***** 2007年11月4日 *****
(独り言)



 「紅葉」の詞の本になったという熊ノ平。それに因んで「アプトの道」に
楓を植樹する・・・・・新聞社のサイトにそんな記事が。歌にある通り元々
山には自生しているのだと思うけれど、この由緒ある(?)植物を象徴的に、
沿道の彩りにするようで。をを、これはなかなか。

 記事によれば、現在の終点の、眼鏡橋まででまず200本、現在進行中の
熊ノ平までの延伸を経て、合計5000本を計画しているという・・・・・
えっ、ゴセンボン? 相当な数ですよ。まさか山ごと植え替えちゃうとかそ
んなワケじゃあ・・・・・それとも並木みたいにしちゃうとなんだかんだで、
それくらいになっちゃうんだろか・・・・・いや、仮に沿道両側の並木とす
ると、トンネルを無視しても2m間隔くらいになる計算。「アプトの道」の
当面の終点となりまた「本場」である熊ノ平を公園に整備するついでに、く
らいに思っていたら、これはかーなーり、植えまくりなお話になるのかしら
ん・・・?

#あんまし弄くると、湖の名前に合わせて後から花の木を植えたとかいう、
#隣県のどこぞのダム湖みたいな話になりそうな気も。(ぉ



 その紅葉の季節が今年も巡って来た碓氷。そして今年も巡って来た、近代
化遺産の日・・・・・今年の丸山変電所跡の公開日は少し遅くなって、うま
いことすると紅葉狩りと、セットに出来そうな予感。

 ときに、丸山変電所公開の情報、今年も日本ナショナルトラスト覗いて文
化庁のリストに行き着いて確認したような具合なのだが、安中市のホームペー
ジ、載ってないようでしたな。群馬県のホームページまでは見ていないが、
「文化むら」のそれでもこの件に関しては触れていないようだった。一昨年
は松井田町のホームページで紹介されていた。昨年は安中市への合併直後で
バタバタしていたからとも考えられたが、今年はもう、それがポリシーとい
うことなのかも、しれないか・・・・・けれど外野的にはやはり、この機会
損失(?)は、勿体無い気がしちゃう。

 後で聞いたところでは上毛新聞などには出てたらしいのだが、いやあ碓氷
峠と言えば、全国区でしょお。ましてや世界遺産を視野に入れているんでしょ
お。元々訪れるつもりで折角だからこの日に合わせようとなる人だって、い
るでしょお。それからホレ、例えば鉄道雑誌の情報コーナーなんかに出した
ら、琴線に触れる人も少なくないと、思うのだけど。手間も元手をかけずに
まだまだ色々出来ますヨ・・・・・って、大勢押しかけられても、困っちゃ
うか。



 過去の経験からすると、色付き具合的にはまだ早そうに思えたが、「秋の
夕日に」といってもその舞台の熊ノ平は無理だし、色の出せる光線とロケー
ションを考えていくと、どうも朝日の眼鏡橋、というところに落ち着いてし
まう。まあ紅葉の眼鏡橋自体、鉄道が廃止になった直後の季節以来撮ってな
い気もするし。

 で、光線のオイシイ頃合に間に合うよう出発するとなると・・・う。

 困ったことに(?)、朝から晴れるらしいし・・・うう。

 前日は早起きしてヒコーキ見に行って、それに続いて、というのはもうこ
の身体には辛い(哀)のだが、一方どこかで無理をすること自体にワクワク
している自分がいて・・・・・Mだったのかオレわ。ここはもう腹括って、
日の出より営業。



 考えてみれば近頃鉄道で行くことがとんと少ない気もしつつ、流石に空い
ているだろうと夜中の環八から練馬で関越道、上信越道。甘楽で耐え切れな
くなり仮眠グスーン。東の空が赤く染まる中、いつもの割引目当てで・・・・・
これもガス代高騰で幾分スポイルされてる感の昨今ですがぁ・・・・・富岡
で降りて、シタミチから横川、そして眼鏡橋着。

 さぶひ・・・・・厚手のコートに着替える。坂本城址とどっちにしようか
悩んだが、あっちは枝が伸びてるだろうし云々かんぬんと、本当は楽な方に
流れたいだけの本音を小理屈捏ねて誤魔化しつつ、橋の近くの国道から這い
上がる岩のプチ俯瞰(?)ポイントに決めた。橋の背後の山には陽が当たり
始めている。急がねば。

