***** 2006年07月1日-2日 *****
(独り言)



 今年も坂本の「ホタルの里まつり」に合わせて「シェルパくん」の夜間運行
があるという。昨年は雨に祟られて撮影も思うに任せなかったが、さてさて今
年はどうであろう・・・・・梅雨の真っ只中という日程に変わりはなく、なか
なか厳しいモノがありつつ、ここは文字通り、運を天に任せ・・・・・まあ、
ギャンブルだ。

 またまたのらりくらりしている間に、出立が昼過ぎになってしまい。下から
行くのとどっちが早いか知らないが、首都高、外環と回って関越。混むでもな
くよゆーかましつつの巡航、安中へ寄ろうかと手前の富岡で降りて、残ってた
ハイウェイカードを清算。やれやれようやく。

 とにかく日暮れ近くまでに着ければ良いという算段だったので、まだまだ時
間があるわい、というわけでいきなしカインズホーム。恒例のウーロン茶の箱
買いと、ついでにトイレットペーパーを所望。思いっきし所帯臭いがぁ。それ
と、あろうことかヘッドライトを忘れてしまったので、代わりのものを・・・・・
安いペンライトで事足りるものを、かっちょえーの一言で何やらドイツ製の
LEDライトをついつい選んでしまう悲しい性。あー。

 空模様はどうにか持ち堪えそうである。昨年はざんげ岩からのバルブを企て
るも雨に阻まれた。今年こそカマしてやるのである。コンビニで燃焼系飲料を
求め(苦笑)、いざ登山口。雨降ってばかりで麻苧の滝も水量が多く、最初の
鎖場もいつになくびしょびしょ。それらをクリアしてえっちら、おっちら。よ
うやくざんげ岩に到着すると・・・、

 いる。

 シェルパくんがいる。いや、いてくれなきゃ困るのだが、最初の便が「とう
げのゆ」に行っている間に着いて、降りて来るところを狙おうとしていたもの
を、どうやらどっちがどっち発だか、時間を30分即ち片道分、間違えたらし
い・・・・・あと10分も早く着けば・・・・・そういえば変なタイミングで
汽笛聞こえたよな・・・・・ダイヤの下調べまでしておきながら、控えてくる
のを忘れていた不覚。それならそれで「文化むら」にちょいと寄れば事足りた
ハズなのだが、それもやっていない。なんともユル過ぎ。

 それにしても、脚が痒い。風吹かないわ汗ダクダクだわで、虫も寄って来る
というものである。ここが一際チクチクするなと思えば、うげげ、蛭が喰い付
いてやがった。こんなジメジメムシムシでは蛭くらいいるか・・・・・指でピ
ン、と飛ばしてやったが、今度は血がダラダラ止まらない。衛生兵!衛生兵〜!
・・・・・んなドクドクなワケもないのだが、絆創膏持って来てないしあちこ
ち血を付けちゃいそうなのが面倒ではある。ふと靴を見やれば、泥と一緒に付
いて来たか、尺取虫みたいにウネウネ這い上がってきやがる。ひぃぃぃ・・・・・
都会っ子なものだから半ばパニクりつつ、片っ端から指でピン、ピン。なんか、
こんな虫いっぱい出て来る映画、昔無かったっけかな。

 ともかく、2往復目の発車を。丸山方面を望めば、日没直後の蒼い情景。た
だ雲が漂っていて、どうもぼんやりとしていて、上信越道の姿もそこに埋もれ
てしまっている。絵的にこれは、なかなか難しい。へろへろでリバーサルで勝
負する気力もなく、デジカメでぱちり。蒼い丸山と、赤いテールランプの軌跡、
どうかな、どうだろな。

 2往復目の返しの頃には真っ暗っぽいので、そそくさと撤収、これが降りて
3往復目で登る前にと、下山。カインズで買ったライトを頼りに・・・・・鎖
場では口に咥え・・・・・うー、いくになくひんごい。



