくれる。ふんっ・・・もう一伸び。見上げれば朝日に赤いざんげ 岩。なんか良い朝だな。 さあて今日は何から始めようか・・・・・かつてのマルヨな日々のそん な気分を思い起こしつつ、「文化むら」前へ移動。昨朝叶わなかった「シェ ルパくん」の朝日ネタを狙うべく。東の空を見るとバッチリ晴れてはいる のだったが、「文化むら」の資料館あたりはもう思いっきり当たっている のに、稜線の具合でなかなか「シェルパくん」まで届かづ。このままでは 色味が変わってたーだの順光になってしまふ・・・・・ようやくのところ で、どうにかぱちり。五輪岩もくっきり。生憎許される立ち位置の具合で ギラリは狙えづ。まあこれは致し方なし。 おぎのやドライブインに戻って、「焼き鮭定食」で朝食。そういえばこ ういったランチメニュー、ここに来て初めてのような気も・・・・・いつ も駅弁ばかりなんだこれが・・・・・で、¥500だったかで、海苔納豆 卵と「ニッポンの朝食」の勢揃い。お代わりが欲しい。 一息ついて、さて。 今日は久しぶりの、撮り鉄モードで行く。何を今更? いや、ここでこ ういう形としては、7年半ぶりのことなのだ。かつての日々のこれは、続 きにあるのだ。その続きにある「今」を、ひたすら記録し続けるのである。 そう小難しく考えるでもなく、「シェルパくん」の走り出すまでにはま だ時間があるので、バイパスから軽井沢へ。ヒーターかけて窓全開、これ が気持ち良い。ひゅー。軽井沢駅を偵察などしつつ、先日「氷まつり」の 花火を狙った場所でまた「あさま」など撮りもつつ、旧道から下る。中尾 川橋梁がやけによく見えて、草刈など手入れされてる様子。軽快に旋回す るロードスターをやり過ごしながら、のんびりと流して、眼鏡橋でぱちり ・・・・・同じようなのを何枚撮ってることやら・・・・・そして横川。 まずは柵の外から「ぶんかむら」駅の「シェルパくん」の発車を。手応 え的にはちょいと宿題になったくさい。でクルマに飛び乗り「とうげのゆ」 へ先回り、これを迎え撃つ。今度の「列車」はこの区間を20分もかけて やって来るので、そんな芸当もよゆーのよっちゃんなのである。かつて 「能登」あたりとバトルなんぞ繰り広げた向きには、物足りぬであろう。(ぉ 丸山を過ぎ、陽炎の中でゆらゆら登って来る様を、超望遠でぱちり。傍 らを過ぎる列車を追うようにして、すぐさま「とうげのゆ」駅のスナップ。 おっと、国道から俯瞰(?)で撮りたいな、とそちらへ向かうも、その間 にホームはすっかり空いてしまい。次のチャンスを狙うか・・・。 返しの列車を見送り、それっ、とまたクルマに飛び乗って先回り。やは り旧中山道の立体交差は、押さえておかねば。ぱちり。すぐまた「ぶんか むら」で返す列車を、今度は招魂碑とからめて、ぱちり。魚眼での無理矢 理な技だか、列車の方からもぱちぱち撮られ、こりゃ邪魔したかと慌てて 飛び退く。 またまた先回りの「とうげのゆ」でまたゆらゆら陽炎をぱちり。今度は 一目散に国道へ出て駅の俯瞰(?)。ざんげ岩からは陰になってしまうこ の駅、とりあえずこちらでも国道から定点観測らしきことはしていたのだっ たが、「シェルパくん胎動編」はこれで一応の完結、か。 またまた一気に下り。2往復目では乗務員の休憩も入るのか、折り返し が10分ほど長いのだったが、そのマージンに乗じて、クルマを置いて丸 山へ歩く。上信越道の斜張橋をどーんと入れて、広角で下から煽る。かつ て「あさま」などでそんな絡め方をしたけれど、今回は下り線(トロッコ 線)を挟んだ逆サイ。まず「あの日々」と同じ構図で撮ることが浮かんで たのだが、この「あの日々」では決して許されぬ、禁断のアングル(なに せ上り線上)からかましてみっかと・・・うひょひょ。ぱちり。 忙しくするうちに、午前の部終了。 さて午後は・・・・・昨日の五輪岩に続き、刎石。天気はまあまあ、俯 瞰日和というほどの抜けは叶わなかったが、お馴染みの俯瞰ポイントで、 早速撮ってみたい・・・・・そういえばあの1997年9月30日も、ざ んげ岩や坂本城址を、巡っていた。挨拶回りのようなものでもあったかも しれない。今度は「あの日々」への回帰の挨拶か。 はさておき、クルマを置いて、早速「一日中山道」な中山道へ。徹夜に 車中泊でへろへろかと思いきや、意外と身体が付いてくる。えっちらおっ ちら尾根を進んでいると、不意にピー!と汽笛がの音。 かつては国道とは逆サイの側から、林を透かしてロクサンの音がよく聞 こえたものだったが、また幻聴(!)でもしたかと・・・・・いやいや、 時計を見る。13:30前後だったか・・・・・ははーん、今降りて行く なら「ぶんかむら」の折り返しで丁度定期のスジになるな、臨時出したん だな・・・・・歩きながら独り、我ながらスルドイ読みと悦に入ってみた り・・・・・「文化むら」に掲示してあるだろうに、そもそもそれを見て いないのだが。 覗き着。荷物を放り出し上着も脱ぎ捨て、早速「文化むら」14:00 発に備える。