 えっちらおっちら這い上がると、もう橋にまで光が回ってる。これはいか
んとカメラを引っ張り出し、ベルビア詰めたEOSでぱちり。デジのEOS
に交代してぱちり。これも忘れちゃいかんとパノラマでがらしゃこん! そ
ういやこれもあったとネガのなんちゃってパノラマ専用機のEOSでぱちり。
そして今年が最後となるであろう、コダクロームでぱちり・・・・・忙しい
というか、節操無いというか。

 朝日に染まる眼鏡橋と、紅葉・・・・・元々あまり派手に色付く場所では
ないようなのだが・・・・・ピークにはちょっとまだ早いように思われるも、
この光線ならそこそこ映える。ざっくりと谷に入った影が橋を引き立て、ま
た秋の空気感を醸し出す。そして今それに、生で接しているワタシ・・・・・
んー、至福。



 浸っているうちに、光線は段々「ただの順光」の色味へ移って行き、ここ
らが潮時と岩を降りた。丸山の公開にはまだまだ時間があるので、軽井沢を
覘いてくるか・・・・・殆どクルマのいない峠道をニコニコと登って行き・・・
・・・ドスッ・・・・・うへっ、ダッシュボードのカーナビ転げ落ちやがっ
た。

 特に変わった様子の無い矢ケ崎踏切。特に変わった様子の無い軽井沢駅。
出札窓口の工事をしているJRの側では、「あさま10周年」の旗はもう無
くなっており。

 バイパスから降りて、おぎのやドライブインで朝食。お、朝定食復活して
んじゃん・・・・・改装前に見た朝から売り切れ状態はたまたまだったのか
も知れんが・・・・・というわけで、これを。出来るのを待っている間テー
ブルでぼーっと座って、天井から下がった装飾のレリーフを見るともなしに
見ていて、あっ・・・・・よくよく見ればそれぞれ、おぎのや本店、アプト
くん、蓋を開けた釜めし、シルエットの釜めし、栗、てな具合にちゃーんと、
ここに因んだものになっており。ほお。恐らく殆どの人は気付かないんじゃ
ないかと思うけれど、ちょっとした、めっけもの気分。

 出来た朝定食を取りに行く。そういえば湯飲み茶碗、フツーの白いのになっ
てしまったのである。あの「おぎのや」と入った青い湯飲み、どこへ消えた
のだろう・・・・・お土産で売り出せば買いますケド(笑)。



 腹ごしらえもしたところで、荷物を背負って、丸山へ向かう。「文化むら」
では、あの2両だけ残された189系が化粧直し中の様子。国鉄特急色に戻
されちゃったりするんだろか、最早あの「あさま」色の方がむしろ・・・・・
なこと考えてるうちに、丸山変電所跡着。

 写真的に新しいネタを思い付いたでもなし、またまた「昔の名前で出てい
ます」なカットくらいしか浮かばないのだったが、解説員の方に断って脚立
使わせてもらって、窓越しに始発の「シェルパくん」をぱちり。昨年は午後
の光線だったので、撮り直したかったのもあるし、デジだったから今年は銀
塩で残したい、というのもある。このカットも今年で終わりにしようか・・・。

 「シェルパくん」が到着すると、わっと乗客が入ってくる。僅か数分の停
車時間だから2つの建物を通り抜けるのがせいぜいだが、それでも思い思い
に、へぇぇ、とかいいながら眺めてる。すぐに発車の声がかかって、また
「シェルパくん」に駆け込んでいく・・・・・ときに今年の見学ルートは蓄
電池棟の床の溝にはベニアの橋が渡してあって、裏からではなく機械棟寄り
の出入口から機械棟へ至るという、一昨年即ち最初の年の形に戻った様子。
昨年は蓄電池棟を真っ直ぐ裏に抜けて、床の溝を渡らず迂回するようになっ
ていた。

 今日は「シェルパくん」の乗客も多いが、ハイカーも結構通りかかる。今
日の内部公開を知っててといった風でもなく、ヘタすると変電所跡そのもの
の存在を知らなかった様子の人もあったが、やはり皆、へぇぇ、とかいいな
がら以下同文。いやいやお客さん、今日来るなんて運が良いですヨ。



