***** 2015年5月17日 *****
(独り言)


 あまりにも身体が鈍ってるので、久しぶりに丁須を歩こうかと。歩くな
らどこの山でも良さそうなものだが、そこはそれ、現状維持の法則ってヤ
ツ・・・・・ホントかね。

 本当は先週の「安政遠足」に合わせようかと思っていたのだが、色々あっ
て今週になった。手元の記録では丁須へは4年ぶりだったが、途中のざん
げ岩が1年ぶりというのは、我ながら長い。

 今春のダイヤ改正で上野東京ラインが繋がって、東海道線からそのまま
高崎まで行けるようになった。一番早く着けるパターンでは相変わらず上
野乗換にせざるを得ないが、その次なら寝てれば着くのだから有難い・・・
・・・そんなわけで早速、直通に乗ってみたわけで、座れるのかという不
安はあったものの、まだ早いだけあって空席はあって、さらに東京でドッ
と空いた。ふむふむ。

 寝てる間に高崎着いて、乗り換えて横川。天気は上々、ざんげ岩も、遠
く五輪岩もクッキリ。丁度開店のおぎのやドライブインに入り、まずは釜
めしを・・・・・今日は上まで運び上げる気力もないので、ここで平らげ
る。

 善光寺ご開帳記念の掛け紙の、釜めし。前回(2009年)から始まっ
たと思われるコレを、今回もゲット。因みに前々回(2003年)では掛
け紙はノーマルだったが、軽井沢駅で立ち売り復活、なんてのがあった。

 土産物をチェック。最近「あんなか碓氷の水」というペットボトルが造
られたらしいのだが、ここに置くような感じではなさそうで・・・。

 一方、釜めし持ってるぐんまちゃんのぬいぐるみ!

 なんと。前回2月の訪問の時には、まだ無かったハズ・・・。



 いつもの登山道入口で軽く身支度して後、いざ、まずはざんげ岩へ。昨
日雨が降ったようなので少々気懸りだったが、意外や足元はドライで、蛭
がウニウニ這い上がって来るようなこともなく、歳より不摂生と思われる
重い身体・・・・・小休止で呼吸が整っても気持ちが前へ行かないこの感
じ・・・・・で随分と時間がかかりつつひいこらと、ざんげ岩着。

 安政遠足は逃したし、今日は蒸機が来るでも無し、一眼レフ出すまでも
ないかと、シェルパくんや体験運転のロクサンを、コンデジでパノラマや
らジオラマモードやらで、遊んでみたり。

 そんな所で気付いたのだが、「シェルパくん」の客車の側面の、朝焼け
か夕焼けを思わせる稜線のシルエットの絵が、無くなっており。ただただ
茶色の客車になっている。これは色が焼けて新しいのを用意しているのか、
はたまた単色塗りに改めたのか・・・・・前者であればシーズンオフの運
行休止中にやるハズだろうし、今後はコレってことなんだろか。

 もひとつ、静態保存のキハ20になーんか違和感あると思ったら、屋根
が真っ赤だ。よくよく見れば1/3くらいはねずみ色で、屋根に人が乗っ
ているのが見える・・・・・整備ご苦労さまです。



 さて進もうか。4年ぶりの道へ入る。途中隙間から見える風景をぱちり
ぱちりと撮りながら、御岳手前の岩を巻く鎖場の上でまた小休止。今巻い
た岩越しに丸山を行くシェルパくんをぱちり、ほぼ真横の横川駅を、ぱち
り。

 そろそろ行こうかというところで、列車の走行音が聞こえてきた。なん
だか長そうだ。ハテ何が来たかと見やれば、「ゆう」である。今日は何も
無いつもりでいたから、思わぬ拾い物。

 御岳頂上着。一息入れてるところへ、3人連れの兄ちゃんと行き違う。
話の加減からすると、籠沢から登ってきた風だったが、バテバテの我が身
との、なんとも対照的な・・・。

 ここから眼鏡橋が見えたハズ・・・・・遠くてやや霞む上に午前順光の
眼鏡橋は既に背景に埋もれそうになっていて、さらに伸びた枝葉がチラチ
ラ邪魔するので、見付からないわすぐロストするわ。コンデジで済ますつ
もりが狙いが定まらず埒が明かないので、一眼レフを取り出し、枝をかき
分けどうにか、ぱちり。まあ来たよという記念程度のモノで。



 妙義湖を横目に岩の尾根歩きなどウハウハの筈なのだが、どうも身体が
付いてこない感じを覚えつつ、やっとこさ丁須。丁須の岩の肩まで行く気
力もなく、沢を挟んだ岩の上に荷物を放り出す。三方境の方から1人やっ
てきて、足元を通り過ぎた。どうも。

