***** 2012年1月8日 *****
(独り言)


 昨年11月に訪ねた後、「シェルパくん」の機関車を新造という報道が
あった。2013年のシーズンからの投入がターゲットという。

 昨年GW頃、自称(笑)DB20にトラブルが発生してそれ以降運休と
なり、ピンチヒッターの機関車を借り受けて夏頃運行を再開したものの、
しかし「峠仕様車」ではないため丸山までの区間運転に留まっていたのだっ
たが、いつまでもそうしておくわけにもいかない。

 とはいえ専用設計が施されているであろう「峠仕様」の、老朽化も進ん
でこの先維持費が嵩むかもしれない機関車をここで大枚はたいて直すなら、
いっそ新造してこの先の不安も払拭しよう、という判断なのだろうけど、
ひょっとしたら増備も視野に入っているのカモ。

 報道によると、10000型即ちEC40をモチーフにしたエクステリ
アのようなのだが、ボギー構造で車長も長く、EC40の軽井沢方の2エ
ンド側が、草軽デキのように、或いは無蓋車のように低く延長されて、ピッ
クアップトラックのように見える(笑)・・・・・いっそ重連風にしては!?
塗色などは公募らしいが、センス良く纏められることであろう、きっと。

 そしてDB20には、是非とも「文化むら」に帰って、いずれ黎明期と
呼ばれるであろう一時代を支えたその姿を、伝え続けて欲しい・・・・・
元の黄色の現役時代もアリかな。



 さて。

 昨年の秋頃に、丸山までの架線が撤去されてしまうという話を聞いてい
た。前回の訪問ではまだ工事の前だったのだが、どうも年内にも、という
話のようだったので、12月中にももう一度訪ねようかと思っていたのだ
が、ズルズルと年を越してしまった。

 一方横川駅の工事の様子も気になって、そのへんを見方々、今回は軽井
沢まで歩こうかなどという目論見である。

 いつものように高崎線では途中ブラックアウトで、目が覚めると斜めス
トライプの185系が見えたりして、乗り継いで横川着・・・・・なんか
三脚持った人が乗ってたけど、今日は何か来るのかな?

 駅のホームの木造の屋根はすっかり無くなって、新しいのが出来てきて
る。3、4番の方は跨線橋の辺りだけ新しい屋根がかかってたが、他は青
空状態。前回それを認めながらスルーしてしまったが、ホームの駅名標は
普通のJR東タイプに、なってしまっていて。例の眼鏡橋とヘールボップ
彗星の写真のものは、もう残っていない様子。

 思えば国鉄タイプからあの写真タイプに変わっておよそ15年、恐らく
横川駅的には今回初めてJR東タイプの採用ではないかと思うが、民営化
から四半世紀・・・・・じっと手を見る。



 おぎのやドライブインを偵察。紅葉クッキー、なるものが出ててこれは
多分ごく最近のものと思われる。考えてみれば動揺「紅葉」のご当地で押
してきた割には、こういう商品は意外とこれまで、無かったような気も。

 おぎのやキューピーがあったが、前からあったか持ってたか、ワケ判ら
なくなってたのでひとまず保留(苦笑)。

 そんなこんなで駅の方へ戻ると、見覚えのあるクルマが向うから来る・・・
・・・いやあでも珍しいクルマじゃないし・・・・・でもナンバーが・・・
・・・あれれっ?

 峠仲間とばったり(笑)。

 聞けば昨夜急に思い立った由。あれま。こちらはこちらで、本当は1/3
・・・・・昨年肉離れした日・・・・・にでも思っていたのだが天候が不
安だのなんだので気分が乗らず、昨日来るつもりが起動失敗でフテ寝、そ
して今日の仕切り直しなのだったが、こりゃ「見えざる手」だったのか?

 思えば横軽最後の年の元日にも、申し合わせるでもなくばったり会って
たりなのだったが、そのまた前にも、こちらがざんげ岩で撮っていたら、
その後姿を御岳東稜から撮られていたり(爆)と、まあ、そういう間柄で
はある。



 近況やら今日の予定やらを話して、それぞれ目当てが違うようなのでそ
れじゃあまた、ということで・・・・・久しぶりにざんげ岩でもと誘った
ら、丁重に断固断られた。

 そう、今日はまず、ざんげ岩で。工事中の駅の定点観測もさることなが
ら、最近買ったコンデジの、ミニチュアモードを試したい部分も、多少あ
り(笑)。折角そういうモノがあるのなら、ただでさえスケール的にNゲー
ジ並に見える「文化むら」を、ベタベタにオモチャっぽく撮ってみたくな
るのも人情ではないか。

 凍結してる麻苧の滝をチラ見しつつ、えっちら、おっちら・・・・最近
不摂生してるのですぐ息が上がって動けなくなるかと思いきや、これが
35分ほどで到着。やるな俺。

 早速ミニチュアモードを・・・・・あっはっはっはと笑いが出る程の、
このベタさ加減。匙加減が意外と難しいが、これでまずはぱちりぱちり。
おっと、メインの一眼レフで撮るのを忘れかけてたわい。