 暫くウロウロして、来た道を戻る。今日の「シェルパくん」はお昼抜きで
頑張るらしく、「文化むら」では1200の便のお客が展望デッキに犇いて
いた。

 さてお次は、ざんげ岩。今日は色々メニューが立て込んでるのである。

 通いまくりのざんげ岩というに、どうしたことか今年は、正月に登って以
来のご無沙汰ぶり。他の目的やら天候の兼ね合いやらで気が付けばそんな具
合なのだったが、廃止10年後の横川をざんげ岩より望む・・・・・これだ
けはやはり、押さえておきたい。

 前回(9/30)訪れた際には、駅前と登山口にこんな看板が立っていた。

    ”登 山 注 意!
     台風により登山道が大変荒れています。
     登山を自粛して下さい。”

 9月初旬に来た、台風9号の仕業である。ざんげ岩までくらいなら大丈夫
かなーと思ったりしていたが、さてさて気になるこの看板、今日見るとこの
「登山を自粛して下さい」の「を自粛」の上からシール貼って「登山に注意
して下さい」に変わっていた。登山「に」というのが妙な気もしたが、とも
かく早い話「止めとけ」から「気をつけて」へ警戒レベルが下げられたわけ
で、これなら安心して(?)登ることが出来るというもの。にしてもこれ、
確かめに行く人がいるんだよなきっと・・・・・ご苦労様です。

 麻苧の滝の手前で足元に土嚢が積まれてる箇所があったのと、3番目の鎖
場の取っ付きで根こそぎゴロンと倒れた木があったくらいで、登るのはいつ
もの調子で行けた。正月の時で既にそうだったかかもしれないが、鎖のアン
カーが抜けたのとか直してあったり、目印のペンキも付け直してあったり。
この季節に誘われてか、先客の足跡もちらほら。



 ざんげ岩着。

 只今、帰って参りました・・・・・そんな気分。

 丁度「シェルパくん」が戻ってくるところで、まずはその折り返しをぱち
り。これを丸山まで見送って、登る前に駅前で買っておいた釜めしを取り出
す。自販機で買おうとすると「釜めしと一緒だと¥100だよ」とおじさん
が指差したクーラーにあったお茶を、まずはぐびぐび。「その10年後の横
川」を見下ろしながら、釜めしを頂く・・・・・こうして食べるのも、結構
久しぶりだな。

 眼下に広がる、横川駅から「文化むら」、そして丸山、「峠の湯」へ至る
パノラマ。流れる雲がそこへ斑模様を描く。「シェルパくん」の後を追うよ
うに出て行く体験運転のロクサンや「文化むら」の展示車両達を、次々とス
ポットライトのように陽光がなめていく。「シェルパくん」がまた戻ってく
る頃には、ざんげ岩の陰が「文化むら」の中へ大分入り込んでいた・・・・・
秋深しですな。

 久々のこのまったり感を堪能したところで、上気していた身体もそろそろ
冷えてきたので、下山。



 空は雲が多いものの、晴れてはいた。これは、もしや・・・・・最後の1
往復を、ギラリに賭けてみようかしらん、というわけで、高速の下のギラリ
ポイントへ。最後の往路・・・・・薄日気味でギラリというより白くテラリ
といった塩梅。最後の復路は・・・・・駄目だぁ。「シェルパくん」の運行
も今月一杯、来年のお楽しみだろうか・・・・・って、日脚的に狙い目は
11月なんだがぁ。

 明日は月曜日、あまりゆっくりもしていられない。まだ明るい横川を後に
して、安中のカインズホームで激安ウーロン茶をシコタマ確保成功でウハウ
ハしつつ、高崎の書店で郷土本チェック、ついでに隣のバイク用品店を覘い
て、そろそろ帰りますかなと関越に乗るとこれが、ド渋滞・・・・・ああ、
そうだったか、うっかりフツーに行楽渋滞に乗っちまったわい、と上里SA
でウダウダと休憩。ピークは過ぎたかと思えば、渋滞に付き物の追突なのか、
事故が連鎖してるようでこれがなかなか引かづ。そろそろ厳しい身体で今入
れば次は自分かもしれず(ぉ、燃費ケチってというのもあって頃合を見計らっ
てたら結局、午前様。ううう。



(終)