 どうにか駐車場まで戻り、クルマのライトを頼りに最後の蛭落とし。あー、
と暫しエアコン全開の風に当たって気力の復活を待つ。どうやら戻ったところ
で「峠の湯」へ移動、幸い駐車場に空きはあったが、機材を持ち出す間も無く、
3往復目が到着ぅ〜。早え。普段と違って2点間輸送に特化した「夜行シェル
パくん」では、15分くらいで着いてしまうらしい。

 ともかく「とうげのゆ」駅でバルブ開始。昨年は雨に降られてライトの光が
発散していたが、今回はそれよりは、クリアな感じで撮れたカモ。これを見送
り、最終4往復目が来るまでの間、「ホタルの里まつり」会場へ。マスの塩焼
きがたまらん。



 ついに雨がパラパラと降り出し少々厄介に思いつつも、傘でカメラを庇いな
がら、最終列車のバルブ。二筋の赤い輝きを残しながら、降りて行くのを見送
る。予報はコロコロ変わるので最早アテにしていなかったが、さて、明日はど
うしたものか・・・。

 することも無いので倉賀野へ足を伸ばした。あのロクサン14号機やEF60
のいた場所は、がらーん・・・・・風の便りに聞いてはいたが、現場で一応の、
区切りをつけた。来た道をへろへろと戻り、おぎのやドライブインで車中泊。




 翌朝。

 おぎのやドライブインで和食のモーニングセット。空模様は生憎のまま、殆
ど戦意喪失だったが、とりあえず峠を越えて軽井沢。矢ケ崎踏切を覗き、次に
見晴台へ。見晴らしどころじゃない空模様なのだが、次いで熊野神社にお参り。
どこまでもどこまでも群馬と長野に分かれた不思議に思いつつ、ぱん、ぱん。
あ、八咫烏ってば、熊野神社なんでしたっけか・・・・・かーなーり今更なが
ら。まだ開いていないお札所にはJFAグッズみたいなモノがチラホラ見え。
ふーむ。

 あちこち寄り道しながら横川へ戻る。駅を覗くと、うぉんうぉんと何か呻っ
てる・・・・・じ、じ、自動改札ぅ〜!? さすがにSuica対応ではない
ものの、わおわお。出札窓口のあたりを見ればすっかり塞がっていて、さらに
目を移すと自動券売機が「カエル君」なるものに化けていた。これで指定券も
買えるとのとのことで、窓口業務は廃止らしい。かといって無人駅になったわ
けでも、ないらしい。このあたりが聊か微妙な気もするが、どうだろな。

 ん、記念オレカなんかももう、買えないわけか。

 初めて見る「カエル君」、マイクで係員とやり取りを経るあたり、ノリ的に
はむじんくんみたいなものか。鶴見線あたりでも自販機のドラブルの時なんか
にそんな風なハナシだった気がする。構内放送なんかもCTCチックで、まあ、
そういうのと方向性は近いと言えようか。

 案内のおねいさんが傍らに立っているので、機械の観察は憚られるモノがあっ
たが、その代わり質問することは出来た・・・・・「文化むら」の割引券は買
えないんだと。ぶーぶー。ま、いつも入口で直接買ってるんだけど。

 今日はシェルパ君に乗ろうと思ったのだが、昼休みにかかってしまったので、
時間潰し方々安中榛名。こちらも相変わらず。コミプラ覗くと家買いませんかー
と寄って来た。生憎持ち合わせも無いので断りつつ、続きのコンビニへ入って、
おにぎりとおやつを求め。



 横川に戻って「文化むら」へ。「シェルパくん」1往復付の券を求め、午後
一の便に乗り込む。ボックス席で頬杖ついて、丸山でも立たずにそのまま終点
まで過ごす。往復乗車なら降りなくても良いとのことなので、頬杖ついたまま、
ぼんやり外を眺めつつ、そのまま復路。「まるやま」で降りる人はいないかと
の放送、いないのならば通過するという。アバウトだなー、と笑う乗客。柔軟
と言おうか、お気楽と言おうか、まあ、ここいらへんも、味わいのうちかもし
れない。結局丸山は端折って、「ぶんかむら」着。ぼーっと過ごす往復という
のも、なかなかオツかもしれない。

 園内を一巡りするうちに、雨になった。夜にはどうだか分からないが、もう
日中の鉄は投げ出して、久しぶりの霧積温泉と決めた。新幹線の工事をしてい
た頃の面影を探しつつくねくね道を進んで行くうちに、雨は止み日が射しだし
た。

 やややっ?

