***** 2015年7月4日 *****
(独り言)


 碓氷峠浪漫倶楽部から、会報創刊号が届いた。2月の設立総会から近況、
今度の予定など・・・・・おっ、近代化遺産の日の全国一斉公開での、丸
山変電所跡公開の日程が、もう出てる。スバラシイ。10/31〜11/3
・・・・・今年はちょっと短いか。

 活動の希望アンケートの集計では勉強会がトップ、現地講習会、史跡調
査ウォーキングと続く・・・・・このあたりは追々楽しみに。Webは準
備中、と。



 さて。

 ホタルの季節。

 今春10周年を迎えたシェルパくんと、今年もやって来た「ホタルの里
まつり」。で11年目・・・・・うち休止は2年?・・・・・の、夜汽車
シェルパくんである。

 ダイヤは今年も変わらず。土曜だけというのも変わらず。

    ぶ    と
    1830─┐
      ┌┘1900
    1930└┐
      ┌┘2000
    2030└┐
      ─┘2100

   #ぶ:ぶんかむら と:とうげのゆ


 本題は日没後だが、毎度ながら本日も早朝の出立。道中雨が降ったり止
んだりだったが、横川は路面も乾いていて、こっちはなんとか持ちそうな、
といった期待も少々。

 いざという時間帯の天候が分からないので、雨でなかったら俯瞰しちゃ
いますか的なトコロも考えつつ、基本雨の前提で、あそこで撮ろうか、こっ
ちで撮ろうか・・・・・とにかく土曜日のみになってからこっち、フィー
ドバックのしようが無い一発勝負だから、脳内シミュレーションするしか
なく。

 初便のシェルパくんと、これに続くロクサンを見送って、とりあえずの
ざんげ岩。抜けは悪いが、先々月丁須へ歩いた際の撮りこぼしみたいなも
のもあって、ダメモトで押さえに・・・・・とこれが、雨上がりの登山道、
案の定ウニウニと靴を這い上がってくる蛭。10mくらい進んでは靴を見
て、ヤツがいれば指でピンピン弾きまくる。

 それよりこの湿度、汗が蒸発せず、そう高くもない気温の中イヤーな予
感も漂ってきていたが、どうにかざんげ岩に着いて、写真撮って、来た道
を降りて、最後の鎖場に差し掛かる頃・・・・・チクッ・・・・・あっ。
クソッ侵入を許したか・・・・・速攻降りて靴を脱げば、ウニウニとヤツ
がいやがる。まだ早くて済んだか出血ダラダラの具合もさほどではなく、
ティッシュ畳んで靴下の中に挟んでとりあえずの止血をし、一旦忘れる。



 峠の湯の復旧工事を見つつ、1年ぶりの峠道を登って・・・・・途中ま
た原水協の一行を目撃、毎年この日程で行脚してるのか?・・・・・ぐるー
りと吾妻線の付け替わった新線と、安中榛名でちょい鉄、再び横川へ戻っ
て一周。

 日も暮れてきて、いよいよ本日のメインイベント。

 雨は降っていないが、昼間の蛭に懲りて俯瞰は戦意喪失、沿線で撮るか
と・・・・・大方撮ったような気はするものの、撮り切れたとまで言って
しまうには程遠く、銀塩時代のや、旧いデジのや、詰めの甘いのの撮り直
し、まで考え出すともう、永遠に終わらなそうな勢いである・・・・・そ
の上このところは年に1晩きりの運行、光線も刻々と変わる中とあって実
質年に1箇所しか選べないから、どう撮るかという選択は、そこそこ重い
・・・・・なので空振りだけは避けたい。

 今年の一発勝負・・・・・思案を巡らせた末、県道のオーバークロス付
近で、ロクサンとの並びを狙うことにした。蒼く沈んだロクサンの横を、
やはり蒼く沈んだシェルパくんが、ライトを点けてやって来る・・・・・
そんなイメージで。1往復目は周囲がまだ明るいので、余裕で流す。

 いや、全然余裕では無かった・・・。

 どうもシェルパくんのライトが、こっちを真っ直ぐ向いていて明る過ぎ
る・・・・・かもしれない。カーブで向きは変わるし、本命の2往復目で
賭けてみるか。今更他が思い浮かばないし。



