***** 2011年5月8日 *****
(独り言)


 安政遠足。

 今年は中止だそうである。どうやら初めてのことらしい。

 この日へ向けて準備してきた人達は気の毒だけれども、これも空気、て
やつなのだろか・・・・・これまで「あさま」や「シェルパくん」と、ラ
ンナーをからめてみたことはあったけれど、そういや俯瞰で迎えたことは
無かったなー、というのと、一方久々に丁須まで歩いてみたいなー、とい
うのもあったりして、そんな具合で結構そのつもりでいたのだったが、中
止とあっては致し方なく。

 でもなー・・・・・丁須には聊かの未練あり、予報もそれを煽るような
好天で、本格的に暑くなる前に一汗かきに行ってみたい時期でもあり・・・
・・・遡ってみると、丁須は7年ぶり。んー。



 グースカ寝ながら電車を乗り継いで、横川着。9:00前とあっては駅
前もまだ静かなものではあったが、そういえば「碓氷関所まつり」も、安
政遠足と道連れで中止になったんだろか・・・・・全然その気配が無いの
である。

 駅舎はまだまだ改装中で、外の壁の上から煉瓦積みっぽい装飾が施され、
開口部でもないところのアーチは眼鏡橋を模っているのかもしれなかった
が、待合室は天井が抜けて吹き抜けになり、素朴な駅の味わいから一変、
清里あたりの小洒落た感漂う風情に化けそうな気配・・・・・「関東の駅
100選」に選ばれた時に、どこがポイントだったのか気になるトコロ。

 それはさておき、反対側へ回ろうとすると、自転車置き場が消えており。
そういや駅の正面のトイレの隣、前にジパング倶楽部か何かの小屋(?)
があった辺りに移動してて。どうもこれ、頭端式、とは厳密には違うのだ
ろうが、車止の外側に通路を作って、そっちから3番ホームへ渡れるよう
に、するらしく。バリアフリー化も兼ねるのか。

 すると、跨線橋は・・・。



 おぎのやドライブインをちらっと覗いて、「文化むら」が開いたところ
でそちらへ。

 シェルパくんは運休中。展示館の改築で園内の乗り物が運休する中、本
来シーズンオフのところを区間運転していた「シェルパくん」なのだった
が、いよいよいつものシーズンに戻って、今度はリターダーの不具合だと
かで「とうげのゆ」まで行けなくなったそうで、勾配の緩い「まるやま」
までの区間運転で頑張るも、他の不具合なのかどうかは不明ながら、GW
にとうとう、運休になってしまった。修理の手配中であるらしい。

 展示館の奥側・・・・・西館、と呼ぶそうで、GWより公開されたので
早速覗く。

 旧来からある方・・・・・こちらは東館、か・・・・・・には、あの建
替え前の小さな詰所みたいなところにあった、ロクサン装備のジャンパの
表などが置かれていて、やはり残ったかと安堵しつつ、さてさて西館・・・
・・・おおお、例の熊本から貰った回転変流器に、窮屈そうにしていたパ
ンタやらのパーツ類等々が、整然と置かれ。まだ仮置きなのかもしれなかっ
たが、この先当面は多少展示物が増えても余裕っぽく、さらには前は吹き
抜けだった空間に2階も出来ていて、ちょっとしたイベントくらいなら賄
えそうな余裕がある。

 そういや行き場が無さそうに資料館に据えてあった、研修用のロクサン
の配線を模したパネルも、こっちに来れば?