 「シェルパくん」はオフシーズンの筈だったが、丸山までの区間運転の
間はずっと走らせるらしい。借り物だから寝かせてても料金発生するだろ
うしなあ・・・・・というのは邪推かもしれなかったが、走ってくれてる
のは有難い。

 で、来る途中気になった、見るからにといった風情の三脚の人達・・・・・
高崎方の第十五中山道踏切辺りを見ると、結構クルマが止まってて。こりゃ
SL碓氷だったかなーとケータイでプチプチ調べてみれば、「SL新春碓
氷号」みたいですな今日のは。普段とちょっと違うみたいで・・・・・到
着はえーと、1144・・・・・1時間以上あんじゃんか。

 冬の蒸機・・・・・うーん、待つか。

 ピーカンの下遠くに煙が見え、上信越道潜ってカーブを曲がり、そして
現れた。R18を走る車が、えっ、といった具合に次々脇に寄せて止まっ
てる(笑)。

 これを駅に着くまでぱちりぱちりと追い、またまたミニチュアモードで
撮ってみたり・・・。



 頃合かと下山して、お次は「アプトの道」・・・・・蒸機待ってたら文
化むら寄る暇なくなった。

 その入口までやって来ると、工事の看板がある。この先通行止、1月
10日〜2月15日・・・・・別のには29日とも書いてあるケド・・・・・
恐らく例の架線撤去工事のことと思われるが、まだ始まっていなかったの
か。この連休明けからというから、今回が工事前の最後の見納め、か。

 ならばと意識して架線を写真に収めつつ・・・・・変電所も特に変わっ
た様子は無いようで、カメラの機能でアレコレ遊びつつ、テクテクと歩い
て行く・・・・・予報では相当寒そうだったので少しばかり厚着してきた
が、暑い・・・。

 碓氷湖を横目に過ぎ、第三隧道手前だったろうか、前方左手から何かが
出て来て、横切った。前を行くハイカーがその先を見上げてる。もしや・・・
・・・近付いてみれば果たして、カモシカ。人目を気にせず笹か何かを食
んでる・・・・・前に見たのは、廃止の半年くらい前だったか矢ヶ崎峠へ
分け入った帰りで。あの時は降りたい先にいたものだから、暫く動くに動
けなくなって・・・・・それ以来とんと縁が無かったが、しかしこんな人
の気配アリアリなところで、会うとはな。

 眼鏡橋へ出て、第六隧道の10mばかり入った先のベニアのバリケード
は相変わらずのようだったが、その向こうでは着々と、工事が進められて
いる筈で・・・・・今年の夏、いやGWあたりとか、だったかな?



 眼鏡橋の駐車場が案の定ブラックマークぐるぐるになってるのを横目に
国道を歩く。C=60の第五橋梁のところでは、国道から「アプトの道」
へ登れる階段を造っている最中で・・・・・むしろ降りて来て橋を眺める
感じカモ? この橋結構いい感じだし。

 C=83の駐車場になると思われた辺り、最初は眼鏡橋の駐車場と同時
進行的に造成されて、こちらはそのままストップしていたが、また工事が
再開されたようで。熊ノ平信号場跡を見上げると、ここでも国道から上が
る階段が造られてて。ナルホド見えてきた感じですな。そういえば熊ノ平
が駅だった頃の名残の玉屋跡だとか、今どうなってるのかな・・・。

 さらに進んで、熊ノ平へのトンネル入口までやって来ると、あれっ、今
朝見たクルマが降りて来て。

 またかあ(笑)。しかもここで門扉撮って、あとはひたすら歩くだけ、
カメラもしまおうかと思っていたまさに、この場所このタイミングで・・・
・・・いやマジで、全然申し合わせてないんで。

 横川行の終バスには間に合うな、というスケジュール感ではあったのだ
が、上どうでしたあ? 変わってませんねえ、でもう歩くモチベーション、
ゼロ(苦笑)。下まで乗っけてもらうことにする。

 おぎのやドライブインでお茶などして、彼のコレクションの古い絵葉書
を見せてもらい、これはあそこで、コイツが多分アレで、などと。

 明治の頃は盛んにこういった絵葉書が作られていて、恐らく現代の我々
とは絵葉書の捉え方や使い方に多少ギャップがあるのか、内容を読むと写
真の内容とまるで関係のない用件で使われたりしてて・・・・・絵葉書の
題材自体も、こんなもん面白いのか? と正直首を傾げるような、手当た
り次第作って売ってた風な気配アリアリなのだが、小さいところが沢山、
やってたんでしょうなあ。

 で、物珍しさ満点のこの鉄道も段々飽きられて、ED41以降の時代に
は殆ど出回らなくなってる由・・・・・先日前橋の県立図書館でそれを見
かけて、そうだあったあったやっぱり欲しいかな、とその後速攻で求めた
「絵葉書に見る懐かしの鉄道 上信越・中央線編」にそのへん、書いてあっ
た。



 そんなこんなで、廃止から15年を迎える今年。「アプトの道」がそこ
に花を添える・・・・・と言っては全く妥当でないけれど、2つの意味で
の区切りであることには、違いなく。ここまで長かったようでもあり、次
の「その先」への確かな歩みでも、あり・・・・・それは例えば、シェル
パくんだとか。


(終)