 これは時間の経過によるものか、場所の移動によるものか・・・・・あー、
止んじゃったんなら、行くしかないかぁ。行かなきゃならんかぁ。あーあ・・・
・・・行きたくないのかねチミは?

 温泉浸かって、あー、とかいいつつ、湯上がりに土産物を物色。密かに楽し
みにしていたものに、「KIRIZUMI 4×4」というステッカーがあっ
たのだが、さすがにもう無いらしい。なにげに濃いぃので結構気に入っていた
のだが、残念。

 さっぱりしたところで、トロトロと坂を下る。あー、登らにゃならんか・・・
・・・行きたくないのか? 今度は余裕をもって、身支度を整えて、いざ・・・
・・・雨上がりなもので昨日以上のジメジメ。こりゃまたざんげ岩蛭ズがウネ
ウネと・・・・・あぁ、いる。いやがる。どろどろの土の上で立っているとす
ぐ靴を這い上がって来るので、一息入れたいのはヤマヤマながら、岩の露出し
たところを見付けるまで止まれづ。あ゛ー・・・・・そんな調子でのざんげ岩
着。一気登りの果てにクラクラと貧血。こんな場所で危ないこと甚だしい。

 蛭をまたピンピンと弾いて、濡れた岩の上で座ることもままならぬままに、
持参のおにぎりやらをぱくついて、どうにか落ち着く。岩には小さな穴があり、
そこに水が溜まっていた。依然オタマジャクシが泳いでいるのを見たことがあ
る。で、覗き込むと・・・・・うへ、蛭がウネウネしてやがる。食いつくだろ
かと、チュロッキーを小さく千切って放り込んでみた。すると動きが止まり。
砂糖のせいか油のせいか・・・ふーむ。



 そんなことより「シェルパくん」である。今日は銀塩ベルビアで狙ってやる
のである。最初の便が発つのを見送りつつ支度をし、その返しに備え・・・・・
うーむむ、まだ明る過ぎたか。晴れてしまったので、蒼く沈むには早くなって
しまった。曇っていれば丁度良かったカモ・・・・・つくづく、昨日のヘマが
悔やまれる。

 ともかく2往復目まで粘ってみて、LEDライトを頼りに下山。蛭とのバト
ルもそこそこに、峠の湯へ向かい、まずは本線との分岐のあたりで、登ってき
たところを無理矢理流し撮り。駅へ回ってその返しのテールランプを見送り、
今回の撮影作戦は終了。手応えの程はよく分からないけれど、まあこういうの
はあーでもないこーでもないとやっている、そのプロセスが良いのであって。

 2年目の、夜間運行。信越線の電車との接続もしっかりフォローされて、全
体的に、昨年の実績からのフィードバックが感じられ。この催し、或いは試み
が育って行くのを、今目の当たりにしている・・・・・後々「黎明期」と呼ば
れるかもしれない時代を今、体験している・・・・・まだ見ぬ未来に、ある種
の戦慄さえ覚えるようであり。

 さぁーて、お次は何だろね!?



 横川駅前の水道を借りて手足やら顔やらを洗う。そこへ着いた電車から降り
てきたお嬢さん、乗り過ごしたらしいが上りはもう無いと聞かされて途方に暮
れながら、どこかへ電話していた。こちらも往生しないうちに帰らねば・・・・・
しかし健闘空しく、東京を目前に三芳SAで沈没。うー。



(終)