 そのうち雨がパラパラ降り出した。俯瞰行かなくてよかった・・・。

 1往復目の復路のシェルパくんのヘッドライトに、ロクサンが浮かぶ様
も期待していたのだが、濡れたロクサンは反射しまくり、さらにシェルパ
くんの今の機関車の光源がLEDなものだから、前の機関車(自称DB20)
の時のように柔らかく顔全体が浮かび上がることもなく。アチャー、空振
りか。

 いやまだ2往復目の往路がある・・・。

 しかし案の定、ライトが明る過ぎてレンズの性能を虐めまくるような結
果に終わり・・・・・本命でのこの大空振りに、今年は何も無しか、無し
なのか・・・。

 だが一方で脳がフル回転を始めた・・・・・1往復目の復路での一瞬を、
見逃してなかった。カメラにはちゃんと残っていた。シェルパくんの室内
灯に照らされるロクサンが。

 それか。それだ!

 その程度の・・・・・手足れの者であればそう言うだろう。だがここで
一杯々々の身には、これを僥倖と言わずしてなんとする。とにかく今年も
これで、どうにか何か残せる・・・・・先程の露出データから、あーでも
ないこーでもないと、光線を読む。

 やがて2往復目の復路が降りてきた。ヘッドライトはもうどうでもいい。
シェルパくんの最後尾が過ぎ、その室内灯に浮かぶロクサンの顔が見える
その瞬間に、賭ける・・・・・カシャ、カシャ、カシャ、カシャ・・・・・
どうか? どうだ?

 とりあえず、全くの手ブラで帰ることだけはなくなった・・・・・か。



 すぐさま撤収して「文化むら」へ向かう。今年も最終の往路に乗るのだ。

 僅か数人しかいない乗客の1人となって、先頭に陣取る。昨年、丸山変
電所跡を狙った露出が芳しくなかったので、カメラも新しくなったことだ
し、うんと高感度にして撮ってやろうかと。

 やがて発車。暫く進むと、車掌さんから衝撃のアナウンス・・・・・
「ホタルの里まつり」は、来年が最後となるかもしれない? もしそうな
れば、このシェルパくんの運行もそれとともに無くなる??

 えーっ!

 「ホタルの里まつり」は、横軽廃止の少し前に始められてたのを記憶す
るので、かれこれ20年は続いたろうか。幟を立て、会場の国道側に遮光
幕を張り、会場の模擬店を出すという当日を挟んだ諸々の作業のみならず、
ホタルの生息環境・・・・・放してるのでなく天然らしい・・・・・を整
備するという、地道な取り組みである。

 これが始められた頃は、横軽廃止後の地域の行方がまだよく見えない時
期だったと思う。「文化むら」や「くつろぎの里」や「峠の湯」や「アプ
トの道」も構想はあったとしても本決まりではなかったろうし、そんな、
恐らく危機感もあったであろう中での、町おこし活動だったのだろうなと、
外野からはお見受けした。

 客足なのか、人手なのか、終わってしまうかもしれない、という事情の
実際のところは何も知らないが、始めた当時生まれた子供も成人するスパ
ンの中で、何も変わらないと考える方が、不自然なのかもしれづ・・・・・
昨年と今年は「峠の湯」の休業が響いているとも考えられ、それが復活し
ている来年の状況を見て判断、ということなのかもしれない。



 列車はゴトゴトと進み、丸山変電所・・・・・あろうことかカメラの設
定でアタフタしてるうちに肝心のところを逃し・・・・・を過ぎ、急勾配
を登って「とうげのゆ」へ。車内は窓際に風鈴が下がってて、それらが揺
れる様もパチリパチリと。

 峠の湯が休業中なので、駅周辺は今年も真っ暗なのだったが、手持ちで
どうにか「シェルパくん」の佇む様をパチリパチリ。なかなかライトを点
けてくれないのも昨年と変わらずだが、それが点き、出発して行く様を流
して、パチリ。

 ホタルの里まつり会場でチラ見でもしようかと考えていたが、食べ物も
終わってるだろうしと思うとあまり気乗りしなくて、今年はそのまま失礼
して国道へ出て歩いて横川まで降りて、クルマ乗って、いつものように高
崎の書店で郷土本チェック・・・・・あららグラフぐんまが無い・・・・・
して、関越乗って上里SAで夜食の後、走りながら欠伸が止まらなくなり
涙ちょちょ切れ、MADMAX新作のサントラでアゲアゲを試みるもとう
とう三芳SAで諦め、ちょっと仮眠のつもりが次の瞬間明るくなってて。
またか。まただ。


(終)