 ED42の位置は変わらないが、ピットの高さ(?)まで階段で降りる
ことが出来、アプト機構を下から覗ける。これまでED42は、ただそこ
にいるだけでヌシという風情だったが、ここにきて急に、お近付きにとい
うか、なんというか。



 園内をぶらりと回って、あー、行かにゃならんかな・・・・・まあ、そ
の為に来たんだしな・・・。

 登山口から、いざ、いざいざ・・・・・水分補給の燃焼系飲料(笑)共々
とはいえ特に荷物も重いという程でなく、ゼェゼェいうでもなく、なのに
なんだか身体が前に進まず、ざんげ岩までに45分くらいかかってしまい。

 丁度体験運転のロクサンが動いていた。3/10に整備に出て行った
12号機は4/26に帰って来て、今日は奥のヤードでお休み中なのだが、
その傍らを通り掛かり、4両揃ったところを、ぱちり。

 暫く寛いだところで、うーむ、腹括って進むかな・・・。

 この先へ踏み込むのは7年ぶり・・・・・あの時は「シェルパくん」運
転の為の、踏切の立体交差化工事をウォッチングしてたのか・・・・・ど
うも前に進まない身体を押し出すようにして、そのうちスイッチが入って
身体が軽くなる、アレ、が来るさとソレを待ちわびるのだったが、なかな
か来ない(苦笑)。

 まあでも、今日は時間的に余裕があるし、のんびり行こうか・・・・・
こんな場所あったな、そうそうコレもあったと、次々と現れる見覚えある
場所を懐かしみつつ、なんだかんだ言って前へは進んでる。汗ダラダラを
覚悟してたが、尾根を越す風が心地好い。背後でガサゴソ音がしたので振
り返れば、20〜30m後をでっかいイノシシが横切った(汗)。

 御岳の手前の岩を巻くところで小休止。丁度横川に115系の電車が着
くところで、これをぱちり。築堤の法面の草が伸びると浮かび上がる「旅
は国鉄で」の文字、通称「国鉄遺跡」はまだちと、時期が早かったか。

 御岳で、もう陰ってる眼鏡橋を無理矢理ぱちり。行く手には丁須の頭が
見える。あー、まだあんな小っちぇえかあ。



 このあたりは開けた尾根でのアップダウンで楽しい。スイッチの入るア
レ、は未だ訪れづ・・・・・風に当たりっ放しのせいか、風邪のひき始め
のようなイヤーな感覚が生じていたが、ようやっと丁須の頭着。ひい・・・。

 行楽シーズンのハズなのだが、御岳からの途中3人組とすれ違った他は
誰にも会わず、せいぜい先行する踏み跡を見たくらい。今年は特別なのか
な、やはり。

 ぱちりぱちり、パノラマカメラも交えて、がらしゃこん! とやりつつ、
からめる列車が来るわけでもなければ、iモードも届かないわで手持ち無
沙汰になったところで、鍵沢を降りる。沢に陽が射すうちにここを通ると
いうのは、ひょっとして初めてではなかろうか? 横軽廃止前では、大体
西日狙いで粘っていたものだから、降りる途中で日没ということも珍しく
なかったのだ。

 鎖を伝う、ジャラジャラという音だけが響く沢。この独りぼっち感を味
わいつつ、かつてはここを走って降りたこともあったが(笑)、今日はあ
らためて風情を味わい。沢では風に当たることもなく、風邪のひき始めの
ようなイヤーな感覚も引いた。やれやれ。第二不動の滝で小休止、この先
は普通の林道みたいなものだから気も楽にテクテクと進み、やがて木々の
間から「文化むら」が透けるようになり、登山口。あー、終わった。

 ギリギリ乗れそうな電車があったがそれはもう見送ることにして、まだ
まだ明るい中、踏破の余韻に浸りつつ駅へ向い、1739発だったかの電
車に乗り込む。115系のボックスを陣取り、靴脱いで足を投げ出す。今
日は横川へ訪れる人自体少ないように思われたが、この時間の上りでは途
中からの乗客も少なく、西日の風景を眺めながら、高崎まで、束の間の汽
車旅感を味わい・・・・・あの日を境に、何かと勝手の違う、或いは前提
のひっくり返ってしまった今年、いやそれは今年限りでもないのだろうけ
れど、この先、どうなっていくのやら。



(終)