肝心の抜けは・・・・・うーん。ともかく撮っておきたい一 心なのだからいいのだけれど、そうこうするうちに定刻、さすがに横川の 汽笛までは聞こずも、しばらくすると「文化むら」構内のカーブの向こう から、その姿が現れた。「文化むら」付近を狙うにはどうしようもなく遠 いのだが、そこをまたどうしようもなく小さい列車が、コトコトとやって 来る・・・・・ここからでは、ヘッドライトの点いてるのが、救いか・・・ ・・・それも束の間すぐに木々の向こうに隠れてしまい、お次は上信越道 の橋の下を進むところで、ぱちり。またすぐに隠れて「まるやま」停車、 その発車直後にいよいよ急坂に入り、木々の間からちらりと見えるのを、 ぱちり。そして「とうげのゆ」入口で旧下り本線から分かれるポイントの ところで、ぱちり。この先はもう見えない。 やれやれ。木が伸びているのは致し方の無いところながら、どうも身体 がちょっと思い出せないでいるような感じ。まあそういうのも楽しみつつ な趣味の世界なのだが、さてここでは2往復狙うつもりなので、チャンス はまだまだまだある。尤も下山の手間暇を考えると欲張れず、こうするし かないのだけれど・・・・・そして返しを狙ってみるもこれがどうも、今 ひとつ気乗りせづ。やっぱヘッドライトなのかな・・・。 さてここでお楽しみ、荷物をガサゴソまさぐり、湯を沸かしコーヒーを 淹れ。水はちゃあんと横川駅前で汲んできた・・・・・やっぱり、これを やっておきたかった。ずずっ、ふはぁ・・・。 さっきより少し光線の色が出てきた15:00発を、今度はテレコンか ましつつ、ぱちり。体験運転のロクサンがすぐ後を追いかけて来るのを、 ツーショットでぱちり。望遠の圧縮効果で結構くっついて見えたりして。 「とうげのゆ」アプローチまで狙い、さて、あとは最後の返しだな、光 線もこれからだし。 いや、待てよ? よくよく考えると、今度の返しは30分長い。それに気付かず昨日焦ら されて、もう学習したのである。ふむ・・・・・あ、下山する余裕あんじゃ ん。ならばどこにする? そうだ丸山の霧積川逆サイ。西日狙い。開けた 所はあそこくらいしか無いのだったが、うむうむ、この天候を味方に、今 日行かずしていつ行くのだ。ギラリだってあるかも知れぬ。 そうと決まれば話は早い。荷物を纏め、一気に駆け下りる。あふあふ。 クルマを駆り、たしかこのへん、と上信越道の下を行く。霧積川へ出てみ ると・・・・・おーし、モロ西日で良い感じ。時々かかる薄雲が気になっ たが、来た瞬間のことは運に任せる。 やがて、「まるやま」を発車する汽笛。ここからは未だ見ぬ列車、その 大きさ長さが今ひとつ読み切れず、少し迷いつつの構図ではあったが、ど うにかこうにか、ぱちり。ちょっとだけギラリ。バリ順光を受けて、列車 はコトコトと、横川へ向けて下っていく・・・。 「シェルパくん」、本日もこれにて終了。 やれやれ・・・・・しかしなんとも、ウハウハな日であった。碓氷通い は廃止の後もちびちび続いていたけれど、ダイヤに追われて動くようなこ とは殆ど無かった。せいぜい帰りの電車の都合だとか、あとたまにざんげ 岩あたりで臨時列車でも迎えようという場合くらい。碓氷以外ではそう動 き回るでもなかったし、せいぜい地元の鶴見線か、下手するとどこかの空 港周辺の方が余程といった塩梅・・・・・勝手知ったる沿線で久しぶりに ソレソレと駆けずり回り、昨日今日と、燃えてしまった。スイッチが入っ てしまった。 心地良い疲労感と共に乗った関越は事故だらけでド渋滞。仕方なくSA で仮眠を採ったりとウダウダ。いつものように(苦笑)明日の出勤がふと 頭を過ぎるとブルー入ったりするのだったが、しかしこの2日間の充実感 は、幾分かそれも忘れさせてくれそうで。点けたラジオからタモリの声。 曜日を変え時間を変え長いことやってたこの番組、来週からプロ野球中継 になるので今期分の放送は終わりらしかったが、エンディングで女性アナ ウンサーが「半年後また会えると良いですね」となんだかいつもと違う空 気。そういえばそうだったな・・・・・ニッポン放送。 はさておき、再び始まった、営み。7年半を経て、変わらぬものも無い ではないが、その多くが、大きく変わった。整備された施設群は勿論なが ら、その歳月は沿線の木々の伸び具合にも、表れている。そういったとこ ろでも前とは多少勝手が違うのだけれど、「あの日々」の続きに、いるの には違いなかった。かつての定番カットで「シェルパくん」を狙うと、ど こかパロディ的な面白味を覚えたりもするのは妙な発見だったが、時には 過去と重ねつつ、時には未来を思い浮かべつつ、進行し続ける「今」を、 記録していきたい。 かつて程の「ハマリ」にはならないと(今のところは)思うけれど、今 度は「カウントダウン」無しでのマイペースを、楽しみたい。やがて花の 季節、そして夏を迎え、再び日脚が短くなる頃・・・・・それぞれが、今 から待ち遠しい。 (終)