 時計を見れば「シェルパくん」の最終上りが、もうすぐ「とうげのゆ」
を出る頃合。あまり撮る気満々でもなかったので便利ズームの一眼レフか
コンデジしかないのだったが、ならばと、ちょっと遠いがRAWとまでは
言わずともファインモードでやる気を駆り立てたりして。

 コンデジで360°パノラマなど撮りつつその時を待って、そろそろか
と凝視していると、峠の湯の建物の横から出て来るのが見えた・・・・・
気がした。暫く死角に入ってしまい、次に見えた時は待ったなし。いいね
この緊張感。

 やがて木の間にチラッと見え、丸山変電所前を過ぎて、上信越道の下へ
顔を出す・・・・・かつての「あさま」であればそれなりの編成で、そこ
そこ絵になっていたが、全長30mかそこらと思しき「シェルパくん」で
は、殆ど豆粒・・・・・うーむむ。



 ここまでずっと歩いてきた山の陰に隠れるまで「シェルパくん」を追っ
て、さて、撤収!

 いつものように時計回りで鍵沢を降りる。毎度のことながら、じゃら、
じゃら、という鎖の音と、まだまだ残る昨年の落ち葉を踏む音ばかりのこ
の、ぼっち感、がなかなか良くて、少しひんやりしてきた空気もまた心地
良く。しかしやはりどうも本調子ではない感じ・・・・・第二不動の滝ま
で降りてきて、頭から水をかぶるとやや持ち直し・・・・・やはり熱中症
気味だったカナ。まだそう暑いわけでもなく、飲料は1.5L程背負って
きてて、ペース配分を読みつつチビチビ飲んでたが、思いの外身体から蒸
発しまくってたかも知れづ。

 暫く岩に座り込んで、回復を待つ。ここから先は殆どただの林道だから、
もう楽勝・・・・・のハズだった。

 思う程ペースが上がらないので、帰りの電車は1本遅らせるかと腹を決
め、ザクザクと降りて行くのだったが、国道の往来の音が近くなってきて、
やれやれもうすぐ出口だと思われたところで、行き止まり。

 え?

 こっちへ行けとある方へ進むと、あれれこんなだったかな、こんなだっ
けか、と言ってるうちに、ロープがぶら下がってる斜面に出た。

 え?

 土の斜面がボロボロ崩れ、ちょっと動くだけでザザーッと随分下の方ま
で土埃が上がる。こりゃ下にいたらたまったもんじゃないナ・・・・・い
やいやいやいや鍵沢コースは何度も来てるし、ざんげ岩の方より印象が薄
いとはいえ、こんなではなかったハズ・・・・・訝しみつつ降りると今度
はアルミの梯子が固定されてて、いよいよもって、コレジャナイ・・・。

 梯子を下り、またロープに掴まり、やっとのことで登山口まで辿り着く
と、果たして出た場所が微妙に違う。これは碓氷簗の所の吊り橋が無かっ
た頃の、鍵沢入口とざんげ岩方面を結んでた道ではないか。この道は廃道
同然になっていたが、一部だけ暫定的に鍵沢コースに転用しているらしい。

 ともかく登山道を降り切ったことに安堵しつつ、碓氷川の橋へ向かうと、
ほーらやっぱり、本来の鍵沢コースの登山口があるでわないか。ロープ張
られてるけど・・・・・そういえば前回通ってから4年の間に、土砂崩れ
かなにか、あったんだっけか?

 碓氷川を渡り、R18へ向かう道路を進みながら振り返れば、果たして、
鍵沢コースの本来のルートのあたりが、結構上の方までザックリと、崩れ
ており。こりゃあ、駄目だわ・・・。



 鍵沢コースの最後で余計な時間がかかったが、当たりを付けた電車には
どうやら間に合った。半ば呆けて高崎まで揺られ、乗り換えの合間に駅ナ
カのコンビニに寄れば、「おぎのや」の限定おにぎりが売られてたので、
これを確保。あとはもう東海道直通で、寝てれば帰れる・・・。

 上野をそのまま過ぎる幸福に包まれつつ、東京を過ぎ東海道を下って、
さて降りるか、といったところで、立ち上がれづ。

 え?

 一瞬動揺する。疲労感というより、脳の指令が届いてないというか、腰
が抜けたというか・・・・・えいやっと立ち上がってしまえばどうという
ことはなかったが、あーびっくりした。なんだろこの、堪え方の、重さわ
・・・・・ぢつと手を見る。



(終)